活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

殿様のお嬢さんの本 1

2012-03-24 12:43:40 | 活版印刷のふるさと紀行
 花壇の隅で小花が春を告げているというのに、あいかわらず薄曇りで靄っぽく
肌寒い日です。書架の隅で眠っていた殿様のお嬢さんの『奇しき縁』が目に留ま
って思わず読み耽ってしまいました。

 殿様のお嬢様とは長崎県大村の勝田直子さん、遣欧少年使節を送ったキリシタ
ン大名の一人、大村純忠の直系、第33代大村純毅さんのお嬢さんです。といっ
てもご主人を送られ、東京から大村に移って今は、大村史談会や随筆で活躍して
ておられる素敵な老嬢です。

 私は10年以上前、少年使節の取材旅行で知遇を得て、大村家の菩提寺本経寺
をご紹介いただいたり、大村史料館やそのそばの天正夢広場をご案内いただいの
でした。「この少年使節のからくり時計のところでチャップリンのお孫さんが監
督して千々石ミゲルの出る映画が撮影されたのです」などと話していただいたこ
とも思い出しました。あまり、ほめられた作品ではなかったようですが。

 勝田さんの『奇しき縁』で私が興味を持ったのは松田毅一さんとお父上とのエ
ピソードでした。
 松田さんには早い時期に『大村純忠伝』がありますが、松田さんと大村の結び
つきは戦後の昭和27年ごろであったらしいのです。それも、大村市長をやって
おられ勝田さんの父上、大村純毅さんと名前に同じ「毅」の字があるのと、酒豪
同士の縁でなにかと濃いお付き合いがあったようです。

 私は松田毅一先生にはお目にかかったことがありません。お目にかかったこと
がないのに親しみを感じる、いや、著作を通じて尊敬している方に松田毅一さん
と司馬遼太郎さんのお二人を挙げます。生年も没年も比較的近くて、大阪育ち、
若いころから歴史に興味を持ち、なぜか東大を選んでいない共通点があります。



 




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