今回は、ムーミンシリーズの一冊。
*(キラキラ)*『ムーミン谷の十一月』*(キラキラ)*をご紹介します☆
ご存知ですよね?
フィンランド生まれの作家、トーベ・ヤンソンさんが生み出した、どこかユーモラスで、心温まるキャラクター。
主人公のムーミンは、本名をムーミントロールっていうんですよ♪
小説としてムーミンが初めて登場したのは、1945年。
『小さなトロールと大きな洪水』という物語で、このお話の中でムーミンたちは、初めてムーミン谷にやって来ます。
弱虫なスニフ。
ちょっと生意気なちびのミイ。
おしゃれが好きなスノークのおじょうさん。
そしてムーミントロールの親友スナフキン。
その他にも、変な生き物のニョロニョロとか、融通のきかないヘムレンさんたちに、料理や掃除が生き甲斐のフィリフヨンカや、寂しがり屋のホムサたち。
ちびのミイのお姉さんであるミムラ姉さんに、ムーミン一家の水浴び小屋に住み着いているトゥーティッキなど、魅力的なキャラクターがいっぱい☆
小説としては九冊の作品がありますが、1970年の作品、この『ムーミン谷の十一月』が最終巻となります。
今回の主人公は、ヘムレンさんと、フィリフヨンカと、トフトというホムサの少年。
それと何でも忘れるスクルッタおじさんに、スナフキンの5人。
そう、ムーミンパパもムーミンママも、ムーミントロールたちもこのお話には登場しません。
いったいどこに行ってしまったんでしょう?
さまざまな理由でムーミン谷のムーミンの家にやってきた5人。
それなのに、いつも温かく迎えてくれるはずのムーミンたちの姿が見えません。
ムーミンたちを待つ5人は、何となく奇妙な共同生活を始めます。(もちろんスナフキンはテント生活です♪)
もっとも、全然共同生活じゃないところが面白い☆
普通一緒にいる以上は、仲良くしたり、協力したり、多少は我慢しますよね?
もちろん、スナフキンたちだって、誰かが喜ぶことをするのは好きです。
みんなで食事をすることだって。
パーティーだって開きます。
でも、一人の時間も大切。
誰だって、自分ひとりになりたい時はあるもの。
そんな時は、たとえそれが大好きなムーミントロールだって邪魔なのです。(もちろんムーミントロールはそこのところはわかっているので、”一緒にいても”ひとりっきりにさせてくれます☆)
ひとりになりたい。
それは、友達じゃないってことではありません。
まるで、5人の時間は勝手勝手に流れているように見えます。
音楽のこと考えたり、人の役に立つことをあれこれ考えたり、髪をとかすことに夢中になったり、ひたすら空想の世界に遊んだり。
人の話をまったく聞いていない登場人物なんて、ヒドイと思いません?
ところが、ムーミンの物語の不思議なところは、それが全然当然なんです。
いや、むしろ、それが必要とさえ思えます。
夜中に森の中を一人で歩く。
テントの中でハーモニカを吹く。
自分のためだけの時間…
時にはスナフキンに話を聞いてもらったりもします。
ミムラ姉さんに髪をとかしてもらったり。
それぞれが独立して歩いているようでいて、一瞬、サッとそれぞれの時間が重なる。
同じ世界に生きているんですから、当然ですよね。
いつも一緒にいて、いつも同じことに笑っていなくちゃいけないのが友達?
ただ親切にしたいだけ。自分がよく思われたいから。そう思われていないと怖いから…
パーティーで、ミムラ姉さんはスナフキンのハーモニカに合わせて踊ります♪
ヘムレンさんは自作の詩を朗読し、ホムサも難しい本を読んで聞かせます。
フィリフヨンカは、ムーミンたちがボートに乗って帰ってくる様子を見事な影絵で上演します。
「わたし、しないではいられなかったんですもの。あなただって、わたしとおなじように、したくてたまらないことをすればいいんだわ…」
人間は一人では生きていけない、とよく聞きます。
確かに、そういう面もあるでしょう。
でも、人間は、一人でもちゃんと生きていける。
そう言ってあげる必要もあるんじゃないでしょうか。
そりゃあ、たまには誰かと話すことも必要です。
助け合ったり、励まし合ったり。
時にはそれをうとましく思ったり。
でも、大丈夫。あなたはちゃんと一人で生きていける。
そう言ったからって、友達じゃないってことには全然なりません。
だから、あなたのしたいことをすればいいの。
誰の顔色も気にせず、誰からも命令されず。
あなたはちゃんと一人で生きていける。
ムーミンシリーズが好きなのは。、この本の中に、こういうメッセージがあるんじゃないかと思えるから。
もちろん、私の勝手な感想です♪
そして、ちゃんと一人で生きていける者同士が、友達になるって素晴らしい☆
スナフキンとムーミントロールを見ているとそう思います♪
きっと、十人いたら、十人なりの「ムーミン」があることでしょう☆
みんなが同じ感想なんて、そっちの方がヘンですものね。
ムーミントロールの好きな人。
スナフキンが好きな人。
ちびのミイが好きな人。
おしゃまさんことトゥーティッキが好きな人。
たくさんのムーミンファンがいることでしょう♪
そういう数多くの人たちに愛させるのは、やっぱりそれだけこの「ムーミン」の物語に魅力があるってことなんでしょうね。
アニメでは知っているけれど、小説の「ムーミン」はって方。
この機会に、一度本屋さんで手に取ってみませんか?
ちびのミイがスナフキンと実は兄妹だとわかったり(いや、むしろ姉弟と書いた方がいいのかな)、スノークのおじょうさんがムーミンたちとは違う種族だと発見したり、いろいろな驚きが見つかることと思いますよ♪
ムーミン一家とたのしい仲間たちの物語。
どうか、あなたにも、素敵な出会となりますように☆
トーベ・ヤンソン 著
鈴木 徹郎 訳
講談社文庫
*(キラキラ)*『ムーミン谷の十一月』*(キラキラ)*をご紹介します☆
ご存知ですよね?
フィンランド生まれの作家、トーベ・ヤンソンさんが生み出した、どこかユーモラスで、心温まるキャラクター。
主人公のムーミンは、本名をムーミントロールっていうんですよ♪
小説としてムーミンが初めて登場したのは、1945年。
『小さなトロールと大きな洪水』という物語で、このお話の中でムーミンたちは、初めてムーミン谷にやって来ます。
弱虫なスニフ。
ちょっと生意気なちびのミイ。
おしゃれが好きなスノークのおじょうさん。
そしてムーミントロールの親友スナフキン。
その他にも、変な生き物のニョロニョロとか、融通のきかないヘムレンさんたちに、料理や掃除が生き甲斐のフィリフヨンカや、寂しがり屋のホムサたち。
ちびのミイのお姉さんであるミムラ姉さんに、ムーミン一家の水浴び小屋に住み着いているトゥーティッキなど、魅力的なキャラクターがいっぱい☆
小説としては九冊の作品がありますが、1970年の作品、この『ムーミン谷の十一月』が最終巻となります。
今回の主人公は、ヘムレンさんと、フィリフヨンカと、トフトというホムサの少年。
それと何でも忘れるスクルッタおじさんに、スナフキンの5人。
そう、ムーミンパパもムーミンママも、ムーミントロールたちもこのお話には登場しません。
いったいどこに行ってしまったんでしょう?
さまざまな理由でムーミン谷のムーミンの家にやってきた5人。
それなのに、いつも温かく迎えてくれるはずのムーミンたちの姿が見えません。
ムーミンたちを待つ5人は、何となく奇妙な共同生活を始めます。(もちろんスナフキンはテント生活です♪)
もっとも、全然共同生活じゃないところが面白い☆
普通一緒にいる以上は、仲良くしたり、協力したり、多少は我慢しますよね?
もちろん、スナフキンたちだって、誰かが喜ぶことをするのは好きです。
みんなで食事をすることだって。
パーティーだって開きます。
でも、一人の時間も大切。
誰だって、自分ひとりになりたい時はあるもの。
そんな時は、たとえそれが大好きなムーミントロールだって邪魔なのです。(もちろんムーミントロールはそこのところはわかっているので、”一緒にいても”ひとりっきりにさせてくれます☆)
ひとりになりたい。
それは、友達じゃないってことではありません。
まるで、5人の時間は勝手勝手に流れているように見えます。
音楽のこと考えたり、人の役に立つことをあれこれ考えたり、髪をとかすことに夢中になったり、ひたすら空想の世界に遊んだり。
人の話をまったく聞いていない登場人物なんて、ヒドイと思いません?
ところが、ムーミンの物語の不思議なところは、それが全然当然なんです。
いや、むしろ、それが必要とさえ思えます。
夜中に森の中を一人で歩く。
テントの中でハーモニカを吹く。
自分のためだけの時間…
時にはスナフキンに話を聞いてもらったりもします。
ミムラ姉さんに髪をとかしてもらったり。
それぞれが独立して歩いているようでいて、一瞬、サッとそれぞれの時間が重なる。
同じ世界に生きているんですから、当然ですよね。
いつも一緒にいて、いつも同じことに笑っていなくちゃいけないのが友達?
ただ親切にしたいだけ。自分がよく思われたいから。そう思われていないと怖いから…
パーティーで、ミムラ姉さんはスナフキンのハーモニカに合わせて踊ります♪
ヘムレンさんは自作の詩を朗読し、ホムサも難しい本を読んで聞かせます。
フィリフヨンカは、ムーミンたちがボートに乗って帰ってくる様子を見事な影絵で上演します。
「わたし、しないではいられなかったんですもの。あなただって、わたしとおなじように、したくてたまらないことをすればいいんだわ…」
人間は一人では生きていけない、とよく聞きます。
確かに、そういう面もあるでしょう。
でも、人間は、一人でもちゃんと生きていける。
そう言ってあげる必要もあるんじゃないでしょうか。
そりゃあ、たまには誰かと話すことも必要です。
助け合ったり、励まし合ったり。
時にはそれをうとましく思ったり。
でも、大丈夫。あなたはちゃんと一人で生きていける。
そう言ったからって、友達じゃないってことには全然なりません。
だから、あなたのしたいことをすればいいの。
誰の顔色も気にせず、誰からも命令されず。
あなたはちゃんと一人で生きていける。
ムーミンシリーズが好きなのは。、この本の中に、こういうメッセージがあるんじゃないかと思えるから。
もちろん、私の勝手な感想です♪
そして、ちゃんと一人で生きていける者同士が、友達になるって素晴らしい☆
スナフキンとムーミントロールを見ているとそう思います♪
きっと、十人いたら、十人なりの「ムーミン」があることでしょう☆
みんなが同じ感想なんて、そっちの方がヘンですものね。
ムーミントロールの好きな人。
スナフキンが好きな人。
ちびのミイが好きな人。
おしゃまさんことトゥーティッキが好きな人。
たくさんのムーミンファンがいることでしょう♪
そういう数多くの人たちに愛させるのは、やっぱりそれだけこの「ムーミン」の物語に魅力があるってことなんでしょうね。
アニメでは知っているけれど、小説の「ムーミン」はって方。
この機会に、一度本屋さんで手に取ってみませんか?
ちびのミイがスナフキンと実は兄妹だとわかったり(いや、むしろ姉弟と書いた方がいいのかな)、スノークのおじょうさんがムーミンたちとは違う種族だと発見したり、いろいろな驚きが見つかることと思いますよ♪
ムーミン一家とたのしい仲間たちの物語。
どうか、あなたにも、素敵な出会となりますように☆
トーベ・ヤンソン 著
鈴木 徹郎 訳
講談社文庫