私的図書館

本好き人の365日

川上弘美 東京日記5『赤いゾンビ、青いゾンビ。』

2019-01-28 19:37:46 | 本と日常

友人や知り合いの意外な一面を知ることがあります。

最近ニュースなどで話題の韓国問題(2019年)。

ネットや一部テレビで過激なことを言う人がいますが、たまたま職場でそんな話が出た時、20代の同僚が「だって韓国(やってることが)めちゃくちゃでしょ」といっていました。

彼の意見はおおむねネットやテレビの情報がもと。

それに対し50代の同僚は「韓国は昔(日韓併合)いろいろあったからそこを考えないと。危ないのは中国」

と戦後教育の歴史的観点など踏まえてしゃべっている感じ。

私はコスモポリタンなので、基本お隣の韓国と揉めたり、中国を敵視したり、少し前の冷戦も、日本が戦国時代に地方単位で戦争していたようなもので、なんてバカなのって思っているので、特に意見をはさまず聞いていました。

 

思想信条は自由です。

だから、誰のどの意見がどうとかじゃなく、個人個人の考え方の違いが面白かった。

情報のあふれている現代だからこそ、どんな教育を受け、どんなメディアに触れ、どの情報を信じるのかってことが大切。

 

私は日本のドラマやアニメ、映画も好きですが、中国の映画も見ますし(「初恋のきた道」や「小さな中国のお針子」(中仏合作)よかった)、韓国映画も、アメリカ映画も面白く観ます。

それで感じるのは、どんなに文化や教育、宗教が違っても、人間の感情って共通してるよなぁ、てこと。

あたり前なんですが、国家や宗教や〇〇主義なんてものが存在するずっと前から、人間は生きていたんですからね。

私はモンゴメリやオルコットの作品も好きだし、ドストエフスキーやゴーゴリの作品も好き。

だってそこには私たちと同じ「人間」が描かれているから。

映画や文学の世界ではとっくにコスモポリタニズムは実現していて、その面白さを味わってしまうと、現実世界も早くそうなればいいのに、と思ってしまいます。

 

さて、今月買った本は3冊。

まずは川上弘美さんの『東京日記5赤いゾンビ、青いゾンビ。』

あまり題名に意味はないです(笑)

本当のことや本当でないことが描かれた日常風景。

私が好きなのは、寝不足でぼんやりしていて、かかってきた電話につい「はい、ヤマダです」と、ものすごく久しぶりに自分の旧姓で答えてしまうところ。

 

著者 : 川上弘美
平凡社
発売日 : 2017-04-26

 

 

 

『今日の早川さん4』は手ぬぐいのような得体の知れない「宇宙からの布」が付いた限定版(ホントに手ぬぐいが付録として付いてます)。

雑誌『SFが読みたい!』やSNSなどで作品は発表されていましたが、3巻から8年経っての4巻です!

 

著者 : coco
早川書房
発売日 : 2019-01-22

 

 

 

最後の一冊は、こちらは11年ぶりの新作!

高千穂遥さんの『ダーティペアシリーズ8 ダーティペアの大跳躍』

今回は異世界が舞台です!

ちょと流行りに乗った感じ?(笑)

異世界物、「なろう系小説」やアニメでも大流行りですからね。

 

著者 : 高千穂遙
早川書房
発売日 : 2018-12-05

 

 


第160回芥川賞・直木賞発表

2019-01-17 21:00:23 | 本と日常

2019年、明けましておめでとうございます。

第160回芥川賞・直木賞が発表されましたね。

古市じゃなくて良かった〜(個人的に苦手なのでスミマセン。古市憲寿氏=今回芥川賞にノミネートされた社会学者。作品名は『平成くん、さようなら』「文學界九月号」)


芥川賞は2作品、上田岳弘氏(39)の『ニムロッド(群像十二月号)と、町屋良平氏(36)の『1R1分34秒』(新潮十一月号)

直木賞は真藤順丈氏(41)の『宝島』(講談社)


あらすじだけ読むと「ニムロッド」とは人の名前らしい(荷室仁)

そしてどうやら仮想通貨をあつかっているらしい。

「1R1分34秒」はボクシングに関係しているらしい。

・・・・・・。

ごめんなさい、どれも読んでいません(笑)

 

最近は好きな作家さんの作品ばかり追いかけていて、あまり題名で選んだり、ファーストインプレッションで選ぶという冒険をしていないんですよね。

どこかの書評を参考にしたり、マスコミで話題の本をつまんだり。

上田岳弘さんや町屋良平さんも文学賞でお名前を見かけて、その時は「読んでみたい」と思うのですが、ついぞ手に取る機会がこないまま現在に至ります。

直木賞に選ばれた真藤順丈さんの『宝島』は、アメリカ軍統治下の沖縄を舞台にした少年少女の青春と革命を描いた物語・・・という紹介文で、ちょっと興味を引かれました。

もしかしたら読むかも・・・

 

今回落選した古市憲寿氏。

マスコミに出ているイメージで苦手と決めつけていますが、作品は読んでいないので、もしかしたら面白い本なのかも知れません。

私が学生時代に三島由紀夫を読んでいて、母親に「面白いよ」というとこう言われたことがありました。

「でも自殺した人でしょ」

そんなこといったら、作家で自殺した人なんてたくさんいるし(三島は確かに特殊だけれど・・)、変わった人や性格破綻者だっているし(苦笑)、坂口安吾や太宰治だって作品は面白くても、きっと友達にはなりたくないタイプだろうし・・・

ま、古市を三島由紀夫や他の作家と同列で語るのもどうかとは思いますが。

作品と作者の私生活は別。

そう考えると『平成くん、さようなら』もやっぱ偏見なく読まなきゃいけない?(心の葛藤)

いや、ハードル高いわ〜