私的図書館

本好き人の365日

「あさはあけぼの」

2004-01-31 23:25:00 | 日々の出来事
この一週間、母親が孫の世話で家を空けたため、実家の留守番をしていました。

することといっても動物の世話くらい。
会社まで遠くなるので、ニワトリよりも早く起きなくっちゃならない。
それがつらかったです。

でも特したこともありました。
久ぶりに見た夜明けの瞬間♪
太陽が見えてしまっては興醒めです。
まだ明け切らない空がしだいに群青色から藍色、澄んだ青へと変わっていくほんの一瞬がすべて☆
『枕草子』でも言ってますね。
山際がゆっくりと白く輝くあの瞬間です。
冬は特に空気が澄んでいるから大気が震えているよう。
感傷的に表現するなら、音一つない静寂の中にいながら、音に満たされた感じ。
モンゴメリの『エミリーはのぼる』という小説の中で、主人公のエミリーが言います。

「夜明けのわずか数分のあいだ、世界はいつも若返るのだわ」

う~ん、実感です☆

でもやっぱり朝は忙しい。
犬を散歩させて、フンの後始末して、新聞を回収。
動物達のエサを用意して、朝ご飯食べて、身支度して出勤です。
疲れた一週間でした。

せめて明日はゆっくり眠りたい…と思ったら、母親と一緒に甥っ子達も泊まりに来てしまった。
平穏な日々はいったいいつ訪れるのでしょう?


一月の本棚 4 『赤ちゃんと僕』

2004-01-31 00:52:00 | 日々の出来事
TVドラマ「エースをねらえ!」は見てますか?
ツッコミどころはたくさんありますが、やっぱりあのオープニングテーマは燃えますね♪

少女マンガはあまりくわしくはないのですが、友人にどうしてもと薦められ、全巻揃えてしまった作品があります。
それが今回ご紹介する作品。

羅川真里茂の『赤ちゃんと僕』です☆

買う時は苦労しました。
少女マンガなんて、並んでる棚からして近寄りにくい。
妙に色っぽい流し目の兄ちゃんや、手足が長くて奇妙なポーズを取った姉ちゃん達の表紙が並ぶ、あの独特の雰囲気。
ふいに現れる小中学生を避けながら、うず高く積まれた『赤僕』全18巻を抱えてレジに並ぶのは恥ずかしかった。
今なら文庫サイズが発売されているので、そんな気苦労もないんでしょうが。

だけど内容は、そんな苦労をしても手に入れただけのことはありました。

母親を交通事故で失ってしまった小学生の拓也君が、弟でまだ赤ちゃんの実くんの世話に追われるという、おさんどん少年の奮闘記。
拓也の通う小学校の友達や、実の通う保育園の子供達(保母さんと園長さんも巻き込んで)の事件やドラマが描かれていますが、なんてったって面白いのは実のブラコンパワー(ブラザーコンプレックスパワー…なのかな?)でしょう。

拓也大好きの実くん♪

そんな実を時には邪魔に思いながらも、しっかり面倒みているお兄ちゃん。
さすがに小学生なので、とまどうこともあるけれど、しだいに子育てのプロに成長していく拓也の姿の頼もしいこと。
こんな子供、うちにも一人欲しくなっちゃいます☆

脇を固める登場人物達も魅力的で、小学生のはずなのに、大人のこっちが思わず感心してしまうほど。
なかでも好きなのは拓也の同級生で、六人兄弟の藤井君家の話☆
兄弟って、いがみあいながらも、どこか互いに結びつきあっている不思議なところがありませんか。そんなところが上手にマンガになっていて、楽しませてくれます。
拓也と実のパパもカッコイイしね。(一巻ではパパはなんと33歳なのだ。若い!)

面白いだけじゃなく、感動的なお話もたくさんあります。
うちの妹が出産のために実家に帰ってきていた時に、ヒマつぶしにとこのマンガを見せたら、母親と二人して涙ぐんでいましたから。

子供時代をちょっと卒業しかかっている中学生から、子育て真っ最中という大人まで、楽しく読める作品だと思います。
アニメ化もされましたが、「エースをねらえ!」同様、マンガとTVは別物ですからね。

ぜひ実くんの、「にーちゃああ」(拓也を呼ぶ声)という絶叫を、本の中でご覧になって下さい。



羅川 真里茂  著
白泉社


一月の本棚 3 『いやいやえん』

2004-01-26 18:43:00 | 日々の出来事
赤い表紙に、男の子と赤いバケツを持った小熊の絵。

そんな本を子供の頃見た記憶はありませんか?
昭和37年に発行されて以来、多くの子供達に愛され、多くの大人達が読み伝えてきた物語。

今回ご紹介するのは、中川李枝子、作。大村百合子、絵。
私の大好きな本『いやいやえん』です☆

保育園に通っていた時、地球は自分を中心に回っていました。
遊びたい時に遊び、歌いたい時に歌う。
嫌なことには泣いて抗議し、好きな先生には一日中まとわりつく。
そうそう、家に帰りたくて保育園から逃げ出したこともありました♪

本の中に登場するしげるちゃんもそんな男の子。
いつも「いやいや…したくない!」と言ってお母さんを困らせます。
そんなしげるちゃんは、したくないことはなんにもしなくていい所、「いやいやえん」に連れていかれてしまいます。
そこにいる子は、好きなことをしていて、したくないことはしなくても怒られません。
おかたづけもしなくていい。
嫌いな物は食べなくていい。

取っ組み合いのケンカになっても、「いやいやえん」のおばあさんは平然としたもの。
「まあ、すごいけんかだね。いまに、ふたりとも、手か足をおっちゃうだろうよ。
 そしたら、おしえておくれ。救急車をよぶからね。」

なんて言って、すましているのです☆

そのうち、投げられたり、蹴られたり、片付けてもらえないおもちゃ達は、「もう、この子たちとあそぶのは、いやだわ。」と言ってよそへ行ってしまいます。

おもちゃ達がしゃべり出し、自分で歩きだすシーンはとっても愉快♪

この本には「いやいやえん」の他にも、しげるちゃんが通う、ちゅーりっぷ保育園のみんなが登場する話が納められています。

中でもお気に入りなのは小熊の「こぐちゃん」がちゅーりっぷ保育園にやって来る「やまのこぐちゃん」☆

クマが手紙を書けたり、保育園に入りたくてやってくるところなんか、川上弘美の『神様』を彷彿とさせます。
川上さんも、もしかしたら読んだことがあるのかな?

クジラやオオカミがしゃべりだしたり、「くいしんぼう」の鬼が現れたり。
まるでファンタジーのようですが、語り口はいたって冷静。
あるがままに、子供達の行動を淡々と綴るその文章は、不思議な現実感を与えてくれて、動物やおもちゃ達が友達なのが当たり前の子供の世界に同化してしまっています。

そこがきっと、子供達に受け入れられてきた理由の一つではないでしょうか。

大人になると、忘れてしまう世界があります。
そんな世界を大人になっても失わず、こんな素敵な本を作ってくれた作者の中川季枝子さん、大村百合子さん姉妹には脱帽です。
『ぐりとぐら』シリーズでおなじみの方もいらっしゃるでしょうが、この本もお薦めですよ♪

できれば、お子さんといっしょにお読みになって下さい。

枕元で読んで聞かすのには、もってこいだとおもいます☆



中川 季枝子  作
大村 百合子  絵
福音館書店

☆4才~小学校初級むき☆

「森のクマさん」

2004-01-20 22:31:00 | 日々の出来事
今日(18日)の晩御飯は「ぼたん鍋」でした♪

猪の肉といっても、あぶらが乗っていて、クセもほとんどありません。

近所の農家数軒で、農作物を荒らす猪を捕まえるための檻を持っているのですが、昨年そこに入った猪を解体し、その肉を冷凍保存しておいたのです。

大根とごぼう、にんじんやコンニャクなどを入れて、味噌仕立てでいただきました。

家の近所に熊撃ちのおじいさんがいて、数年前には熊の肉も分けてもらいました。
今でもその家に行くと、その時の熊が玄関で迎えてくれるんですよ。…もちろん剥製ですが☆

近所の山に熊がいるというのは、これはもうメルヘンです。

♪ある日~森の中~熊さんに~出あった~♪

出会っちゃうかもしれないんですよ、本当に。(寝たふりしても、クマには通じないそうですよ☆)
だからここら辺の人は、山に入る時は腰に鈴をつけたりします。熊除けに。

熊の住む山には、カモシカも住んでいます。天然記念物なので、許可がないと撃てません。
そのカモシカさえも通れないというので、「地獄谷」と呼ばれている山があります。
うちの近所には、そんな妙な名前の地名ばかり。

一番大きな山を「天狗森山」と言います。
昼なお暗い森は「闇がり谷」。
木曽川に流れ込む支流のひとつに連なる谷は「地蔵谷」に「羽子板谷」、「山の神」に「狸沢」。
少し離れて「三つ森山」。
天然記念物のオオサンショウウオがいる「赤滝」。
古代の遺跡ではないかと噂される、不思議な岩が点在する山があったり、昼でも星が見えると伝えられる洞穴のある神社があったり。そうかと思うと「血洗い神社」なんていうおどろおどろしい名前の神社が山の奥に建っていたり。
地図でそんな名前を見つけるたびに「おお~♪ ファンタジーだ~」と喜んでいます。

「闇がり谷」なんて、小説の舞台になりそう☆

古い地図なんかに載っている地名には、けっこう興味深いものがあります。
小さい谷の一つ一つにも、ちゃんと名前が付いていて、その名前から、そこに住んでいた人達の生活を想像するのはとっても楽しいです♪

「狸沢」にはやっぱり狸がたくさんいたのかなぁ?
”狸汁”っていうのも日本の昔話ではよく聞きますよね。
さすがに食べたことはないですが。

でも、「天狗森山」の天狗には、会ってみたいかも☆

「洗濯機の憂鬱」

2004-01-20 22:26:00 | 日々の出来事
母とケンカしました。

きっかけは洗濯機。
いまどき洗濯槽と脱水槽がわかれている二槽式で、脱水の度に移し替えなくてはならない我が家の洗濯機。
そろそろ買い替えようということで、両親を連れて家電量販店に。

私のお薦めは、乾燥まで出来る斜めドラムの新製品。

なかなか新しい物を買おうとしないうちの両親も、今回は珍しくかなり乗り気な様子。

それなのに、それなのに、思いもよらない展開が…

洗濯機につなげる水道が、水を井戸から汲み上げる仕組みの場合、ゴミが詰まる可能性があるとのことで、この商品はあまりお薦めしないとか…店員さん、そりゃあないでしょ?

何? 地下水使っている家では新製品は使えないっての?
ゴミが詰まるって、うちの家族は毎日その水飲んでるんだよ?

家に帰って、そんなバカな話はないと言い切る私に対し、両親はその話をすっかり信じてる模様。
母親なんて「また二槽式にする」とか言い出す始末。
冬の冷たい水に手を入れて洗濯している母親に、少しは楽をさせてあげたいと思っての買い替えのはずだったのに、いつの間にか語気を荒げての言い合いに…

これが「もっと楽してよ!」「楽なんかしたくない!」という言い合いなんだから、わけわかんない。
だいたい、いまどき二槽式の洗濯機探すほうが苦労するって。

全自動は修理する時、手間がかかるということらしいけど、そんなことまで考えてたら、何も買えないじゃん!
日本の工業技術ってこんなものなのか?

もうこうなったら強行手段、最悪、黙って買うしかないかな。
壊れるとも思えないけど…


一月の本棚 『指輪物語』

2004-01-18 08:49:00 | 指輪物語

映画「ロード・オブ・ザ・リング」はもう観ました?
いよいよ、第三部「王の帰還」が公開されますね。
今から楽しみ♪

新年第一回目の本の紹介は、ロード・オブ・ザ・リング第三部映画公開記念として、また復習の意味で、原作本を紹介したいと思います☆

題して、「ここだけは押さえておきたい指輪物語!」

原作者はJ・R・R・トールキン。(1892~1973)
オックスフォード大学で教鞭をとっていた先生で、古英語、中世英語を専門とする言語学者。
そのかたわらで多くのファンタジー作品をてがけています。

その中でも、世界中から愛され、熱狂的ファンを持つのが、この作品『指輪物語』なんです。

舞台は様々な種族が暮らす「中つ国」。

かつて、自らを創り給うた神と張り合い、悪に走った者達がいた。
その中でも、狡猾に生き残り、人間とエルフ達を支配せんと企むサウロンなる者が、己の力と意思を込めて密かに作った一つの指輪。

先の戦いで多大なる犠牲を払い、サウロンから奪ったその指輪は、長いこと行方知れずだったが、運命のイタズラによって、中つ国でもっとも戦いと無縁な種族、ホビット族のビルボ・バギンズによって再びこの世にもたらされた。

人の心を蝕み、エルフの作った力ある指輪さえも支配することの出来る、強力な力を持つこの指輪を滅ぼすためには、指輪の作られた地、冥王サウロンの支配するモルドールにある火の山の火口に投げ入れるしかない。

問題は、はたして誰が行くか…

映画は戦闘場面が大迫力で、おもわずそちらに目がいってしまいますが、原作の面白さは、なんといってもホビット達の”苦難の旅”にあります。

もともと、自分達の土地で、のんびりと美味しい物を食べたり、ビールやうまいタバコ草を飲んだりすることが大好きなホビット族。
力や知恵では他の種族にかなわない彼等の武器は、その実直さと鉄のような実行力!

敵に追われ、化け物の罠にはまり、怪物達に襲われても、前に進むことを諦めない♪

伯父のビルボから指輪を託された主人公のフロドが、指輪の力に影響されて、どんどんお荷物となっていくのに対して、(いいすぎかな?)従者であるサムのなんていじらしいこと☆

特にモルドールの国に入ってからの道中は、涙なくしては語れない、サムあってのフロドみたいな感じさえしてしまう。

旅の仲間に加わるフロドの親戚のホビット、メリーやピピンの活躍場面もけっこうあったりするし、もしかして、フロドって窓際族? 指輪に付いてるオマケだったりして(笑)
いやいや、頑張れフロド!
映画ではきっと活躍させてもらえるぞ!

物語は三部構成になっていて、フロドの旅立ちと、指輪を運ぶ旅に集う仲間達を描いた第一部『旅の仲間』

裏切りや策謀によって、いよいよ困難が増し、サウロンによる攻撃がついに始まる第二部『二つの塔』

長きに渡り待ち焦がれていた王があらわれ、最後の戦いへと人々を導く中、指輪の力と、飢えと渇きに苦しんできたフロドとサムに、思いもよらぬ結末が訪れる第三部『王の帰還』

といった具合になっております。

ホビットって何? エルフって何のこと? どうして王様がいなかったの? 
なんて疑問をお持ちの方。
ぜひ、原作をお読み下さい。
トールキン先生が、そりゃ~あ詳しく、とっても詳しく、詳しすぎて歴史の本が書けちゃうくらい詳しく、説明してくれてますから☆
(さらにサウロンの正体やガンダルフのことなどが知りたい方は、『シルマリルの物語』上・下をどうぞ♪ 指輪物語以前のことが詳し~く載ってます)  

アラゴルンはかっこいいし、ガンダルフは気のいいじいさんだし、レゴラスとギムリは最強の凸凹コンビだし。
サウロンなんか怖くないぞ~♪

こんなメンバーに囲まれたら、そりゃ影も薄くなるな。
おまけに自分は何も悪くないのにモルドールくんだりまでわざわざ指輪を捨てに行かされるんだから。
(もともとの原因作ったのは伯父のビルボだしね。これも詳しく知りたい? ちゃんとあります。13人のドワーフと共に邪竜スモーグ退治に向かう冒険譚『ホビットの冒険』がそれです。ビルボが主人公の物語です☆)

そう考えるとフロドって、ちょっとかわいそうかも。

そんな目立たない主人公の活躍(?)を、どうぞ楽しんで下さい☆

でも、やっぱり、一番のお気に入りはサムなんだよな~♪



J・R・R・トールキン  著
瀬田 貞二  訳
評論社文庫


一月の本棚 2 『アリーテ姫の冒険』

2004-01-18 08:47:00 | 日々の出来事
「待っているだけのお姫さまはもう古い!」

オビの宣伝文句からして魅力的。
今回ご紹介するのは、自分の知恵と勇気で問題に立ち向かうお姫さまの物語。
ダイアナ・コールスの『アリーテ姫の冒険』です☆

去年の年末に手に入れたこの物語。
男女平等とか、女性の自立とかの、隠されたフェミニズム的なメッセージは置いといて、お話として面白い♪

「可愛らしく、おとなしく、従順に」というお姫さま教育にもかかわらず、とってもかしこく、活発に育ってしまったアリーテ姫。
宝石を数えることに忙しい王様は、王女がかしこいことが世間に知られる前に、早いとこ結婚させてしまおうと大慌て。
だって王様に言わせると、

「かしこい妻を求める男などいるものか、女はやさしく、かわいいのがいいんだ。かしこくなんかないほうがいい!」

という、どっかの団体が聞いたら抗議が殺到しそうな考えの持ち主。
ところが、次々とあらわれる求婚者の王子さま達も、王様と同じ考えらしく、アリーテ姫のかしこさに、尻尾を巻いて退散してしまうのです。

困ってしまったのは王様。
そこにあらわれた悪い魔法使い。
宝石箱でとりいって、まんまとアリーテ姫と結婚することを王様に承諾させてしまいます。しかも、魔法使いの出す三つの仕事をアリーテ姫がやりとげられなかったら、姫の首を落としてもいい、という証文付きで。

さてさて、アリーテ姫はどうやって、次々と出される難しい仕事を解決していくのか?
もちろん、その方法もとっても魅力的☆
掃除、裁縫をキチンとこなし、本を読んだり、絵を描くことが大好きな、アリーテ姫だからこその解決方法。でも、実は面白いのはそこじゃない。

悪い魔法使いとの結婚が決まった時、心配した仲良しの魔女のおばあさんからもらった魔法の指輪。
指輪をこすりながら願い事をとなえると、三回だけ願いをかなえてくれるというその指輪を、アリーテ姫は何のために使ったと思います?

魔法使いの出す、三つの仕事を解決するため?

ブッブー、はずれで~す。
それじゃ当たり前すぎて面白くない。
この展開を知るためだけでも、買った価値があったと思いましたね。

答えは…やっぱり本の中で☆

白馬に乗った王子さまを、ただ待っているだけのお姫さまは、もう古い!
美しい銀色のめす馬に乗って、颯爽と駆け抜ける春風のようなお姫さま。

そんな爽快感を与えてくれる、楽しい物語です。
アニメ化もされているので、そちらも、要チェックですよ☆



ダイアナ・コールス  著
グループ ウィメンズ・プレイス  訳
学陽書房

一月の名言集より

2004-01-18 08:30:00 | 日々の出来事
わたしたちは

言葉や口先だけで愛するのではなく、

実行と真実をもって愛し合おうではないか。

それによって、わたしたちが

真理から出たものであることがわかり、

心を安らがせることができるだろう。



        ―「ヨハネの第一の手紙」第三章一八~一九節―


あけましておめでとう

2004-01-12 08:39:00 | 日々の出来事
年末年始の料理当番が回って来た~

母親が風邪を引いてダウン。
二人の息子を伴って実家に帰って来た妹は爆睡中!
父親は何を思ったのか、いきなり離れの床を張り直すとか言い出すし。

言っとくけど、父親は大工でもなんでもありません。
床板はがして、土台を組み直して、新しい床板しいて…しかしなぜにこの時期に?
手伝わされるこっちの身にもなって欲しい。

看護師しながら家庭の主婦もこなす妹(ちなみに蠍座のAB型)は、亭主を名古屋の家に置いてきぼりにさせといて、息子といっしょに、こたつで寝ていて起きやしない。

「少しは兄貴を手伝え!」

と居間で妹を叱る父親の言葉。
野菜を煮込みながら、離れの後始末をしているこっちからしたら、どっちもどっちなんだけどね~

なんでも器用にこなすものの、長続きしないAB型。
趣味で台所に立つことはあっても、基本的に「家事」は苦手。
それでもなんとか、年越しの料理と、お正月の雑煮、甥っ子達用の食べ物までは用意しました。
味と盛り付けにはこだわりましたよ。

そこで教訓。

「家事」に「こだわり」はあまり必要とされていないらしい。

…うんうん、なるほどね☆

何はともあれ、母親のありがたさが身に染みた年末年始でした。

「気分転換」

2004-01-11 15:54:00 | 日々の出来事
気分を変えたい時に、本屋に立ち寄るのは私の悪い癖です。

パチンコやお酒でストレス発散という友達もいますが、本屋さんで気分が落ち着くというのもちょっと変ですかね?

まずは新刊のチェック。
フムフム、ひいきの作家さんの作品はナシか、残念。

ベストセラーの棚には養老孟司先生の本。
相変わらず売れてますね。

とりあえず、めったに買えないハードカバーの並ぶ棚を物色。
近頃の「ハリー・ポッター」人気で、ファンタジー物が平積みになっている☆
「ダレン・シャン」シリーズに「ネシャン・サーガ」シリーズ。
「ローワン」や「守り人」シリーズに、もちろんあります「ハリー・ポッター」と「指輪物語」。
NHKのアニメが人気の「十二国記」シリーズなどなど。
う~ん、こう堂々と売られると、なんとなく手が伸びない。
本棚の片隅で、ひっそりと光輝いていた昔が懐かしい(笑)
ファンタジー物なんて、本当にひどい扱いでしたからね。
「指輪物語」さえ置いてない本屋さんがたくさんありましたから。

その中で目に留まったのが村上龍の「13歳のハローワーク」
514種類にも及ぶ職業が、自分の興味に合わせて調べられるように作られている本です。
はまのゆかさんのイラストも楽しくて、即購入決定。
この二人のコンビで作られた「あの金で何が買えたか」という本が以前面白かったので、迷いはありませんでした。(ただし、2600円という値段にはレジでちょっと後ずさりしましたけど)

文庫本のコーナーは出版社ごとに並んでいるので、新潮社、角川を重点的にチェック。
講談社、幻冬舎、岩波には少し足を止める程度、その他の本達は表紙に目を通すだけ。
最近、本屋さん独自のお薦めや、感想を書いた手書きのカードが付けられていますが、アレは面白いですね。
ついつい読んでしまいます♪

今回の収穫は完全新訳版が出た創元SF文庫の「レンズマン」シリーズ。
スペース・オペラといえば、この名作は外せないでしょう。

あったかい雰囲気が素敵なおーなり由子の絵の本「しあわせな葉っぱ」。
北村薫の「月の砂漠をさばさばと」という本の挿絵を見てからすっかりファンです☆

児童文学ファンタジー大賞を受賞した梨木香歩の「裏庭」。
前から気になっていたんですが、今なら読めそうな気がして。

先月も何冊か買っていたのに、またこんなに買ってしまって…
こうして本がたまっていく(笑)

さすがにこの間、古本屋に断腸の思いでいくつか本を持ち込んだんですが、37冊で360円でした。
そりゃあ文庫本ばかりだったし、どれも古い本ばかりだったけれど、一冊10円程度なら売らずに持っていたほうが…いやいや、そう考えるから本が減らないんだ。
一人でも多くの人に読んでもらうためには、売ってしまうのが一番。

本棚に眠らせておくのはもったいないですからね。



「ちょっとラクガキ」

2004-01-11 07:33:00 | 日々の出来事
生きていると、色々なことがあります。

つらいことばかりじゃない。

楽しかった思い出も、数え切れない程あるはず。

ただちょっと、悲しい記憶よりも、思い出すのに時間がかかるだけ。

思い出の中に埋もれた様々な出来事。

雪の降った日、大きなかまくらを作って、その中で作ったラーメン。
友達と競い合った凧上げ大会。
必死で憶えた百人一首。

家族で行った海水浴。
初めて乗った新幹線。
歩き疲れたテーマパーク。

家族や友人達との思い出は、心の奥底でいつも私を支えてくれます。
多くの人に助けられて生きてきました。

小学生の頃。
扁桃腺の手術で血が止まらず、輸血が必要なのにAB型の血液が足りなくなった時、若い看護婦さんの一人が、恋人に電話して、急いで病院まで来てもらい、なんとかその人から輸血して事なきを得ました。

校舎で鬼ごっこをしている時には、転んであごを切ってしまい大出血。
連れられて行った診療所の先生は、「たいしたことない」と言って、麻酔なしで傷口を数針縫いました。
痛かった~。
泣き叫びながらも、笑顔の先生を見て不思議と怖くは感じなかったのを憶えています。

田んぼの中のスケート場。
ぼたから滑り降りるソリ遊び。
初めてスキーに行った時は、止まることができずに、崖から滑り落ちそうになり、近くにいた大人の人が咄嗟に服をつかんでひっぱり上げてくれた。

よくかわいがってくれた親戚の”小さいおばさん”
三姉妹の末っ子だった母には、二人の姉がいて、私達はそれぞれ”大きいおばさん”、”小さいおばさん”と、呼んで遊んでもらっていました。
小さいおばさんには子供がなくて、私達兄妹を自分の子供みたいにかわいがってくれたものです。
乳ガンのために若くして亡くなってしまったけれど、線の細い、キレイな人だった。

まだまだ人生の駆け出しだけれど、その間に出会った友達や仕事の仲間には、本当にたくさんの思い出をもらいました。

勉強と部活動に明け暮れた高校時代。

息が切れて吐き気がしても体を動かし、必死で練習について行った日々。
練習が終ると、頭から水をかぶり、水道の水をガブガブ飲んだ。
朝練に合宿。
フラフラになるまで走り込み、疲れた体に鞭打って、坂道ダッシュを繰り返したのもいい思い出です。

最後の試合は今でも夢に見ます。

新聞販売所で住み込みで働いていた時の仲間達。
よく横浜から湘南辺りまで、夜の海岸線をドライブしました。
お酒を飲んだのもこの頃が初めて。
美味しいとは思わなかったけど。

ファミリーマートでバイトした時は、サンタクロースの格好をさせられて、ケーキを配達したな。
夜勤は辛かったけれど、バイトの子達とよくカラオケに行ったりして楽しかった。

ダイエーでバイトした時は、様々な部署に回されて、色々と勉強させてもらいました。
迷惑もずいぶんとかけたはず。
本当、お世話になりました。

結婚式場に勤めた時には、友達の結婚式を三組挙げました。
自分のことのように嬉しかった。
新郎が現れず、まさかドタキャン? と思ったら単なる寝坊だったり、新婦が泣いているので心配していたら、和服用のカツラがズレて痛がっていただけだったり。

もちろん、苦しかったこともたくさんありました。
それこそ、死にたいと思ったことも何度あることか。
けれど、それでも、なんとかなってきた。
生きていれば、なんとかなる。

そう、だから人生は面白い。

去年の暮れ、祖母の葬儀がようやく終り、経費の計算などを両親としていた時のこと、いいかげん三人共疲れはてていて、トゲトゲした雰囲気が立ち込めていました。
そこに、隣の部屋にいた四歳と一歳になる甥っ子達の泣き声が聞こえてきたんです。
四歳になるお兄ちゃんの方が激しく泣きながらこう叫んでいました。

「耳を噛まれた~」

フッ、フフフ…
思わず三人から笑いが漏れました。

…一歳の弟に負けてどうする(笑)

次の瞬間、こらえ切れずに大爆笑! 久しぶりに、親子で腹を抱えて笑いました。
耳を噛まれた本人には悪いけれど、疲れもどっかに吹っ飛びましたね。
甥っ子には感謝しました。
そこにいてくれるだけで家族を幸福にしてくれる。

なんとかなる。

私達は「ここにいる」だけで、きっと幸せになれる。

色々あったけれど、悩むだけ悩んだら、なんかスッキリしました☆

よーし、明日からまた頑張るぞ!


一月の記録

2004-01-10 01:00:00 | 日々の出来事
会社の同僚の女の子が自殺しました。

今日、一月七日がお葬式でした。

会社の休み明けにあたる日の朝、起きてこないことを不審に思った家族が見つけたのは、五通の遺書だったそうです。

私はそんなに親しくはなく、仕事のことで二三言葉をかわしたことがある程度。

それでも、やっぱりショックです。

このことは、この日記に書くかどうか悩みました。
掲示板には、「楽しいHPにしていきます」と今年の抱負を書き込んだばかりだし。
このことを避けて、何もなかったかのように日記を続けていくことも、そりゃあ可能でしょう。
ここに書いて、公表することにも抵抗がないわけじゃない。
でも、それでも、やっぱり書くことにします。

会社は何事もなかったかのように、今日も事務的に仕事が進んでいきます。
休み時間の世間話の話題に上るのも、ここ数日のことでしょう。
空の色も普段通り。

高校生の時。
同じ剣道部の女子部員が、部活の帰りに車に轢かれて亡くなりました。
その時、他の同級生が、周りの大人達が、いつもと変わらない普通の生活を送っていることに腹が立ったのを覚えています。
空の色がいつもと変わらないことにも苛立たしかった。

橋の上から身を投げたそうです。

見知った人に自殺されると、それが見当違いだとわかっていても、自分に何かできたんじゃないかと自責の念に駆られます。
でも、どう考えても、死んでしまったら、取り返しなんかつかない。

一方的に拒否されるのは寂しいですね。

「君がいなくなると寂しくなる」
…だから死なないで下さい。

新年早々、重い話題でした。
でも、これが本当に起こった事実です。
感情よりも、事実を優先してここに書きました。いつか、それが大切に思える日が来ることを祈って。

…合掌