活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

モリサワのカレンダー

2013-12-12 14:33:42 | 活版印刷のふるさと紀行
 今年も師走、来年のカレンダー選びのシーズンが近づいて来ました。最近は「企業カレンダー」が減ったせいで、書店やデパート、大型量販店の店頭に「売りカレンダー」がたくさん並んでおります。その題材、大きさ、色数、印刷方式も実にいろいろで、お客さんもかなり選ぶのを楽しんでいるように見受けます。

 企業カレンダーにほかの広告媒体に鞍替えしたり、発行種類や発行部数を減らすところが出て来ていますので、日本全国でカレンダーの総印刷部数は最盛期の7~8割にとどまっているようです。そんな中で大日本印刷や凸版印刷、共同印刷はじめ印刷会社がそれぞれ例年どおり自社固有の特色あるカレンダーを出しているのはさすがです。

 ここで私が紹介したいのは「文字を通じて社会に貢献する」を掲げてユニークな活動をしている株式会社モリサワが長年、文字をテーマに刊行しているカレンダーについてです。

 2014年は『華麗なる三十六歌仙の世界』と題されています。藤原公任(ふじわらきんとう)が選んだ和歌の名人三十六人の歌を集めた「三十六人撰」の最古の写本は京都西本願寺に所蔵されておりますが、その中から平安時代を代表する十二人の作品を原寸大で取り上げた秀作です。
 それぞれの和歌の流麗な文字、その文字が書かれている美しい料紙、それに配されている月玉と日玉の洗練された和文字、大判の美術本、あるいは大判の版画ともおぼしき構成です。

 この12月4日モリサワホールでこのカレンダーの監修をされた五島美術館の名護耶 明氏が文字について、カレンダーの解説をしておられる東京国立博物館の高橋 祐次氏の料紙について「仮名文字と料紙の美」~和様文化へのまなざし~という講演会がありました。
 カレンダーのデザインは松永 真氏、印刷は大日本ですが、できれば松永氏の話も聞きたいものでした。


 
コメント
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