3年待ちました。
ようやく文庫化された、新井素子さんの『銀婚式物語』を買いました。
「読みました」じゃなくて「買いました」なのは、すでに単行本で読んだから。
それなのになぜ文庫本を買ったかというと、新井素子ファンなら定番の「文庫本あとがき」を読むため。
新井素子さんは一部から「あとがき作家」と言われるほど、判型が変わるだけできっちり「あとがき」を新しく書いてくれる希有な作家さんなんです。
しかも、その「あとがき」が面白い!
あとファンとしてはこのシリーズはぜひ文庫本で揃えたかった。
この『銀婚式物語』は『結婚物語』『新婚物語』の続編。
作者と主人公は別人という設定ですが、作者ご本人が「結婚」「新婚生活」そして「銀婚式」を迎えるのと同時期に書かれています。
つまり、「銀婚式」の物語を書けるまでに、25年がかかってしまう、困ったシリーズ。
そう、ファンは25年待ちました。
さらに『結婚物語』『新婚物語』が文庫本で発表されたのに、『銀婚式物語』は単行本での発売(出版社も変わりました)。
同じシリーズを本棚に並べるなら、同じサイズがいいじゃないですか。
それで文庫化までさらに3年待ったというわけです。
本編はタイトル通り、結婚25年の「銀婚式」を迎えた夫婦の物語。
会社員の夫と小説家の妻。
仕事の事、夫の家事能力、家を建てたり父親を看取ったり、病気もあったりなんやかとありますが、何とか乗り越えてきた25年。
物語といっても、SF小説のように特別なことがおこるわけじゃなくて、日常生活の延長です。延長ですが、これがとってもおもしろい。
そして思った通り「文庫本あとがき」もとっても面白かった。
次はぜひ『定年物語』『介護物語』をお願いします!