私的図書館

本好き人の365日

一月の本棚 4 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

2009-01-31 23:58:00 | ハリー・ポッター
あなたはどんな時に怒りを感じますか?

自分の考えが無視された時?

誰かが得をして、自分が損をした時?

自分の欲しいものを、誰かが持っていた時?

相手からバカにされ、自分のプライドを傷つけられた時?

感情は、それ自体はとっても大切なものです。
あなたはどんな時に怒りを感じますか?

相手が自分の思い通りにならなかった時?

自分が、自分の思うように行動できなかった時?

困っている時、苦しい時に、誰も助けてくれなかった時?

それとも…自分の愛する人を傷つけられた時?


”…グリフィンドールに行くならば  勇気ある者が住まう寮  勇猛果敢な騎士道で  他とは違うグリフィンドール…”

  ~第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』より~


勇気を試されているのは、何も物語の中の英雄たちばかりではありません。”あなた”が、日々の生活の中で試されているのです。

幼い時、昔話を語ってくれる人はいませんでしたか?
寝物語に聞いたお話の主人公たちは、常に何を持っていましたか?
ただのお話を、何世紀も何世紀もの間、人々が語り伝えて来たのは何のためでしょう。
そこから人々は、何を学んだのでしょう。
大切なのは想像力です。

では、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
その第4巻となる

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

の紹介を始めたいと思います☆

闇の魔法使いの力を奪い、「生き残った男の子」ハリー・ポッター。

自分の両親が魔法使いだったことを知り、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」にハリーが入学して3年が経ちました。
ハリーは14歳です。

これまで、物語の舞台として、ハリー達が学び暮らす「ホグワーツ魔法魔術学校」が大きな役割を演じてきましたが、魔法使いの学校は、なにもハリー達が暮らすイギリスにだけあるわけではありません。

今回、外国にある有名な魔法学校から先生と生徒がホグワーツにやって来ます。
「三大魔法学校対抗試合」がホグワーツで開催されることになったのです♪

これは、三大魔法学校と呼ばれるヨーロッパを代表する三つの魔法学校の親善試合のことで、それぞれの学校から、各校ひとりの代表を選び、三つの魔法競技を行い、優勝杯と賞金を争うというもの。

そのあまりに厳しい競技内容に、死者まで出るようになったため、長いこと開催が中止になっていました。

その競技に出場する選手を選ぶのが、今回タイトルにもなっている”炎のゴブレット”。

ゴブレットとは、日本語ではお酒などを飲む時に使う「杯」(さかずき)のことですが、イギリスではビールなどを飲む時の、もう少し大きな物をさすようです。有名なもので、イエス・キリストが最後の晩餐に使ったといわれる「聖杯」がありますね。

炎のゴブレットも、一見見栄えのしない杯ですが、強力な魔力を秘めており、そのふちからはあふれんばかりの青白い炎が踊っています。

その中に選手に立候補したい生徒は、自分の名前と学校名を書いた羊皮紙を入れ、炎のゴブレットがその中からもっともふさわしい三人の選手を選ぶのです。

ただし、危険な試合のため、今回は年齢制限がもうけられます。
出場資格があるのは17歳以上の生徒のみ。

ホグワーツの校長、偉大な魔法使いであるダンブルドアが、炎のゴブレットから舞い上がる羊皮紙に書かれた生徒の名前を読み上げるたびに、生徒の間から歓声が上がる!

次々と選ばれていく三人の選手たち。
しかし、その時、ありえないことに、炎のゴブレットが四人目の選手を選び出します。
そこに書かれていた名前は…

ハリー・ポッター

この「三大魔法学校対抗試合」でハリーが挑戦することになる三つの魔法競技も、もちろん見どころです☆

でも、この巻で一番の読みどころは、これまでずっと協力してやってきた、ハリーと親友のロンがケンカしてしまうところ!!

自分のことを、いつもあの有名な「ハリー・ポッター」の影に隠れ、”おまけ”のような存在だと感じてしまうロンの感情が爆発します。

果たして、二人の関係はどうなってしまうのか!?

もちろん、あの”名前を呼ぶのがはばかられる”「例のあの人」、闇の魔法使いも登場します。

ハリーの名前が炎のゴブレットから出て来た理由とは?
夜空に不気味に浮かぶ”闇の印”の意味することとは?
他の学校の生徒をもてなすために行われるダンス・パーティーで、ハリーとロンはダンスの相手を獲得できるのか!?
頑張れ男の子!!

女心に悩むハリーがカワイイです♪

ロンにも強力なライバルが出現します(笑)

今月は、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズを紹介して来ましたが、なぜこの本が世界中の人に読まれ、愛されるのか、私の個人的な感想は…

それは「勇気」でした。

怪物に立ち向かって行く勇気ではありません。
ハリーは、確かに魔法使いですが、特別に強い力を持つヒーローではなく、逆に思い込みや間違いの方が多い、私たちと変わらない普通の人間として描かれています。大人に反抗したり、宿題を怠けたり、決して誘惑にも強いわけではありません。

しょっちゅう親友のハーマイオニーに怒られ、ロンに励まされ、読者をやきもきさせます。でも、いつも立ち向かっていくのです。

自分の損得を考えたことは一度もありません。
…たぶん(女の子と宿題は例外ですけど☆)

物語はここからどんどんハリーにとって過酷なものとなっていきます。
ハリーだけでなく、ロンにも、ハーマイオニーにも、多くの人々に、選択の時が迫ります。
その時、ハリーがどんな選択をするのか…

どうぞ、ご自身の目でお確かめ下さい。

そこに、この物語の魅力が隠されているような気がします。

昔話の主人公たちが、どうして主人公になれたのか。
魔法の力も闇の力も、ハリー・ポッターでさえも、物語で語られているものはいわゆる比喩です。いつでも、どんな物語でも、それは読者の、あなたの物語なのです。
私はそう思います。
想像力が大切です。


”…グリフィンドールに行くならば  勇気ある者が住まう寮  勇猛果敢な騎士道で  他とは違うグリフィンドール…”


このシリーズの紹介は、もう少し続きます。
よろしかったら、もう少しだけ、お付き合い下さいませ☆


















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

「つみきのいえ」

2009-01-30 23:59:00 | 本と日常
滝田洋二郎監督、本木雅弘さん主演の映画「おくりびと」が、アカデミー賞にノミネートされて話題になっていますね。

今回、アカデミー賞の短編アニメーション部門にも、日本の作品がノミネートされました。

「つみきのいえ」という12分ほどの作品です。

監督は加藤久仁生さん。
国内外の多くの賞に輝いているそうですが、最近までまったく知らなくて、平成20年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞に選ばれたということなので、さっそく文化庁のHPをのぞいてきました。

主人公は一人暮らしの老人。
どこもかしこも海しかないので、まるで海の上に建てた家に住んでいるように見えますが、実は海面の上昇にあわせて、家を上へ上へと積み上げてきた、つみきのような家に住んでいます。

老人は、自分の家の床板を開けて、そこから釣をするのが日課です。

ところがある日、愛用のパイプが海の中に落ちてしまい…

とてもあたたかな色彩で、やわらかな線で描かれた人物や風景が、どこかなつかしいような、絵本のような印象を与えます。

セリフはありません。

パイプを探すために、床下の海にもぐる老人。

海面が上がるたびに積み上げてきた家。

沈んでしまった部屋には、それぞれの想い出も沈んでいます。

今はもう亡くなった妻、娘の結婚、子供の生まれた日、若かりし日の妻と自分。

よみがえる家族との想い出。

そうした過去へ、つみきのように積み上げられた想い出の中を、下へ下へと降りていく老人。

すごくジーンときてしまいました☆

文化庁のHPで、ほんのさわりだけですが、作品を見ることができるので、よかったらのぞいて下さい。

こちらでご覧になれます↓(http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/animation/001039/)

ちなみに「第12回文化庁メディア芸術祭」は、2009年2月4日(水)から15日(日)まで国立新美術館で開催されるそうです。


一月の本棚 3 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

2009-01-28 23:58:00 | ハリー・ポッター
J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズは、全7巻の物語です。

第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』
第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』

ハードカバー版は4巻からは上下2冊構成。
現在は携帯版といって、少し小さなサイズでお値段も少しだけお得な物が発売されていますので、手に入り易くなりました。
といっても、やっぱりできればもう少し、値段設定を低くしてもらえるとありがたいんですけどね☆

11歳になるまで、自分が魔法使いだとは知らずに、親戚の家で孤独に育ったハリー・ポッター。

ハリーは憶えていませんが、彼がまだ1歳の時、彼と魔法使いだった彼の両親は闇の魔法使いに襲われ、ハリー1人だけが生き残りました。
そして、その時何かが起こり、闇の魔法使いは力を失います。

全編を通して、ハリーの成長と、力を取り戻そうとする、この闇の魔法使いとの戦いが描かれる「ハリー・ポッター」シリーズ。
底辺に流れるのは、人間の心の闇。愛と友情ですが、ハリー自身はそんな”愛”なんてあやふやなものより、ちゃんとした答えが欲しいと思うこともあったりして、若き魔法使いの苦悩などものぞかせます。

もちろん、それだけではありません。
人間社会と共生しながらも普段は隠されている魔法社会。
魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学することになるハリーの学園生活。
あふれんばかりの宿題に難しい試験。
空飛ぶ箒(ほうき)に乗ってするスポーツ”クィディッチ”。

時には笑いをさそう魔法の数々。
様々な魔法の道具に不思議な魔法生物たち。
もうここには書ききれないくらいたくさんの要素が詰まった作品なんです!

もちろん成長するハリーにはロマンスだって待っています♪

ふられたり、媚薬を盛られたり、ケンカしたり、友達のイチャつく姿に辟易したり、キスしたりと、ハリーも大忙し☆

そんな魅力にあふれた「ハリー・ポッター」シリーズですが、数々の謎も隠されています。

なぜハリーは生き残ったのか?
なぜ闇の魔法使いは死なないのか?
裏切り者は誰?

さて、今回は、そうした謎の一つが解ける、第3巻。

『ハリーポッターとアズカバンの囚人』

をご紹介しましょう☆

「アズカバン」というのは、魔法使いの犯罪者を収監しておくための監獄です。そこには吸魂鬼(ディメンター)と呼ばれる、空飛ぶ恐ろしい人ならざる看守たちがいて、難攻不落、脱獄不可能と言われていました。それなのに、なんとそこに囚われていた大量殺人犯、シリウス・ブラックが脱獄してしまったからさあ大変。

彼はハリー・ポッターを襲った闇の魔法使いの仲間だと目されていて、ハリーの命を狙っているのではないかと憶測が飛び交います。

ホグワーツに配備される吸魂鬼(ディメンター)。
新しくやってきた「闇の魔術に対する防御術」の先生。
守護霊の呪文に、狼男。
ロンドンの街を疾走する、迷子の魔法使い、魔女たちの緊急お助けバス、「夜の騎士バス」(ナイトバス)

今回ハリーは、自分の両親が襲われる原因となった、ある裏切りの真相を知ることになります。

そして気になる予言。

   …闇の帝王は、召し使いの手を借り、再び立ち上がるであろう…

隠された謎がしだい明かされていくのも「ハリー・ポッター」シリーズの魅力☆

ストーリー的には、しだいに暗い影がハリーたちに迫ってきますが、私個人としては、毎回登場する食事シーンが楽しみ♪

とにかく、どっさり!
とにかく、食べる食べる!!

たくさんの生徒が並ぶ長テーブルに、一瞬にして大量の食事が出現するシーンは圧巻です!

スープにサラダにポテトにチキンにローストビーフに、え~と、他いっぱい♪

もちろんその後には大量のデザートが現れるのです♪♪

魔法っていいなぁ~

ま、大広間の真下に厨房があって、屋敷しもべ妖精たちがせっせと料理しているんですけどね☆

あまりにおいしそうなので、なんだか作者の願望が反映しているみたいに思えてしかたありません♪
やっぱり子どもはどんどん食べないと!

さて、力を取り戻すのは闇の陣営ばかりではありません。
今まで同様、ハリーを支えてくれる親友、ロンに、ハーマイオニー。そして、今回、ハリーにとって、とても大切な出会いも待っています。

生きる意欲、幸福な思いを吸い取るといわれる吸魂鬼(ディメンター)。それに対抗する手段は、一番幸せだった想い出を、心に満たすこと。

魔法が使えなくたって、自分を奮い立たせることはできるはず。
幸せな感情を想い出す…

はたして、シリウス・ブラックの狙いは何なのか?
吸魂鬼(ディメンター)にキスされるとどうなるのか?
まさに時間との戦い!

この巻で13歳になるハリー。

ハリーの成長を、どうぞご自身の目でお確かめ下さい☆

















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

『地下世界に行ったアリスの冒険』

2009-01-27 23:59:00 | 本と日常
今日、1月27日は『不思議の国のアリス』で有名な英国の数学教師、ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)の生まれた日です。

彼が生まれたのは今から170年ほど前の1832年。

この頃、イギリスでは産業革命がもうすでに始まっていました。
1837年にはヴィクトリア女王が即位し、1851年にはロンドンで第1回国際万国博覧会が開催されています。

1832年といえば、日本は江戸時代、第11代将軍徳川家斉の治世です。
ドイツの文豪ゲーテが亡くなり、『若草物語』などで知られるアメリカの作家、ルイーザ・メイ・オルコットが生まれたのも1832年。

『不思議の国のアリス』は本当に不思議な不思議な物語でした。

お姉さんと一緒にいて、退屈でたまらないアリスは、目の前を変なウサギが通りすぎていくのを見かけます。

そのウサギは「大変だ、大変だ、遅れちゃう!」とひとり言をいいながら、”自分が着ているチョッキから懐中時計を取り出して”、大急ぎで走っていくのです。

そのウサギを思わず追いかけるアリス。
ウサギが穴に飛び込んで消えてしまうと、どうなるかなんて考えもせずに自分もピョンと穴に飛び込んでしまいます。

そこは、ちょっぴりおかしな、不思議な不思議な地下の世界☆

私は、三月ウサギと帽子屋(そしてずっと眠そうなヤマネ)の「気違いお茶会」のシーンが大好きでした♪

多分初めて読んだのは小学生の時だったと思いますが、日本の昔話や世界の童話や名作にない、教訓くさくなくてただただおかしなお話というのが楽しかった☆

アリスが落ちていく穴の中で拾うオレンジ・マーマレードの瓶とか♪

にやにや笑顔だけを残して消えていくチェシャ猫とか♪

わけわかんないことをしゃべっている公爵夫人にニセウミガメにハートの女王♪

アリスの体が大きくなって家につっかえたり、どんどん縮んでいくのも楽しかった♪

大人になってからこのお話には、英語ならではの言葉遊びがふんだんに使われていると知りましたが、英語なんてわからない子どもでも充分以上に楽しめる作品でした。

それもそのはず、もともとこのお話は、舟遊びの時に子ども達に聞かせるためにルイスが考えたお話がもとになっているのです。

それは、ある夏の日のこと…

当時、オックスフォードのクライスト・チャーチ学寮に住んでいたルイスは、友人と共に学寮長リデル氏の娘3人を誘って、テムズ河を3マイルほどさかのぼる舟遊びに出かけます。

ルイス30才。学寮長の3人の娘たち、長女ロリーナは13才。次女アリスは10才。末っ子イーディスは8才でした。

舟での遊びや、食事をしながら、日差しを避けるために立ち寄った川辺の小屋で、子ども達にせがまれてルイスが語ったのが、「地下世界に行ったアリスの冒険」

のちの『不思議の国のアリス』です☆

次女のアリス嬢がそのモデルだったといわれています。

数学の教師だったルイスは数学に関する本も何冊か出していますが、風刺絵などで有名になる画家のテニエルと組んで出版したこの『不思議の国のアリス』で一躍作家として注目されます。

数学者としてはあまり有名ではなかったのでしょう、ヴィクトリア女王が『不思議の国のアリス』を読んで、彼の他の作品も読みたいとおおせられ、取り寄せたところ、難解な数学書が送られてきて面食らったという、ウソかホントかわからないような逸話までささやかれました☆

ともかく、ルイス・キャロルとアリスという名前は、、この作品で世界中に知れ渡ることとなり、その後の多くの作家、多くの作品に影響あたえ続けています。

何年、何十年、何百年たっても人々を楽しませ続ける『不思議の国のアリス』

続編『鏡の国のアリス』は、暖炉の上の鏡から、またまたへんてこりんな鏡の国に入り込んでしまうお話♪

こちらのお話も楽しいです☆




伝説のスピーチ

2009-01-25 01:37:00 | 本と日常
1992年。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「環境と開発に関する国連会議」、いわゆる環境サミットが開かれました。

その会議で、カナダから来た、セヴァン・スズキ(当時12歳)という少女が、世界の指導者たちが出席する中スピーチをしました。

以下はそのスピーチの一部抜粋です。



私の国でのむだ使いはたいへんなものです。
買っては捨て、また買っては捨てています。
それでも物を浪費しつづける北の国々は、南の国々と富を分かちあおうとはしません。
物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのがこわいんです。

カナダの私たちは十分な食物と水と住まいを持つめぐまれた生活をしています。
時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。

2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。
ひとりの子どもが私たちにこう言いました。

「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べ物と、着る物と、薬と、住む場所と、やさしさと愛情をあげるのに」

家もなにもないひとりの子どもが、分かちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう。

これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じぐらいの年だということが、私の頭をはなれません。
どこに生れついたかによって、こんなにも人生が違ってしまう。

私がリオの貧民窟に住む子どものひとりだったかもしれないんです。
ソマリアの飢えた子どもだったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドでこじきをしてたかもしれないんです。

もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。
私はまだ子どもだけどこのことを知っています。

学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。
たとえば、 

争いをしないこと。
話しあいで解決すること。
他人を尊重すること。
ちらかしたら自分でかたずけること。
ほかの生き物をむやみに傷つけないこと。
分かちあうこと 。
そして欲ばらないこと。

ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか?




彼女は同年代の仲間たちと環境運動をしていて、この会議に参加したいと思い、カナダからブラジルまでの旅費を集めるために、働いたり募金活動をしたりしてやって来たのです。

どんな指導者のスピーチより、どんな大人の主張より、私はこの子のスピーチが好きです。


『鬼譚草紙』

2009-01-21 19:24:00 | 本と日常
アメリカ合衆国の第44代大統領に、黒人初のバラク・フセイン・オバマ・ジュニア氏(47歳)が正式に就任しましたね。

日本時間の深夜、現地ワシントンで1月20日の正午に行われた就任演説を聴いていました。

眠い~

何年かしたら、きっと歴史の教科書に載るような出来事なんでしょうが、できれば、いい意味で歴史に残る大統領になって欲しいものです。

経済危機に失業者。
そこにあらわれた演説のうまいカリスマ的指導者…

第一次世界大戦後に世界恐慌でボロボロになったドイツにあらわれたアドルフ・ヒトラーも、演説がうまくて国民に熱狂的に指示され、国家国民の(そして彼の場合は民族の)団結を訴えて人気をはくしましたからね。

もちろんオバマ新大統領がそうなるなんて言っているわけじゃなくて、こういう不安な時代には、人々は妄信的に強いリーダーに憧れてしまう傾向があるんじゃないかと、ふと思っただけです。

もっとも、うちの国の首相みたいに、ほとんどの国民に支持されないってのも考えものですけどね。

先日レンタル屋さんで、映画「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」のDVDを借りてくるついでに、古本屋さんに行って来ました。

見つけたのは夢枕獏さんが文章を書いて、天野喜孝さんが絵を描いた、
*(キラキラ)*『鬼譚草紙』*(キラキラ)*

平安時代を舞台にした、鬼と美女のちょっとエロチックな、どきどきする物語☆

鬼になってまで姫と思いをとげる真済聖人。
何度となく情を通わせた妹が黄泉の国に旅立ってしまい、何とか会いたいと死者の国に旅立つ小野篁のお話。
などなど。

天野喜孝さんの絵が艶妖で美しいです♪

もう一冊は米村圭伍さんの
*(キラキラ)*『退屈姫君 これでおしまい』*(キラキラ)*

江戸時代。
小国に輿入れした若き姫君”めだか姫”が、退屈しのぎに巻き起こす大騒動。

めだか姫の守役の”諏訪”が懐妊して、その胎教に付き合わされたり、三人の姉の嫁ぎ先が決まったり、将軍家を巻き込んでの菊の花比べでひと騒動巻き起こったりと、ちょっとクスリとさせられる、大人のお遊び的時代劇が今回も展開します☆

残念ながらこのシリーズは今回でお終い。

楽しかったな♪

前から欲しかったのですが、古本屋さんで見つかってラッキーでした。




一月の本棚 2 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

2009-01-18 23:59:00 | ハリー・ポッター
グリム童話『小人の靴屋』に出てくる小人たちは、おじいさんが疲れて眠っている間に立派な靴を作ってくれました。

いいなぁ~、小人。
寝てる間に誰か仕事や家事をやってくれないかな?

普通大きな屋敷などには掃除や料理をしてくれる、”屋敷しもべ妖精”が住み着いているものですが、さすがにうちのアパートにはいないみたいです。1DKじゃ無理か。
え!?”屋敷しもべ妖精”なんて見たことない?
それはあなたの家が小さいからじゃ…おっと失礼。

”屋敷しもべ妖精”は、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズに登場します☆

11歳になるまで自分が魔法使いだとは知らずに育った少年、ハリー・ポッターの物語♪

今回は、シリーズの第2巻。

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

をご紹介しましょう☆

『ハリー・ポッター』には妖精だけじゃなくて、他にもさまざまな動物や半獣や幻獣、不思議な魔法生物がたくさん登場するんですよ♪

ユニコーンにケンタウルス。
バンシーにマンドレイク。
小人に吸血鬼。不死鳥に狼男。

そして、なんといっても迫力なのがドラゴン!!

魔法の小道具も充実していて、まずは魔法を使う時の基本の杖(つえ)。
杖がなくては魔法はかけられません。
杖で重要なのはその材質と長さ。
そして芯に使われている材料。

二十六センチの柳の木。二十八センチのマホガニー製。芯に使われるのはユニコーンのたてがみとか、ドラゴンの心臓の琴線、などなど。さまざまな組み合わせあって、杖が持ち主を選ぶといわれています。ちなみにハリーの杖は柊(ヒイラギ)に不死鳥の羽、二十八センチ☆

一時的に変身できる薬「ポリジュース薬」(ただし動物変身には使わないこと!)
強力な眠り薬「生ける屍の水薬」(ロミオとジュリエットに登場しそう♪)
さぼりたい時に病気にしてくれる様々なお菓子の詰め合わせ「ずる休みスナックボックス」(「鼻血ヌルヌル・ヌガー」とか☆)

毎回こうした魔法生物や、魔法の小道具たちがストーリーにどう絡んでくるかも楽しみの一つです♪

闇の魔法使いとの戦いを運命づけられている少年、ハリー・ポッター。

ハリーの両親が亡くなったことと、ハリーの額にある稲妻のような傷跡には、皆から恐れられ「例のあの人」と呼ばれている一人の闇の魔法使いが関係しています。
闇の魔法使いなんていうと、一見、よくある善と悪の戦いのようにも見えますが、そんな簡単に割り切れるものではありません。

『ハリー・ポッター』の魅力は、登場人物が誰もかれも、簡単には割り切れない、そう、とってもある意味”人間的”なところ♪

悪にも善にも転ぶ危うさを持っているところじゃないでしょうか。

大人の描写は強烈です。
自分の築き上げてきた価値観を不安にさせるハリーを、閉じ込めたり無視したりするハリーの唯一の親戚であるおじさんおばさん。
ホグワーツで教える先生にしても、うぬぼれ屋だったり、恐怖で押さえつける先生だったり、身勝手な人物が、これでもかって登場します。

ハリーだって決して”いい子”なんかじゃありません。
規則は破る、授業は聞いていない、宿題はギリギリ、いつも優等生のハーマイオニーのノートを写してばかり。そんなハーマイオニーも、けっこうミーハーなところがあって、お気に入りの有名人の写真を大切にしていたりします♪

でも、それが普通ですよね。完璧な人間なんていないんですから。みんなどこかに欠点がある。というか欠点の方が大半で、どこかにわずかにいいところがある(笑)

でも、そのいいところが、その人をその人にしている☆

物語だからって、変に物分りのいい人を登場させないで、現実にもいそうな、物の分からない大人がたくさん登場するので読んでいてハラハラします。差別やえこひいき、偏見や暴力といった現実の世界にあるものはたいてい登場しています。

だから気が抜けない!
だから続きが気になる!

そこがまた魅力っていえば魅力なんですけどね♪

今回の第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、12歳になったハリーと、2年目の「ホグワーツ魔法魔術学校」での出来事が語られます。

ハリーたちが学ぶ全寮制のホグワーツにある四つの寮。

勇気を重んじるグリフィンドール。
善良であり忠実な友ハッフルパフ。
知識と学ぶ心を尊ぶレイブンクロー。
狡猾なまでに目的をなしとげることを欲するスリザリン。

それぞれの名前は、かつてホグワーツを作った4人の創始者にちなんだものですが、言い伝えによると、魔法使いの家系である純血を重んじたスリザリンは、マグル(魔法使いではない人間のこと)の血の入ったものは、ホグワーツで学ぶべきではないと主張し、他の3人と対立して学校を去ったといいます。

しかし、その時、いつか自分の後継者が現れ、この学校から学ぶにふさわしくない者を追放するために、恐怖の力をある部屋に封印し、誰にもわからないようにしたといわれていました。

それが『秘密の部屋』と呼ばれているものです。

スリザリンの後継者が現れた時、秘密の部屋の封印が解かれる…

ホグワーツで起こる怪事件。
生徒が次々と石となって発見され、その現場には不気味な内容の文字が!
ハリーにだけ聞こえる声!
うごめく何かの気配!

『秘密の部屋』に封印された恐怖の力とは?

今回は、屋敷しもべ妖精のドビーが初登場♪

ハリーの親友、ロンの実家、ウィズリー家の”隠れ穴”でハリーが過ごす夏休みも楽しいです!(ロンは7人兄妹☆)

あぁ、うちにも庭小人が欲しいなぁ~

って、そもそも庭がないから無理か?













J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

芥川賞 直木賞

2009-01-16 23:28:00 | 本と日常
第140回芥川賞、直木賞が発表されましたね。

芥川賞には津村記久子さんの「ポトスライムの舟」。

直木賞には天童荒太さんの「悼む人」
と山本兼一さんの「利休にたずねよ」の2作が選ばれました。

ポトスって、つるみたいな植物の?

津村記久子さんは、会社に勤めながら執筆活動をされているそうです。

一度も読んだことありません。
ごめんなさい。

選考基準が難しいよ~

先日、「蛇にピアス」で第130回芥川賞を受賞、当時20歳という年齢も話題になった金原ひとみさんが、テレビのインタビューを受けているところを見ましたが、化粧がメチャクチャうまくなってて、なぜかシャンパンを飲みながら出演されていました。

どうした金原!?
その方向性でいいのか!?

ま、ちゃんと面白い作品さえ書いてくれればそれでいいんですけどね。

時々のぞいてる作家さんたちのブログ。

群馬県在住の絲山秋子さんが「さみいよ! ねみいよ!」とぼやいている日記や、三浦しをんさんの『ビロウな話で恐縮です日記』、森見登美彦さんの『この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ』日記などを読んでいます。

森見登美彦さんは2009年の1月6日にご結婚されたそうです。

いち読者にすぎませんが、とりあえず、
おめでとうございます☆

『夜は短し歩けよ乙女』は面白かったなぁ♪

ごめんなさい。
芥川賞直木賞受賞作、いまのところ読む予定はありません☆


一月の名言集

2009-01-15 18:14:00 | 本と日常
竜の物語に耳を傾けない人々はおそらく、

政治家の悪夢を実践して人生を送るよう
運命づけられていると言っていいでしょう。

わたしたちは、人間は昼の光のなかで生きていると
思いがちなものですが、

世界の半分は常に闇のなかにあり、

そしてファンタジーは詩と同様、

夜の言葉を語るものなのです。








           ―アーシュラ・K・ル=グウィン―




へらないお餅

2009-01-14 23:59:00 | 本と日常
今年もお正月のお餅があまってしまいました…

うちは田舎なので、神社のお祭りだ、近所の新築の餅投げだと、付き合いでお餅を持って行かなければならないことがけっこうあるので、お餅は自分の家でつきます。

昔は臼(うす)と杵(きね)でついていましたが、今は機械の”餅つき機”を使います。

鏡餅用の白いお餅だけじゃなくて、豆と砂糖を入れた豆餅に、よもぎを入れたよもぎ餅(草餅)。

あんこも用意しておいて、大福餅も作ります♪

できたては美味しいです☆

機械に入れる前の、蒸かしたてのもち米を子供たちは少しわけてもらって、塩を降ればアツアツのおこわご飯♪

大人になった今でもこれは好きですけど(笑)

あまったお餅をストーブの上で焼いて醤油と海苔で食べたり、きなこと砂糖で安倍川餅にしたり、とろけるチーズをのせて食べたりしていますが、これがなかなか減りません。

またお雑煮でも作ってみるかな…


一月の本棚 『ハリー・ポッターと賢者の石』

2009-01-11 03:42:00 | ハリー・ポッター
『ハリー・ポッター』ってどんな本なの?

何がそんなに面白いの?

そんな疑問を持たれている大人の方は多いことでしょう。
普段は本を読まない人でも、名前くらいは知っている、世界的なベストセラー。

発売日に書店に並ぶファンの姿は、社会現象としてニュースにも取り上げられ、映画化もされました。

それとも皆さんには、驚異的な売上げと、作者が手に入れたであろう多額の本の印税の方が気になるのかな?


「よいか、『石』はそんなにすばらしいものではないのじゃ。欲しいだけのお金と命だなんて! 大方の人間が何よりもまずこの二つを選んでしまうじゃろう…困ったことに………」


ダンブルドア校長の嘆きが聞こえてきそう…

『ハリー・ポッター』の魅力って、いったい何?

きっと世界中の子供たちは声をそろえてこう答えるでしょう♪

「そんなの読まなきゃわかんないよ☆」

ごもっとも。
深く賛同いたします。

しかし、世の中には、魔法だの魔法使いだのといったことに、まるっきりなじめない人々がいるのです。

本の中のおとぎ話が何になる?
そんなの”まともな大人”の読むような本じゃない。
それより、穴あけドリルの大口注文のほうがよっぽど重要だ。
そういうことこそ”まともな大人”の考えるべき事柄じゃないか!

ハリーが一緒に暮らしている、ダーズリーおじさんならきっとそう言うでしょう。
おっと、杖を下ろして!
そんな大人に出会ったからって、風船のようにふくらませてはいけません!(気持はわかりますけどね♪)

まあまあ、大目に見てあげて下さい。

何てったって彼らは”まだ読んでいない”のですから☆

では、今回は、お金持ちになることには興味があるけれど、小説なんて読むヒマはないというマグルの方に、そして、幸運にもこれから『ハリー・ポッター』に出会うかも知れない紳士淑女の皆さんに向けて、簡単にご紹介したと思います。

イギリスの作家、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ、その記念すべき第1弾。

『ハリー・ポッターと賢者の石』

です☆

ちなみに、「マグル」というには、魔法使いではない人間のことです♪

主人公、ハリー・ポッターは黒い髪に緑の目、眼鏡をかけた男の子。

もうすぐ11歳になるハリーは、唯一の親戚、ダーズリー一家と一緒に暮らしています。

といっても、ハリーの部屋は階段下の物置で、着るものといえば、いとこの男の子、ダドリーのお下がりばかり。ちょっと変わった特徴は、額に稲妻のような形の傷跡がうっすらとあること。

ハリーはまったく憶えていませんが、幼い時に自動車事故で両親が亡くなり、傷はその時にできたのだと聞かされました。
でも、詳しいことはわかりません。
「質問は許さない」、このペチュニアおばさんの言葉を守ることが、ダーズリー家で平穏無事に暮らすためには必要なのです。

しょっちゅうダドリーの顔面パンチが飛んでくるので、ボロボロになった眼鏡を引っ掛けているハリー。

学校でもダドリーの仲間ににらまれるので、ハリーに友達はいません。

こんな環境で育って、よくひねくれなかったなぁ、ハリー♪

やせっぽっちのハリーですが、根性はあります!
そして、ある日届くハリー宛の一通の手紙。
そこから、ハリー・ポッターの運命の歯車が、再び動き始めることになるのですが、実はこの手紙が一通ではないところが楽しいです☆

人間の目からは隠された魔法社会。
駅にはあるはずもないホームが存在し、紅色の列車が止まる。
小鬼の銀行。様々な魔法の道具、ふくろうまでも売っているダイアゴン横丁。
魔法学校の教科書に最新型の空飛ぶホウキ。

そして「ホグワーツ魔法魔術学校」!

杖をかざし、呪文を唱える。
魔法使いの社会ではハリーは有名人!!

コンピューターゲームがあったり、飛行機が飛んだりしている現代のイギリスに、魔法使いの社会が共存しているのも楽しいですが、なんといっても細かいところでの遊び心が嬉しい♪

ハリーの初めての友達、そして以後ずっとハリーの親友となるロン・ウィーズリー。
その少年のお母さんが、誰からもプレゼントなんてもらったことのなかったハリーに、自分の子供たちと同じ様に、愛情のこもったクリスマスプレゼントを贈ります。(ロンはそれが苦手みたい♪)

名付けて「ウィーズリー家特製セーター」☆

このお母さん大好き♪♪

魔法学校は全寮制で、生徒は各寮で共同生活を送ることになります。
上級生の監督生が下級生の面倒を見たり、その年の優秀だった寮に送られる「寮対抗杯」を競ったり。授業で活躍したら点数がもらえ、規則を破ればもちろん減点。

「グリフィンドールは十点減点!」

厳しい校則。
もう敵意を持っているとしか思えないくらいの先生がいたり、管理人や学校に住み着いているポルターガイスト(!)の目をかいくぐるために生徒たちが必死にあの手この手を考えたり♪

空飛ぶ箒(ホウキ)を使ったスポーツまであります。

生徒たちの憧れは、最新型高速箒”ニンバス2000”!

魔法学校の不思議な鏡の中で、初めて自分の両親の姿を見つけたハリーが、渇きを癒やすかのようにその姿を求めて通い詰める姿がとっても悲しい…

ハリー・ポッターが魔法使いの社会で有名なのは、名前を呼ぶのがはばかられるため「例のあの人」と呼ばれる人物のせい。

この人物との関係が、シリーズを通して描かれていきます。

かつて、「例のあの人」が唯一恐れたのが、現在のホグワーツの校長、偉大な魔法使いダンブルドア。

忍び寄る闇の気配も気になりますが、もちろん、それだけではなく、ハリーとロン、そしてもう一人の親友ハーマイオニー。仲間たちの成長も読みどころ☆

ハーマイオニーの両親はマグルですが、彼女自身はとっても優秀な魔女。
ちょっとお堅いのと、成績優秀で本の虫なところが、正反対なロンとよく衝突します♪

『賢者の石』というのは、いかなる金属をも黄金に変える力を持ち、不老不死の力を与える『命の水』の源になるといわれている物質。

その『石』を誰かが狙っている!?

幾重にも張り巡らされた魔法の防御をかいくぐり、ホグワーツの奥深くに隠されたはずの『石』にいま危機が迫る!!

その時ハリーたち3人がとった行動とは?

たくさんの子供たちや、多くの大人をも魅了した物語。

この一冊から始まった『ハリー・ポッター』シリーズは、全7巻で展開していきます。

「本を読む」という喜びを、世界中の子供たちにあたえてくれたJ・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ。
ぜひあなたにも、その喜びを味わってもらいたいなぁ~☆

どうしてこの物語が世界中で受け入れられ、こんなにも読まれたのか。
その答えは、この本の中に隠されています♪

ふと夜空を見上げた時、何かが月の前を横切ったら、それは箒に乗った魔法使いかも知れませんよ☆




















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

一月の名言集

2009-01-10 23:25:00 | 本と日常

「…この部屋にはあんまりいろいろの物があって、しかもみんな、あんまりすばらしいもんで、想像の余地がないのね。

貧乏な者のしあわせの一つは…
たくさん想像できるものがあるというところだわね」








              ―モンゴメリ「赤毛のアン」―





一冊の重み

2009-01-08 23:58:00 | 本と日常
新年そうそう何ですが、気になる記事がありました。

「本を1冊盗まれる被害額は40冊売った時の利益と同じ」

福岡県で本屋を営む方が、子供たち向けの万引きなど非行防止の講演会を、3年前から各地で行っているんだそうです。

軽い気持で万引きをする子供たちに、被害者の苦しみをわかって欲しい。

実際、万引きの被害によって倒産する本屋さんもあるとか。

そういうニュースは前から知っていましたが、本を1冊盗まれる被害額が40冊売った時の利益と同じ、と、具体的な数字を聞かされ、正直驚きました。

40冊売ろうと思ったら、どれほど大変なことか。

大手の書店でも、なかなか本が売れないというのに、小さな町の本屋さんにとっては、本当に死活問題。

しかも、本を万引きする目的の大半が、「その本が読みたかった」からではなく、「換金するため」というのだから…

子供たちに昔話を聞かせるつもりはありませんが、私は自分のおこずかいで初めて買った本を今でも持っています。

その本を開くと、購入した日付と、自分の名前が書いてあります。

一冊の本を手に入れることが、どんなに喜びだったか。

何百年も昔に遠い外国で書かれた物語。

見たこともない土地、会ったこともない人々の物語。

本を万引きしたお金で、その子たちはいったい何を手に入れるのだろう。
大人になっても、その子たちの周りに、それは残っているのだろうか。

ついついそんなことを考えてしまいました。