活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

世界のブックデザイン展を見る

2011-11-13 14:23:49 | 活版印刷のふるさと紀行
 印刷博物館のP&Pギャラリーで本日から始まったWorld Book Design
2010-11を観て来ました。

 これは毎年3月、ドイツのライプツィヒ・ブックフェアで開催される
「世界で最も美しい本のコンクール」2011年度に入賞した図書に、日本の
造本装丁コンクールの入賞作品やオランダ・スイス・中国・カナダ・オーストリア
など7か国でコンクールに入賞した作品が250冊ほど展示されています。

 カナダとオーストリアは今年はじめての新顔でしたが、会場をひとめぐりした
第一印象は、以前と違って出品国による違いがなくなって、デザイン・レイアウト・
造本や印刷の水準がある程度均質化されて来たような気がしました。
 おそらくデザイン教育やそれぞれの国同士のデザイン交流が背景にあってのこと
でしょう。

 電子書籍の時代にあっても、こうした手にとってこころよい重さを感じながら、
紙の手触り、インキの色やにおい、タイポグラフィーを指先や目で楽しめるのは
「美しい本」が醸し出す醍醐味のように思います。

 その点、この展覧会でありがたいのは現物を手に取って見られることです。
ただ、凝った造本で、手に取るのがこわいようなのがありますので、はたして、
2012年2月19日までの会期中、バラけずにもつか心配です。

 

 
コメント
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