野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

対決!野茂vs.松井(21日・ヤンキースタジアム)

2005-06-25 21:49:21 | New-York Yankees
 先発(スターター)ランディー・ジョンソン(ニューヨーク・ヤンキース)が、【2回表】にタンパベイ・デヴィルレイズの7番デーモン・ホリンズ、8番ケヴィン・キャッシュに連続ホームランを浴び、「3対0」。さらに9番アレックス・ゴンザレス、1番カール・クロフォード、2番フリオ・ルーゴにも3連打を浴び、2失点で「5対0」。どうした、ランディー? 味方の頼もしい援護を受けて、【2回裏】野茂英雄がマウンドに上がる。

 4番アレックス・ロドリゲスをフォーク(124㎞)を打たせて、サードゴロに打ち取り、5番・松井秀喜を迎える。テーマ曲が鳴り響き、その名がコールされたと同時にヤンキースタジアムから盛大な拍手。DH(指名打者)に定着以来、絶好調の松井。期待が高まる。野茂も警戒して、初球・2球目(135㎞)を外で探って、3球目(138㎞)で内角を突くが、ライトへ飛球(ファウル)。4球目(135㎞)も内を突くが、球がお辞儀して、「3-1」。5球目(137㎞)は外に配するが、これもお辞儀して、四球(ウォーク)。

 5番ジェイソン・ジオンビーは定石通り、四球の後の初球を狙ってきたが、「140㎞」で詰まらせて、サード後方へのフライ。しかし、サード、レフトショート、3者追いつけず、ポトリと落ちて、不運なダブル(2塁打)。1アウト2,3塁になって、7番バーニー・ウィリアムスにライトへ大飛球を打ち上げられて、「5対1」。

【3回表】ランディーの調子は戻らず、6番ジョニー・ゴームスにも2ランを浴びて、「7対1」。ランディーはこの回限りで降板。ヤンキースファン(観衆40,241人)の巨大な落胆の溜息が渦巻く。【3回裏】先頭のロビンソン・カノをフォーク(122㎞)で空振りに斬り、続く1番デレック・ジーターには「135㎞」を弾き返され、ライト頭上を越すダブル(2塁打)。2番トニー・ウォーマックは、フォーク(126㎞)でレフトフライに打ち取るが、3番「天敵」ゲーリー・シェフィールドに1,2塁間を破られ、「7対2」。

【4回表】にも2番手、若いスコット・プロクターを攻め、3点を奪い、「10対2」としたタンパベイ。【4回裏】先頭の松井(.290)がライト前ヒットで出塁。6番ジオンビーにはライトへ大飛球を飛ばされるが、フェンス前で失速。……ステロイド疑惑前なら……。7番バーニーもサードゴロ、8番ジョン・フラハティをショートゴロに打ち取って、【1回裏】に続き、この回を「0」に封じる。

 そして魔の【5回裏】……1アウト後、1番ジーターに三遊間を抜かれ、続く2番ウォーマックにも初球(142㎞)をセンター前に持っていかれ、3番は「天敵」シェフィールド。「2-1」からの4球目、外のカットボール(138㎞)を強引に振り切られ、レフトスタンドに飛び込む3ランホームラン! 「10対5」。

 4番アレックスをショートゴロに打ち取り、2アウトにするが、5番・松井、6番ジオンビー、7番バーニーに3連打を浴び、「10対6」。ここで辛抱堪らず、ルー・ピネラ監督、登場。(何故か、ヤンキースタジアムからはブーイング、それともルー?)野茂は右手で腰の辺りをポンと叩き、悔しそう。若いキャッチャー・キャッシュに肩を叩かれ、慰められる。敵地だから、拍手はされない。3塁側ダッグアウト手前で、人相の悪そうなヤンキーファンに野次られるが、拍手で迎える黒人女性もいた。

 その後、この試合は急転、「11対7」でタンパベイがリードで迎えた【8回裏】ヤンキースが一挙「13点」を奪って、「11対20」。記録的、歴史的な大逆転劇を演じる。演じられたタンパベイ。ブルペン陣の「弱さ」は底が知れない。先発(スターター)野茂も役目を果せなかった。それにしても……タンパベイに投手力が加われば、優勝争いも夢ではない、と思えるのだが……