野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

「野村ノート」を読む(其の七)

2006-12-29 11:27:00 | Stove League
 第7章は「指揮官の重要な仕事は人づくりである」。その冒頭で、阪神タイガースの井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の名が出る。だいだい、どういう内容かは察することができるだろう。幾ら良い球を投げても、人間形成がされておらず、社会通念が無ければ、組織はリーダー、つまり「エース」として認めてくれない。井川には耳の痛い話だ。
 来シーズンからは「エース」の立場から開放され、ヤンキースの先発(スターター)の4~5番手の扱いになるが、しかしニューヨークのプレッシャーを考えると、タイガースのエース時代と同じプレッシャーと責任感が圧し掛かってくるだろう。それに耐えられるか? それを跳ね返すことが出来るか? 著者(かつての師)は危惧していることだろう。

 それにしても、34歳で(当時)南海ホークスのプレーイング・マネージャー(選手兼任監督)になった著者。古田敦也(東京ヤクルトスワローズ)監督が40歳でなったのに較べると、それが如何に≪凄いこと≫だったかが分かる。
 この両者、今シーズンは交流戦で顔を合わせたが、そのとき、古田監督はどういう心境でかつての師に向き合っただろう? 春のオープン戦では対面した。そのときとは比べものにならない感慨が、彼の心底には横たわっていたことだろう。そして、その彼の苦労を察してやれるのも、著者を置いて他にいない。

1億5000万いらん!金本“男気更改” (デイリースポーツ)