私的図書館

本好き人の365日

『この世界の片隅に』大ヒットおめでとう!

2017-01-30 21:54:02 | 映画

 

片渕須直監督の映画『この世界の片隅に』

 

第71回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、大藤信郎賞、

2016年 第90回キネマ旬報、日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞、

第59回ブルーリボン賞監督賞、

第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、

その他各賞もろもろ受賞おめでとうございます!!

 

個人的に『君の名は』よりたくさんの人に見て欲しい映画だったのでとっても嬉しい!

TVCMこそ少ないですが、公開当初は63館だった上映館も年明けからは190館を超え、観客動員数も100万人を突破しました!

あぁ、この世界に生きててよかった☆

 

ちょっと大げさですが、それくらい一押しの映画です。

そして多分、何年かしたら忘れられてしまう映画です(スミマセン、スミマセン)

ジブリの『ナウシカ』のように何回も何回もTV放送されるような作品は本当に稀で、『ダイハード』を毎年クリスマス前に思い出したかのように放送するような映画愛のない日本のTV局にはきっとこの作品を毎年放送するような気概はないでしょう。

ロンドン五輪の金メダリストがすでに霞んでしまっているように、どんなにいい作品でもこれから生まれてくる子ども達には見る機会はずっと少ないはず。

ホント、消費社会ってイヤですね〜

でもね、だからこそ「今」見ることが大切なんです!

この時代に生きている特権、共感できる絶好のチャンスなんですから!!

 

少し熱くなってしまいましたが、映画は現在(2017年1月)も上映中。

まだ観ていない方はぜひ劇場へ。

 

映画『この世界の片隅に』予告編

 

すずさんのありがとう

 

映画関係者でもないのに勝手に宣伝してしまいましたが、私自身は仕事が忙しくてなかなか映画館に足が運べない(苦笑)

先日も出張で名古屋まで行って来ました。

久しぶりに都会に出たのでちょっと買い物(笑)

前から気になっていた本と、新年度に向けてモレスキンも新調してしまいました☆

 

 

本当はもう一冊、気になる本があったのですが、それはお値段が高かったので今回は購入断念。

立ち読みのみにしました。

新井素子さんの帯に引かれたのですが、昔よくコバルト文庫を読んでいた人間にはとっても懐かしくて面白かった。

 

 
著者 : 嵯峨景子
彩流社
発売日 : 2016-12-28
 
 

『この世界の片隅に』

2016-11-20 00:25:31 | 映画

こうの史代原作、片渕須直監督のアニメ映画、『この世界の片隅に』(2016年)を観て来ました。

今年大ヒットした新海誠監督のアニメ映画『君の名は』と比べて地味な印象のある作品ですが、私は大好き!

映画館で笑いと涙で感情をゆさぶられて来ました。

 

双葉社
発売日 : 2016-10-26

 

舞台が太平洋戦争を挟んだ広島、呉の町なので、「青葉」や「利根」といった旧帝国海軍の軍艦も出てきたりして「艦これ」ファンには嬉しい場面も♫

主人公の「すず」は18歳で呉に嫁ぐことになるのですが、当時は珍しくなかったとはいえ、よく知らない男性と結婚したとまどいや距離感、男女の照れや姑や小姑と関係などが恋愛結婚が当たり前の現代人にも自分のことのように伝わって来て、すごく共感できる。

「すず」の声は改名後声優初挑戦となる「のん」さん(能年玲奈)が担当。音楽を担当した「コトリンゴ」さんの歌声もこの作品にピッタリでした。

 

戦争という狂気の中で日常を生きる人々。

食べる物がどんどん無くなっていき、空襲警報に怯え、男達を戦地へと送り出す。

でもこの映画、「戦争映画」じゃないんですよね。

どんな時代でも、どんな悲劇の中でも、人間って生きていかなきゃならない。

赤ん坊は泣くし、お腹は空くし、掃除や洗濯もしなきゃいけないし、腹も立てば、笑いがこみあげてくることだってある。

それなのに、生きることを邪魔する「戦争」がやって来る。

「人さらい」から逃げ出したように、「すず」にとって身の回りの物を工夫してこの「戦争」から逃げ延びる、生きのびることがまさに「生きる」ことなんですよね。

それはすごく困難で、あまりにも辛いことが押し寄せてきて、「生きる」ことさえ投げ出してしまいたくなるけれど・・・

愛する人がいる、愛する故郷がある、愛する人々との思い出がある、生きたくても生きられなかったひと達がいる・・・

一日一日を丁寧に生きなきゃな、とこの映画を観て思いましたよ私は。

 

映画の中で好きなシーンは、すずとその夫の「周作さん」が周りも気にせず列車の中から降りてまでずっとケンカしているシーン。

二人が本音でしゃべっていて、何だか本当の夫婦になった瞬間みたいに思えました。

駅員さんに「お二人さん、そりゃあ今しなきゃいけないケンカかね」なんて言われても全然おさまらない(笑)

「夫婦ケンカは犬も食わない」をまさに絵に描いたようなシーン。

こうの史代さんのゆったりとした絵を、見事なまでにアニメーションとして再現している作品です。

 

まだ観ていない人はハンカチ必須ですよ。

私も映画館にいた周りの人達も、みんな目頭押さえながらスクリーンに釘付けでした。

 


『言の葉の庭』

2014-01-20 00:34:28 | 映画

新海誠監督の最新作、2013年公開の作品『言の葉の庭』を観ました。

『ほしのこえ』という、ほとんど一人で全部作ったという作品を観てからずっと追いかけている監督さんですが、代表作『秒速5センチメートル』は今でもトラウマになっているくらい印象的な作品。

大成建設のTVCMも作っているので、名前は知らなくてもその作品は見たことがあるかも知れません(ボスポラス海峡トンネル篇とかです)。

 

劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD 劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:2013-06-21

 

雨に濡れる新宿御苑。

そこの東屋で偶然出会った高校生の男の子と、OLらしき女性。



新海監督の特徴は、その緻密な描写と、独特の青春を背負いきれていない内向的なストーリー。

今回、特に「雨」の描写が素晴らしかったです!

リアルを追求していながら、リアル以上の色彩と動きで画面に映し出される自然描写は、アニメーションでしか描けない、どこにもないけれどリアルな世界!

高感度カメラで撮ったような雨が、リアルタイムで降り続くんです!

いやぁ、面白いもの見せてもらった♪

 

技術的な挑戦も見ていてすごく面白かったのですが、物語も新海節が出ていて心に残りました。

特に男の子が、勝ち負けじゃなくて、向かっていかなきゃいけないものにちゃんと向かっていくシーンが好きです。

それも息を整えて!

人間なんてそんなに強くなくて、迷ったり不安になったり、そんな揺れ動くもので、しっかり向かっていく男の子を描いているからこそ、次の場面で不安に揺れ動く様が観客の心をつかむんだと思います。

この共感性はすごい。

 

新海監督の作品って、どこか「決心」のドラマなんですよね。

登場人物が心の内で何かを決める。

それを中心に物語が描かれる。

だからこんなに心に響くのかな?

 

雨や虫の声を雑音ととらえるか、そこに音以外の何かを感じるか。

それはもう感性の問題。

46分という劇場用作品としては短い作品ですが、短さを感じさせない充実の内容でした。

よかった~

次回作も期待です。

 


ジブリ映画 「風立ちぬ」

2013-07-25 21:49:10 | 映画

ジブリ最新作、宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見てきました。

泣いたぜ。

太平洋戦争で日本軍の主力戦闘機となった零戦の設計者、堀越二郎の物語を縦軸に、同時代を生きた堀辰雄の小説「風立ちぬ」「菜穂子」を横軸にして、まだ貧しく、混乱した日本に生きる若者たちの夢と恋と挫折の人間ドラマを描いています。

子供には向いていません。

いや、大人でもただ単にジブリが好きっていう人にわかるかな?

 

先輩たちと衝突しながら自分の好きな作品を作りたくて作りたくて、挫折も経験してきた宮崎駿。その人生と堀越二郎の人生にはオーバラップするものがあります。

主人公がカッコよく煙草を吸うのは、自信も喫煙者で、スタジオでは煙草を吸うのは自分だけだといっていた宮崎駿の無言の抗議かも(苦笑)

サナトリウムのシーンは、トーマス・マンの「魔の山」を彷彿とさせます。

なぜ愛する二人がああいうことになるのか、それが痛いほどわかるのは、これまで宮崎監督が描いてきた女性キャラがあるから。お姫様しか描けないと揶揄されたこともある宮崎監督の、ある種の答えなんだと思いました。

作ろうと思えばこの作品もいわゆる「大作」にはできたと思うんです。エンターテイメントを狙って活劇にもできたはず。でもそれをあえて抑えて、人間ドラマを描く。それも堀辰雄のような世界を。

あの年齢になり、いわゆる大御所と呼ばれる監督なのに、ここにきてこんな作品を作るなんて。

 

最初は今回初めて声優を務めた庵野秀明(アニメ監督、アニメーター)に、「庵野~!」とか思っていたのですが、物語進むにつれ、「ここにたどり着くんだ・・・」と感慨深いものがありました。

帰りにさっそく本屋さんにより、堀辰雄の『菜穂子』(新潮文庫)を購入。

小説の『風立ちぬ』も好きでしたが、この『菜穂子』もいい物語です。

 

すべてを赤裸々に描くことが物事の本質を見誤らせる場合もあります。

「描かない」ことも時には重要なメッセージになりうる。

そんなことを教えてくれる、とても余韻の残る作品でした。

宮崎監督ありがとう!!

 

  風立ちぬ、いざ生きめやも

 

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発売日:2013-07-16

天使のくれた時間

2012-12-21 14:51:27 | 映画

今日はもう仕事も家事もなぁんにもしない!

だって昼間なのにワイン飲んじゃったから♪

 

昼前は掃除や洗濯、郵便局にドラッグストアーにスーパーと、用事をぜんぶ済ませ、レンタルショップで映画を借りて来ました。

スーパーで買ったのは、ホントに久しぶりの白ワイン!

まだまだ日が高いというのに、コタツに入って、スーパーで買ったおはぎ、レンジでチンしたウインナーにケチャップをかけたものを並べ、白ワインを飲みながら映画三昧です。

額に汗して働いている労働者の皆さん、ゴメンナサイ。

でもね、人間たまには自分を思いっきり甘やかしてやりたい時ってものがあるんですよ。

明日から頑張ります!

イヤ、本当に。

だから今日だけは許して下さい。

 

映画は3作品。

『宇宙人ポール』(2011年)

『心の旅』(1991年)

『天使のくれた時間』(2000年)

 

 
ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2012-07-04

 

 

 

 

 

 

『宇宙人ポール』はSFオタクの二人が主人公のコメディー。

様々な作品のパロディを散りばめながら、グレイ型宇宙人との珍道中を描きます♪

グレイ型宇宙人って何だ?

イヤイヤイヤ、SFファンなら「グレイ型宇宙人」は初歩の初歩ですよ。

「未知との遭遇」、「スター・ウォーズ」、「E.T.」。

「エリア51」、「ロズウェル事件」、「メン・イン・ブラック」、「モルダー捜査官」

日本と違ってロシアの首相が冗談で使うほど、UFO用語は世界では一般常識!(笑)

アメリカに旅行でやって来たイギリス人の二人が主人公なんですが、この二人は映画の脚本にも携わっていて、いやもうブラックユーモアというか、おふざけがすぎるというか、独特のユーモアでニヤリと笑わせてくれます。

ダーウィンの進化論を否定するキリスト教を妄信的に信じる女性が登場したり(ダーウィンはイギリス人)、宇宙人が電話でスピルバーグに映画のヒントを与えていたり(苦笑)

さすがは「銀河ヒッチハイクガイド」や「ドクター・フー」を生み出した国!!

しかも単なるお笑いで終わらず、見せ場もちゃんと用意されています。

とにかく、アメリカという国にすっかりなじんだ宇宙人の性格が面白い♪(もともとあんな性格なんだろうけれど☆)

 

 
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日:2007-09-21

 

 

 

 

 

 

『心の旅』はハリソン・フォード主演のヒューマンドラマで、家族愛を描いた作品。

最初はよくある展開だろうと、ちょっと油断していたら、ある場面で涙がポロポロ流れてきて驚きました。

有能な弁護士として高給を稼ぎ、仕事人間だった主人公が、たまたま強盗に遭遇して大けがを負います。

脳に障害を負った彼は、記憶をなくし、それまでとはまったく違った別の人間に生まれ変わります。

子供のように振るまい、娘に文字を教わる父親。

やがて弁護士事務所に形だけ復職しますが、そこで彼はかつて自分があつかった事件の不審点に気が付くのです。

勝つためには真実にも目をつむる大人たちに、純真な心で疑問を呈する主人公。

やがて主人公は、かつては自分もそんな世界の一員だったことに苦悩することになるのです。

主人公が治療を受ける病院で、リハビリの介助をする役で大柄な黒人俳優さんが登場するのですが、この男がすっごくイイ!!

人間の強さって、こういうことなんですよね~

家族愛も大きなテーマなんですが、主人公一家が飼うことになるビーグル犬にご注目!

この犬がいい演技をしているんです!(特に終盤の寄宿学校のシーン!)

はぁ、いい映画だった。

 

 
ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2010-05-26

 

 

 

 

 

 

 

 

『天使のくれた時間』はニコラス・ケイジ主演。

こちらはウォール街で成功をおさめた男が、ある朝ベッドで目覚めると違う人生を送っている自分になっていることに気が付くというもの。

きっと「人生で何が大切か…」が描かれているんだろうなぁ~

実は『天使のくれた時間』はこれから見るんです。

ちょっとワインを飲みすぎてフワフワしているので、途中で寝てしまわないか心配ですが(笑)

 

明日から頑張ります。

 

イヤ、本当に。

 

 


映画 『ホビット~思いがけない冒険~』

2012-12-14 22:08:41 | 映画

ガンダルフ~~~

 

観てきましたよ、ピーター・ジャクソン監督の最新作。

『ホビット~思いがけない冒険~』!!

 

フロドが! ゴラムが! ガンダルフにサルマンにエルロンド卿にガラドリエルが!

もう、なつかしい顔がスクリーンに映るたびに感慨がこみ上げてきました。

それにしてもニュージーランドってなんてスゴイの。

ホビットにドワーフにエルフなんてのが登場する実写映画で、これほど説得力のある風景が本当に存在するなんて!

 

物語は「指輪物語」で語られた時代の60年前。

ホビット庄で食べ物とパイプ草に囲まれて平和に暮していたビルボ・バキンズのもとに、よれよれの衣ととんがり帽子を身につけた長身の魔法使い、ガンダルフが訪れます。

「冒険なんてとんでもない!」

自分の家を愛し、故郷のホビット庄を愛するビルボに、ガンダルフがもちかけたのは、よりにもよって竜退治!

次々と押しかけてくるドワーフに家を占領され、食糧は食べつくされ、床もドロだらけになりビルボはカンカンです(笑)

しかし、ビルボはビルボ。ガンダルフの読みどおり、13人のドワーフとの奇妙で危険な冒険の旅が始まってしまいます!

火を吹くドラゴン。

地下に広がるドワーフの王国。

暗黒の力の兆しが見え始めた森。

トロールにゴブリン、オークに岩巨人。

そしてなんといっても、とってもおいしそうな食事シーンに、手に汗握る戦闘シーン♪

邪悪な竜、スマウグによって滅ぼされたドワーフの王国。

その失われた故郷と、そこに眠る財宝を取り戻すべく、13人のドワーフと1人の魔法使い、そして1人のホビットが体験する、様々な苦難と冒険の旅。

この物語から「ロード・オブ・ザ・リング」は始まったといっても過言ではありません。

 

個人的にはアラゴルンやレゴラスが登場しないのは残念だけど(ギムリのお父さんは登場します♪)、予告編でも使われた、ビルボとゴラムのなぞなぞ対決は面白かった☆

そう、この旅でのちに中つ国の運命を大きく左右する、ビルボとゴラムの出会いが描かれます。

そしてもちろん、あの「ひとつの指輪」も登場!!

 

映画『ホビット』は3部構成。

まずは第1部ということで、旅の目的や背景が語られますが、それでも170分という上映時間が短く感じるほどのスピード展開でした。

いやぁ、とにかくドワーフって丈夫。

次々と襲いかかる危機の連続は、まさに一難去ってまた一難という感じ。

一番印象に残ったのは、なぜホビットをこの冒険に連れてきたのかと訊かれた時のガンダルフのセリフです。

これはぜひ本編中で見て欲しい。

 

今回は恋愛要素が皆無なので、少々男くさいむさくるしい場面が多いですが(苦笑)、それでもやっぱり「指輪物語」の映像化として、ファンも納得の出来だと思いました。

でもやっぱり、アラゴルンみたいなイイ男に登場して欲しかったなぁ(笑)

 


映画『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』

2012-11-23 05:33:21 | 映画

観て来ました♪

映画『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』!!

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何、この展開!?

エ、14年?

いったい何があったの?

シンちゃんしっかりしろよ!!

カオル君の言動が色っぽすぎると思うのは気のせい?(笑)

 

もういろいろ変わってて、いろいろ詰め込まれていて、めまぐるしく変わる展開に息つくひまがありませんでした。

唯一、シンちゃんがモジモジしてるシーンが息抜きになったかな(苦笑)

とにかく制作会社「ガイナックス」の過去の作品がいろいろ詰め込まれていました。

冒頭シーンは「ナディア」に「王立宇宙軍」

全体的に「トップをねらえ!」とやはり「ナディア」の演出(特に音楽)が目立つかな?

板野一郎さんも頑張ってみえて、「マクロス」時代からの古いファンとしては嬉しいところ♪

新しいキャラクターもいろいろ出てきて、敵対関係、人間関係、世界そのものも、TVシリーズとは大きく違ったものになっていました。

 

いやぁ、面白かった☆

 

SF好き、哲学好きにはたまらない作品ですね。

映画館で初心者らしき女の子が、デート相手の男の子に「エヴァって何?」と根本的な質問をしていましたが(笑)、十年来見続けてきた私もこの映画を見て改めて思いました。

 

エヴァって何? と(苦笑)

 

「新劇場版」ではリア充っぽかったシンジも、今回は以前の暗くてジメジメしたシンちゃんに逆戻り。

それに対して女性陣の元気でたくましいこと!

アスカなんて最初っから最後まで吹っ切れたようにどんどん前に進んでいきます。

パンフレットにあるように「どうせ倒れるのなら一歩でも前に!」という感じ。

アスカの声優、宮村優子さんもオーストラリアで二児の母として子育てに奮闘しているだけあって、気合の入った演技で作品を盛り上げる盛り上げる!

新キャラの真希波・マリが戦闘中も鼻歌で歌っている懐メロ、天地真理の「ひとりじゃないの」も良かった♪

「ひとりじゃないって~素敵なことね~♪」

と歌いながら援護射撃って!

 

それにしてもシンジ、他にやることもないしね、とカオル君と一緒にいる言い訳をしているけど、いやいや、他にやることいっぱいあるだろ!?

何が起こったのか調べるとかさ。

綾波は何もしゃべらない可能性があるから、カオル君にもっと詳しくいまの現状を教えてもらうとかさ(一応教えてもらうけれど、ベタベタしている期間が長すぎ笑)

 

「エヴァンゲリオン」の世界観についてのこの映画の位置づけというのもあるのでしょうが、私のこの映画だけを見た感想は、

 

人生にやり直しはきかない。

 

ということ。

現実を受け入れて前に進むのか(アスカやマリ)

それとも現実を否定し、周りの迷惑もかえりみずに自分の道を突き進むのか(碇ゲンドウ)

過去を清算し、次の世代のために未来への道を切り開くという選択もあるかも(ミサト?)

嘆いてばかりで自分の失敗を直視しよとしないシンジは、本当アスカの言うとおりガキでしかないよなぁ。

非常時の対応で、その人の本質が見えますよね。

私は、前に進むキャラが好き。

進むしかないでしょ☆

 

同時上映された『巨神兵東京に現わる』も面白かった♪

これはジブリ映画『風の谷のナウシカ』に登場する「巨神兵」が、東京の街に現われて街を破壊する様子をミニュチア模型と特撮技術で撮影した作品。

実写の風景がミニュチア風に撮れるカメラも使われているのかな?

「火の七日間」が再現されていて、ちょっと「巨神兵」と「エヴァ」がシンクロしているようにも見えました。

 

いやぁ、楽しい時間だったなぁ~

 

次回予告で『シン・エヴァンゲリオン劇場版:∥』の映像がちょっとだけ流れました。

「:∥」というのは演奏記号らしいのですが、「反復演奏」? それとも「終了」という意味?

これも楽しみ♪♪

 


映画 『のぼうの城』

2012-11-20 23:42:26 | 映画


 天下の豊臣秀吉にケンカを売った、でくのぼうがいた。
                     ―映画キャッチコピーより―

映画『のぼうの城』を観て来ました♪

 

映画 のぼうの城 オリジナル・サウンドトラック 映画 のぼうの城 オリジナル・サウンドトラック
価格:¥ 3,000(税込)
発売日:2012-10-31

 

天下統一をめざす豊臣秀吉が関東の北条氏と激突!

北条方の支城の一つ、忍城(おしじょう)にも豊臣方の軍勢が迫ります。

城主は北条氏の居城小田原城に兵力の半分を引き連れて出陣中。

留守を預かるのは城代家老の息子でみんなから親しみを込めて「でくのぼうの”のぼう様”」と呼ばれる、戦いよりも人々の笑い声が好きな男。

攻め入る豊臣軍を率いるのは、いまだ武功の無いことにあせる石田三成。

2万の大軍勢に対する忍城(おしじょう)の兵力はわずかに500。

果たして、この戦いに勝機はあるのか!?

ここに歴史に残る攻城戦の幕が切って落とされる!!

 

フフフ…

”のぼう”を演じた野村萬斎さんが、人を笑わせる役にすごくピッタリ♪

さすがは狂言師!

映画として見ると、逆にそのピッタリ感が目立ちすぎて、作品世界に入り込みづらい原因でもあるのだけれど(あとお笑い芸人の山口智充。やりすぎ感がスゴイ笑)、脇を固める佐藤浩市がいい演技をしているんですよね~

バランス的にもっと本物の俳優さんを起用すれば、ずっといい映画になったとは思うのですが、山田孝之とか鈴木保奈美とかイイ味を出しています♪

さすがに「七人の侍」には及びませんが、これはこれでエンターテイメントかな。

ちなみにこの忍城(おしじょう)の戦いは史実に基づいているんですね。

現在の埼玉県での出来事なんだとか。

戦のむごさ、悲しさも描かれていますが、なにぶん時間不足かな?

水攻めのシーンがあるため(これがかなり大規模でした)、東日本大震災直後の公開を延期し、この11月公開となったそうです。

日本映画、頑張ってるなぁ~

 

エンディングに流れるエレファントカシマシのテーマ曲「ズレてる方がいい」も良かった。

人間、損得じゃなくて、戦わなきゃいけない時は戦わなきゃいけないんですよね。

自分の生活とダブらせて、思わず涙ぐんでしまいました。

最近涙もろくて困ります(苦笑)

 

 


『おおかみこどもの雨と雪』

2012-07-26 20:17:04 | 映画

回転寿司で食事をしていると、隣の席の小学生くらいの男の子に話しかけられました。

「いま何皿目ですか?」

まったく見ず知らずの男の子です。

「え、6皿目かな?」

「お寿司以外の皿は何皿ですか?」

「え、1皿?」

男の子のお母さん(らしき女性)は「もう、そんなこと聞かないの!」と恐縮してみえました。

その男の子は物怖じしない性格らしく、お店の人に「お寿司を握る人は何ていうんですか?」と訊いてみたり、その答えが「板前さん」だと知ると「なぜ板前っていうんですか?」とたたみかけたり、「このお店の従業員は何人ですか?」とまるで経営コンサルタントか株主ばりの質問をあびせていました。

質問を受けるパートの女性も苦笑い。

私も最後に会計をしようとすると「何皿ですか?」と再び訊かれたので、「8皿だよ」と答えると「勝った!」と勝手に勝敗を告げられました。

お母さんが「もう、これはお母さんと二人ぶんでしょ」と男の子の計算方法を注意すると(注意するとこそこかい!!)男の子は「大人の男の人と比べるんだからこれでいいの」と彼独自の主張で張り合っていました。

いっておきますが、その日たまたま隣に座っただけのまったく見ず知らずの親子です。

 

…ぼうや、オジさんは本当はもっと食べられるんだけど、貧乏だからこれ以上は食べないで我慢しているんだよ。

 

とさすがに真実は告げませんでしたけどね(苦笑)

いやぁ、子育てって大変ですね♪

 

7月21日に封切られた映画、細田守監督のアニメーション作品。

『おおかみこどもの雨と雪』

を観て来ました☆

 

なんだかすっごく共感してしまって、涙があふれてきて困りました。

おおかみ男と恋をして、二人の子供を産んだ若い女性が、一人で子供を育てることになります。

おおかみの血を引く子供たちは、何かのひょうしにすぐおおかみに姿を変えてしまう…

一見コミカルな描写ですが、世間の目を逃れて暮らす息苦しさ、誰にも相談できない孤独は、ただでさえ大変な子育てに加えて主人公に重くのしかかり、しだいに彼女を、家族を追い詰めていきます…

夜泣き、洗濯、食事の用意。

病気になっても出生が出生なだけに簡単には医者に診せられない。

大変な苦労の末、周りの目を逃れて田舎のボロ屋を借りて住む決断をする母親。

そこに現れる田舎の人々。

すぐそばに山が、自然があるという環境。

子供たちが通うことになる学校での人間たちとのふれあい。

「先生」

オオカミとして生きるのか? それとも、人間として生きるのか?

 

おおかみ男と恋をして、二人のおおかみこどもを育てる主人公「花」の声を女優の宮崎あおいさん、おおかみ男の声を大沢たかおさんが演じてみえて、とても生き生きと、深みのある演技で物語に奥行きを与えていました。

画面を所狭しと走り回るおおかみの姿をした子供たちもいい♪

おおかみこどもというファンタジーのような要素はありますが、描いているのは親と子の関係、母親になるということと、子供の自立、そして巣立ちです。

 

 私が守ってやらなくちゃ。

 どこかで泣いてやしないか…

 どこかでお腹を空かしてやしないか…

姿を消した子供をさがす花の気持ちがグサグサと心に刺さってきました。

生まれた時にその目も開いていない顔をながめて思ったこと。

 この子はどんな大人になるのだろう…

 どんな人生を歩むのだろう…

 大きくなるまで、しっかり見守ってやらなくちゃ。

 

もう、それなのになんで花一人に背負わすんだよ!?

男ってなんて勝手なの!!

と、映画を見ていて何度も思いました!

ま、本人もやむにやまれぬ事情があったんでしょうけれど、それにしても勝手すぎる!

 

果たしてこの母子はどんな決断をするのか?

母子が移り住む田舎の農夫で、頑固なジイさんを演じた菅原文太さんがジブくていい役なんです!

細田監督の出身地で、映画の舞台となった富山県の自然もとっても美しく、CGも使った植物や風の描写は見事でした。

特に水(涙)の描写は注目です。

しかも、そんなにこだわっているのに、ストーリーも登場人物の存在感も邪魔せずに、ひっそりと、しかししっかり描きこまれていたのはさすが!

監督のこだわりを感じました。

 

 元気で! しっかり生きて!

 

子育ての経験のない私でも共感できて涙をボロボロこぼしましたから、きっとどんな人にも共通する「何か」にしっかり訴えかける映画なんだと思います。

前作『サマーウォーズ』のようなエンターテイメントを狙った作品ではありませんが、人間に焦点をあて、しっかり描きこまれた人物像には映画という枠に耐えられる完成度がありました。

ともかく、細田監督、私の感情をゆさぶってくれてありがとう☆

正味2時間、泣いたり笑ったり、感動したり、忙しかった~♪

私にとって、感情に訴えてくる「何か」を持っている映画が、いい映画なんです!

そういう意味では、間違いなくいい映画でした。

あぁ、面白かった☆

 


『サラダ好きのライオン』、『グスコーブドリの伝記』

2012-07-12 22:01:30 | 映画

村上春樹さんが雑誌「anan」に連載されていたエッセイをまとめた本。

 

『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』(マガジンハウス)

 

を読みました♪

 

マガジンハウス
発売日:2012-07-09

 

 

 

 

 

 

 

 

毎回本にまとめられると読んでいますが、ホントいつも楽しい!

 

 眠れない夜は僕にとって、サラダ好きのライオンぐらい珍しい…

 

このめんどくさい表現がいいでしょ♪

オムレツ作りへのこだわりとか、オペラ歌手の発声練習にうんざりしている飼い猫とか、女性は怒りたい事があるから怒るのではなく、怒りたい時に怒るのだ、とか(苦笑)

話題も様々で楽しませてくれます。(決してすべてに同意はしませんけどね☆)

海外でよく勘違いする「スーパーサラダ」とか(実際は早口で「スープ オア サラダ?」と訊かれている♪)

水族館でマグロを見て「あらおいしそう。一本もって帰れないかしら」とつぶやく、肉食系じゃなくて魚食系おばさんとか(笑)

映画や音楽や猫や食べ物について、あっちへ飛びこっちへ飛びしながら、好き勝手に書いてるって感じの、肩の力を抜いて読めるエッセイ。

私はやっぱりこの人の長編小説より、こうした短いお話のほうが好きだなぁ。

 

その他、今週は久しぶりに映画も観に行って来ました。

杉井ギサブロー監督のアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』♪

原作は有名な宮澤賢治。

英雄的な行動で、町を、人々を救う悲劇を描いた作品なのですが、キャラクターが猫の姿をしているためか、物語全体が抽象化されて、観ている者によりメッセージが強く伝わってくるような気がしました。

生きるとはどういうことか。

自分の命の使い方について…

ともかく美術がキレイで、他の作品では見たこともないような映像になっていました。

イーハトーブの森を形成している木々の連なりや、黄金に実る稲穂は一見の価値アリです!!

幼い妹ネリとの別れなど(賢治も実際に最愛の妹を亡くしています)、見ていて自分も家族のことが頭に浮かんでしまい、思わず実家に帰りたくなってしまいました(苦笑)

帰ったところで、幼い日には戻れないんですけどね。

そしてこの映画でもっとも注目するべき点は、監修を担当された天沢退二郎先生!!

宮澤賢治といえばこの人!

天沢退二郎先生の書いた『光車よ、まわれ!』は私の愛読書です♪

 

 

 

 

 

 

 

 

映画が始まる前に、細田守監督の最新アニメ映画、『おおかみこどもの雨と雪』の予告編が流れたのですが、これもとっても良かった☆

細田守監督といえば、『サマーウォーズ』のヒットがありましたよね。

小説化されたものはすでに読んだので(立ち読みで♪)、内容はだいたいわかっていますが、やっぱりこの作品も映像で見てみたい!

いやぁ、日本のアニメ、頑張っていますね。

『おおかみこどもの雨と雪』は7月21日公開予定。

今からとっても楽しみです♪

 


映画「キツツキと雨」

2012-04-15 15:42:52 | 映画

役所広司、小栗旬出演、沖田修一監督の映画、「キツツキと雨」(2011年)を見に行って来ました。

私の住んでいる岐阜県がロケ地に使われていると聞き、興味があったんですよね。

監督の沖田修一さんの作品、「南極料理人」(2009年)も見ましたが、主演の堺雅人さんのひょうひょうとした演技が生きていました。

今回の「キツツキと雨」でも、小さな町で木こりとして暮らす役所広司さんの演技と、若い自信なさげな映画監督を演じた小栗旬くんの演技が良かったです♪

というか、派手な事件も凝ったセットも出てこないので、役者さんの演技に集中するしかない(苦笑)

ストーリーは、のどかな山に囲まれた静かな町に、突然映画の撮影隊がやって来て、役所広司さん演じる木こりや、町の人々がその映画撮影に協力するというもの。

派手な印象のある映画撮影ですが、ヘリコプターの音に邪魔されたり、通りかかる車を止めたり、エキストラが集まらなかったりで、地味に大変。しかも予算も時間も限られているし、俳優やベテランカメラマンにも気を使わなくったちゃいけない若い監督は、自分の思いを周りに伝えられずに自信喪失中(苦笑)

そんな彼等の中に、映画とは縁もゆかりもない人生を送ってきた役所広司さん演じる木こりが交じることで、ちょっとコミカルで不思議な化学反応が起こります♪

 

あくまで普通の日常生活の延長線上で生きる町の人々と、映画(よりにもよってゾンビ映画☆)の非日常の対比が面白く、しかも撮っているのがスゲーつまらない映画というのも(苦笑)、現実生活の厳しさを象徴しているようで面白かったです。

エンターティメントを狙った、制作費何億円というハリウッド映画とは真逆の作品。

でも、そこが魅力的だったりするんですよね。

ヒーローも美女も悪の組織も出てこない。

誰もが欠陥があるのが当たり前。完璧な人間なんていないんだから。

 

知っている場所がたくさん出てきて、この映画を見ると、私がどんな所に住んでいるのかだいたいわかります(苦笑)

本当に山に囲まれた田舎なんです。

ただ、あまりにも知っている場所だと、映画が素直に楽しめないことに気がつきました。背景ばかりが気になって、実際の距離を知っているものだから、シーンがつながって見えないんです。

その温泉から一番近い駅はそこじゃないよ~、とか。

スナックで飲んでるけど何十キロ移動すんのさ? とか。

 

役所広司さんの作るお弁当とか、朝の食事風景とか、仕事を辞めてしまった息子とのケンカのシーンは、自分にも覚えのあるものでした。

まるで本物の地元の人みたい!

やっぱり役者さんてスゴイなぁ。

 

社会に出て、いきなり自分の思い通りに仕事ができるなんてまれだと思います。

それでも、くさらずに、他人のせいにしないで、ちょっと耐えてみる。

待つことも時には大切。

若い映画監督と、60歳の木こりの、噛み合っているんだかいないんだか、ちょっと笑えて、ちょっと心あたたまる、ちょっと変わった映画でした。

映画の最後、次回作の撮影風景が映るのも良かったです♪

これがまた、B級映画っぽいんですよね(苦笑)

 

 

 

 


松山ケンイチ「映画ノルウェイの森~エクステンデッド版~」

2012-03-05 05:58:03 | 映画

BSデジタル放送で放映された映画、「ノルウェイの森」(2010年)を見ました。

監督はベトナム出身でフランス在住、木村拓哉が出演した「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」なども手がけたトラン・アン・ユン。

主演は松山ケンイチ。その他に、菊池凛子、水原希子、高良健吾、玉山鉄二など。

劇場公開された作品よりも16分長い、エクステンデッド版。

原作は村上春樹のベストセラー小説です。

 

松山ケンイチが高校生役!!!

 

ま、それはしょうがないとして(苦笑)原作の小説も読んでいるだけに、最初はイメージの違いに違和感を感じました。髪型とか、顔や背丈。昭和40年代とはいえ、小説を朗読しているような言葉使いにも。

あと、登場人物が全員みんな異様に病的…

 

きっと私が勝手に原作を読んだ時のイメージで見てしまっているんでしょうね~

主人公「ワタナベ」を演じた松山ケンイチさん。私にとっての「ワタナベ」って、どこか冷めていて、世捨て人みたいな雰囲気があったのですが、映画版では大人=悲しみを受け止める、といった感じで、悩める青年から悩める大人へと変わっていく心情を好演してみえました。

 

それとヒロインを演じた菊池凛子さん。こちらはヒビのはいった器(うつわ)という感じで、水がもれ続け、ついには破綻をきたしてしまう女性を怪演。私のイメージしていたヒロインとは違いますが、映画としては面白かった。

 

でも、一番共感できたのは、玉山鉄二演じる愛することに臆病な男の恋人、ハツミを演じた初音映莉子さんの演技かな~

この人の気持ちが私には一番近い。

 

ベストセラー小説の映画化って、いろいろ難しいとは思うのですが、霧のかかった森や、雨の降る草原、望遠で撮られた風景の中を駆けていくシーンに顔が触れんばかりの会話シーンなど、どれも「ノルウェイの森」らしい映像で、思っていたほどイメージを壊す映画じゃありませんでした。

 

あと小道具は凝っています!

鍋なんか、私が子供の頃に家で見た鍋のデザインそのものでした♪

 

深い森の中をさまようように、人々は出会い、言葉を交わし、おずおずと触れ合う。

お互いにつかず離れず、理解したいと望むけれど、他人は永遠の謎。

そして、いつか別れが来ることもわかっている…

一瞬の出会い。一瞬の邂逅。

そのぬくもりと、悲しみを抱えて、人々は歩んで行く…

 

私の中の「ノルウェイの森」ってこんな感じ。

「ワタナベ」の身の回りの品がいちいち魅力的で(部屋の照明とか、背負っているリュックだとか)、生活スタイルには憧れを感じました。

松山ケンイチさん、学食で食事をしているだけなのに、これがカッコイイんだよな~

 


映画「トイレット」

2012-02-09 21:58:33 | 映画

レンタル屋さんで映画を借りて来ました。

「かもめ食堂」、「めがね」に続く荻上直子監督作品。

「トイレット」(2010年)

監督は日本人ですが、出演者にはカナダ人若手俳優を起用し、全編カナダロケ。セリフもすべて英語(日本語字幕)。登場する日本人は、もたいまさこさんただ一人という映画になっています。

何でトイレ?
何でエア・ギター?
何でロボットオタク?
何でスカート?
という映画(苦笑)

主人公の三兄妹は母親を亡くし、もたいまさこさん演じる英語の通じない祖母となしくずし的に共同生活を送るはめになります。

その中で一番しっかり者の次男のレイ(アレックス・ハウス)は、ちゃんと仕事を持ち、一応自分の世界も持っている社会人(オタクだけど)

そんな彼が、ひきこもりの兄に、生意気な妹、そしてよく知らない日本人の祖母と、いきなり共同生活を送ることになってしまい、毎日つまらない問題に振り回されることに。
「家族」なんてやっかいなだけ!
こんなことなら大好きなプラモデルを作っている方が何倍もマシだ!
そんな叫びが聞こえてきそう(笑)

でも、ストーリーが進むにつれ、観客にはわかってきます。兄も妹も、それぞれに問題を抱えていて、それでも自分の人生を切り開こうと必死でもがいているってことに。そして、大切なところで、兄妹のことを、家族のことを、ちゃんと愛しているということに…

そして中盤、最初はそんな家族をやっかいに感じていたしっかり者の次男に、皮肉な展開が待っています。

でも何でエア・ギター?(笑)
でも何でスカートなのさ?(笑)

美しいトロントの街並み(舞台設定はどこの国かわかりません)、テーブルを囲んで作るギョウザ、足踏みの旧型ミシン。
「センセー」と名付けられた猫、バス停のベンチに座る老婦人(サチ・パーカー)。

物語に展開の派手さはありませんが、空気感がとてもすっきりした映画。

三兄妹が祖母を呼ぶ、英語にまじって聞こえる「ばーちぁん」という言葉が新鮮でした(彼らはグランマとは呼ばずに、まるで名前のように「ばーちゃん」と呼ぶのです♪)

以前テレビのドキュメンタリーで、日本のトイレ(ウォシュレット)に感動し、故郷の東欧へ日本のトイレを苦労して持って帰った留学生を取り上げていましたが、この映画を見て思い出してしまいました。
実家に帰るとさっそく取り付け、家族が次々と試してみるのですが、その度に歓声が上がるのです!

そんなにスゴイの、日本のトイレ(笑)

私的には、ばーちゃんは実は英語がわかるのでは? と勘ぐってしまいました。
あと、次男の同僚でインド人の彼もよかった!

家族ってやっかいで、伝わらなかったり、変に伝わりすぎちゃったりしてホント面倒くさいけれど、それでもやっぱり家族は家族なんですよね。

最後に次男がトイレに入るシーンがよかったなぁ。
…ここだけ読むと変なふうに想像されちゃうかも知れませんが、ちゃんとお子さまも安心して見られる映画ですからね。
念のため☆


映画「めがね」

2012-02-01 19:21:50 | 映画

火曜日がサービスデイで、レンタル半額だったので借りて来ました。

荻上直子監督。

小林聡美主演。

もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮、光石研出演。

 

「めがね」(2007年)

 

この映画、とっても感想が書きにくい(苦笑)

面白いとも言いづらいし、感動したとも言いづらい。

でも「いいなぁ~♪」と思える映画でした。

小林聡美演じる女性が、離島のひなびた宿に泊まって、のんびりしたり、ちょっとあせったり、食べたり飲んだり、たそがれたりする映画。

すごく個人的な感想を書くと、パラダイス映画。

天国ってこんなところかなぁ、みたいな☆

天国というと、雲の上で薄絹の衣を着てってイメージや、美男美女に囲まれてとか、それぞれのイメージってあると思うのですが、例えばディズニーランドのような天国だったら、何年かは楽しいと思うのですが、きっと飽きちゃうと思うんですよ。酒池肉林でも、それが毎日だとキツイ。人間が落ち着くことのできるのは、やっぱり慣れ親しんだ風景や感覚のはずだから、森や川や空は欲しいし、お腹が空いて、ご飯も食べたい(何万年もお腹が空かないなんてやっぱり嫌)

すると、よく考えてみると、天国って日常とそんなにかけ離れてちゃいけない気がするんです。

海に沈む夕日を眺めたり、みんなでバーベキュウをしたり、一人で考えたり、朝寝坊をしたり。

 

これから映画『めがね』をすごく勝手に解釈します。

 

もたいまさこ演じる謎の女性は神様。

いつやって来るのか、どこから来るのかは誰も知らないけれど、みんなが待ち望んでいる。

宿の主人は天使。

人間たちを天国に連れてくる役回りなんだけれど、門は狭く(看板がとっても小さい)、聖書や予言はどれもあいまいでわかりにくいので、普通の人はよく迷う(地図がとってもあいまい♪)

でも本人に悪気はなくて、「僕の書く地図はわかりにくいみたい。わかりやすく書いてるつもりなんだけどな」なんて言っている。

人間(小林聡美)はそこが天国とはわからずにとまどって、ニセモノの天国(新興宗教)にも行ってみるのだが(マリン・パレス♪)、そこではみんなで畑を耕したりしていて慌てて逃げ出す。

そこに助けに現れるのがやっぱり神様(もたいまさこ)

みんなやたらと、もたいまさこさんの自転車の後ろに乗りたがるしね(笑)

小林聡美が宿に戻る時、荷物を入れたスーツケースを置いて行くのも象徴的。

天国に持っていくものなんて体(精神)ひとつでいいんですよね。

「一度死んだら、二度と死なない」

ビールが飲めて、美味しい朝ご飯があって、自分の居場所があるって、ある意味天国だよなぁ~

私も神様の隣で台所仕事を手伝いたい。

この映画を見ている時、コタツに入ってもやしのヒゲを取りながらのんびり見ていたのですが、その時に「めがね」=「天国」という考えが浮かんできました。

本当はな~んにも考えずに見るのが一番の映画なんでしょうけどね。

いい時間を過ごせました☆

 


「かもめ食堂」

2012-01-25 23:42:15 | 映画
各地で雪が降ってニュースになっていましたね。とくに慣れていない都会は大変そう。
私の住んでいる所でも降りましたが、朝早くから道路に融雪剤がまかれたり、自分の家の前はその家の人が雪かきをしてくれたりするので、そんなに困ったことにはなりませんでした。

ま、山間部なので雪には慣れていますからね。
みんな12月頃には車のタイヤを替えたり、雪かきの準備をしたりして、備えはしてあります。

ちなみに私の実家では自前の竹やぶがあるので雪を掃くのにも使う竹ぼうきは自分ちで作ります。
意外と簡単に作れるんですよ。

あと便利なのがライブカメラ(webカメラ)

ネットで公開されているカメラ映像なんですが、国土交通省の砂防事務所が道路に設置しているライブカメラが使えるんですよね。
朝起きたら近所の道路の状況が、布団の中に居ながらにしてスマートフォンで確認できる!(それでもう少し寝れるとか判断しています)

便利な時代になりましたね~
どこで見られているかわからないって不安もありますけど。

最近TVで放送されていた映画、「かもめ食堂」(2006年)を見ました。

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこさんが出演している映画です。
監督は荻上直子さん。

フィンランドの首都ヘルシンキで「かもめ食堂」という小さな食堂を始めた小林聡美。メインメニューが「おにぎり」というシンプルなお店だけれど、お客さんは全然入らない。そこにポツポツと集ってくる人々と、この女主人との交流を、あたたかくゆったりとした空気感で描いた作品。

「ガッチャマンの歌」だとか、フィンランドらしく「ムーミン」が出てきたりして笑えました♪

個性的な女優陣がかもしだす空気といい、清潔な食堂のキッチンといい、湯気の熱さが伝わってくるような料理の数々といい、私の好きな雰囲気!!

アクションだとか、血みどろの大事件は起きませんが、こういう丁寧な映画って好きです。

いつもガラス越しに店内をのぞいていくおばさん三人組みが、いつドアを開けてお店に入って来るのかヤキモキしてしまいました。

幻のコーヒー「コピ・ルアック」が飲んでみたい♪

とても素敵な映画でした。

さあ、雪にも寒さにも負けずに明日も頑張ろうかな。