あなたは「銃後」ということばがわかりますか。
「戦場になっていない国内、また、直接戦闘に参加しない一般国民」手元の辞書には、こうありました。
「君たち銃後の青少年は」 耳にタコができるほどこの「銃後」ということばを聞かされて育った世代、戦争を知っている世代がだんだん少なくなっています。
そのせいでしょう、広島や長崎の原子爆弾被爆の記憶、沖縄戦の記憶、特攻隊員の記憶、敗戦の日の記憶、日本が戦い、敗れた戦争体験の記憶がこの夏ほど取り上げられたことはありません。戦後70年、あるいは安倍内閣の自衛権問題がクローズアップされているからにほかなりません。
「日本がアメリカと戦争したなんて知りません」、「8月6日がなんの日かわかりません」テレビで無邪気に質問に答える若者も珍しくありません。日本の「戦争」が伝えられていないのです。
『子どもたちへ、今こそ伝える戦争子どもの本の作家たち19人の真実』 講談社から先月、出た本です。それこそ銃後の青少年だった19人の子どもの本のイラストレータや作家が自分の「戦争」の記憶を素直に、率直に、なまなましく語っています。戦争を知らない人に、とくに政治家に読んでもらいたい本です。