私的図書館

本好き人の365日

角野栄子『ラストラン』

2011-01-30 12:29:00 | 本と日常
朝起きたら雪景色。

こんな日は家でのんびりしていたいけれど、朝から予約してあった点検に車を持っていき、日曜朝市というスーパーのタイムバーゲンに買出しに行って来ました。

積雪は10㎝くらい。
雪かきの必要な地域の方々、ご苦労様です。

NHKで放送している「週刊ブックレビュー」

今週は『魔女の宅急便』で知られる角野栄子さんが出演されていました。

最新作『ラストラン』(カドカワ銀のさじシリーズ)について語ってみえましたが、古希をこえてますます創作意欲盛んな様子で、若々しい姿とその想像力の豊かさに憧れの気持ちを抱きつつ拝聴しました☆

最新作『ラストラン』は東京で暮らす74歳の女性が主人公。

おだやかに過ぎていく日々…
ふいに若い頃夢中だったバイクが懐かしくなると、彼女は一念発起して、幼い時に死別した母親の故郷、岡山をめざすことを思い立ちます。

もう一度、やりたいことをやるわ!

ところがその時、彼女の前に12歳の少女が現れ、二人はバイクで一緒に岡山に行くことに…

その少女はなんと主人公が5歳の時に死別した母親のゆうれい!!

74歳の娘と12歳の母親(ゆうれい)は、途中でわがままな幽霊などに出会いながら、奇妙な旅を続けます♪

角野栄子さんご自身も、5歳の時に母親と死別していらっしゃるそうで、その故郷を訪ねたことがあるそうです。
「母という人がどういう人なのか知りたかった」という角野さんの言葉が胸に響きました。

この小説にはだから自伝的な要素もたぶんにあるのだとか。

12歳の母親と74歳の娘の旅かぁ~
どんな会話を交わすんだろう☆

とっても読んでみたくなりました。


ルイスと魔法使い協会シリーズ『魔法の指輪』

2011-01-27 15:42:00 | 本と日常
アパートの玄関が凍っていたらしく、知らずに踏み出したらススッーと滑ってビックリしました。

転んだら大変ですが、子供の頃に凍りついた田んぼで滑って鍛えた運動神経はまだまだ健在。

見事に滑りきってもう一度滑ってやろうかと思ったくらいでした。

いやいや、過信はいけませんね。気を付けたいと思います。

乗っている車がリコールに引っかかったり(エンジンのなたらかんたらいう部品を交換するそうです)、外に置いてある洗濯機が凍りついたり(お湯をかけたりして大変でした)、昨年申請したエコポイント分の商品券がよくやく届いたりと、今週もけっこういろいろありました。

読んだ本は、ジョン・ベレアーズの「ルイスと魔法使い協会シリーズ」第3巻、

*(キラキラ)*『魔法の指輪』*(キラキラ)*(アーティスト・ハウス)

主人公のルイスはちょっと太めで気の弱い恥ずかしがり屋の男の子。
彼が叔父のジョナサンと一緒に暮らすことになるところから、このシリーズは始まっているのですが、この第3巻では2巻でルイスの親友として登場する女の子、ローズ・リタを主人公にして物語が進みます。

実はジョナサン叔父さんとその友人のツィマーマン夫人は魔法使い。
いろいろ不思議な事件が起こり、ルイスやローズが活躍するのですが、この巻の冒頭ではローズはイライラしています。

男の子みたいに野球や木登りが大好きなローズ。

なのに親友のルイスのことをママはボーイフレンドなんて呼ぶし、夏休みが終ったら上の学校に行くことになってスカートやストッキングをはくことになる…

そんな格好大嫌い!

ドレスにダンス!?
そのうちルイスとデートしたりダンスをすることになるのかしら?

ずっと子供のままでいたいのに。

女の子なんて不公平!!

そんなローズがツィマーマン夫人と一緒に夫人が相続したという農場を訪ねて夏のバカンスに旅立ちます。

ツィマーマン夫人は普段はジョナサン叔父さんと減らず口をたたきあっていますが、冷静沈着な人生の先輩で、大人の女性としてローズの苛立ちに理解を示し、しかし変に甘やかすことなく友人として助言を与えます。

この二人の関係いいなぁ♪

しかしツィマーマン夫人が相続したのは農場だけではありませんでした。
夫人あての手紙に書かれていた不可思議な言葉。

「魔法の指輪を見つけた…」

目的地でローズたちを待ち受ける大事件!!

キャラクターに魅力があってどんどん読み進めることができました。

結末は魔法の物語っぽくて好きです♪

ほら、「三つの願い」とかあるじゃないですか。
あの結末に似てる☆

私の今の三つの願いは…
「健康な体」
「暮らしに困らないだけの収入」
「面白い本」

…俗物だなぁ。


『森崎書店の日々』

2011-01-23 12:04:00 | 本と日常
走り続ける人生もあれば、立ち止まることを必要とする人生だってある。

昨年、2010年に映画化もされた八木沢里志さんの、

*(キラキラ)*『森崎書店の日々』*(キラキラ)*(小学館文庫)

を読みました。

最近、映画化された作品とか注目されている作品ばっかり読んでるな。
いつの間に嗜好がミーハー路線になったんだ?

それはともかく、恋人だと思っていた彼氏にフラれ、仕事も辞めて一人ウツウツとした日々を送っていた女性が、叔父の誘いで彼の経営する古本屋の2階に転がり込みます。

場所は神保町。本の聖地。

周りはその数世界一といわれるありとあらゆる種類の本をあつめた本屋、本屋で、見渡す限りあっちも本屋、こっちも本屋。
転がり込んだお店の中も所狭しと本が並び、あふれ出した本は2階の居住区まで侵食している…

本読みとしたら憧れの状況☆

主人公の心情は別にして、置かれた状況はとってもうらやましいのだけれど、この彼女、本はめったに読まないし、神保町にだって興味なし。古本屋に入って一言「カビ臭い…」

そんな主人公が古本屋の店主である叔父や常連さん、近くの喫茶店のマスターやバイトの女の子(もちろん本好き☆)と接するうちに、かき混ぜられて濁っていた川の流れがやがて泥が流れて澄み切っていくように、しだいに自分の心の中の嵐が通り過ぎて行ったのを感じられるようになっていきます♪

走り続けていないと保てないものがあるように、立ち止まらないと見えてこないものもありますよね。

深く傷ついた主人公に、人を愛することをやめないでくれ、と叫ぶ叔父さんに喝采を送りたくなりました☆

実はこの叔父さんも、愛する奥さんが出て行ってしまったという悲しみを背負っているのですが、この叔父さんと彼が愛した女性の物語がとっても魅力的で、後半はこの女性と主人公との関係が大きな物語の柱となっていきます。

神保町での古本祭りとか、叔父さんいちおしの本とか、主人公が読んでみて叔父さんにその感想をしゃべりたくてしゃべりたくてたまらなくなるシーンとか、とっても楽しい♪

読みやすいのでスラスラと読めましたが、読書後とても心に残る物語でした。

映画もレンタル屋さんに並んだら観てみようかな。

赤ちゃんに人さし指を差し出すと、小さな手でギュと握ってくれて、あの時感じた自分の気持ちを思い出しました。

いい読書ができてよかった☆


「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

2011-01-22 16:52:00 | 本と日常
やっと観に行くことができました。

山崎貴監督。木村拓哉主演。
*(キラキラ)*「SPACE BATTLESHIP ヤマト」*(キラキラ)*

国民的アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の実写映画!!

アニメの印象が強いので、どんな作品になるのか、期待と不安ないまぜの気持ちでスクリーンの前に座ったのですが…

うん、ヤマトの造形そのものはOK!
大丈夫! ちゃんと本物に見える!
木村拓哉の古代進とか、黒木メイサの森雪も映画と割り切れば全然OK!
アナライザーを登場させてくれた時は嬉しかったよ監督♪

そして戦闘シーン。

ブラックタイガーの戦闘シーンには文句なし!
ヤマトはもうちょっと派手にやられてもよかったかな?
デスラー艦(?)はロミュランの巨大採掘船か?
地上戦は味方が少なすぎるよ~

そしてもっとも重要なストーリー。

ネタバレになるのでここからは私の個人的な妄想を書きます。

私はこうして欲しかった「SPACE BATTLESHIP ヤマト」☆

ガミラス星での地上戦。
ようやく追っ手を振り切り味方の所に戻った古代と雪が見たのはブラックタイガーを必死で守る加藤の姿だった。
その時激しい振動がガミラス星を襲い、潮が引くようにガミラス兵たちが退却していく。
「真田さん、斉藤…」
つぶやく古代。
加藤を看取り、ブラックタイガーでガミラス星を脱出した二人が見たのは、地上に降りた古代たちの帰りを待つ間、ガミラス宇宙軍の攻撃を耐え抜いた瀕死のヤマトの姿だった。
傷つきボロボロの格納庫に降り立った古代と雪は、艦同様、傷つきボロボロになったヤマトの仲間たちから笑顔で迎えられ、宇宙でもガミラスが一時的に撤退したこと知る。
そして古代は沖田艦長に報告するのである。真田と斉藤の命をかけた活躍と、散っていった仲間たちのことを…(妄想おわり)

だって真田さんと斉藤の活躍をもっとクローズアップして欲しかったんだもん!

ヤマトの第一艦橋のセットは確かに原作のイメージを大切にしていましたが、逆に製作者のセットへの愛着が深かったためか、あまりボロボロにならず、もっと派手に壊せよ! と観ていて思ってしまいました。

ヤマトはやっぱり、あれだけやられて何でまだ航行できるの? というところがイイところなので♪

せっかく造ったセットを壊したくなかったのかな?

心配した「ヤマトの諸君…」も健在だった☆

私の行った田舎の映画館はお客さんが少なくて、何とワンスクリーンをたった二人で貸切り状態!

すっごく贅沢な映画鑑賞になりました☆(大丈夫か「ヤマト」? というか大丈夫かここの映画館?)

予告編で流れた「ナルニア国物語第三章 アスラン王と魔法の島」もとっても良かった♪

原作のあのシーンがこんな感じに!?
うわぁー、これはすごい!
ルーシー大きくなったね~
リーピチープ大好き☆

日本での封切りは2月25日予定!
第一章も第二章もDVD買いました♪

こちらも今から楽しみです☆


『生きのびろ! 世界を変える8人のやり方』

2011-01-18 10:58:00 | 本と日常
第144回芥川賞、直木賞が発表されましたね。

芥川賞には、朝吹真理子さん(26)の、『きことわ』(「新潮」9月号)と、

西村賢太さん(43)の、『苦役列車』」(「新潮」12月号)

直木賞には木内昇さん(43)の、『漂砂のうたう』(集英社)と、

道尾秀介さん(35)の、『月と蟹』(文芸春秋) 

が選ばれました。
木内昇(きうちのぼり)さんは漢字のせいでわかりにくいかも知れませんが女性の方です。

イケメンでちょっとナルシストっぽい(ゴメンナサイ、あくまで個人的なイメージです)道尾秀介さんは若くしてすでにベストセラー作家なのに、これで箔まで付いてしまって…うぅ、くやしい。(ちょっと嫉妬)

対して43歳の西村賢太さんはインタビューではもういいよというほど低姿勢で、見ていてちょっと辛かったです。
でもかえって自分の体験を本にしたという受賞作にはすごく興味がわきました。

ゴメンナサイ。
今回芥川賞、直木賞を受賞した作家さん、一度も読んだことありません。

あと朝吹真理子さんは現役の大学院生で父親は詩人、大叔母は翻訳家でその他親戚には有名人がいっぱいというお嬢様だとか。

…こういう情報はない方が作品を単純に楽しめていいのになぁ。

確かに農作業には向かなそうな白くて細い指をしてたけど。

今回は一度に4作品が受賞ということで、これで少しは出版業界も潤うかな?

またヒマがあったら本屋さんでのぞいてみたいと思います。

最近読んだ本の中で興味深かったのは、雨宮処凛(あまみやかりん) 著

*(キラキラ)*『生きのびろ! 世界を変える8人のやり方』*(キラキラ)*(太田出版)

派遣切りや貧困に苦しむ人々を取材して発表してきた作者が、その中で出会った個性的な8人の人物について書いたルポタージュ。

現在の日本が抱える構造的な格差を浮き彫りにして問題提起をしながら、社会に負けるな! というメッセージと共に、たくましく生きる人々の生き方を紹介しています。

「私の一冊」というテレビ番組で、派遣村の村長として名をはせた湯浅誠さんが雨宮処凛さんの本を選んでいたので読んでみました。

いろいろ考えさせられました。

さあ、生きていることに感謝して、今日も頑張ろうかな。



『僕たちは世界を変えることができない。』

2011-01-15 23:33:00 | 本と日常
今日は各地で雪が降ったみたいですね。

うちの周りでも15センチほど積もりました。
ま、この程度なら全然平気です。

車に積もった雪を雪かき棒で(そういうのがあるんです)払い落とし、さっそく本屋さんに行って来ました。

立ち読みして来たのは、葉田甲太 著

*(キラキラ)*『僕たちは世界を変えることができない。』*(キラキラ)*(小学館)

日本の大学生が150万円でカンボジアに学校を建てたという実話を描いたドキュメント。

その大学生本人が書いています。

等身大の男子大学生の生態がそのまま書かれているので、ちょっと品のないところもありますが、それがかえってカンボジアの人々と読者の距離を縮めているように感じました。

そう、ここに登場する大学生たちは、決して聖人でもなく、いい人でもない、普通の若者たち。
作者は女の子にモテたいがためにボランティアをしていることを鼻にかけて自己嫌悪に陥ったりします☆

カンボジアの人々の写真が多数掲載されていて、読んでいてついつい引き込まれてしまいました。
2011年、向井理さん主演で映画化も決まっています。

もう一冊は、米澤穂信 著

*(キラキラ)*『折れた竜骨』*(キラキラ)*(東京創元社)

米澤さん、岐阜県出身なんですね。
知りませんでした。

イングランドの北、北海に浮かぶ諸島を舞台に、魔術と剣が入り乱れるミステリー仕立てのファンタジー。

十字軍やデーン人、騎士や傭兵といった言葉が飛び交います。

重要人物が暗殺され、その犯人探しがストーリーの大きな流れになっていますが、師匠と弟子、個性的な傭兵たち、頑張るお姫様と、キャラクターの魅力も満載!
後半部分の戦闘シーンには迫力がありました。

明日もどうやら全国的に雪みたいですね。

このまま雪がどんどん降って2、3日世界が止まっちゃわないかな。

そしたら食糧と本をたっぷり買い込んで、家でぬくぬくして過ごすのに。

あ、明日はセンター試験の2日目だからダメか。

受験生の皆さん、どうか頑張って下さい。
受験会場にはお早目に。


今年最初の失敗

2011-01-12 23:35:00 | 本と日常
私が子供の頃、父親は地元の消防団に入っていて、いざ火事となれば職場から飛んで帰り、半纏をはおって現場に駆けつけたものでした。

山奥のたった30軒ほどの集落のため、町の消防車をあてになどせず、消火から後片付けまで、全部集落の男たちでやったものです。

女性も炊き出しにかり出され、飯を炊き、おにぎりを作って男たちに食べさせます。

父親は自分が子供の頃に、自宅にカミナリが落ちて火事になり、やはり集落のみんなに助けられたことがあったので、誰よりも消防団の活動には熱心でした。

私も小学生の時に一度だけ、近所の家が火事になって現場で働く父と母を目撃したことがありますが、子供心に火事を出すってすごいことなんだと思ったものです。

実は先日、ちょっと気分を変えるために部屋でお香を焚いてみました。

ラベンダーの香りで気分が落ち着くというもの。

しばらくしてお香が燃え尽きたので、その灰をゴミ箱に捨てたのですが、そのうち何だかコゲ臭いニオイが…

そう、まだ火が残っていたのです!

幸いすぐにペットボトルの水をかけたので、ビニール袋とゴミがちょっとこげただけで済みました。

あー、あせった~

危ない、危ない。

水びたしの床を見つめ、散乱したゴミに囲まれ、しばらく呆然としてしまいました。

部屋に微かに残ったラベンダーの香りが憎ったらしいったらありませんでした。

いや、自分が悪いんですけどね。

横着して灰をそのままゴミ箱になんて入れるから。

皆さんもどうぞ火の始末にはご用心下さい。


『水辺にて』

2011-01-09 16:13:00 | 梨木香歩

  
 with desperate effort

 激しく希求する心。そのための、命がけの努力。



          ―梨木香歩「水辺にて」―



自ら茨の道を選ぶ人がこの世にはいます。
私はそういう人たちに憧れています。
安心と安定を求めることを決して否定はしません。
でも、仕方がないのです。
自分の心が、苦労と困難が待ち構えていることがわかっているのに、どうしても、それこそ、生きることと同価値に、その道を求めるのですから。


 生きるために、単に「生きる」以上の何かを必要とする人々。



          ―梨木香歩「水辺にて」―



電車の中で先日買った梨木香歩さんのエッセイ、

『水辺にて』(ちくま文庫)

を読みました。
上記の 「with desperate effort」 という言葉は、作者がアイルランドを旅した時に立ち寄った海辺のB&B(Bed and Breakfast 簡素な宿泊施設)で、そこの女性オーナーが口にする言葉です。

もともとイングランド生まれの彼女がこの土地に惹かれ、いてもたってもいられず、まるで本能に導かれるようにこの地に移り住んだことを作者に話す時、彼女は 「with desperate effort」 という言葉を使います。

 激しく希求する心。そのための、命がけの努力。

イギリスに留学経験のある作者らしく、英国人流の人生の楽しみ方も随所で触れられています。

スコットランドやアイルランドでアザラシが人々の生活に深く関わっていると知って少し驚きました。

考えてみればイギリスって北海道と同じくらいの緯度なんですよね。

英国人に深く愛されている本として、シェイクスピア、聖書、マザーグースの次にケネス・グレーアムの『たのしい川べ』が紹介されていたのも嬉しい発見でした♪

高楼峰子さんの『十一月の扉』(新潮文庫)を読んで、私も『たのしい川べ』(岩波少年文庫)は読んでいたのです☆

川遊び…水辺と人間との関わり…

ついには自分のカヤックを手に入れ、一人で湖などに出かけて行く梨木香歩さんの行動力にも驚かされました!

半身をカヤックに収め、オールで漕ぎ出す。
風に押し流されたり、波と格闘したり、時には水の流れるままにまかせてみたり。

アイルランドから北海道まで、様々な湖や川の作り出す風景。そしてそこで暮らす人々。

アイヌの民謡、スコットランドでの「アザラシの娘」の話し、ダムに沈んでしまった村…

梨木香歩さんの物の見方、作品が生まれてくる土壌みたいな物を感じられて、ファンとしてはとても読みごたえのあるエッセイでした。

人間達の作った柵を乗り越え、産卵場所に向う鮭たちの命がけの旅。
体がボロボロになりながらも、生きるために、単に「生きる」ということ以上の必要にせまられ、川を遡って行く鮭たち…

そんな鮭たちは顔つきまでも変わってくるのだそうです。

自分の中にもそんな求めてやまない心があって、これまでずっと葛藤してきたので何だか感動してしまいました。

電車の中は空いていて、四人がけの席に一人で座って、1時間以上、好きな音楽を聞きながら、文字を追うのに疲れると時たま雪をかぶった御嶽山(おんたけさん)や移り行く車窓の風景に目を移したりして、暖かい車内でゆっくり読書することができました。

電車の中での読書もいいものですね。

幸せな時間を過ごすことができました☆



初詣

2011-01-08 22:09:00 | 本と日常
初詣に行って来ました♪

愛知県の熱田神宮です!

そろそろ人も少ないかと思いましたが、どうしてどうして、けっこうな人出で、おみくじや御守りを買う窓口の前には長い行列ができていました。

お賽銭は5円(苦笑)

今年もいい年でありますように。

熱田神宮は三種の神器のひとつ、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)が祭られている神社です。
歴史は古く、日本武尊(やまとたけるのみこと)の時代にまでさかのぼります。

あの織田信長が奉納したという「信長塀」もあってそれも見て来ました☆

都会の中にあるため、伊勢神宮や出雲大社のような神秘的な雰囲気は感じませんでしたが、社殿はとても大きかったです。

結婚式を行う会場を作ったりして森は切っちゃったんでしょうね。
ちょっと商売に走りすぎ。
玉砂利の管理もあまり良くないし…

でも行けてよかったです。
名古屋には3年ほど住んでいましたが、熱田神宮には一度も行ったことがなかったんですよね。

久しぶりに電車にも乗りました。

その車内で女性の隣に座ったのですが、この寒いのにその女性は短パンに網タイツ(別のオシャレな呼び方があるのかも知れません)という格好で、長い足を惜しげもなく出していました。

田舎から都会に出ると街ゆく人の服装には毎回驚かされます。
慣れていないこっちが悪いんでしょうね。

こっちじゃお年よりは未だにもんぺをはいていますから。

電車の女性は小さな子どもを連れていて、その子は靴をはいたまま座席に立ち上がったり電車の床に座り込んだりしていました。
母親は知らん顔。

何だかそんな情景には慣れてしまっている自分がいました。


「侵略!イカ娘」

2011-01-05 10:10:00 | 本と日常
久しぶりに遠方の友達一家に会いに行って来ました♪

お正月の帰省客で道路が混雑しているかと思いきや、割とスイスイ行けて、ストレスもなし。
お天気にも恵まれました。

お互いの近況報告をしたり、5歳になる娘さんと遊んだり、カラオケに行ったり、夕食には焼肉をごちそうになって来ました。

あー、美味しかった♪

ちなみに私がカラオケで歌ったのは…

「僕らの夏の夢」 山下達郎
「U&I」 放課後ティータイム
「世界が終るまでは…」 WANDS
「ヒーロー」 FUNKY MONKEY BABYS
「メリーアン」 THE ALFEE
「I LOVE YOU」 尾崎豊
「地上の星」 中島みゆき
「うさぎ」 谷山浩子
「浅草キッド」 ビートたけし
などなど♪

5歳の女の子が歌う「侵略!イカ娘」のOP曲とゲゲゲの女房の主題歌「ありがとう」がカワイかったな☆

久しぶりに羽を伸ばすことができて楽しかったです。

これで平凡な毎日にも立ち向かえそう。

今年も頑張るぞ、おー!!



『だいこん』

2011-01-04 01:14:00 | 本と日常
今年初の本屋さん巡りに行って来ました。

立ち読みしてきたのは、

*(キラキラ)*『本屋さんがくれた奇跡』*(キラキラ)* 清水克衛(監修)NPO法人読書普及協会(編集)

9冊の本と、その本との出会いによって人生が変わった人々が紹介されています。
紹介されていたどの本も読みたくなってしまったのですが、その中でも古本屋さんまで行って探したのが、山本一力さんの、

*(キラキラ)*『だいこん』*(キラキラ)*(光文社文庫)

舞台は江戸時代。
一膳飯屋「だいこん」を切り盛りする若き女性”つばき”を主人公に、その周りで起こる様々な人間模様が描かれます。
とにかく”つばき”の性格がとってもいい♪

その他に読んだのは、森川弘子さんのマンガ、

*(キラキラ)*『年収150万円一家 毎日のこんだて』*(キラキラ)*(メディアファクトリー)

こちらはSF作家の夫を持ったイラストレーターの主婦の節約日記風コミック。
一人娘のコハルちゃんとの三人暮らしで、一ヶ月の食費は一万円!
パンの耳をもらったり、魚のアラをうまく利用したりする節約術の数々が紹介されています。

森川さん料理上手!!

あとは草薙厚子さんの、

*(キラキラ)*『大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか?』*(キラキラ)*(イースト・プレス)

これは発達障害について取材し、子どもたちの心と向き合う内容の本。
以前の著書『僕はパパを殺すことに決めた』が発禁となったことについても書いてありましたが、それをここで書くのは違うんじゃないの? と個人的には思ってしまいました。

購入したのは一冊。
梨木香歩さんのエッセイ。

*(キラキラ)*『水辺にて』*(キラキラ)*(ちくま文庫)

梨木香歩さんの作品、好きなんですよね♪
これはゆっくり読みたいと思います☆

帰りに入口の張り紙を見ると、大晦日とお正月三が日も休まず営業と書いてありました。

ありがたいけれど、本屋さんなら大晦日と元日くらいは休んでもいいんじゃない?

お正月から働いているお店の方々、ご苦労様です。



見習いたい年下の男の子

2011-01-03 15:17:00 | 本と日常
お節料理にもそろそろ飽きたので、とある外食チェーンのお店に食事に行ってきました。

前の席に20代前半のカップル、後ろの席にはおじいさんとお孫さんが座っているという並びの席に座ったのですが、おじいさんはポロポロこぼすお孫さんに少々ご立腹の様子。

抑えてはいるものの、子供を叱る怒鳴り声がこちらにまで聞こえてきます。

(子供がこぼすのはしょうがないよ~)

小さい子供のいる友達は、子供がこぼすのはわかっているので、よく前掛けのような物を食事をする時には持っていき、子供にさせています。

おじいさんにはそこまで気が回らないかな?

そんなことを考えている時、前の席の女性が「キャッ!」と悲鳴を上げました。

たまたま通りかかった店員さんの体が、汁物を持ち上げた女性のヒジに触れてしまい、汁がこぼれてテーブルに飛び散ったのです。

店員さんはあわてて謝り、ふきんを持ってきたり代わりの料理を運んできたりとしばらくパニック。

ところが同じテーブルに座っていた女性の彼氏らしい男性は、「大丈夫大丈夫」と笑いながら、「お正月からやってくれるね、いい記念になったじゃない」と何くわぬ顔で彼女にしゃべりかけながら、店員さんにも優しく声をかけています。

この彼氏やるな!

おじいさんとこの彼氏の対応の違いを見せられて、人間ってつくづく面白いなと思ってしまいました。

テーブルにこぼれただけで他に被害がなかったということもあるのでしょうが、どっちの人間を見習いたいかというと、年下だけれど圧倒的にこの彼氏の対応を見習いたいです。

このカップルは店員さんにまかせず、自分たちでテーブルを拭いていました。

「思いやり」ってきっと体に染み付いているものなんでしょうね。

お正月からいいものを見せてもらいました。

後ろの席のおじいさんとお孫さんが仲良くなってくれることを祈ります☆