沖縄戦の様子を語る沖縄の人々の声がズッシリと響く本でした。
石田甚太郎さんの『ヤマトンチュの沖縄日記 -ライトブルーの空の下で』(創樹社)
ヤマトンチュの沖縄日記―ライトブルーの空の下で (1984年)
沖縄戦から38年後の1983年。ヤマトンチュである作者は、沖縄に家を借り暮らし、沖縄の空気、土、人々の雰囲気を肌で感じながら地上戦の記憶に耳を傾けます。
鳴き声で敵にみつかるといわれ、赤子の口を手で塞ぐ母親。
捕虜になるくらいなら自決せよと迫る日本兵がいる一方で、民間人は投降すれば殺されないとすすめてくれる日本兵も。
砲弾が飛び交い、すぐ隣にいた家族が、同級生が倒れていく。
「ひめゆりの塔」の女学生たちも悲劇だが、赤子や子供を連れてあの地獄を逃げ惑った母親たちの塔こそ建てるべきだという声にジーンときました。
1945年敗戦。
沖縄戦で亡くなった人は二十万人ともいわれています。
戦後、アメリカ軍の基地が置かれたことで起こった様々な問題。現在にまでつながる沖縄の複雑な立場や、琉球王国時代から1609年の薩摩藩による侵攻、そして大和民族(ヤマトンチュ)による支配の歴史にもふれ、沖縄の、ウチナンチュの中のヤマトンチュや、天皇家に対する一部の意見も紹介されています。
古い本なので、現在とは少し違うところがあるかも知れませんね。
以前沖縄を訪れた時、旧海軍司令部壕やひめゆりの塔、平和記念公園を見学しました。
沖縄は好きです。まさにライトブルーの空が広がり、目前には美しい海。食べ物もおいしく、人々はやさしく接してくれました。
モノレールにも乗ったし、首里城や美ら海水族館にも行き、国際通りで買い物も楽しみました。
今年も6月23日に「沖縄全戦没者追悼式」が沖縄で行われます。