活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

「こころ」の実験劇場

2014-04-19 14:30:40 | 活版印刷のふるさと紀行

 桜が終わると新緑がいっせいに押しかけてくれて気分がたかまります。

 今日とくにあらためて驚いたのは農学部前から赤門前、正門前と続く本郷通りの東大前の新緑でした。銀杏はまだ芽吹きの感じが残っていてかわいいのですが、構内寄りのケヤキの威勢のいいこと。青空バックに密集した若葉が造型的にもちょっと面白い感じでした。

 この通りには「こころ」とか「虞美人草」とか夏目漱石ゆかりの店名の喫茶店がありますが、明日20日から朝日新聞に漱石の『こころ』が連載される予告がありました。たしか、100年前の同じ日、同じ紙面に連載が始まったとかでの企画でした。

 100年前と今日では処世感も人生観もあまりにも隔たりがありますからいまの若い読者に作中の「先生」のこころがどれだけ通じるだろうかと興味深く思います。私自身は中学生になったばかりで読みましたが、当時でも不朽の名作などとは思えませんでした。はたして、この歳になって、この時代環境の中で先生の罪の意識に共感を覚えるでしょうか。「こころ」の実験劇場です。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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