近頃、書店店頭のPOPにいろいろなタイプが出現するようになりました。私は 大きな書店でその店で働くみなさんの手で「私の推薦する本」というのが手書きで 出ているようなのを読むのが好きです。新聞や雑誌の書評のように肩をいからせてい ないで、なんとなくその本に手を伸ばしたくなるコピーに出会うと「やるな」と 思ってしまいます。 その意味では本屋大賞も。
もう1ヶ月にはなるでしょうか。村上春樹さんの『女のいない男たち』という短編 集の発売予告のPOPが私のよく行く本屋さんの店先に出てから。文春さんですが オーソドックスといえばオーソドックスですがこれを見て予約しようとは思いませ んが私は悪い気はしません。 なぜか本屋さんとの距離が縮まって見える感じがするからです。
おかしなもので 学生時代は新聞一面の8ツ割の書籍広告が好きで、あれを見て本屋さんに向かうことが結構多かったのです。ところが近頃は「書籍広告と私と書店との距離」てな感想を書いてみたいくらい、心ひかれる広告がすくなくなりました。
電子出版時代のせいか、だんだん8ツ割に登場する書籍の表題が変わってきました。いわゆる実用書が増えた気がするのです。そこで当方としましては、どうしても店頭の平台に積まれた新刊書の棚を確かめに行くのがベストになりました。
それがおっくうになったり、時間にせかされてゆっくり平台めぐりが出来ない日もあります。こうしたとき、店頭POPが本と私の距離を縮めてくれる気がするのです。毎週の週刊誌のオドロオドロシイ広告は書店ではなくコンビニやキヨスクへのチケットのような気がします。