私的図書館

本好き人の365日

まだあげ初めし前髪の…

2011-10-30 23:59:00 | 本と日常
10月30日は「初恋の日」

島崎藤村が明治29年のこの日、雑誌『文學界』に「初恋」の詩を発表したことにちなんで。


 まだあげ初めし前髪の
 林檎のもとに見えしとき
 前にさしたる花櫛の
 花ある君と思ひけり


あまり島崎藤村に詳しくない私も、この詩だけは知っていました。
あと小説『夜明け前』も有名ですね。
旧中山道の馬籠宿にある「藤村記念館」にも行ったことがありますが、姪とのスキャンダル、身内との確執など、あまりいいウワサを聞かない作家さんという印象。

「初恋」のイメージじゃないなぁ。

まったく興味ないかも知れませんが、私の初恋は保育園の保母さんでした。稲川先生。まだ名前を憶えている自分に驚きます(苦笑)
当時は家に帰りたくて勝手に保育園を抜け出すなど、ご迷惑をおかけしました。

小学校に上がってから一度だけ何かの機会にお会いしましたが、結婚されてすでに保育園の保母さんじゃなくなっていて、子供心にショックを受けたことを憶えています♪

失恋の痛み…小学生のくせに(苦笑)

体は小っちゃくても心はいっちょ前に傷つくんですよね。
小さな子供たちが、すでにそんなことを考えているのかと思うと、何だか可笑しい♪

初恋はうまくいかないものだけどね~

「星めぐりの歌」

2011-10-29 23:28:00 | 日々の出来事
NHKのBSプレミアムで放送された「宮沢賢治の音楽会~3.11との協奏曲~」という番組を見ました。

すっごい豪華な出演者に感激でした。

坂本龍一、細野晴臣、一青窈、中島みゆき(声のみ)、松山ケンイチ、手嶌葵、などなど。
宮沢賢治の故郷、岩手県の大地に立って歌われる賢治の残した歌や朗読される作品の数々。

童話「双子の星」に登場する「星めぐりの歌」がとってもよかった♪


 あかいめだまの さそり
 ひろげた鷲の  つばさ
 あおいめだまの 小いぬ、
 ひかりのへびの とぐろ。


賢治が病死する少し前に三陸沖でやはり大地震があって、友人に宛てた手紙の中で、その津波による被害の大きさを賢治が綴っていたなんて知りませんでした。

岩手の地をイーハトーブと呼び、森や野原、川や土や石ころの中にさえ宇宙を見ていた宮沢賢治。
賢治の残した「雨ニモマケズ」の詩を、私は高校の三年間、定期券の裏に入れて通学していました。ホント、好きだったなぁ~

「やまなし」の朗読に、「セロ弾きのゴーシュ」そのままのチェロの演奏も良かったです♪
声に出して読む…たまには物語を耳で聞くっていうのもいいものですね。

貴重な番組でした☆

ひなげし(虞美人草)

2011-10-27 19:25:00 | 旅行
今日は病院で診察があったので、午後から足を伸ばして美術館に行って来ました。

岐阜県にある「横井照子ひなげし美術館」。

地元の企業が運営する小さな美術館で、地図を頼りに行ってみてビックリ。
百年くらい前の板倉(土ではなく板で壁を造った倉)を二棟つなげた建物を使っているのですが、8畳程度の部屋が二つと小さな部屋がもう一つ、あとは2階があるだけで本当に小さい(というか狭い!)
入場料は400円でしたが、展示場を歩くだけなら1分で見て回れそう(笑)

横井照子さんという作家の方も、その作品もまったく知りませんでしたが、エッグテンペラなどで描かれた作品は、単純化された形と色のイメージが印象的で、写実とは対照的な見る者の想像力をかきたてる作品でした。
けっこう面白かったです。

何より美術館の静かな空気がすごく落ち着く。お客は私一人なのに係員の方が二人いて、作品の描かれた時代背景や作風の変遷について教えてくれたり、和菓子とお抹茶を出してくれたりして、すっかりくつろいでしまいました。

どうやらこの和菓子のサービスも入れての400円だったみたい。

だったらそんなに高くないかな?

たまにはこういう小さな美術館も面白いです。
いい気分転換になりました♪

トイレの話

2011-10-26 18:10:00 | 本と日常
岸本佐知子さんのエッセイを読んでいたら、「全自動トイレのフタが人間と認識してくれない」という一文があって笑ってしまいました。

ありますよね、人間が近づくと自動でフタの開くトイレ。
何もそこまで、と思わないわけでもありませんが、きっと便利なんでしょうね、私は使ったことありませんけど。

日本のトイレは至れり尽くせり。便座は温かいし、ウォシュレットは今や当たり前。外国人の留学生がそれに感激して自分の国に持って帰り、家族に体験してもらうまでを追ったTVのドキュメンタリー番組もありました。

トイレで思い出すのは芥川龍之介の「好色」というお話(食事中の方スミマセン)
平安時代、平中という女性に手の早いことで有名な男が侍従の君という女性を口説こうとします。ところがこの侍従の君、美しいだけではなく頭も切れる。平中はあれこれ手をつくすもその度にうまくあしらわれ、ふられ続けた平中は思い余って侍従の君の侍女が運んでいた箱を奪い去ってしまいます。
平安時代、トイレは箱のような物で部屋の中でしていました。中身は別の場所に捨てに行きます。平中が奪ったのはこの捨てに行こうとしていた箱。好きな人のトイレの中身を見ればさすがに百年の恋も冷める。侍従の君をあきらめるためにはこれを見るしかない、と平中は考えたわけです(苦笑)

ところがそれさえも見透かしていた侍従の君は中身を香木とすり替えていて…

出典は今昔物語か、宇治拾遺物語あたりだったと思いますが、この話面白かった♪

平中アホじゃないの?(笑)

古今東西人間の歴史と共に歩んできたトイレ、未来にはどんなトイレが登場するのかな?
そういえば家畜の糞などから取り出したエコエネルギー”バイオガス”で走る「トイレバイク」が話題になっていましたね。
トイレをデザインしたバイクで10月の初めに九州を出発し、1ヵ月かけて東京を目指すんだとか。(25日現在奈良県から三重県あたりだそうです☆)
そのデザインからずいぶん誤解されているようですが、あくまで抽出した”ガス”で走るのであって、ウ○チで走るわけではありません。

あぁ、今日は何だか下品な話ですみません。

ちなみに岸本佐知子さんのエッセイは、『ベスト・エッセイ 2011』(日本文藝家協会編、光村図書出版)という本に収められているのを読みました。
様々な作家さんの選りすぐりのエッセイが集められていて面白かったです♪


「赤毛のアン 新たな始まり」

2011-10-23 18:14:00 | 映画
日曜日の午後、私はNHKのBSシネマで映画「赤毛のアン 新たな始まり」(2008年)を見ていました。監督はケビン・サリバン。

その前に放送された映画「アンの結婚」も前編後編見ました。

うぅ~
モンゴメリの「赤毛のアン」と全然違う…

例えるなら「忠臣蔵」が宇宙人と戦うSF作品になってしまったくらい違う…
せっかく映画化するのなら、原作通りのストーリーにして欲しかった。
ファンとしては終始「エ~」という感じでしたが、それでも数少ない原作の香りを必死で探しながら何とか最後まで見終わりました。

パティの家も、ジム船長も、シャーロッタ四世も出てこなかった…

アンの娘の名前がリラだとわかった時だけ少し幸せでした。

「赤毛のアン 新たな始まり」は、劇作家(!)として成功したアンが過去を振り返り、回想という形でグリーン・ゲイブルズにやってくる以前の幼いアンを登場させ、その様子を描きながら、中年になった現在のアンの物語とつなげるというもの。
グリーン・ゲイブルズにやってくる以前を描いた作品としては、バッジ・ウィルソンの『こんにちはアン』がありますが、こっちの方がまだ原作を大切にしてる。これをアニメ化した作品「こんにちはアン」(日本アニメーション)も見ましたが、小説の『こんにちはアン』とも違うし、原作の原作、モンゴメリの「赤毛のアン」とはまったく別物になってしまっていました。

原作者以外が作品に手を加えるというのは難しいですね。

今日は朝から茄子を入れたカレーを作りました。
この時期の秋茄子はみそ汁に入れても美味しいし、そのままナス焼きにして生姜醤油で食べても美味しいですよね♪

さぁ、おいしい物を食べて元気出そうかな。

『川の名前』

2011-10-21 00:51:00 | 本と日常
川端裕人さんの、

*(キラキラ)*『川の名前』*(キラキラ)*(ハヤカワ文庫)

という本を読んでいて、「リバーネーム」という考え方を知りました。

ナチュラリストの岸由二さんという方が提唱されているそうなんですが、なんかいいなぁと思ってしまった。

リバーネームというのは「私の川」を決めて、自分のミドルネームとして使い、自然と個人を結びつけようというもの。
例えば、日本太郎だったら、日本・千曲川・太郎、みたいな感じ。

番地や年金番号や、会社の肩書きなんかじゃなくて、自分の生まれた土地、育った環境、生きてきた場所としての川の名前。

岸由二さんの提唱する内容とは違う理解のしかたをしているかも知れませんが、すごく心に響くものがありました。

日本ほど水に恵まれた土地はないとよくいわれますよね。きっと、ほとんどの人が身近に流れる川があると思います。
自分が育ち、あるいは生活し、自分という人格を作りあげてきた場所。
ウサギ追いしかの山~ではないけれど、太郎くんにとって千曲川は特別な川。
それはいつか故郷に帰るとか、そういう現実的なことではなくて、自分を自分たらしめている立ち位置を確かめる行為そのもの。

「足元を見よ」

川端裕人さんの『川の名前』という小説は、小学生の男の子たちが夏休みに多摩川の支流で”謎の生き物”を探す物語です。
現実世界ではアザラシの子供に「タマちゃん」などと名前を付けて、住民票まで発行するとか、バカなことをやっていますが(あくまで私の個人的な見解です)、小説の中でもマスコミや大人たちがこの”謎の生き物”に対してひと騒動起こします。
さあ、少年たちはどうするのか!?

私のリバーネームはやっぱり故郷の川になるのかな。
それとも学生時代をすごした都会のドブ川?
社会人になって、ちょっと大きな川の近くで暮らすようになってからの方が、年数としては一番長いか…

どちらにせよ、自分の中の「私の川」を探すことが、こんなに楽しいとは思いませんでした。
自分が根なし草じゃないって思えるのは幸せなことですね♪

川をさかのぼり、源流を探すように自分の心をたどってみる。

とても新鮮な読書体験でした。


『舟を編む』

2011-10-18 19:31:00 | 日本人作家
三浦しをんさんの小説、

『舟を編む』(光文社)

を読みました。

辞書を作る辞書編集者たちが主人公。
日常生活を送りながらも、つい細かい言葉の使い方が気になってしまう彼らの生態がすでに可笑しい♪

言葉という大海原を行く舟のような辞書を作る。
言葉という誰にとっても身近で、それでいて奥深い世界にハマってしまった人間たち。

出版社の片隅で脚光を浴びることなく、毎日毎日黙々と仕事をこなす彼らが、言葉を定義しようと情熱的に議論する様子がとっても面白いです。

「恋愛」とは何か?
「右」の定義とは?
「島」はどう説明するのか?

言葉を言葉で定義することがこんなに楽しいなんて!

恋愛の定義を異性に対する恋慕だとしてしまったら、同性愛は恋愛ではないのか?
二次元のアニメのキャラクターに恋してしまったら?

最近はパソコンで文章を打つ人が多いので、ほとんどの漢字は変換してくれるし、意味もある程度表示してくれるから辞書を引くことも少ないかも知れませんね。

ひとつひとつの言葉を吟味し、大切に大切に辞書に載せていく。

出版社内での人事異動。
私生活での「恋愛」
辞書にこめた名もない編集者たちの思い。

ちょっと辞書に対する見かたが変わってしまいそう♪

私は辞書ってけっこう使います。本もそうですが、辞書ってなかなか捨てられないので、未だに小学生の頃の辞書が机の上に並んでいたりするんですよ☆

ふと気になった時いつもお世話になっている広辞苑第三版は、田舎から出て横浜で暮らすようになり、休日に東京見物に出かけた時に買ったもの。
原宿とか渋谷とか、いろいろ見て回って結局買ったのが広辞苑って、どんだけ都会に緊張してるんだよ(苦笑)

都会出の広辞苑は今は岐阜の山奥で重々しく机の上に鎮座しています♪

いつもは当たり前すぎて意識すらしない辞書。
でも初めて異国の言葉を翻訳したり、自分の国の言葉を集めて本にするって、昔は国家的な大事業だったんですよね。
長い年月の間に、どれだけの言葉が生まれてきて、どれだけの言葉が消えていったことか。

辞書編纂に情熱を傾けるちょっと個性的な編集者たち。
三浦しをんさんらしく、そこかしこに遊びが散りばめられています。

面白い本でした☆

「幸福な王子」と「東のエデン」

2011-10-16 23:06:00 | 本と日常

10月16日はアイルランド出身の、劇作家であり詩人であり小説家でもあったオスカー・ワイルドの生まれた日です。

1854年生まれ。晩年はあまり幸福ではなかったオスカー・ワイルド。私が好きな彼の作品は「幸福な王子」。まるでアンデルセン童話のような哀愁に包まれた作品です。

町の中心部に立つとても美しい王子様の彫像。
ある日ツバメが飛んで来て、王子の足元に止まります。
王子は毎日貧しい町の人々を見ては心を痛めていました。そこで動けない自分に代わり、ツバメに自分の体に使われている宝石や金箔をはがして、貧しい人々に届けてくれるように頼みます。
宝石を失い、金箔をはがされ、しだいに美しかった王子の像はみすぼらしい姿へと変わっていきます。しかしそれでも王子は貧しい人々のためにならと続け、ツバメもそれに協力します。
そしてやがて冬が来ると、南に渡り損ねたツバメは王子の足元で冷たくなってしまうのです。そして王子も…

レンタル屋さんで半額キャンペーンをやっていたので、いくつか作品を借りて来ました。
そのうち1本が、ちょっと前に放送されたアニメ「東のエデン」(監督 神山健治)

もし100億円あったらあなたなら日本をどうやって救いますか?

100億円の電子マネーがチャージされた携帯電話を渡され、日本を救うためにそのお金を使う義務を負わされた12人の人間。
ミステリーのような謎解きが散りばめられた作品ですが、けっこう面白かったです。

八ツ場ダムの建築費が4,600億円だから100億くらいじゃ日本は救えないかな?
「ノブリス・オブリージュ」持てる者の義務…
日本の政治家さんには「幸福な王子」はいないか。
ツバメの役ならいつでもやるのになぁ。


『夢見る頃をすぎても』

2011-10-16 02:42:00 | 本と日常
テレビを見ていたらCMで―「週刊赤毛のアン」創刊号発売、毎号付いてくるパーツを組み立てれば、あなたにもアンの暮らした家が作れます―というのをやっていました。

エ!? なぜ今「赤毛のアン」なの?

その商品はどうやら1/24スケールのドールハウス(モデルはグリーン・ゲイブルズ!)を組み立てるのを売りにした雑誌らしいのですが、一瞬予約しそうになりました(苦笑)

部屋に置き場所なんてないのに。

最近NHKもBSシネマで映画「赤毛のアン」を一挙に放送したりしてるし、ホントにどうして今なの?
3年前に100周年は過ぎちゃってるのに。
それとも自分が「赤毛のアン」が好きだから気になるだけで、偶然の範囲内なのかな?

つい先日も、本の紹介をしているとあるブログを見ていたら、高柳佐知子さんの本が紹介されていて、そうしたらどうしても読みたくなって本屋さんに行って来たばかり。
探していた本は『夢見る頃をすぎても』(らんぷの本)という本で、結局その本屋さんにはなかったのですが、高柳佐知子さんといえば「赤毛のアン」ファンにははずせない絵本作家さんなんです。
私も『赤毛のアン「腹心の友」ノート』(大和出版)という絵と文章で綴られた高柳佐和子さんの本を持っていますが、その描写の細かいこと。絵が細かいんじゃなくて、お皿とかティーセットとか草花とかドレスとか、とにかくこだわりがスゴイ!
小さなエリザベスとか、ポールとか、「赤毛のアン」ファンなら触れて欲しいと思うところをしっかり描いてくれていて、「赤毛のアン」の世界観がそのまま再現されているんです。
高柳さんの絵も素敵なんですが、その文章もよくて、ページの隅々にまでモンゴメリ作品に対する愛情があふれています。
まさに「腹心の友」にはたまらない本。

そんな高柳さんの本を何年かぶりに読みたくなっていたちょうどその時期に、「週刊赤毛のアン」とかCMで流れたのでビックリしました。
何かのお告げ?
これは買えってことなの!?

今回発売される「赤毛のアン」ドールハウスは100号で完結するようなので、そのお金があったら高柳さんの本を手に入れたいなぁ。
だいたい何度もいうようだけれど、ドールハウスなんて置く場所ないんだから。

ないんだから、買っちゃダメ。

私は誰に言ってるんでしょうね?(苦笑)

1/24スケールのグリーン・ゲイブルズかぁ…


ある日の夕食

2011-10-14 21:32:00 | 料理・グルメ
ロース肉が安かったのでまとめて買って来ました。
アパートの狭い台所で、フライパン一つで夕食作り。

10個98円の卵と、一袋198円の冷凍野菜、ミックスベジタブルで簡単調理。
行儀が悪いですが、時々テレビ見ながら作りました。

まずは300gのロース肉の塊から、薄く何枚かスタイスした肉をフライパンでカリカリに焼く。そこにミックスベジタブルを入れて炒め、お皿に移しておく。次に卵2個をかきまぜて、塩コショウしたものをバターを溶かしたフライパンに入れ、最初ちょっとだけ箸でかきまぜてから放っておく。
その間にチラッとTVを見て、しばらくしたらお皿に分けておいた肉とミックスベジタブルを玉子の半分側にのせ、玉子で包み込んでオムレツの出来上がり。

フライパンにはそのまま残りのロース肉を縦に切ったもの(厚さがあると火の通りが悪い)をのせて焼いておく。お皿に移したオムレツをナイフとフォークで切り分けてガツガツ食べながら、たまにフライパンの肉を裏返す。
オムレツにケチャップをかけたりして、あらかた食べ終えた頃に肉が焼きあがる。肉に市販のしょうが焼きのタレをかけてもうひと焼きしたら出来上がり。

これもおいしくいただきました。

本日の夕食、だいたい300円くらい。
こんなことを書いたのは、病院で食生活のことを話したら先生と看護師さんに笑われてしまったから。
野菜をもっと食べなさいって

…そういわれてもね、野菜高いし。

小さな出来事

2011-10-11 22:43:00 | 日々の出来事
人間って外見じゃわかりませんね。

定期検査で病院に行って来たのですが(たいした病気じゃありません☆)、待合室で座っていると、こんな光景を目にしました。

自分の順番が来た車椅子の男性。
付き添いの人はいないらしくて、男性は診察室のドアを一人で開けるために車椅子の位置を調整しようとしていました。待合室にいた何人かがその状況に気がつきはじめたそんな時、近くにいた金髪でニッカポッカをはいた若い男の子がサッと手を伸ばしてドアを開けてあげたのです!

正直、いかにもいまどきの若者って感じの男の子だったので、とてもそんなことをするようには見えませんでした。

私は自分の不明を恥じましたね。
なんて人を見る目がないのかと…

金髪兄ちゃん、年下だけれどカッコイイ♪

なんか自分の第一印象が間違っていたことが嬉しくて、その後しばらくウキウキした気分で過ごしました☆
外見で人を判断してはいけませんね。
キチッとした格好をしている人がいい人とは限らないのと一緒。
小さな出来事かも知れませんが、こういう何気ない出来事がとても嬉しいです。

あの若者だっていつもいい人ではないのかも知れないけれど、ふとした瞬間でも親切になれるってのがいい。人間も捨てたもんじゃないなと思えます。

BSシネマ「赤毛のアン」

2011-10-11 01:55:00 | 映画
NHKのBSシネマで、ケビン・サリバンが監督をし、ミーガン・フォローズが主演したカナダのTV映画、「赤毛のアン」のハイビジョン・デジタル・リマスター完全版の一挙放送が始まりました。

1985年に製作された作品らしいのですが、内容は原作者のルーシー・モード・モンゴメリが見たら怒り出しそうなくらいストーリーがいじってあります。
アンがグリーン・ゲイブルズにやってくる第一話は、まだプリンス・エドワード島の美しい自然なども見られるので、まあこんなものかなという感じですが(時間の制約があるため原作のつまみ食い)、「アンの青春」「アンの結婚」のあらすじを読んでビックリしました。
特に「アンの結婚」のストーリー!

アンがNYで出版社勤務!?
それで戦争でギルバートが行方不明になって、ギルバートを探しにアンが戦地のフランスへ!?
ロンドンの新聞社で働くアンが秘密任務で今度はベルギーへ!?

何それ?
開いた口がふさがらない…

これが本物の「赤毛のアン」だと思われたらどうしよう。
秘密任務って何だ!?

原作で戦争に行くのはアンの子供たちで、確かに行方不明にはなりますが、アンが探しに行くなんてことは絶対にありません。
原作では戦地に子供たちを送りだす母親としてのアンの苦悩が見事に表現されていて、泣けるエピソードなのにどうしてこんなことに…

「赤毛のアン」といいながら、まったくのオリジナルストーリーにしてしまうなんて、ファンとしては許せません!!

ホントにもう、映画化するっていうのは困ったものですね。

有名な作品だからもう少し大切にされてると思ったのに。アニメの影響で日本では知られている物語が現地ではあまり認知されていないって話も聞きますから、こんなものなのかな?
そう思うと「世界名作劇場」ってスゴかったんだなぁ~
しかしNHKもこんな作品放送しないでよ。
スタッフに「赤毛のアン」ファンの人はいなかったの?
のちの世に改ざんされた内容がそのまま「本物」として定着してしまうってことは歴史的にもよくありますからね。あんまりビックリしたので思わず長々と書いてしまいました。
映画は映画と割り切った方がいいのかな?

NHKのBSシネマでは10月11日に「赤毛のアン(後編)」、12日が「アンの青春(前編)」、17日「アンの青春(後編)」。18、19日で「アンの結婚」前編、後編が放送される予定です。

「パティの家」とかちゃんと映像化してくれているのかな?

原作をお読みになっていない方はこれを決して本物の「赤毛のアン」だとは思わないで下さいね。

ホントに、まったく…

へたくそです。

2011-10-09 22:53:00 | 本と日常
あたたかな秋の日、

今日は卵を買いにスーパーに行って来ました。
1パック10個入り98円。

日曜日だからって特に用事があるわけでもなく、いつものように洗濯して、ご飯を作って、友達から電話がかかってきたので少しおしゃべりして、何事もなく一日が終りました。

あー、のんびりした。

ぺらぺらとめくっていた本の中から、気に入った文章を紹介しておきます。



 おーなり由子 著 『ひらがな暦』(新潮社)より

 生きるのがへたくそだと、誰かを喜ばせようとしても、むくわれないことはたくさん。だけど、それでもどうにか生きていくことが、自分を愛するということ。



現実への新しい道筋

2011-10-07 23:00:00 | 日々の出来事
2011年のノーベル文学賞にスウェーデンの詩人、トーマス・トランストロンメルさんが選ばれましたね。
1931年、ストックホルム生まれの80歳。授賞理由は「凝縮された半透明なイメージを通して、現実への新しい道筋をつけた」というものらしいのですが、う~ん、なんだかよくわかりません(笑)

トーマスさん、残念ながら作品を読んだことはありません。
でもノーベル文学賞を詩人の方が受賞するなんて珍しい。日本人の村上春樹さんは今年も選ばれませんでしたが、個人的にはどっちでもいいかな。それより短編作品が好きなので短編の新作が読みたいです。

今週は急に寒くなったりして着る服に迷う一週間でした。
衣更えで仕舞い込んでいた秋物冬物にアイロンあてたり。
そういえばアップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなったんですよね。まだ56歳だったとか。
若い。
私がいいなぁ、と思ったジョブズ氏の言葉があります。


 もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?


私たちは得てして自分がずっと生き続けるかのような生き方をしてしまいがち。だから安定とか、安心を求めたがる。
そんなもの、どこにもないのに。

この言葉を聞いた時、時代の先駆者らしい考え方だと思いました。
自分のやり残したことは何かな?
とりあえず、冬物の上着を新調しよう…

詩集『百歳』 柴田トヨ

2011-10-04 17:44:00 | 本と日常

百歳の詩人、柴田トヨさんの2冊目の詩集を読みました。
タイトルは、

『百歳』(飛鳥新社)

最初の詩集『くじけないで』も読みましたが、私はこの『百歳』のほうが好き♪

ある意味同じような内容を想像していたのですが、なんていうか、うまくいえませんが、…進化してる!
百歳になっても人間って学べるし、まだまだ才能が花開くことがあるんですね。
個人的な感想ですが、言葉のはしばしから「百歳」生きて来た人間ならではの「強さ」のようなものを感じました。

奉公先でいじめられて一人で泣いている時に、虫の声に「がんばれ」と励まされた若き日の思い出や、オレオレ詐欺の電話がかかってきたら「知り合いのおまわりさんに行ってもらうから」と告げてとくにかく誰かに相談するとか(苦笑)、実体験や生活の中から生まれた詩が収録されています。

東日本大震災の被災者へ向けた言葉は、百歳という経験を感じさせる、とっても大きくてやさしい心を感じました。
なんていうか、一世紀生きるってスゴイ。

人生の大先輩に学ぶ、というわけでもないのですが、今日はこんな映画もレンタルして来ました。

ガーボル・ロホニ監督の「人生に乾杯!」(2007年)

舞台はハンガリー。
社会体制の激変する時代を生きて来た老夫婦は、少ない年金しかもらえず生活に困窮しています。
ついには思い出のイヤリングまで手放す妻を見た夫は、郵便局に強盗に入ることに…

81歳と70歳夫婦の逃避行!
予告を見てすごく興味をひかれたので借りてきました♪

どんな時でも紳士的(でも銀行強盗)な老人がいいなぁ☆

ジャンルはコメディーなんでしょうが、社会に対する皮肉もいっぱいこめられています。
特に老人に冷たい社会とか、希望のない未来というのは笑えないかも。映画じゃなくて日本の現実がまさにそうですからね…
10月に入って食料品が値上げされ、電気代も原発事故の影響で値上げ、さらに増税。
そのくせ庶民の年金は少なく、給料は上がらない。
アメリカのニューヨークでは金融の中心地ウォール・ストリートでこの一日から大規模なデモが行われているそうです。
一部の企業が富を独占していることに対する不公平感が高まってのことだとか。
仕事を失い、家を失い、何の保障もなく、その日暮らしの人々がいる一方で、経済危機を招いておきながら、高額な報酬を受け取り続ける一部の人々。

日本でも電力会社の体質や、被災者の多くが仮設住宅での暮らしを余儀なくされているこの時期に、立派すぎる公務員宿舎を建設しようとして問題になっていましたね(建設費105億円?)

他人の痛みはなかなかわからないか…難しいですね。

百年後はいったどんな世界になっているのかな?

詩人の柴田トヨさんによれば、「九十九年」はあっという間だったそうですよ(苦笑)

戦争、結婚、出産、貧しい生活。

「百歳のゴールを 胸を張って駆け抜けよう」

あぁ、それにはどんなに苦しくても辛くても、一歩一歩進むしかないんですね。あきらめないで、後戻りしても休んでもいいから、歩き続ける…

百歳はちょっと難しいけれど、胸を張ってゴールしたいなぁ。