私的図書館

本好き人の365日

雨ニモマケズ 風ニモマケズ

2013-09-22 00:58:48 | 本と日常

 

 わたくしという現象は

 仮定された有機交流電燈の

 ひとつの青い照明です

         ー宮澤賢治ー

 

今年も9月21日が巡って来ましたね。

1933年(昭和8年)9月21日。

今から80年前。
詩人、童話作家として知られる宮澤賢治が、急性肺炎のため37歳で亡くなったのがこの日です。

毎年賢治の生まれ故郷岩手では、宮澤賢治の命日であるこの9月21日に「賢治祭」として、賢治作品の朗読や野外劇が行われるとか。

1896年(明治29年)、現在の岩手県花巻市の商家の長男として生まれた賢治。

『春と修羅』、『銀河鉄道の夜』、『注文の多い料理店』、『セロ弾きのゴーシュ』、『風の又三郎』、その他数多くの作品を残しました。

今でこそ賢治の作品は多くの人の知るところですが、作家として恵まれていたとはいえず、生前に出版されたのは、詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』のわずか二点にすぎません。

 

私も賢治を偲んでその作品を読み返してみました。

選んだのは『やまなし』という作品。

『やまなし』を選んだのは、片山ユキヲさんの朗読マンガ、『花もて語れ』で取り上げられていたから。

賢治の命日の数日前に読んだマンガに、偶然賢治の『やまなし』が登場していたなんて、不思議な巡り合わせです♪



幼いカニの兄弟が水の底から水面を見上げています。

 「クラムボンはわらったよ。」

 「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」

 

クラムボンとは何なのか、かぷかぷ笑うという表現に隠された賢治の思いとは・・・

『花もて語れ』の第一巻を読めばわかります(笑)

 

岩手の地にイーハトーヴという理想郷を夢見た宮澤賢治。

今の日本を見たらどう思うでしょうね。

 

 雨ニモマケズ

 風ニモマケズ

         ー宮澤賢治ー

 

 


片山ユキヲ 『花もて語れ』

2013-09-18 02:42:12 | 日本人作家

「朗読マンガ」なるものがあることを知りませんでした。

しかもこんなに面白いなんて!



 

片山ユキヲ 著

 『花もて語れ』(小学館)



 

もう9巻まで発売されているので、マンガ通の方からは「何をいまさら」といわれるかも知れませんね(苦笑)

朗読とは声を出して読むこと。

「ビブリオバトル」という、自分の好きな本を紹介して、より魅力的だった本を選ぶ書評バトルにも、読書の新しい楽しみ方を教えてもらいましたが、この『花もて語れ』には、朗読という昔から知っているのに気が付いていなかった読書本来の楽しみ方を教えてもらいました!

まさに温故知新!!

朗読って、こんなに楽しいものだったんだ♪

 

文字にこめられたイメージを表現する。

想像力のある人、自分の中の想像力を持て余している人、このマンガを読むべきです!

そもそも物語って声に出して読むもの、人に伝えるものだったんですよね~

登場する文学作品の世界観を理解する上でも、このマンガはとってもわかりやすい。

だいたい朗読の魅力を音の出ない絵で、マンガで表現しているってのがスゴイんです。

朗読クラブ。

朗読コンクール。

小さい子どもに絵本を読んであげる、それも立派な朗読です。

怖いシーンでは子どもがおびえるくらいに怖い声と表情で(笑)

楽しい場面では読む側も楽しい気持ちで♪

使うのは想像力っていうとっても楽しいちから。

声に出して読むって、とってもクリエイティブなことなんですよね。

人の気持ちを推し量り、他人の立場に立って物を考える。

 

「視点の転換」

 

最近は何でも自分勝手に解釈する人間が増えてきて、この他人の立場に立つということがわからない人が多いみたいです。

想像力を使ってない、いや、使えない。

このマンガの主人公「ハナ」が小学生時代に出会う教育実習の先生がこんなことをいいます。

 

「赤ちゃんの泣き声は、どうしてみんなに届くか、わかるかい?」
「伝えたい気持ちが強いからだよ」

 

何かを人に伝える、そもそも言葉とはそういうものなんですよね。

メールなんかじゃ伝わらない、人間の感情や心理や喜怒哀楽、そういうものが朗読にはある。

まさに伝えたい気持ちが基本にないと、人には伝わらない。

本を声に出して読むことで、作者の伝えたいことを感じ取り、自分のイメージで表現する。

読書って、朗読ってこんなにも奥が深くて、そして面白いものなんだと、このマンガで教えてもらいました。

最近は本屋さんなどで「朗読会」が開かれたりして、若い人たちの間でも盛り上がっているようですね。いいなぁ~

私もぜひ「朗読」に挑戦してみたいと思います。

本を読む楽しみ方がまた一つ増えて嬉しいです♪

『花もて語れ』

オススメのマンガです☆