私的図書館

本好き人の365日

今年も一年、ありがとうございました。

2014-12-31 10:34:29 | 本と日常

昨日30日はNHKBSプレミアムで映画『ホビット』(2012年)が放送されましたね。

映画館でも観ましたが、何度観ても面白い!

三部作の第一作目ということで「ここで終り?」というラストですが、セットや衣装の作り込みといい、すごくレベルの高い作品で、ずっと見ていられます。

『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚にあたるわけですが、「一つの指輪」や「サウロン」なんかも登場して原作ファンとしてもドキドキ。

ガンダルフの声が別の声優さんだったのでちょっと違和感はありましたが、面白かったです。

こういうファンタジー作品、日本では作られませんね〜。残念。

 

大晦日の今日は、16:00から『ロード・オブ・ザ・リング』三部作一挙放送もあります。

映画館でも観たし、DVDも持っているけど、また観ようかな?(笑)

 

このブログ、「私的図書館」も移転しながらですが、何とか十二回目の年越しを迎えることができました。

読んだ本やオススメ本を紹介するだけのブログですが、ここまで続けてこられたのは、コメントを寄せて下さった方々のおかげ。

本当に、ありがとうございました。

最近はあまり更新もできていませんが、マイペースに読書して、マイペースに書いていけたらいいなと思っています。

本当に一年間ありがとうございました。

それでは皆様、よいお年をお迎え下さい☆

 

 

 

 

 


12月の本棚スペシャル2014

2014-12-27 22:00:25 | 本棚スペシャル

いよいよ今年も押し迫って来ましたね。

私はこれから年賀状を書いたり、大掃除したりしなきゃいけません(苦笑)

毎年いっていますが、どうして早め早めにできないのか。お尻に火がつかないと行動できないんです。

 

消費税の増税に自然災害、「STAP細胞」に号泣議員、クリミア半島のロシア編入に年末の総選挙と、まだまだ書き切れないほどいろいろあった2014年ですが、個人的にも紆余曲折、かなり刺激的な一年でした。

 

相変わらずなのは、本棚からあふれ出している本。

これも片付けないと。

今年はNHKの朝ドラ「花子とアン」で私の大好きなモンゴメリの『赤毛のアン』の翻訳者、村岡花子さんが取り上げられたことが大きかった!

おかげで村岡花子さん関連の本や、村岡さん自身の書かれた物を読む機会が多かったです。

その他、私が今年読んだ中で印象に残った本は(特に今年発売されたものに限りません)・・・・・・

 

梨木香歩『冬虫夏草』(新潮社)

ローズマリ・サトクリフ版『ベーオウルフ ―妖怪と竜と英雄の物語―』(原書房)

井上ひさし『子どもにつたえる日本国憲法』(講談社)

竹下文子『黒ねこサンゴロウ』シリーズ(偕成社)

森川ジョージ『会いにいくよ』(講談社)

川上弘美『東京日記4不良になりました』(平凡社)

柏葉幸子『つづきの図書館』(講談社)

ジョー・ウォルトン『図書室の魔法(上・下)』 (創元SF文庫)

佐々涼子『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(早川書房)

乙骨淑子『ピラミッド帽子よ、さようなら』(理論社)

玉川重機『草子ブックガイド』(講談社)

ボルヘス『伝奇集』(岩波文庫)

新井素子 『銀婚式物語』(中公文庫)

などなど。

 

特に、佐々涼子さんの『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』は、東日本大震災直後から、被災した日本製紙石巻工場の再生を追ったノンフィクションで、普段私たちが手で触れている紙が、どんな思いで作られ、あの震災をどう乗り越えて私たちの手元に届くようになったのかを克明に描いていて、ちょっと紙の本に対する見方が変わったくらい印象に残りました。

 

エンターテイメントとして面白かったのが、ジョー・ウォルトンの『図書室の魔法(上・下)』

SF好きにはたまらない名作の数々が、英国の女の子の目線で物語に登場しますが、この女の子が一癖も二癖もあって、イギリスらしい批判とユーモアにあふれたストーリーになっています。

あと、本好きさんに読んで欲しいのが、玉川重機さんのコミック『草子ブックガイド』

こちらは日本の女の子が名作の数々を「ブックガイド」として毎回紹介するのですが、この紹介がとってもいい!

「本が生きることの救い」であることは『図書室の魔法』と共通していますが、主人公の性格は全然違います(苦笑)

でも、きっと世界中に「本が生きることの救い」になっている”魂の友人”はたくさんいるんでしょうね。この2冊の本の作者のような。

 

う〜ん、生きることの救いにはなるけれど、片付けや掃除の手伝いにならないのは困りもの。

本にはよくないとわかっていながら、とりあえず段ボール箱に入れてある分も本当は何とかしたいんですけどね。

本の置き場所の解決策としても注目された電子書籍。

電子書籍元年と何度もいわれてきましたが(笑)、電子書籍はサービスが終了してしまったら読めなくなってしまう可能性がありますからね(電子書籍は所有権ではなくあくまで利用権の売買)

このブログだっていつ消えてしまうかわからないし、クラウドサービスに保存した写真などのデータも、サービスを提供している会社がつぶれたらどうなることやら。

そんなこと言い出したら、自分だって永遠に生きられるわけじゃないと言われそうですが、それはそれ、これはこれなんです(笑)

やっぱり本は紙の本で持っていたい。

ま、最近は割り切って、(私が保管しなくても、図書館や他のもっとちゃんとしたひと達が保管しておいてくれている)と思うこともないことはないんですけどね。

あぁ、未練たらたら(苦笑)

今年も本の山を前にして、こんなもんもんと堂々巡りをしながら年をこえそうです。

人間って矛盾だらけですね。

こんな状態でも買いたくなるような、そんな本が来年もたくさん出版されたらいいなぁ(笑)

 


2014年ベストセラー

2014-12-17 02:34:51 | 本と日常

今年もいよいよ終りですね。

書籍の取次ぎなどを行う会社トーハンが、2014年度の年間ベストセラーを発表しました。

総合では以下の通り。

 

1位 『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』 鬼木豊 監修・槙孝子 (アスコム)

 

3位 『人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法』 水野敬也・長沼直樹 (文響社

4位 『村上海賊の娘(上・ 下)』 和田竜 (新潮社)

5位 『銀翼のイカロス』 池井戸潤 (ダイヤモンド社)

 

1、3、4位は上半期からずっと売れ続けているタイトル。

さすがなのは池井戸潤さん。昨年は『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)が年間ベストセラーだったのに、今年もベストセラーに輝きました。

『銀翼のイカロス』は『ロスジェネの逆襲』と同じくドラマで注目された「半沢直樹」シリーズ。その第四弾。

権力に対して「倍返し」でやり返す半沢直樹に世のサラリーマンは溜飲が下がる思いなんでしょうか?(笑)

 

私が興味をひかれたのは年間12位に入った『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)


フロイト、ユングの心理学は割と有名ですが、このアドラーさんの「アドラー心理学」は日本ではあまり知名度がないように思います。

よく犯罪が起こるとその原因を知るために家庭環境だとか、過去の体験などを根掘り葉掘りほじくり返して、「犯罪」をわかったような気になる人たち(特にマスコミ)がいますが、アドラー心理学では原因は行動を決める決定打ではありません(私の個人的な解釈です)。

うちでは妹や母親がTVを見ていてよく「(家庭環境が)(親が)(経済的に)○○だからこんなことをするのよ」とつぶやくのですが、すかさず私が「失礼なこというな。○○な人がみんなそんなことをするわけじゃない」と突っ込みを入れるのが日常茶飯事です。

原因に意味はない。行動を決定しているのはその人の決断であり、つまりその人がどう生きるか、何を目的としているか、という意志の力にかかっている。

「みんながしているから」「誰だって自分がかわいい」「嫌われたくない」というのはすべて自分の行動を正当化するための言い訳であり、その選択肢を選ぶのは、その方が自分にとって楽だから。まあ、個人的にフロイトやユングが好きなので、こういう本に興味を持ってしまいました。

 

あと村上春樹さんの『女のいない男たち』(文藝春秋)は14位。文庫総合部門の1位は百田尚樹さんの『永遠の0』(講談社)。私の好きな葉室麟さんの『蜩ノ記』(祥伝社)は文庫総合17位でした。

 

個人的には今年もいい本にたくさん出会えた年でしたが、こうしてランキングだけ見てみると、少し盛り上がりに欠けるかな?(苦笑)

 

書籍自体があまり話題にのぼらなかったような気がしますし、中国の戦闘機や巡視船が尖閣諸島に迫ったり、韓国で悲劇的な沈没事故があったり、政府の集団的自衛権の容認や豪雪や豪雨の被害に地震や噴火などの災害と、めまぐるしく問題が湧き出てくるような一年でしたからね(まだ早いですが)。

エンターテイメントでは映画『アナと雪の女王』が大ヒット。あれに全部持っていかれた?

まあ、トーハンのベストセラーなので、どこまで読者の好みが反映されているのかは怪しいところですが。

 

それと2014年で注目だったのは「ムーミン」の生みの親、トーベ・ヤンソンさんの生誕100周年にあたる年だったということ。

今年一年、各地で様々なイベントが行われました。

私も滑り込みで、この間ようやくそのイベントの一つ、名古屋で行われた「TRAVELLERS in北欧クリスマスストリート」に行って来ました。

フィンランドにある本物の「ムーミンワールド」の雰囲気もちょっぴり体験。

北欧のクリスマスをイメージした会場には、映画『かもめ食堂』で使われたお店も出店していて、食べ物にアートに雑貨や服など、とても楽しめました。

そうそう、USJのハリー・ポッターの世界を再現したアトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」も話題でしたね。

日本の作品にも頑張ってもらいたいところです。

 

「TRAVELLERS in北欧クリスマスストリート」にて



2014衆議院選挙

2014-12-16 20:26:51 | 日々の出来事

毎年京都の清水寺で発表されるその年を象徴する漢字。

今年2014年は「税」でしたね。

消費税の増税に、税金の使われ方。政務調査費を不正に申請した疑いで記者会見をした号泣議員さんもいらっしゃいました。

それだけ政治が一番の話題になる年だったということでしょうか。

 

12月14日に行われた衆議院議員選挙。

結果は自民党、公明党の連立与党の勝利で終りました。

過半数は238議席でしたが、自民党だけでも過半数を超える291議席。

自公連立だと3分の2を超える326議席を獲得して、衆議院で圧倒的有利な議席数となりました。

安倍晋三総理大臣は、これで与党の経済政策である「アベノミクス」や、憲法改正に向けた取り組み、集団的自衛権の行使容認や消費税の2017年10%増税に国民の信任を得られたと主張するでしょうね。

衆議院の任期は4年。

解散をしなければ2018年まではこのまま安倍政権が続くことになります。

 

私も寒い中、投票に行って来ました。

今回も投票率が低かったですね。

毎回「投票済証」をもらってくるのですが、うちのところは小さな白い紙に、味もそっけもない文字が数行印刷されているだけ。

これ、地元のアーティストにデザインさせるとか、アニメやアイドルとコラボするとかすれば、もっと投票率上がるんじゃないの?

日本人の収集癖はかなりのもんよ?

まあ、物で釣るのも何ですが、まさか投票した人に金券を配るわけにもいかないですしね。

一番いいのは、国会議員に送り出したい候補者が全国にあふれることなんですが・・・・・・

 

日本は選挙に立候補するための供託金が高いですからね。

国会議員の場合、選挙区での立候補に300万円。どこかの政党の比例区からなら600万円。選挙区比例区重複立候補の場合、選挙区300万円+比例区重複分として追加で300万円の合計600万円。

供託金は戻ってくることもありますが、獲得投票数が規定に満たないと没収された上に、公費でまかなわれる選挙中に使用した車の経費や作成したビラやポスターの製作費も、自費で払う事になります。

供託金を募金で集める党もありますね。

ネット選挙が解禁になって、こうした選挙にかかる費用を低く押さえたり、クラウドファンディングと呼ばれる、広く人々に呼びかけ出資者をつのることで資金を調達する動きもありますが、著名人や実業家ならともかく、一般人にはまだまだ敷居が高いような気がします。

アメリカやフランス、ドイツには供託金制度は無く、制度がある国でも10万円以下とか、高くても100万円少しくらいかな?

また選挙に出馬したとしても職場を辞める必要がなく、休暇扱いとなり、任期が終れば復職できる制度がある国もあるそうです。

日本は選挙に出馬するリスクを高く設定しすぎなような気がするなぁ。

投票したい人(党)がいないという人が多いから、投票率が低いままなような気がするんですけどね。

 

しかし選挙の結果は結果。

日本人は自民公明という船頭を選んだわけですから、行き先もしっかり見極めないと。

船頭が変わるだけならまだしも、舟をヘタに改造してバランスを崩し、ひっくり返るようなことになったらみんなそろって水の中ですからね。

それだけは勘弁して欲しい。

くわばらくわばら。

 

 

 

  われわれは結局何を目ざすべきか。

  世の中を知り、これを軽蔑しないことだ。

               ―ゲーテ「温順なクセーニエン」第一集から―