私的図書館

本好き人の365日

チャレンジャー!

2005-05-31 23:44:00 | 日々の出来事
夕食にパスタを茹でたのですが、低カロリーで量を割り増しできないかと、糸コンニャクを混ぜてみました*(パスタ)*

…水っぽい*(涙)*

思いつきでやるんじゃなかった*(爆弾)*

ソースで誤魔化せるかと思ったのに…
しょうがないので、コンニャクだけなるべく取り分けて、もったいないので、そこらにあった「カラムーチョ」という激辛ポテトのお菓子といっしょに和えてみました。

…サラダの上に載せたらけっこう食べれる*(キラキラ)**(星)**(キラキラ)*

糸コンニャクのカラムーチョ和えサラダ。

―――違う*(びっくり2)*
目指していたものとコレは違う~*(びっくり2)*

チャレンジ精神も大切だけど、コレ別々で食べたほうがぜったい美味しいんじゃなかろうか!?

失敗した~*(汗)*




名前の掟

2005-05-30 23:23:00 | 日々の出来事

「月見里」

さて、この名字はなんと読むのでしょう?

「つきみさと」ではありません。月を見るためには、高い山のない所が一番。
ですから、これは「やまなし」と読みます*(三日月)*
静岡県の清水市などでみられる名字です☆

自分の名前には小さい頃から苦労させられました。

上の「月見里」ほどではないにしろ、字画も多いし、小学生には難しい漢字だったので、いつも略字。

中学生になって、テストの答案用紙に名前を書くのだって時間がかかるので、他人より一問損したような気分がしたものです。

大人になってからも、なかなかすんなり読んでくれる人は少ないですね。

いったいどうしてそんな名字を名乗ったのか、興味がわいたので、ちょっと調べもの。

するとありました!
岐阜市近郊に名字と同じ名前の町と、その名前のついた神社が*(びっくり2)*

うちは十七代くらい前に、開拓のため、美濃の国(現在の岐阜県西濃地域)から移り住んだことが家系図に書かれているので、もしかして、この町の近辺出身なのかも知れません。

う~ん、ちょっとしたロマンを感じるなぁ~*(ハート3つ)**(キラキラ)*

ちなみに、なかなか読めない名字として、「小鳥遊」「栗花落」「四十八願」などが載っていました。

ぜんぜん読めません*(汗)*(全国の珍名さんゴメンナサイ)

どうして日本って、こんなに名字が多いんでしょうね。

お隣り韓国では、「金(キム)」「朴(パク)」「李(イ)」「崔(チエ)」の四大姓だけで、人口の半分を占めるそうです。

覚えやすいけど不便そう。

そういえば、うちも近所では、同じ名字の家が何軒かあるためか、集落全部のそれぞれの家に別名がありました。

うちは四辻に建っているので、「つじ」。

「○○さんとこの子」ではなく、「つじの○○さんとこの孫」と小さい頃は呼ばれていたものです。

今でも、電話では「つじの○○君」で通っています。

そうそう、上に挙げた読めない名字。
答えは、

「小鳥遊」=「たかなし」

小鳥が遊ぶには、鷹などの強い鳥がいては遊べない。もとは「高梨」だったものを、言葉遊びで改名したのでは。

「栗花落」=「つゆり」

栗の花が落ちるのが梅雨入りの季節だった地方で生まれた。もともと「つゆいり」だったものが「つゆり」と短くなったのでは。神戸市などでみられる。

「四十八願」=「よいなら」

仏教用語の「四十八願」からきているようだが、なぜこう読むのかは不明。栃木県南部にみられる。

だそうです*(音符)*




五月の本棚 3 『ゲド戦記外伝』

2005-05-29 21:44:00 | ゲド戦記

名前って、不思議だと思いません?

大勢の中から、あなただけを振り向かせることのできる言葉。
たくさんある言葉の中でも、あなただけに意味のある組み合わせ。

名字で呼ばれるよりも、名前で呼ばれたほうがドキッとしませんか?
それが好きな人ならなおさら☆
ちょっと嫌な人なら「なんであなたが名前で呼ぶ!?」と激怒!

それは、体みたいに、もう自分自身の一部。

もし、そんな名前の力を利用して、その人自身を操れるとしたら?
あなたを振り向かせる「言葉」を、「魔法」と言い替えてみたら?

実際、昔から呪詛や呪いのたぐいには、名前が重要な役割を果たしてきました。
そのために、西洋では王侯貴族が長ったらしい名前を付けるようになったとか。
日本でも呪いのワラ人形なんかがいい例ですね。

何年か前には、うちの近所の神社でもワラ人形が見つかったし。
(近所のおじさんの名前が書いてあった!)

さて、今回は、そんな名前の力を扱ったファンタジー小説。

アーシュラ・K・ル=グウィンの『ゲド戦記外伝』をご紹介します☆

この世界に存在するあらゆる物には、隠された「真の名」がある。
それを知っていれば、その本質を正しく知ることができ、その気になればそれを操ることができる。

航海では風を操り、農場では羊を集め、時に人の心さえも自在に操る。
これがこのアースシー世界の魔術の基本☆

人々も、ある年齢に達すると、魔女や魔法使いに頼んで、自分の「真の名」を教えてもらいます。

それはその人の胸の奥にしまい込まれ、本当に信頼する人にしか明かされません。
中には、妻の本当の名前を知らないなんてことも♪

本編の「ゲド戦記」は、

一巻 『影との戦い』
二巻 『こわれた腕環』
三巻 『さいはての島へ』
四巻 『帰還』
五巻 『アースシーの風』

という構成になっています。

主人公ハイタカ(真の名を「ゲド」)が、ローク島の魔術学院で学ぶうち、傲慢ゆえに呼び出してしまう名を持たぬ自分の分身「影」。

長い間、ふたつに分かれたままだった平和の象徴「エレス・アクベの腕環」をひとつにすべく、名なき者たちの支配する墓所に入り込んだゲドが出会う少女、アルハことアチュアンの巫女テナー。

やがてロークの大賢人となるゲド。
アースシーに忍びよる災いの兆しに、若き王子アレンと共に、竜の道にむかう彼が出会う、人間の欲望と、偉大な竜。
そして、生と死をへだてる石垣…

アースシーを治めるハブナーの玉座に、八百年ぶりに新しい王が坐り、故郷のゴント島に力を使い果たしてたどり着いたゲドを迎えてくれた、いまや主婦となり、母となったかつてのアチュアンの巫女、テナー。
そして、火の中に投げ入れられた哀れな子供テハヌー。

しだいに変貌する世界で、竜が再び内海に現れ、魔術の根源、人間と竜の関係がひも解かれ、テハヌーの前に新たな世界が開け、古き時代が終わりを告げる。
死さえへだてることのできない愛。
信頼と、長い年月が育む成熟した愛。
そして、新しく芽生える若々しくもかたくなな愛。

様々な冒険の末、ゲドの物語は、第五巻『アースシーの風』で幕を閉じます

人間の欲望と希望。
死への恐怖や心の弱さ、それに立ち向かう人の強さ。
荒れ狂う多島海(アーキペラゴ)の波のように、ファンタジーの世界を借りて展開する、波乱と冒険の物語は、各巻ごとに様々な魅力を見せてくれて、ついつい引き込まれてしまう☆

今回の『ゲド戦記外伝』は、四巻と五巻の間に出版され(日本では五巻の後)、ローク島の魔術学院がどうやって作られたか、ゲドの師匠オジオンがゴント島を地震からいかに救ったか、そして四巻と五巻をつなぐ重要な物語、女人禁制の魔術学院に入り込んだ不思議な力を持つ女性の話など、本編を補って余りあるほどの物語の数々が収録されています♪

ル=グウィンの魅力は、ゲドのしぶさもさることながら、登場する女性達の生き方!

魔法の力を持ちながら、正式な魔法使いになれない魔女と呼ばれる女達。

神に仕える巫女として、人格さえも認められず、生き方さえ選べない少女。

もちろん「真の名」に代表される、この世界独特の魔法や、かつて人間と同じ種族だったと言われる竜の存在。美しい海と、語りかけてくるローク島のまぼろしの森など、自然や生活に根付いた描写もこの物語の魅力♪

大きな戦乱や、派手な戦いはないものの、読み終わったあとで、何かが心の中で燃えているような気がする、そんな物語☆

私達も、知らず知らずのうちに、力のある言葉を使っている時があります。

それは、時に人を傷つけたり、自分自身をさいなむ時もあるけれど、人の心に明りを灯し、温かい感情で満たしてくれる時もあるはず。

大切な人を名前で呼ぶ時、そこにどんな思いを込めますか?

その言葉は、相手の心に届いていますか?

自分の心から出た言葉でないと、相手の心には通じません。
それは、「真の名」が、教わるのではなく、自然に口をついて出てくるのと同じ。

もし、相手の心と触れ合えたのなら、そんな時、あなたは魔法を使っているのかも知れませんよ☆






アーシュラ・K・ル=グウィン  著
清水 真砂子  訳
岩波書店




男の戦い

2005-05-27 21:44:00 | 日々の出来事

久しぶりに、スーパーで買い物をしました。

夕飯のメニューを組み立てながら、目に付いたものを、ポイポイとカゴに入れてひと回り。

惣菜コーナーでいくつか買って、さて次に移ろうかと、立ち去りかけた、ちょうどその時。
割り引きシールを手にした店員さんが惣菜コーナーに現れました*(ドキュン)*

時間なんて、気にしていなかったから、19時をすぎたことに気付かんかった!

次々と貼られていく2割引きのシール。
カゴの中にはその前に入れてしまったお惣菜のネギチャーシューが*(汗)*

立ち去りかけた手前、戻るのもカッコ悪いし、いまさら値引きのシールを貼ってもらうのも男としてのプライドが…

ん? カッコ悪い? プライド?

何言ってるんだ、スーパーで*(グー)*
男って、ほんとつまんない生き物ですね。

「すみません、今カゴに入れたんですけど、これにもシール貼ってもらえますか?」

と聞くと。「ああ、いいですよ」と気持ちのよい返事*(キラキラ)**(星)**(キラキラ)*
おかげで50円近く安くしてもらいました*(音符)*

レシートを受け取って、ちょっと満足感を覚えながらも、どこかでまだ、男の残り火がつぶやく…

…フッ、一線を越えたな。

どんな一線やねん*(びっくり2)*(笑)

自分で自分の葛藤に笑ってしまいました。
ヘンなところでヘンな考えが頭に浮かぶものです。

結論。
男のダンディズムは、スーパーには似合わない。
どこらへんがダンディズムなのかは、よくわからない…(笑)




カルチャーショック!

2005-05-24 23:10:00 | 日々の出来事
「ちんちん」は方言だったんですね。
TVで知りました。

いえ、あっちの「ちんちん」じゃないですよ(笑)

「お湯をちんちんに沸かす」
「やかんがちんちんになっている」

なんてこの地方では言います。
とても高温になっている状態を表す時に使う言葉なんですが、確かに、考えてみると変な言葉ですね(^_^;)

冬なんか、ストーブの上でやかんのお湯が沸騰すると、よくチン、チンと鳴っているの、聞いたことないですか?
多分、あれからきているんじゃないでしょうか。

ちょっと面白そうだったので、方言を調べてみました。

けっこうそういうサイトってあるんですね。
その中で、自分も使っていた方言をいくつか…

この辺りの小中学生は、自転車のことを「けった」「けったマシーン」と呼ぶのですが、これも方言。(これはまだうなずける)

お金持ちのことを「おだいじん」って言いません? (言わないか…)

考えたり、工夫することを「かんこうする」って言うんですが…アレ、これは「勘考する」だから方言じゃないんじゃないのかな? (けっこう一般的に使ってるけど)

「たわけ!」(田分け)は馬鹿という意味。

「たるい」は悲しいとか、残念とか、つまらないとう意味。

お風呂から出た時、「お先に失礼しました」みたいな感じで、「ごぶれしました」。

これは小さい頃から「ごぶれしたよ」(お風呂出たよ)とか「先にごぶれするよ」(お風呂入るよ)ってしょっちゅう使っていたので、みんなの家でもそう言っているもんだと思っていました。

「ご無礼します」からきてるのかなぁ?

ちなみに、飲み会などで、途中で帰る時など、「お先にご無礼します」(失礼します)と言って席を立ちますが、これもやっぱり方言?

けっこう調べてみると面白いです☆

自分では、なかなか気付かないものですね。





イメージチェンジ

2005-05-23 00:13:00 | 日々の出来事

今日は床屋に行って来ました。

だんだん暑くなってきたので、高校野球の男の子みたいに丸坊主。

去年の夏に続いて、二度目です。
面倒くさくないから、この季節の定番にしようかな。

外に出ると、最初はやっぱり落ち着かなかったけれど、自分が思っているほど他人は気にしないもの。

すぐに慣れました。(ま、自分で自分の姿は見えないしね)

鏡で見ると、頭だけは松平健*(びっくり2)*

ま、こんな自分もアリでしょう。

妙に手触りだけはいいので、ついつい坊主頭を触ってしまいます。
自分の頭なのに面白い♪

明日、職場での反応が楽しみだ☆



もり蕎麦に唐辛子

2005-05-20 23:16:00 | 日々の出来事
いま池波正太郎の『食卓の情景』というエッセイを読んでいます。

著者は「鬼平犯科帳」などの時代小説の作者として有名ですが、食べ物に関する好奇心もかなりのもの。

お気に入りの食べ物やお店、そこで働く職人や女中さんの話を、自身の思い出と共に書いているのですが、もう、読んでいてお腹の空くこと、空くこと*(チキン)**(サンドイッチ)**(トロ)**(天丼)*

出てくる料理や、その皿が並べられた情景が頭に浮かんできて、生唾ものです。

今日は昼前から、どうしても”らうめん”が食べたくなって、仕事中もどのお店にしようか考えていました。

田舎なので、選択肢は限られているし、美味しいラーメン屋さんなんて市内で出会ったことがないので、今回は新しい店に挑戦!

前から気になっていた「屋台ラーメン」というお店に決定*(星)**(キラキラ)*

仕事が終わって直行*(びっくり2)*

食べてきました、しょうゆラーメン、300円(安!)

細めんにスッキリしたスープが合うねぇ~
と、わかりもしないのに食通気取り(笑)
ほんと、我ながら影響されやすいんだから。

京都〔松鮨〕の鮨。
築地〔ふく源〕の河豚料理。
浅草〔前川〕の鰻。
大阪〔阿み彦〕のシューマイ。

本に出てくる料理は、ほんとどれも美味しそう☆

蕎麦にはわさびを使わず、赤唐辛子をかけて食べるのが好みとか。
へ~え、今度まねしてみよう♪

夏に向けて、毎年のように減量を誓うこの季節。
この本の選択はちょっと失敗だったかなぁ~*(音符)*

そう思いながら、今度は名古屋の〔資生堂パーラー〕に食べに行こうと決心していたりして…*(星)**(キラキラ)*

ほんと、我ながら懲りないな☆




羊の皮をかぶった羊

2005-05-19 00:19:00 | 日々の出来事
当たり前ですけど、性格ってほんと人それぞれですね。

新人の女の子が仕事で失敗したとします。

そんな場合、同僚のHさんは、冗談半分に「何やってんだよ、今度やったらおしおきだからな」
なんて、軽い感じで怒ってみせます。

新人の子は「すみませ~ん、次から気を付けます~」
と言いながらも、「怒んないで下さいよ~」と愛想笑い。

同じような場面でも、私の場合。
「あ、大丈夫、大丈夫。すぐやり直せるから」
と自分の仕事は後回しにして、すぐさま仕事のフォロー。

すると、失敗した子は「すみません。すみません。」
と平身低頭。

「気にしなくていいよ」とこちらが言えば言うほど、申し訳なさそうな顔をされてしまう…

仕事のミス自体はどちらも似たようなもの。
たいしたことじゃないのに、この違いはいったい何?

ま、Hさんは誰にでも気さくに話しかける明るい性格で、うけないギャグでも平気でポンポン言える人だから、新人の子も気楽に話せるんだろう。

対してこちらは、そんなに饒舌でもないし、いいかげんなことが許せないから、上司や同僚に、人前でもついキツイことを言ってしまう。
新人の子からしたら、近づき難いと思っているのかも。

そんな態度じゃ仕方ない、と言われそうだけれど、決して好きでこうしているわけではなくて、できればHさんのようになりたい。(ギャグを言うかどうかはともかく)

ただ、仕事中は仕事を優先したいから、どうしても効率や時間のことを考えてしまう。
あまり安易な妥協はしたくないから、意見の衝突も覚悟でつい自分の考えを口に出してしまう。

そこら辺が、けっこう周りに誤解を与えているのかな…

「何やってんだよ…」なんて言ったら、本気で怒られてると相手が思う確率のほうが高そう。
う~ん、そんなイメージも嫌なんだけど…

もう少し付き合ってもらえれば、新人の子にも、イメージほど取っ付きにくい相手じゃないってわかってもらえると思うけれど。

いつも、打ち解けるまでに時間がかかる。

自分の性格には苦労させられるけれど、だからってやっぱり、まったく別人になりたいわけでもない。

ほんの少し、融通を利かして欲しいだけ。

だって明日からいきなり、自分がうけないギャグを連発するオヤジになっていたとしたら… うわぁ~、そう思っただけで鳥肌が立つ!

Hさんは偉大だ。
どうやって自分の性格と付き合っているのだろう?

五月の本棚 2 『タラン・新しき王者』

2005-05-15 11:18:00 | プリデイン物語
物語を読むのは楽しいけれど、読み終わった時は少し寂しい。

そう思わせてくれる本に出会えるって、本当はそれだけで幸運なんですけどね♪

今回ご紹介する本も、そんな読み終わった後もずっと心に残る物語。
ロイド・アリグザンダーの

『タラン・新しき王者』

です☆

ファンタジー小説は数々あります。
「指輪物語」「ナルニア国物語」「ゲド戦記」「はてしない物語」「空色勾玉」「ハリー・ポッター」などなど☆

魔法使いに戦士。モンスターに妖精に偉大なドラゴン。現実には存在しない世界なはずなのに、それらの物語を通して読者に語られるのは、どれも現実に直面しそうな人生の障害だったり、生きる上での苦悩だったり、友情だったり、愛だったり。どれも大好きな作品です☆

このロイド・アレグザンダーの作品、「プリデイン物語」もそんな逸品!
武勇と冒険に憧れる”豚飼育補佐”の少年タランが、英雄ギディオン王子や、老預言者ダルベン、よき理解者コルなどの助けを借り、旅の仲間と共に様々な苦難に打ち勝ち、成長する物語。

神託を下す豚ヘン・ウェンや、死者を甦らせる黒い釜、人の一生の織物を織る運命の三人の女神といった神秘的な要素から、少年の旅立ち、出会い、別れと悲しみ、裏切りに友情といった、人間が成長する上で困難だけれど通らなければならない大切な問題が、「プリデイン」という神話や伝説に登場しそうな、それでいてまったく新しい世界を舞台に語られていきます♪

第一巻「タランと角の王」
第二巻「タランと黒い魔法の釜」
第三巻「タランとリールの城」
第四巻「旅人タラン」

これまでご紹介してきた四冊で、タランやドンの一族の活躍もあって、しだいに力を奪われてきた死の国の王アローン。

この第五巻、最終巻で、ついに彼は炎の剣、王者にしか抜くことのできないディルンウィンを奪い去ることに成功してしまいます。

迫り来る死の国の不死身の軍隊。
仲間が殺されるごとにその力が強くなる不気味な狩人。
人々に死の訪れを告げるというグウィンの角笛が響く中、プリデインに滅亡の危機が迫ります!

もう読んでいてハラハラ。

ずっと共に旅をしてきたような気持ちになっていたので、仲間たちが次々と戦いに身を投じるたびに、なんて戦争は大切なものをこんなにも簡単に奪ってしまうのかと、怒りさえ感じました。

王様のくせに放浪くせのあるフルダー・フラムや、頑固な妖精族ドーリ、いつもタランのそばを離れなかった毛むくじゃらの忠義者ガーギといった仲間たちに襲いかかる危険と苦渋の決断。タランがずっと世話をしてきた白い牝豚ヘン・ウェンや、いたずら好きが玉にきずな優秀な斥候カラスのカア。人を乗せて疾走する巨大な山猫リーアンに、タランの愛馬メリンラスや巨大な怪鳥ギセントまでが、過酷な試練にさらされます。

そして、タランの思い人、リール王家の末娘、エイロヌイ王女までが、混乱する戦場の中で…

あぁ、この物語がこれで最後だなんてもったいなさすぎる~

夢物語や、どこか抒情詩的な物語と違って、アメリカの作家の描く世界はどこか現実的。そこがいつものファンタジーと違ってまた魅力。

タランたちの暮らすカー・ダルベンなんて、ほんと貧乏くさくて、まるで西部の開拓小屋みたいだし(笑)
フルダー・フラムの持つ、おおげさな話をすると弦がひとりでに切れる竪琴も好きだった。

いっそ、スタジオジブリでアニメ化してくれないかな?
ブタも出てくるし、猫のリーアンなんて、まるで猫バスみたいだし、怪鳥ギセントと名前の似た巨大空中戦艦もどっかで飛ばしてたような気がする…

実をいうと、「プリデイン物語」には、別巻として、「コルと白ぶた」「正直な竪琴」という二冊の絵物語と、タランの出生の秘密を描いた「すてご」という短編集があるそうです。

欲しい!
読みたい!

でもネットで探しても品切れで手に入らない~
根気よく探すっきゃないかな?

できれば、中高生の方に読んでいただきたい。

もちろん、ファンタジー初心者から、かなりの読書家にも、納得していただける作品だとは思います。

まあ、多少のアラは大目に見て下さい(苦笑)
もっとも、物語を愛する想像力のある方で、まだこの物語を知らない方に「こんないいもの見つけたよ~」と自慢したくなる作品であることは確かです♪

五月の爽やかな日差しの中。
あなたもどうぞ、豚飼育補佐の少年タランたちと共に、プリデインの大地を旅してみませんか?

エイロヌイ王女のおしゃべりや、フルダー・フラムの奏でる竪琴の音色が、きっとあなたを待っていてくれますよ☆


「あなたくらいすばらしい豚飼育補佐はプリデインじゅうさがしてもいないと、わたしはかたく信じてるは。 ほかに何人いるか、わたしは全然知らないけれど、それは今問題じゃないでしょ」









ロイド・アリグザンダー  著
神宮 輝夫  訳
評論社

五月の名言集

2005-05-14 22:52:00 | 日々の出来事
ライナス:

「ルーシーをそっとしておこう…
 機嫌が悪いんだ」

チャーリー・ブラウン:

「誰かの機嫌が悪いと、家族のみんなに影響するよね…」

ライナス:

「いや、そんなことないよ…」

ルーシー:

「ホント? どこで失敗したのかしら?」





             ―チャールズ・M・シュルツ「ピーナッツ」―





五月の服選び

2005-05-11 22:36:00 | 日々の出来事

このところ天気がいいので、バイクで通勤しています。

五月のさわやかな風をうけて、さぞ気持ちがいいだろうと思いきや…

なに、この寒さ!?

上着は着ているのに、寒さで思わずハナミズがたれてくる~*(汗)*

暖かい日が続いていたので油断しました*(びっくり2)*

朝晩はまだまだ寒いです*(びっくり1)*

下に一枚着ると、昼間暑いし、仕事は現場での立ち仕事だから着替えもしづらい。
ということで、職場では、夏服、冬服、エプロンにTシャツと、様々な服装でみんな仕事をしています。

若い子(10代!)のTシャツ姿を横目で見ながら、おばさん達と「さすがにマネできないね~」とぼやいたりしている、今日この頃です*(音符)*




五月の本棚 『旅人タラン』

2005-05-10 00:51:00 | プリデイン物語
わたしは、だれだろう?

そんな疑問に誰でも一度はぶつかるんじゃないですか。

私は何者で、何が出来て、何のために生きているのか?

もしかして、私には大きな使命があるんじぁないのか?

本当は、とっても大切な存在で、誰にでも愛される日が訪れるのではないのか?

私がこの世界に生きている答えが、きっとどこかに…

そんな思いに駆られて、思い切ってその答えを見つけに旅立てたら、どんなに「生きてる」って思えるだろう。

でも、現実は、そんな余裕を私達に許してはくれない。

―――いえ、諦めるのはまだ早い!!

そういう時のために、私達人間には、秘められた能力があるじゃないですか♪

想像力と、古の経験を伝える「文字」を頼りに、冒険と探求の旅に出る。物語の主人公の姿を借りて、自分の心の奥底に眠る光を求め、”現実”の体験をするために本のページをめくる。そう、本の中で起こることは空想だけれど、それを読んで感じたことはあなた自身の本物の感情。そこからもらうことの出来る経験は、確実に私達の中で、何かを変えていく。

今回は、そんな驚きと感動をあたえてくれる物語の中から、一冊の本を紹介してみたいと思います。

先月から読み続けている、アメリカの作家。
ロイド・アリグザンダーが豚飼育補佐の少年を主人公に作り上げた新たな世界「プリデイン物語」。

その第四巻にあたる

『旅人タラン』

です☆

死の国の王アローンの魔の手を撃退し、思いを寄せるリール王家の王女様、おしゃべり好きな金髪の乙女、エイロヌイの危機をなんとか救った主人公のタラン。
モーナ島にエイロヌイを置いて、故郷のカー・ダルベンに戻ってきたタランでしたが、考えるのは、エイロヌイと自分のことばかり。

かたや古き血に連なる王家の王女様と、かたや生まれも定かではない豚飼育補佐の今の自分。

あまりに違いすぎる二人の立場に、自分はもしや高貴な血の生まれなのでは…と、かすかな希望にすがるタラン。
我慢できなくなった彼は、老予言者ダルベンに頼みこみ、自分の両親を探す旅に出る許しをもらうのでした。

最初は、自分の氏素性を明らかにして、晴れてエイロヌイに結婚を申し込むつもりのタランでしたが、この旅は、そんな単純な探索行にはなりません!

荒れた土地を守り、耕す農民の夫婦。
多くの富と兵士を持ち、つまらないことで互いに争う領主達。
人間を軽蔑して、不死を願うあまり、死そのもののようになってしまった魔法使い。
他人を利用し、良心のかけらも持たない野武士。
必要な物はすべていつか流れてくると信じて、川に網をしかけ続ける家族。
鍛冶屋に機織り、技を磨くことにすべてをそそぐ陶工。

たくさんの人との出会いの中で、タランは悩み、苦しみ、学びながら、自分は何者なのかと問い続けていきます。

「ほんとうに、それを、おまえはのぞむかの?」

高貴な血の生まれ。
見も知らぬ両親とのつながり。
田畑を耕し、家畜の世話をし、鍛冶場で鉄を打ち、羊の毛をすいて機を織る。

自ら鍛えた剣を持ち、自ら織ったマントを身につけ、さすらい人となったタランは、やがて、自分の真の姿をうつすといわれる、フルーネットの鏡にたどり着きます。

その鏡にうつる、タランの真の姿とは?

読み終わってビックリ!!
まるで自分自身が、タランと同じように試されているような気になってしまいました☆

「お前は何者なのか?」と。

自分の生まれた過去には、確かに血縁や、家、祖先たちの恩恵が働いています。でも、今、自分が自分であるのは、自分がこれまで生きて、出会って、体験して、人々と作ってきた関係があるからではないのでしょうか。過去を土台に、しっかりとその上に立ち、積み上げて来た自分という”今”。それはひとりひとり違っていて、だからこそ、自分が生きてきたことの証。

タランの周りには、多くの仲間がいます。
老預言者ダルベン。良き指導者コル。放浪クセのある王様、吟遊詩人のフルダー・フラム。妖精族の頑固者ドーリ。かた時もそばを離れない毛むくじゃらのガーギ。スモイト王に、ドン一族の王子ギディオン。そして、いつも明るく、けっしておしゃべりの途切れない元気な王女さま、エイロヌイ。

彼らはタランが高貴な血筋だから、彼が好きなのではありません。

彼が彼だから、みんなタランが大好きなのです☆

本の魅力は、自分が知っているのに思い出せない秘密を明らかにしてくれること。自分の中に、こんな感情や思いがあったと気付かされることもしばしば。その度に、自分の経験値が上がっていくようです☆

そうそう、今回忘れてならないのは、フルダー・フラムを乗せて活躍する見事な愛馬。
…いや、愛猫かな(笑)

巨大猫、リーアンの活躍にも、期待して下さい☆









ロイド・アリグザンダー  著
神宮 輝夫  訳
評論社