活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

日野江城址を歩く

2006-09-25 15:33:58 | Weblog
島鉄を北有馬で下車して、歩き出して30分ぐらいになるでしょうか。
 草いきれと蝉しぐれの中にいます。橘湾でしょうか。繁みの向こうに海がひろがっています。そうです、ここは、日野江城址、有馬晴信の居城がありました。

 この晴信、生涯に何度も名前を変えていますが、数奇な運命をたどりました。彼は最初は熱心な仏教徒でしたが、叔父、日本最初のキリシタン大名、大村純忠の影響で洗礼を受けドン・プロタジオを名乗り、熱心な信者になります。

 当然、彼に洗礼を授けたイエズス会のヴァリニャーノ神父が企画した天正遣欧使節4人のヨーロッパ行きを応援します。
 秀吉とも家康ともうまくいった時代もありましたが、最終的には家康によって甲州で刑死させられてしまいます。

 龍造寺隆信との戦いこそありましたが、この日野江城の一隅に「有馬のセミナリヨ」ができたころが、有馬にとって、いちばんいい時代ではなかったでしょうか。

 現在のところ、城跡には何もありません。崩れた石垣の巨石や石段の遺構が見られる程度ですが、城址の一段高いところに立って、400年前にタイムスリップするのは悪くありません。
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