野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

世界記録を守護した数珠(覚悟のすすめ)

2009-02-19 19:39:23 | Stove League
覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87) (角川oneテーマ21)覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87) (角川oneテーマ21)
著者:金本 知憲
販売元:角川グループパブリッシング
発売日:2008-09-10
おすすめ度:4.5
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連続フルイニング出場」世界記録を更新中の著者。その最大の危機は、2004年7月29日のvs.中日ドラゴンズ20回戦(甲子園)。左腕・岩瀬仁紀から左手首に死球(デッドボール)を喰らった! その瞬間を観ていた者なら、誰もが「骨折」の二文字を思い浮かべただろう。それほど衝撃的な瞬間だったが、結果は「左手の軟骨が剥がれた」だけ。
 これ以降、著者には“鉄人”の二文字が冠されることになるのだが、しかし、それには深い理由があった。それは≪数珠≫。左手のリストバンドの中に巻かれていた≪数珠≫が、著者を守護した。

金本知憲 祝!2000本安打達成への軌跡 [DVD]金本知憲 祝!2000本安打達成への軌跡 [DVD]
出演:金本知憲
販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008-07-16
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 実は阪神タイガースには行きたくなかった、著者。それまで10年連続Bクラス(最下位が6度)。FA(フリーエージェント)で移籍してきた選手、片岡篤史星野伸之や(あるいは)石嶺和彦山沖之彦が悉く成功しなかった歴史がある。……その事実の前に躊躇した著者。

 そんな著者を翻意させたのが、前年(2002年)監督に就任して、チームを4位に引き揚げた「あの」星野仙一現SD(オーナー付シニア・ディレクター)。「ありがたいですが、行けません」と断った著者に「何を言うとる!」と叱咤し、「タイガースに来なければブン殴るぞ!」とまで“言及”した星野監督。その(強引なまでの)熱意に打たれ、「わかりました。お世話になります」……全てはここから始まった。この人から……!

【週末読む、観る】】金本知憲著『覚悟のすすめ』(MSN産経ニュース)

夢 命を懸けたV達成への647日夢 命を懸けたV達成への647日
著者:星野 仙一
販売元:角川書店
発売日:2003-10-03
おすすめ度:4.5
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真っ向勝負のスローカーブ (新潮新書)真っ向勝負のスローカーブ (新潮新書)
著者:星野 伸之
販売元:新潮社
発売日:2003-05
おすすめ度:4.5
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そして日本一のチームは崩壊した…(阪神タイガースⅡ)

2009-02-15 09:35:10 | Stove League
阪神タイガース (新潮新書)阪神タイガース (新潮新書)
著者:吉田 義男
販売元:新潮社
発売日:2003-09
おすすめ度:4.5
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小山入浴事件」。何のことかと思ったら、1962年(昭和37年)の日本シリーズ。東映フライヤーズ(現・北海道日本ハムファイターズ)との第7戦。「0対0」で延長戦に突入し、【10回表】にフライヤーズが1点を勝ち越すが、その裏タイガースも追いつき、【11回表】へ。しかし、マウンドに立つはずの先発、小山正明投手の姿が無い。【10回表】に勝ち越され、諦めて風呂に入っていたらしい。
 先発・中継ぎ・抑えの分業制が確立していなかった時代の悲喜劇だ。この後【12回表】に(再度)勝ち越され、日本一を逃したタイガース。……「あの」1985年(昭和60年)まで歓喜の瞬間を待たなければならなかった。

 その歓喜の≪日本一≫の後、チームは崩壊していく。(前年たかだか)13勝を挙げたリチャード・ゲイルが「エース」気取りで、チームの和を乱し、≪一蓮托生≫だった筈の投手コーチが退団。挙句の果てに「三冠王」ランディ・バースが「監督批判」。

 2年後の1987年(昭和62年)には(オープン戦後半の)3月下旬、「主砲」掛布雅之が(深夜の名神高速道路で)酒気帯び運転で逮捕。そのとき警官に向かって「オレは阪神の掛布だぞ!」と凄んで見せたらしい。……増上慢に陥っていた“ミスタータイガース”。

 著者は「故障を防ぐためにも、たっぷりランニングして、下半身を鍛えろヨ」とアドヴァイスしていたそうだが、聴く耳を持たなかった主砲。その後も下半身の故障を繰り返し、1988年(昭和63年)33歳の若さでユニフォームを脱ぐことになる。……≪夢≫は短かった。

掛布さん自宅を差し押さえられる 市税滞納で「一時的に」(MSN産経ニュース)

決定版すぐに役立つメジャーリーガーのバッティング教室―連続写真で打撃フォームのポイントを徹底分析 (B.B.MOOK―スポーツシリーズ (451))決定版すぐに役立つメジャーリーガーのバッティング教室―連続写真で打撃フォームのポイントを徹底分析 (B.B.MOOK―スポーツシリーズ (451))
著者:掛布 雅之
販売元:ベースボール・マガジン社
発売日:2006-12
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優勝の陰に“よっさん”あり(阪神タイガース)

2009-02-12 19:32:52 | Stove League
阪神タイガース (新潮新書)阪神タイガース (新潮新書)
著者:吉田 義男
販売元:新潮社
発売日:2003-09
おすすめ度:4.5
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 先日(2日)亡くなられた山内一弘さんは(著者の)「第一次吉田内閣」(1975年~1977年)でバッティングコーチを務められたが、田淵幸一さんもマイケル・ラインバックも掛布雅之さんも「山内教室」の門下生。その(指導の)基本理念は「もっと脇を締めて! バットを立てなきゃダメだ! コンパクトなスウィングでヘッドを利かせんるんだ」だったらしい。……ご冥福をお祈りします。

 そういえば、マイケル・ラインバック。阪神タイガース・ファンは「マイク・ラインバック」で憶えていたが、それは通称(登録名)だったらしい。本名は「マイケル」。初めて知った。そういえば、そうか……ファンに愛された彼もまた“鬼籍”の人だが。

≪眼力≫という括りで捉えれば、この吉田義男元監督も「なかなか」のもの。1997年のオフに実現した中日ドラゴンズとのトレードで「あの」矢野輝弘の獲得を推進したのは著者。≪優勝チームに名捕手あり≫。この著者の眼力が無ければ、その後の二度の優勝は無かったかもしれない。

 1985年の「第二次吉田内閣」の際には、前監督の来シーズンの構想で「不要」とされていた(来日して2年が経過の)ランディー・バースの「残留」を球団に強く訴えたのも著者。「あの」バースが解雇されかかっていた! 「あの」バースがいなければ、その年の(18年ぶりの)≪優勝≫≪日本一≫も無かっただろう。……節目節目でタイガースに重要な貢献をしている著者だ。

山内一弘氏が死去 「打撃の職人」、元中日・ロッテ監督 (MSN産経ニュース)

“ムッシュ”になった男―吉田義男パリの1500日“ムッシュ”になった男―吉田義男パリの1500日
著者:川上 貴光
販売元:文藝春秋
発売日:1997-10
おすすめ度:4.0
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10月から改装工事を行なう決定を下した人達(頑固力Ⅱ)

2009-02-07 19:26:20 | Stove League
頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)
著者:岡田 彰布
販売元:角川SSコミュニケーションズ
発売日:2008-11
おすすめ度:3.5
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 ファンならば誰もが思っていたことだが、昨シーズンの終盤=10月から阪神タイガースはホーム=甲子園球場を使用できなくなった。リニューアル(改装工事)の為だが、しかし何故10月から? たとえあのまま優勝していても、日本シリーズで甲子園を使用できなかった。こんなこと前代未聞である。そんな決定を下したフロントに、著者は(ファン同様)怒り心頭だったらしい。

 著者が二軍監督時代(2000年~2002年)上司(一軍)は「あの」野村克也(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)監督。「濱中はどうや?」と聴いてきた監督に対して、「関本健太郎」(当時)を推薦した著者。

 監督はその推薦を無視して、濱中治(現オリックス・バファローズ)を一軍登録。1996年のドラフト同期生の二人。しかし今やくっきり明暗が分かれた。推薦をした著者の≪眼≫の方が正しかったことを、現在の両者が証明している。“名将”と呼ばれる男を上回る≪眼力≫を持つ男、著者だ。

「枯れたヒマワリを咲かせたい」 中村紀の楽天入り濃厚か(MSN産経ニュース)

岡田の決断―岡田彰布という男岡田の決断―岡田彰布という男
著者:改発 博明
販売元:神戸新聞総合出版センター
発売日:2008-12
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球児を救った男(頑固力)

2009-02-03 19:20:53 | Stove League
頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)
著者:岡田 彰布
販売元:角川SSコミュニケーションズ
発売日:2008-11
おすすめ度:3.5
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 1980年から(ずっと)ユニフォームを着続けてきた岡田彰布(前)阪神タイガース監督。今年は「札幌雪祭りに行きたい」と話していたが、その願いは叶わず、CS(sky-A)『猛虎キャンプリポート2009』のゲスト・コメンテーターとして、沖縄・宜野座村へ。……これから何年、雌伏の年を数えることになるか? 

 意外だったのは「あの」藤川球児(WBC日本代表候補)が、2003年のオフに「戦力外通告」されかかっていたこと。そういえば、入団当初は「江川卓のように」の期待を込められて、背番号「30」を背負っていたが、鳴かず飛ばずで途中で(名前を捩った)背番号「92」に変更させられた。(屈辱的…)

 そんな球児を救ったのが、2004年から監督に就任した著者。球児の特性を活かして、セットアッパーに配置。それが見事に開花(奏功)して、後の『J.F.K』誕生に繋がる。昨シーズンの著者の最終戦で、球児が流した涙には、そういう理由(わけ)があった。……人間ドラマには、こういう書に触れなければ“謁見”できない。

「充実した5年間だった」阪神の岡田監督が退任会見(MSN産経ニュース)

藤川球児 ストレートという名の魔球藤川球児 ストレートという名の魔球
著者:松下 雄一郎
販売元:ワニブックス
発売日:2007-12-09
おすすめ度:3.5
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プロ野球タブーの真相(別冊宝島)第3章

2007-01-16 20:46:59 | Stove League
 第3章は「栄枯盛衰巨人軍」。最後の章は丸々「巨人軍」の記事だから、この別冊宝島の根性が知れる。未だに巨人中心主義を唱えているのは、テレビ局を含めたマスコミだけ、である。あるいは、星野仙一(阪神タイガースSD)か、長野久義(日本大学)の二名か。何とか巨人軍に復活してもらいたい、また昔みたいに先頭に立って、引っ張って行って欲しい……そういう願望に溢れた記事のオンパレード、だった。途中で読む気力が無くなりそうになったが……

 桑田真澄(ピッツバーグ・パイレーツ)の退団は折り込み済みだったが、李承の「残留」は意外だった。この本も李の退団が前提で記事が書かれている。あれほどMLB(メジャーリーグ)に行く気満々だったのに、李に何があったのだろう? 謎だ。
 それから、原辰徳監督に意外に「人望」が無い(らしい)記事には驚かされた。そうなのか? 昨年のドラフト1位(巡)辻内崇信が潰されそうだ、という記事には「さもありなん」と思ったし、長嶋一茂「球団代表特別補佐」は今、彼が昔、あるコーチに吐いた言葉=「アイツ何様だよ!」と言われているらしい。

 巨人軍はこのまま墜ちていくべきだ。そして、12球団「平等」の価値観を生じさせ、サッカーの『Jリーグ』やMLBのように、地域に「完全」密着したプロ野球になるべきだ。まずはマスコミ(メディア)が変わらなければ。先導役を務めなければならないのに、その役割を放棄しているから、度し難い。この≪地盤沈下≫を止められない。

熊田曜子が3・5阪神戦で始球式 (デイリースポーツ)

プロ野球タブーの真相(別冊宝島)第2章

2007-01-15 22:07:44 | Stove League
 バット投げつけ事件! そんなことがあったのか……昨シーズンオフ、ポスティング・システム(入札制度)でMLB(メジャーリーグ)タンパベイ・デヴィルレイズへの入団が決まった岩村明憲(東京ヤクルト・スワローズ)が、シーズン中に古田敦也監督の「バント」のサインに激怒!! 古田監督の目の前でバットを投げつけたらしい。そうか、二人は“犬猿の仲”だったのか……

 岩村にしてみれば、一昨年のオフにも、ポスティングを要求しながら、古田監督の初年度ということで(球団側に)強く慰留されて、残留した経緯がある。そして1年待った結果が、これ(タンパベイ=アメリカン・リーグ東地区の最下位)とは……古田監督は内心では「ザマア見ろっ」と思っているかもしれない。

 “犬猿の仲”シリーズは続く。次は「新庄vs.ヒルマン」。これも原因はシーズン中の「送りバント」のサインだったらしい。そして「世界へ飛び出す、日本のエース・松坂大輔」と題して、(入札の)落札球団と落札額の予想が書かれているが、どれも外れた。ピンストライプ(ニューヨーク・ヤンキース)でも約10億円でもなかった! 

 最後は、イチロー(シアトル・マリナーズ)。イチローは今シーズン中、(チーム事情から)ライトからセンターにコンヴァートされたが、これを本人が受け入れるのに時間がかかった。やはり日本時代から守り続けているライトには特別な≪愛着≫があったのだろう。来シーズンもセンターを守らされることになるが、これが移籍を決意する≪きっかけ≫にも成りかねない。イチローは、来シーズンオフにFA(フリーエージェント)になる。

岩田「結果出す」 田村「勝負の年」 (デイリースポーツ)

プロ野球タブーの真相(別冊宝島)

2007-01-13 11:22:29 | Stove League
 プロ野球タブーの真相、と銘打っているから、どんなに凄いかと思ったら、何のことはない。スポーツ新聞やWEB-Siteでも十分知りえる程度の内容の集積。「廃部のシダックスから森滝獲得を……」と≪天下の≫永谷脩(スポーツライター)が選手の名前を間違えたりしている。(正解は森福)

 阪神タイガースが連覇を逃した原因についても、故障者が続出して、その手当て(バックアップ)をしておかなかったこと、若手を登用しなかったことを挙げているが、そんなことはない。昨シーズンのタイガースに関しては(期待していた)若手が伸びなかったこと。是に尽きる。杉山直久や左腕・江草仁貴、能見篤史、筒井和也らの伸び悩みが致命的、だった。認識が甘すぎるヨ、と(読みながら)突っ込みを入れたくなった。

 しかし第1章では、審判の「誤審」問題や「ドラフトの裏金」「スパイ疑惑」にも触れられていて、特に「誤審」問題の織田淳太郎氏(スポーツライター)の文章が「読ませる」。こういうプロの仕事を「読みたい」ものだ。読み応えのある文章だった。「スパイ疑惑」では、伊良部秀輝(前・阪神タイガース)のフォーク(球種)がバレていたらしい。それであんなに打ち込まれだしたのか? 

獲得発表!ジャンで“井川超え”だ (デイリースポーツ)

巨人軍タブー事件史―「栄光」の歴史に刻まれなかったストーリー (別冊宝島)

2007-01-11 11:37:41 | Stove League
 別冊宝島の『巨人軍タブー事件史』。かなり期待して、購入したのだが、やや期待外れ。Amazonの画像も無いし。一応、一通り、読売巨人軍のスキャンダルは押さえられているが、撫でただけ、という気がする。特に『「湯口敏彦」はなぜ死んだのか』は、織田淳太郎の『巨人軍に葬られた男たち』(新潮文庫)に較べたら、比肩のしようが無い。織田本で語られたことが後追いされているだけ。事実の「新」発掘など何もない。

 買わなきゃよかった、と後悔。ジャイアンツ・ファンでもないのに、何でこんな本を買ってしまったのか? プロ野球の盟主の座は、今や阪神タイガースが観客動員の実績面で、読売ジャイアンツを大きく引き離して、上回っている。今やタイガースが盟主の地位にある。
 しかし「巨人」ブランドにいつまでも<ノスタルジー>を感じている“おっさんマスコミ”と、地方でジャイアンツ戦しか見たことなかった田舎者たち(!?)が依然として「巨人」中心主義を棄てない。当のタイガースにも「盟主」になる意気地が無いから、状況は膠着している。

橋本良 「野村ノート」で文武両道 (デイリースポーツ)

「巨人軍論」を読む(其の六)

2007-01-07 11:53:10 | Stove League
 巨人軍を内側から(図らずも)瓦解させてしまったのは、長嶋茂雄元監督だったのかもしれない。あるいはそのシンパ、か。外側から瓦解へと導いたのは、著者(野村克也監督)だったか? そしてやってきた、日本プロ野球の衰退。
 プロ野球=巨人軍だった為に、巨人が強くなくなった為に、プロ野球人気も低下しているように見えるが、しかし実際は、阪神タイガースの地元・甲子園球場は連日≪満員≫の観衆が詰め掛けるし、福岡(ヤフードーム)のソフトバンク・ホークスもそう。仙台の東北楽天ゴールデンイーグルスも続いている。要は巨人軍をどうするか? の局面に差し掛かっている。

 またあの手この手を駆使して、巨人を強くする為に制度を弄くるか? それとも巨人をプロ野球の<ワン・オブ・ゼム>として扱うか? そのどちらの選択もできない。どちらかの方向にも針を強振できないところにプロ野球の「苦悩」がある。ハーフスウィングを繰り返す、プロ野球。出口は未だ見つからないのだと思う。……著者の最後の夢は「日本シリーズで巨人を倒す」ことだそうだ。

太陽「開幕ローテ入り」でV呼ぶ (デイリースポーツ)