今年もいよいよ終りですね。
書籍の取次ぎなどを行う会社トーハンが、2014年度の年間ベストセラーを発表しました。
総合では以下の通り。
1位 『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』 鬼木豊 監修・槙孝子 (アスコム)
3位 『人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法』 水野敬也・長沼直樹 (文響社)
4位 『村上海賊の娘(上・ 下)』 和田竜 (新潮社)
5位 『銀翼のイカロス』 池井戸潤 (ダイヤモンド社)
1、3、4位は上半期からずっと売れ続けているタイトル。
さすがなのは池井戸潤さん。昨年は『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)が年間ベストセラーだったのに、今年もベストセラーに輝きました。
『銀翼のイカロス』は『ロスジェネの逆襲』と同じくドラマで注目された「半沢直樹」シリーズ。その第四弾。
権力に対して「倍返し」でやり返す半沢直樹に世のサラリーマンは溜飲が下がる思いなんでしょうか?(笑)
私が興味をひかれたのは年間12位に入った『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)
フロイト、ユングの心理学は割と有名ですが、このアドラーさんの「アドラー心理学」は日本ではあまり知名度がないように思います。
よく犯罪が起こるとその原因を知るために家庭環境だとか、過去の体験などを根掘り葉掘りほじくり返して、「犯罪」をわかったような気になる人たち(特にマスコミ)がいますが、アドラー心理学では原因は行動を決める決定打ではありません(私の個人的な解釈です)。
うちでは妹や母親がTVを見ていてよく「(家庭環境が)(親が)(経済的に)○○だからこんなことをするのよ」とつぶやくのですが、すかさず私が「失礼なこというな。○○な人がみんなそんなことをするわけじゃない」と突っ込みを入れるのが日常茶飯事です。
原因に意味はない。行動を決定しているのはその人の決断であり、つまりその人がどう生きるか、何を目的としているか、という意志の力にかかっている。
「みんながしているから」「誰だって自分がかわいい」「嫌われたくない」というのはすべて自分の行動を正当化するための言い訳であり、その選択肢を選ぶのは、その方が自分にとって楽だから。まあ、個人的にフロイトやユングが好きなので、こういう本に興味を持ってしまいました。
あと村上春樹さんの『女のいない男たち』(文藝春秋)は14位。文庫総合部門の1位は百田尚樹さんの『永遠の0』(講談社)。私の好きな葉室麟さんの『蜩ノ記』(祥伝社)は文庫総合17位でした。
個人的には今年もいい本にたくさん出会えた年でしたが、こうしてランキングだけ見てみると、少し盛り上がりに欠けるかな?(苦笑)
書籍自体があまり話題にのぼらなかったような気がしますし、中国の戦闘機や巡視船が尖閣諸島に迫ったり、韓国で悲劇的な沈没事故があったり、政府の集団的自衛権の容認や豪雪や豪雨の被害に地震や噴火などの災害と、めまぐるしく問題が湧き出てくるような一年でしたからね(まだ早いですが)。
エンターテイメントでは映画『アナと雪の女王』が大ヒット。あれに全部持っていかれた?
まあ、トーハンのベストセラーなので、どこまで読者の好みが反映されているのかは怪しいところですが。
それと2014年で注目だったのは「ムーミン」の生みの親、トーベ・ヤンソンさんの生誕100周年にあたる年だったということ。
今年一年、各地で様々なイベントが行われました。
私も滑り込みで、この間ようやくそのイベントの一つ、名古屋で行われた「TRAVELLERS in北欧クリスマスストリート」に行って来ました。
フィンランドにある本物の「ムーミンワールド」の雰囲気もちょっぴり体験。
北欧のクリスマスをイメージした会場には、映画『かもめ食堂』で使われたお店も出店していて、食べ物にアートに雑貨や服など、とても楽しめました。
そうそう、USJのハリー・ポッターの世界を再現したアトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」も話題でしたね。
日本の作品にも頑張ってもらいたいところです。
「TRAVELLERS in北欧クリスマスストリート」にて