私的図書館

本好き人の365日

「ユニセフちっちゃい図書館」プロジェクト

2011-03-31 18:44:00 | 本と日常
今回の東日本大震災で被災した子供たちのために、日本ユニセフでは「ユニセフちっちゃい図書館」プロジェクトとして、被災地の子供たちに絵本や紙芝居、児童書などを送る活動を行っているそうです。

子供を抱えて避難してみえる方のブログなどを拝見していると、テレビで子供向けの番組が放送されだして子供が喜んでいる、ホッとした、というようなことが書いてありました。

まずは食糧と水、寝るところの確保が大切だとはいえ、やはりそれだけではなく、人間には心休まるひと時が必要なんだと思います。

こんな時でも、こんな時だからこそ子供たちには笑顔でいて欲しい。

ユニセフではとりあえず、締め切りを4月5日までとして本の募集をしているそうです。

すでに絵本は充分な数が集ったので、現在は児童書などを募集しているとのこと。

送り先など詳しくは日本ユニセフのHPをご覧下さい。

http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0325_02.htm


『荻原規子読本』

2011-03-27 12:14:00 | 本と日常
なんかズルイ…

徳間文庫編集部の作った、

*(キラキラ)*『荻原規子読本〈勾玉〉の世界』*(キラキラ)*(徳間書店)

という本を買ってしまいました。

作家荻野規子さんの代表作『空色勾玉』をメインに、対談やエッセイ、短編小説などで綴った丸ごと一冊荻原規子特集。

その中に、なんと『空色勾玉』のスピンオフ小説と銘打った小編小説が載っていたのです。

…これはファンとしては買うしかないじゃん。

『空色勾玉』の主人公、狭也(さや)の侍女、奈津女(なつめ)に焦点があてられていますが、狭也や稚羽矢など主要人物も登場します。

本編「勾玉シリーズ」が文庫化されているのでその宣伝なんでしょうけれど、この本、薄いわりに値段が高い…
書下ろし小説(これがまたすごく短い!)がなかったらきっと立ち読みで済ましていました。

そこまでして売りたいか徳間書店!!

ま、荻原規子さんと『獣の奏者』などで有名な上橋菜穂子さんの対談も載っていたので買って悔いはないんですけどね。

なんか納得できない。
最近こういうの多いよ。

荻野さんと上橋さんの対談は楽しくて、『ナルニア国物語』や『プリデイン物語』、『ツバメ号とアマゾン号』や『だれも知らない小さな国』『床下の小人たち』『妖女サイベルの呼び声』といった本の名前が次々と出てくるたびに「そうそう!」とうなずいてしまったり、トールキンやミヒャエル・エンデ、サトクリフについて語っているところでは「なるほど~」と思ってしまいました。

上橋さんが対談の中で『指輪物語』の登場人物トム・ボンバディルについて語ってみえて、すごく嬉しかった!

彼は私がサムの次に好きな『指輪物語』の登場人物なんですよね♪
映画には出てこなかったのが残念。
彼の奥さんはかなりの力を持っているはずなのに~

なんだかんだいってけっこう楽しんでしまいました。

作家さんの語る本の話って面白いなぁ。
本業の小説の方はどうなっているのかな?
次回作が早く読みたいです。



 熱田津(にきたつ)に
  船乗せむと
   月待てば

 潮もかなひぬ
  今は漕ぎ出でな

         ―額田王「万葉集」―



劇団四季の「赤毛のアン」

2011-03-26 21:25:00 | 本と日常
昨日深夜にNHK教育放送で放送された劇団四季のミュージカル「赤毛のアン」を観ました。
おかげで今日は寝不足でした。

始まって10分後の感想…日本人が赤毛の女の子を演じるのは無理がある。
ダイアナなんてちっとも美人じゃないし。

劇団四季ファンの方すみません。

あ、でも途中からはずいぶん慣れて普通に観られるようになりました。

…マシュウが歌とダンスがヘタなのは演出なの?

あ、でもアンが髪を緑に染めたり、ダイアナがお茶会でお酒を飲んじゃったり、ピクニックでアイスクリームを食べたりする原作のエピソードが短い時間内にうまく収められていて、それがすべてミュージカルになっているというのは面白かったです♪

個人的にはアンとマシュウが馬車に乗っていて、リンゴの花の並木道でアンがその美しさに思わず叫び声を上げるシーンが好きなので、そこはぜひ入れて欲しかったのにカットされてしまって残念。
紫水晶のエピソードは時間的に無理だった?
ギルバートが教職の仕事をアンに譲る設定はそのままで良かったのでは?

あ、でも全体としてはまとまっていて、原作のラスト、マシュウを見送り(泣)、アンとギルバートが門のところで立ち話をするシーンまでこぎつけた時はホッとしました。

どんな終り方をするのかとっても気になっていたので☆

劇場にはなかなか足を運べないので、こうしてテレビで劇団四季が観られるなんてすごくラッキーです♪

こういう番組たくさん作ってくれないかな。
え、NHK教育放送の「劇場への招待」は今回が最終回!?

それは残念。
今までけっこう楽しみだったのに…
でも最後に「赤毛のアン」を放送してくれてありがとう。

面白かったです☆



「神は天にあり、世はすべてよし」

       ―イギリスの詩人ブラウニング―


『そうざい料理帖』

2011-03-25 21:08:00 | 本と日常
今日は風の強い一日でした。

夕飯の買い物に行って来たのですが、岐阜県のこんな田舎のスーパーでもペットボトル入りミネラルウォーターが品薄になっていて、1.5ℓの棚には「お一人様2本まで」と張り紙がしてありました。

福島原発の放射能汚染の影響がこんなところにまで…

そういえば小学生の時、給食のおかずで製造元に広島県と印刷してあっただけで絶対食べようとしない女の子がいました。

ちょうど授業で広島の原爆の話を聞いたから…

いちおう当時は1980年代です。
原爆投下から30年以上経っています。

それでも怖い。

小学生の女の子を無知だと責めることはできません。
その気持ちもわからないではないから。

安心して食べたり飲んだりできる日が早く復活して欲しいものです。

最近読んだ池波正太郎さんの、

*(キラキラ)*『そうざい料理帖』*(キラキラ)*(平凡社)

食通としても知られる池波正太郎さんが紹介するレシピは、どこか江戸の香りがして、どれもすごくおいしそう。

アサリとネギで作る深川めしや、ハマグリと大根を一緒に煮るハマグリ鍋など、読んでいるだけですごくお腹が空きました♪

さっそくスーパーでハマグリを探してみたのですが、あるのはどれも中国産。
ちゃんと検査はされているのでしょうが、やっぱりちょっと躊躇してしまいます。

…私も小学生の女の子と一緒だな。

頭ではわかっているのになかなか心が言うことを聞きません。

家に帰って水道水でご飯を炊いて、コロッケで夕飯を食べました。
おいしかったです。


『僕の好きな人が、よく眠れますように』

2011-03-20 21:51:00 | 本と日常
最近読んだ本。

中村航 著
*(キラキラ)*『僕の好きな人が、よく眠れますように』*(キラキラ)*(角川文庫)

この人の言葉の使い方が好きで、勝手に清純な恋愛のイメージを持っていたのだけれど、いきなり人妻が登場してドキドキ。
エ!? 今回はどんな展開?

桜庭一樹 著
*(キラキラ)*『書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』*(キラキラ)*(創元ライブラリ)

こちらは作家桜庭一樹さんの読書日記。伏せ字「○○してる!」とかあって、かなり乱暴な読書日記なのに、それがかえって読みたい気持ちをかき立てます。

面白かったのはこの2冊。
あとは桜沢エリカさんのマンガくらい(タイトル忘れた)

読み返しているのはディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』と、ちくま文庫の『尾崎翠集成』
手に入れた古本はジャック・ドワイヨンの『ポネット』

いいニュースは来月から有川浩さんの「図書館シリーズ」が角川書店で文庫化、刊行が始まること。
それを知って有川浩さんの『海の底』を読み返しました。

悪いニュースは上田早夕里さんの『華竜の宮』が本屋さんに置いてなくてまだ読めていないこと。

都会の本屋さんに行かないと無理かな?

こんな相変わらずの日々を送っています。

相変わらずの日々に感謝です。



ドラえもんの道具

2011-03-18 23:30:00 | 本と日常
不覚にもテレビで「ドラえもん」を見て涙ぐんでしまいました。

「のび太の結婚前夜」

のび太との結婚を翌日に控え、不安になったしずかちゃんに、しずかちゃんのお父さんが語りかけます。

「のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ」
「 あの青年は人の幸せを願い、 人の不幸を悲しむことのできる人だ。 それが人間にとって大事なことなんだからね」

       ―「のび太の結婚前夜」藤子・F・不二雄―

とにかくこのシーン、いいセリフがたくさんあります♪

この後に登場するのび太がまたカッコイイんだ!!

前に放送された時もグッときましたが、今回も感動して涙ぐんでしまいました。

ドラえもんの道具ではありませんが、『ひらがな暦』という本の中でおーなり由子さんがあげている「発明して欲しいもの」にもすごく共感してしまいました。

それは…



亡くなってしまった人と、つながる電話。



長電話できなくていいのだけれど―

たとえば、誕生日にだけ、とか、条件付きでもいいのだけれど―

少々ぎこちなくても、たわいもない話で、もういちど、笑いあいたい。



      ―「ひらがな暦」おーなり由子(新潮社)―



…これ、欲しい。



命のバトン

2011-03-16 18:47:00 | 本と日常
私が生まれたのは両親のおかげ。

両親にも、当たり前だけれど、父親と母親がいて、それが私のおじいちゃんとおばあちゃん。

おじいちゃんとおばあちゃんにも当然お父さんとお母さんがいて、そのお父さんとお母さんにも、父親と母親がいたから生まれてきた。

私。×1

両親。×2

両親それぞれの両親。×4

さらにその両親の両親。×8

さらにその両親の両親の両親。×16

        1人
        2人
        4人
        8人
       16人
       32人
       64人
      128人
      256人
      512人
     1024人
     2048人
     4096人
     8192人
    16384人
    32768人
    65536人
   131072人
   262144人
   524288人
  1048576人

25歳で子供を産んだとしても5世紀くらいで百万人を超えるんだ…

今から5世紀前。
16世紀、日本では安土桃山時代。西洋ではルネサンスの時期。豊臣秀吉やレオナルド・ダ・ヴィンチの時代に生きていた百万人のご先祖様たち。



…生きていてくれてありがとう。

私につなげてくれてありがとう。

一生懸命生きていきます。

頼りない子孫かも知れないけれど。

頑張って生きてみます。








            2011.03.15.


「岩手の人」

2011-03-13 13:52:00 | 本と日常
アパートの庭先にある梅の木が、ようやく花をつけました。
町を囲む山々には雪がまだ残っていますが、春は確実に近づいてきているんですね。

どんなに厳しい冬の時にも、変わらず花をつけ続ける、そんな木々や草花を見て、ちょっと勇気をもらいました。

今日、3月13日は詩人で彫刻家としても知られた高村光太郎の生まれた日です。

代表作は「智恵子抄」

彼は終戦後の一時期、岩手県、現在の花巻市で農耕自炊の生活を送っています。





    岩手の人



 岩手の人眼(まなこ)静かに、

 鼻梁(びりょう)秀で、

 おとがひ堅固に張りて、

 口方形(ほうぎょう)なり。

 余もともと彫刻の技芸に游ぶ。

 たまたま岩手の地に来り住して、

 天の余に与ふるもの

 斯の如き重厚の造型なるを喜ぶ。

 岩手の人沈深(ちんしん)牛の如し。

 両角の間に天球をいただいて立つ

 かの古代エジプトの石牛に似たり。

 地を往きて走らず、

 企てて草卒(そうそつ)ならず、

 つひにその成すべきを成す。

 斧をふるつて巨木を削り、

 この山間にありて作らんかな、

 ニツポンの背骨岩手の地に

 未見の運命を担ふ牛の如き魂の造型を。




         ―高村光太郎(1949年)―




*今回の震災では岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県や青森県、その他多くの地域で被害が出ています。
被災された方、また家族や友人が被災されて大変心配なさっている方々にお見舞い申し上げます。
頑張って下さい。


国内観測史上最大M8.8の地震で津波被害

2011-03-11 17:50:00 | 本と日常
各地で津波の被害が出ていますね。

岐阜県は内陸なのでたいした被害はなかったのですが、それでも揺れは感じました。

ヘリからの映像がテレビで流れていましたが、津波が押し寄せて来ているのにそのすぐ先の道路にまだ走っている車がいたり、まるでオモチャのように車がゴロゴロ波に飲まれていったり、船と家とガレキが一緒になって地面を飲み込んでいく映像に息を飲みました…

東北地方太平洋沖地震という名前がついたそうですが、そんなことより”今”助けを求めている人に早く救援を、と思います。
非常時なのにいちいち国旗に敬礼してから記者会見を始める日本の首相ももどかしい…

現在まもなく午後6時ですが、まだ余震が続いています。
津波も第2波、第3波と襲ってくるそうです。

被災された方、危険な場所に住んでいる方、どうぞお気を付け下さい。





訂正・3月13日気象庁よりM(マグニチュード)が9.0に上方修正されました。


『サイダーハウス・ルール』

2011-03-10 19:25:00 | 本と日常
最近テレビやレンタルで借りてきたりして観た映画。

「エリン・ブロコビッチ」(2000年)
監督スティーヴン・ソダーバーグ 。

「シッピング・ニュース」(2001年)
監督ラッセ・ハルストレム 。

「屋根の上のバイオリン弾き」(1971年)
監督ノーマン・ジュイソン 。

「天上の恋人」(2002年)
監督ジャン・チンミン。

「サイダーハウス・ルール」(1999年)
監督ラッセ・ハルストレム。

「メリー・ポピンズ」(1964年)
監督ロバート・スティーヴンソン。

「恋愛小説家」(1997年)
監督ジェームズ・L・ブルックス。

「第9地区」(2009年)
監督ニール・ブロンカンプ。

「重力ピエロ」(2009年)
監督森淳一。

「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 2.0」(2008年)
監督押井守。

昨年から地デジTVにしたのでBSデジタル放送が受信できるようになって、映画を観る機会が増えました。
加えて今月末で利用期限の切れるレンタル屋の割引券があったので、このところ映画三昧の日々。

アメリカ史上最高額の和解金を勝ち取った実話を映画化したジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」

ロシアの貧しい村を舞台に古い習慣と新しい時代の中でユダヤ人家族の家族愛を描いた「屋根の上のバイオリン弾き」

アメリカの孤児院で当時違法だった堕胎手術を行う産婦人科医。彼の下で助手として働いていた孤児の青年が、世間に出て黒人労働者と一緒に働いたり、初めて好きな人ができたりと成長していく「サイダーハウス・ルール」
この映画の中でベッドに横になった孤児院の子供たちに毎晩院長先生が語りかけます。

「おやすみ。メイン州の王子、そしてニューイングランドの王」

自分が愛されていることを知っている子供たちはとっても嬉しそう♪

「重力ピエロ」は伊坂幸太郎さんの小説が原作ですが、あの軽妙な文章が映画になるとまったく姿を消してしまってよくわからなくなってしまっていました。
う~ん、残念。

「第9地区」はエイリアンが地球に大量にやって来て、難民キャンプを作り、人類といろいろ摩擦を起こすというストーリー。
特殊メイクと動きがスゴイ!
でもストーリーはいまいち。

「天上の恋人」は中国の農村が舞台。事故で目の見えなくなった父親と暮らす耳の不自由な青年。そんな彼らのもとに口のきけない少女が転がり込んで来て…
とってもじれったくて、素朴ないい映画なのに、いくら中国映画とはいえ、ラストのあの特撮はないだろう!?

あー目が疲れた。
何でも一度に観るものじゃありませんね。


『どこからも彼方にある国』

2011-03-09 09:30:00 | 本と日常
アーシュラ・K・ル=グィンの新作?

と思って本屋さんで手に取ってみました。

*(キラキラ)*『どこからも彼方にある国』*(キラキラ)*(あかね書房)

みんなからはみ出さないように。仲間外れにならないように。笑顔を作り、必死で自分の居場所を確保しようとしている同級生たちに違和感を持ち、他人と違うことに悩むアメリカの高校生オーウェン。

家族を傷つけたくはないけれど、理解してくれるとは思えない。相手を思いやってのウソはなぜだかすぐにバレるし、自分だってできることならうまく立ち回りたい。
でもそれができないんだ。

『闇の左手』などのSF作品や、スタジオジブリで映画化もされた『ゲド戦記』などのファンタジー作品で有名なル=グィンですが、この作品は珍しい青春小説。

オーウェンの前に作曲家志望の女の子ナタリーが現れ、二人はようやく自分の思いを打ち明けることのできる相手にめぐり合うのですが、オーウェンはまたしても「普通の男女ならこうなるはず」と世間で言われている価値観に囚われ、ナタリーの気持ちも考えずに、友情という一線を越えてナタリーを傷つけてしまいます。

何でも私に決めさせようとしないで。大切なことは一緒に決めるべきじゃない?

というナタリーの言葉に、女性と男性の関係に深い興味を持ち、かつてフェミニスト活動家とも呼ばれたル=グィンの思いが表れているように思いましたが、ちょっと最近の作風と違うので調べてみたら、この作品は1976年に発表され、日本でもコバルト文庫で『ふたり物語』として出版された作品の再版物だとわかりました。

なんだ、そういうこと。

たとえそうだとしても、ル=グィンの魅力は満載。
私は楽しめました♪

友達や両親、周りに期待される自分を演じるのはオーウェンにモヤモヤしたものを感じさせます。

オーウェンはナタリーに、自分が幼い頃から想像の中で作り上げた自分の国、「ソーン」について語ります。

その国は、海の上に浮かぶ小さな島にある国で、すべての国から離れているため、独自の文化と風習を持っていて、オーウェンは好きなように想像の羽を広げて思い描くことができるのです。

どこからも彼方にある国…

オーウェンとナタリーは二人でその国の音楽を考え、ナタリーが作曲を約束してくれます。

二人の間に、海岸でのあの事件が起こるまでは…

思春期の男女を主人公に、他人の中の自分という存在に悩んだり、他人との違いに葛藤し、男女の関係についても描いた物語。

面白かったです☆


『杜子春』

2011-03-04 23:57:00 | 本と日常
寒の戻りっていうんですかね?
息が白くなるほど寒くってちょっと体調を崩していました。

最近久しぶりに読み返した本は3月1日が誕生日だった芥川龍之介の『杜子春』

親の残した財産を使い果たした男が、不思議な老人にいわれるままに地面を掘って大金持ちになります。
ところが遊びほうけてまたしてもお金を使い果たしてしまう。その度に老人が現れ、男は大金持ちになるのですが、やっぱり使い果たしてしまい、チヤホヤしてくれた人々が離れていくと今度は人間嫌いになって老人に弟子入りすることにします。

老人が出かけている間、しゃべってはいけないといわれた男。
そんな男の元にいろいろな魔物がやって来て、何とか男をしゃべらせようとするのですが、男はしぶとく、とうとう命を絶たれてしまいます。
地獄に落ちてエンマ大王のもとへ連れてこられる男。
ところがここでも何もしゃべらないので、エンマ大王は地獄に落ちていた男の両親を連れてこさせ、男を何とかしゃべらせようとします。
男の目の前でムチ打たれる両親。
それでもしゃべらない男に母親はこういうのです。

「心配をおしでない。私たちはどうなっても、お前さえ仕合せになれるのなら…(中略)…黙って御出で」

それを聞いた男はどうするのか…

短編なんですが、やっぱり芥川龍之介は面白い♪

たまにどうしても読みたくなるんですよね。

その他に読んだ本は、本屋さんで立ち読みした、ネットで話題になり書籍化された本。

橙乃ままれ 著
*(キラキラ)*『まおゆう』*(キラキラ)*(エンターブレイン)

正式には『魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」 』というらしいです。

ファンタジーの王道、勇者と魔王が登場して、戦争の及ぼす経済的効果とか、市場原理とか、ファンタジーなのに資料で説明したりします。

ま、ユニークだけど話が長い…

途中で本を閉じてしまいました。


『ナルニア国物語 第3章アスラン王と魔法の島』

2011-03-01 22:10:00 | 本と日常
観て来ました♪

*(キラキラ)*『ナルニア国物語 第3章アスラン王と魔法の島』*(キラキラ)*

動物たちが言葉をしゃべり、フォーンやミノタウルスなんかが住む不思議な国、ナルニア。

イギリスに住む子供たちが毎回いろいろな方法でこの魔法の国に招かれるのですが、今回はカスピアン王と共に朝びらき丸に乗り込み、海と島々を舞台に冒険を繰り広げます!

次々と登場する魔法の島!
ビックリする仕掛けに、行方不明の七人の貴族たち!
青き星の導きにより、たどり着いたその最果ての島とは?
そしてナルニアの海の果てにあるという、アスランの国とは…

監督は今回からメガホンを取るマイケル・アプテッド。
前作までで主人公だった四人の子どもたちのうち、この第3章では主に次男のエドマンドと末っ子のルーシーが活躍するのですが、長男のピーターとしっかり者のスーザンもチラッと出演しています☆

もうライオンの姿をしたアスランが登場したとたん、なぜだかすごく感動してしまって、涙ぐんでいる自分がいました!

今回、ついにアスランの正体についても少しだけ言及されます☆

子供たちが様々な場面で勇気や虚栄心や信じる心を試されるのもこの物語の見どころ。

誘惑に負けて本のページを破ってしまうルーシーが切なかった…ダメだってルーシー!!

…それにしても、今回から登場するルーシーのいとこのユースチス。
原作を読んだ時も思ったけれど、名前が呼びにくいよ~

でもこのユースチス。
最初はすごく嫌な奴なんだけど、後半、彼にしたらすごく頑張りますから温かく見守ってやって下さい♪

原作でいうと次回の主役はこのユースチスとその友達のジルという少女なんですよね。

私がシリーズ中一番好きな『銀のいす』

ジルも映画の中で名前だけチラッと出て来ますので チェックしてみて下さい☆

映画化が楽しみ♪

今回は登場する島々にそれぞれ仕掛けがあったり、何が飛び出すかわからない海の不気味さや、行方不明の七人の貴族の謎という、ワクワクドキドキする展開で楽しめました。

カスピアンのお相手もようやく登場したのに、映画ではロマンスはほとんど描かれなくって、そこだけはちょっとかわいそうだったかな(苦笑)

ともかく、楽しめました。
よかった~☆