私的図書館

本好き人の365日

十月の本棚 3 『悪魔とプリン嬢』

2008-10-31 23:59:00 | 本と日常
あなたは良い人ですか?

それとも悪い人?

あなたの周りの人は良い人ですか?

それとも悪い人?

健康に良くないとわかっているのに、つい食べ過ぎてしまうあなたは悪い人?

子どものためと思い、教育のために手を上げてしまう人は良い人でしょうか?

上司に言われ、いけないこととは知りつつ、公金を裏金にしてしまった小役人は良い人? 悪い人?

さて、今回ご紹介する本は、善良な人々が悪の誘惑にいかにして屈してしまうかを問いかけた、

パウロ・コエーリョの*(キラキラ)*『悪魔とプリン嬢』*(キラキラ)*という本です。

あなたの考える”正しいこと”というのは、みんなが言うから”正しいこと”ですか?

それとも、あなた自身の中にある、あなたが信じる”正しいこと”ですか?

良いことも悪いことも区別なんてできない。
良いとされることも、悪といわれるものも、その立場によって変わってしまうものだから?

実はこうした問は、大昔から議論されてきた人間の命題の一つです。

ある人は「変わらない”正しいこと”なんかない」といい、

ある人は「変わらない”正しいこと”はある」といいます。

様々な人々が、様々な時代を通じて考えてきましたが、まだ答えはみつかっていません。

正義のための戦争?
しかたのない殺人?

答えは、今生きている一人一人の人間が出すしかないのかも知れません。

作者のパウロ・コエーリェは、ブラジル生まれの作家で、『アルケミスト』という作品で世界的なベストセラー作家になりました。

どちらかというと、スピリチアルな作品が多いように思えます。

この本であつかっているのはズバリ「悪」

ひとりの旅人が、どこにでもあるようなさびれた村にやって来ます。

彼はホテルのバーで給仕をしている地元生まれの女性、プリン嬢に金塊を見せ、もしある条件を満たしてくれたら、この金塊は村のものになると言います。

その金塊はとてつもない富を村に約束してくれるばかりか、プリン嬢の人生をも変えてしまうには充分な価値がありました。

旅人の提示した条件。

それは、村人の誰か一人を七日以内に殺して欲しいというもの。

誰でもいい、と旅人は言います。

もう働けない老人でも、不治の病の病人でも。

旅人は知りたいんだと言います。

「われわれは誘惑に屈する機会を与えられれば、遅かれ早かれ必ず誘惑に屈する」

自分が人生をかけてたどり着いたこの理論が真実なのかどうかを…

罪を犯すかわりに金塊が手に入る。

こんなこと現実にはありえないと思いますか?

これは小説の中だけのお話で、実際には起こりえない。いや、万一それに似たようなことがたとえあったとしても、誰も人を殺すようなことをするはずがない、と?

保険金目的で人を殺した主婦。

携帯電話の闇サイトで仲間を募集し、女性を襲って殺してしまった男たち。

他人を害して自分の欲求を満たすことに、違いはありません。

彼らは生まれながらに悪人で、善悪の区別がつかず、それが悪いこととは知らずに犯行にいたったのでしょうか?

もちろん村人たちは、最初は旅人の言うことなんて相手にしません。

でも…

様々な思惑が交差し、村人達をとりまく疑心暗鬼。

昨日まで、善良な隣人だと思っていた人たちが、突然殺人者に変わる。

突如あなたに敵意を向ける。

真面目だと思っていた人が、知らないところでお金をごまかし、自分だけの私腹を肥やす。

いったいどんな時、人間は「悪」に流されてしまうのでしょう。

あなたは人間を信じられますか?

人間の中の善と悪の戦いは、キリスト教などの宗教をはじめ、小説でもよく取り上げられるテーマです。

この小説の大胆なところは、ストーリーをそれだけにしぼり、一つの村を実験場として描いたところ。

プリン嬢は決して純真無垢な聖女ではなく、それどころかホテルの客と寝るような女性です。

人間の中には善も悪も混在する。
人々は、どうして、どんな時に、その一歩を踏み越えてしまうのか。

最初は小さな一歩です。
自分自身でさえ気が付かないような。
しかし、一度小さなことを許すと、次はもう少し、もう少しと私たちはしだいに許すことに麻痺していく。

果たして、村人たちは、プリン嬢はこの誘惑にどう決断するのか?

金塊の行方は?

そして旅人は?

人間の中の悪の心。

ちょっと暗めの話題かも知れませんが、大切なことです。

もっとも、人間不信にはならないで下さいね☆

大昔から議論されてきた話題だとはいえ、人間はその他にも、優しさや温かさがこもった小説や芸術を、たくさんたくさん生み出してきたのですから。

生きるとは決断の連続です。

最後は、自分自身が決断するのです。

あなたがあなた自身の最後の砦なのですから。

本当は、自分の食欲さえ抑えられない私には、こんなえらそうなことはいえないんですけどね………☆

















パウロ・コエーリョ  著
旦 敬介  訳
角川文庫



蜜柑少女

2008-10-30 21:14:00 | 本と日常
スーパーに買い物に行くと、ミカンの試食コーナーを一人の少女が独占していました。

年の頃は5、6才くらい。

赤い服を着て、夢中でミカンを食べています。

ひと目でわかりました。

(こいつ! 一人で全部食べる気だ…)

その気迫に少々たじろぎながらも、笑いをかみ殺してその場を通り過ぎ、野菜コーナーに立ち寄りながら思わず観察。

女の子は食べるそばから次々とミカンを口に運んでいます。

まるで何かにつき動かされているみたい。

どこまで食べるか見ていたい気もしましたが、その時少し離れたところから天の声が。

「いいかげんにしなさい!!」

お母さんでした。

その声に振り向いた女の子の唇は真っ赤。

どんだけ食べてたんだ!?

多少は恥ずかしそうな顔をしていましたが、その顔は何かをなしとげたような顔をしていました。

大物になるな…コイツ。

何だか得した気分になった楽しい買い物でした☆



十月の本棚 2 『不思議な少年』

2008-10-28 17:34:00 | 本と日常
アメリカで、神さまを訴えた州議会の議員さんがいるそうです。

曰く、テロの脅威や自然災害、疫病や戦争を蔓延させている責任は創造者である神にある。全能なる神はそのすべてを永久に地上から無くすべきだ。

裁判所は、神の「住所不定」を理由にその訴えを却下しました。

もっとも、この訴え自体は、いかなる理由であろうと誰でも裁判を起こす権利があることを定めた州法を再確認させるための政治的パフォーマンスではないかとささやかれています。

神さまを訴えてはいけませんね。

もっとも、中国では雨が降り続くのをやめさせるために、竜神さまを監禁したり、罰としてその位から引きずり下ろしたりすることもあったそうですが。

さて、今回ご紹介する本は、アメリカの作家マーク・トェインの晩年の作品。

天使と人間たちの交流を描いた*(キラキラ)*『不思議な少年』*(キラキラ)*です☆

天使の名は「サタン」

神に逆らって地獄に落とされたサタンが、もともと天使だったということはご存知でしょうか?

地獄に落とされたその有名なサタンは彼の伯父さんにあたるそうです。(と本人は言っています)

オーストリアのとある村。
幼なじみの3人の少年が、丘の頂上で休んでいると、一人の美しい少年があらわれます。

彼が近くにいるだけで気分は晴れやかになり、元気が出てきます。
その言葉は耳に心地よく、巧みな語り口で語られる物語はどれも興味の惹かれることばかり。
その上彼は何もないのに火をおこしたり、それどころか食べ物やお金だっていくらでも取り出せ、しゃべらなくてもこちらの考えていることがわかるのです!

すっかり少年に夢中になる3人。
そんな彼らに、少年は自分は天使だと名乗ります。

少年の能力はとどまるところを知りません。
姿を消すことはもちろん、一瞬にして世界中のどこへでも行くことができ、どんな時代へでも3人を連れて行くことが出来ます。

サタンの力にすっかり舞い上がる3人。

いいですよね~
ポケットからいくらでも食べ物が出てくるなんて憧れません?

わたしだけか?

しかし、彼には(人間から見たら)残酷な面もあります。

粘土で小人を作り出してみせるサタン。

小人たちは動き出し、立派な城を造ろうとせっせと働き始めます。
その様子を見て喜ぶ3人。
しかし、二人の小人がケンカを始めて騒ぎ出すと、サタンはひょいと手を伸ばしてその小人を無造作に指でつぶしてしまいます。

サタンはいいます。
「つまり、ぼくたちは、悪をしようにもできないのだよ。悪を犯す素質がない。だって、悪とはなにか、それが第一わからないんだからね」

つぶされた小人の奥さんは無残につぶされた夫の死体にすがりついて泣き出し、小人の司祭が祈りを捧げ、同じく小人の友人たちが涙を流しています。

サタンはそれらの人々をまたしてもすべて叩きつぶすと、いっこうに気にするでもなくその音楽のような美しい声で話を続け、やがて立派な小人たちのお城が出来上がると、雨と風と地震を起こし、残った小人たちもろとも地面の中に落としてしまいます。

丘の頂上は何事もなかったかのように元通り。

3人が悲しくて泣き出すと、サタンはいいます。

泣くことはない。あんな虫けらみたいな小人なんていくらでもつくることができるんだから。

マーク・トウェインといえば『トム・ソーヤの冒険』が有名ですよね♪

楽しく、ユーモアに満ちたその作品は、多くの人たちに長年愛されて来ました。

そんな彼が晩年に書いたこの物語では、人間の欲深さ、日和見主義、他人に嫌われたくないがために失ってしまった尊厳、社会が強制する価値観というものがいかに人間を貶めているかが描かれます。

サタンはいいます。

「ぼくは人間というものをよく知っている。羊と同じなんだ。いつも少数者に支配される」
「感情も信念も抑えて、とにかくいちばん声の大きなひと握りの人間について行く」

「君主制度も、貴族政治も、宗教も、みんな君たち人間のもつ大きな性格上の欠陥、つまり、みんながその隣人を信頼せず、安全のためか、気休めのためか、それは知らんが、とにかく他人によく思われたいという欲望、それだけを根拠に成り立ってるんだよ」

他人によく思われたい。嫌われたくないという気持は私にもあります。

自分の生活を守るため、人間関係を悪くして自分がいじめられないため。

でもそれって、結局他人を信用していないってことなるのではないでしょうか。

大勢の中で、自分の意見を言うことは勇気が必要です。

現実に、自分と違った意見を持つ者、自分の理解できない価値観を持つ者を攻撃してしまう弱い人間はたくさんいます。

私もその一人です。

他人と違うことが怖い。
他人と違う人間が怖い。
だから自分を守るため。

でも、それが正しくないことは自分でもわかっているから、まわりに言い訳のヨロイをまとい、考えないようにする。

だから身体が悲鳴を上げる。

そんなに重いヨロイ着ていられないよ…

他人とはいったい何か。

魔女裁判で火あぶりになる女性に、主人公の少年の一人は、悪いと思いながらもみんなと一緒に石を投げつけます。

そうしないと次は自分が疑われるから。

サタンは、石を投げつけている人のほとんどが、彼と同じことを考えているのだと教えてくれます。

良心なんて下らないものにしばられているのは人間だけだ。
動物達は自然に生きている。
良心のある人間だけが戦争を起こし、同族を殺し、恨み、他人を落とし入れる。

無実の罪で投獄され、気の狂ってしまう神父は言います。

「良心こそは、人間とけだものとを区別する…」

人間を超えた価値観を持つ天使の目線で人間を描き、強烈な批判を持って書かれた本書。

サタンという名の天使の言葉は甘く、時に心地よく読者の心に語りかけてきます。

物語としてもとっても魅力的☆

次がどうなるのか気になって、ついついページをめくってしまう♪

必要なだけ出てくる金貨。
いくら飲んでも無くならないワインの瓶。

それが人々の運命を狂わせていく…

作品は文庫本にして、200枚を少し超えるくらいのページ数です。

山々では紅葉もしだに深まり、いよいよ秋本番。

読書の秋のお供に、こんな天使の物語はいかがですか?

ただし、ご注意を。

あなたがどんな人間なのか、天使はすべてお見通しです。

小人みたいにつぶされてしまわないことをお祈り致します☆












マーク・トウェイン  著
中野 好夫  訳
岩波文庫



読書週間です

2008-10-27 19:20:00 | 本と日常
10月27日から11月9日までは「読書週間」です。

本に親しみ、読書の楽しさを知ってもらうために、各地でいろいろな催し物が行われます。

読書の秋ですね♪

会社で本を読んでいると、年配の社員の方が話しかけてこられて、自分も若い頃はよく本を読んだと話して下さいました。

昼休みに本を読んでいる人なんてめったにいないので、珍しかったんでしょう。

読書はいい趣味だ。
お金もかからなしな。

とその方は話の最後に言い残して去って行きました。

私はその後ろ姿を見送りながら、心の中だけで思っていました。

…いや、意外とお金かかっているんですけどね。

私はお祝いのお返しなどで、ビール券よりも、お米券よりもなによりも、図書券を喜ぶ人間です☆

それがわかっている友達は、お返しに図書券をくれます。

あぁ、友達ってありがたい。



復旧作業

2008-10-24 13:07:00 | 本と日常
やっとつながった…

ここ2、3日。
家の電話に雑音が入るようになり、ついにはインターネットにもつながらなくなってしまったので、電話会社に問い合わせていたんです。

それで本日、ようやく復旧しました。

ネットができないので、その間掃除のいきとどいた部屋でのんびり本を読んだり、炊き込みご飯を作ったりして過ごしていました。

秋は炊き込みご飯が美味しいですよね☆

でも、実は、のんびりする前に、ちょっとした修羅場があったんです。

電話会社に問い合わせの電話をした時のこと。
オレペレーターの男性はこう言いました。

「ではこれから自宅の方に伺います」

あ、家に来るんだ…

え!?

え、え!!

それは困る! とっても困る!

一人暮らしの気楽な生活。
少し前に風邪を引いて寝込んでいたこともあって、部屋の中は荒れ放題。

とても人様に見せられるような状態じゃない!

脱ぎ散らかした服に雑誌に文庫本の山、ゲーム、CD、DVDに、一見しただけではよくわからないものまで。
あれ、この前掃除したのはいつだっけ?

その時の時刻は午前10時。
まったく外出する予定もないのに「午後の3時以降なら家にいます」と返事をして光速で電話を切りました。

タイムリミットは5時間。

それまでに、掃除!
とにかく掃除をしないと…

はい、私は見栄っ張りです!

例えむさ苦しい中年のオッサンがやって来るにしても、汚い部屋は見せられません!(スミマセン、実際は普通のオジサンでした)

基本戦略は、「詰め込めるものは詰め込む!」

スーツケースが出しっ放し!
趣味で始めた釣り道具が邪魔!
テッシュペーパーの買い置きこんなところにあったのか!

大きな物、普段使いそうにない物をとにかく押入れに詰め込み、洗濯物を洗濯機に放り投げ、服はとりあえずベットの上に避難。

物であふれかえっている机の上。
散らばっている領収書や会社関係の書類。
山になっている文庫本。

「あ、この本こんなところにあったのか!」と何ヶ月ぶり(!)かの再会もありました…

修理の人は電話回線をチェックするはずだから、普段めったに掃除しない棚の後ろや配線がのたくっているテレビやパソコン関係の機器の後ろも掃除して。

玄関。
台所。
洗面所。
もしかしてトイレも使うかも知れないからトイレも。

洗い物を片付け、空き缶とペットボトルをベランダに出し、床をみがいて服をたたみ、洗濯物を干し、机の上を拭く。

そしてようやく、ようやくすべてが終ったのが午後2時30分でした。

ま、間に合った…

ついでに布団も干してコタツも出してしまった。
布団からはお日様のいい香りがします♪

普段からちゃんと掃除をしていれば、こんなに慌てることはないんですけどね。

結局、修理の人はキレイに片付けられた部屋について特に語ることもなく(あたり前か!)配線や電話機、モデムなどを調べて、部屋の中には原因がなさそうなので外を調べますと言ってアッサリ出て行きました。

トイレも使わずじまい。

……………。

え~、それからもろもろあって、本日無事修理終了したしだいです。

今、私はキレイに片付けられた部屋でパソコンを打っています。



教訓:掃除は普段からこまめにやるようにしましょう。



わかってはいても、なかなか実行できないんですよね。
はぁ、5時間飲まず食わずで掃除したのは初めてです。

さて、いったいこの部屋の状態をいつまで保てるのかな?




「サトラレ」

2008-10-17 19:02:00 | 本と日常
NHKの木曜日のドラマ枠、ドラマ8で先週から「七瀬ふたたび」が放送されています。

筒井康隆さんの同名小説のドラマ化。

人が考えていることがわかる超能力者(テレパス)、火田七瀬役を蓮佛美沙子さん。
刑事役で「風林火山」で武田信玄を演じた市川亀冶郎さんも出演しています♪

何回もドラマ化された作品ですが、私は観るの初めてなので、楽しみ☆

筒井さんの作品は好きなので、ブームが来ることを期待しています。

七瀬みたいに人の考えていることはわかりませんが、たまに自分の頭の中の声が他人に聞こえてやしないかと考える時はあります。

そういう「サトラレ」って映画もありましたね。

そう感じる時はたいてい他人の悪口を言っていたり(頭の中で)、サボリたいとか考えている時で、他人に聞かれたくない内容ばかり。

すぐに気が付いて「今のは本気じゃありません!」と訂正するのですが(頭の中で)、冷静に考えると自分の頭の中で何やっているんでしょうね。

聞こえているわけないのに。

いや、他人には聞こえていなくっても自分には聞こえているからなぁ~
誰に言い訳?
良心?

自分自身で恥ずかしいと思うことなら思わなきゃいいのに、そうもいかない。

まだまだ修行が足りません。

というか、バカかも。

ま、幸いテレパスでもサトラレでもないので、他人に迷惑がかからない程度で苦悩しておきましょう。

ドラマはあと8回放送予定なので(全10回)それを楽しみに観ることにします☆





あおげば尊し我が師の恩

2008-10-12 23:59:00 | 本と日常
ちょっと病院に行った帰り道。

中学時代の恩師にバッタリ会いました。

忘れないものですね~
すぐに先生だとわかりました。

先生もこちらのことを憶えていてくださって、しばし近況報告。

でも、教師っていったい何人生徒を憶えているんでしょうね?
卒業して何年、何十年もたつ生徒のことまで憶えているなんて。

もっとも、こちらとしてもやっぱり嬉しかったです☆

それとも問題児だったかな?(苦笑)

もちろんかなり前に教職からは身を引かれていて、最近生徒に呼ばれて参加した同窓会の様子を話して下さいました。

その同窓会というのが、2年上の先輩たちの話。

アレ?

確かに先輩たちの何人かは知っているけれど、ところどころわからない話題が。

先生、私、2年下なんですけど…

とは最後まで言い出せませんでした。

きっと、わかっていて話してらしゃったんですよね?

そうですよね?







十月の本棚 『いいことはいつくるかな?』

2008-10-10 19:31:00 | 本と日常
街を歩いていると、とある店先に黒板製のメニューボードが置いてありました。

チョークで書かれたメニューの横には、オレンジ色で描かれたカボチャの絵が。

…そろそろカボチャ大王の季節か。

今年ももうじきハロウィンですね☆

ハロウィンというのはキリスト教の行事の一つ。

万聖節の前の晩、10月31日にお化けの格好をした子どもたちが、お菓子を求めて家々をまわります♪

カボチャをくり抜いて作るお化けの顔をした魔よけのランタンは、ハロウィンの代名詞。

安心毛布をいつも引きずっている、ライナス君がハロウィンの夜にカボチャ畑の中でずっと待っているのが「カボチャ大王」です。

ライナスは、チャールズ・M・シュルツ氏のマンガ『ピーナッツ』の中に出てくるキャラクター。

そんなチャールズ・M・シュルツの描いた『ピーナッツ』を題材にして、精神科医であり、ユダヤ教のラビでもあるエイブラハム・J・ツワルスキー氏が、人間関係や、人生の生き方のちょっとしたヒントになるようなことを書いた本があります。

チャールズ・M・シュルツ、エイブラハム・J・ツワルスキー共著

*(キラキラ)*『いいことはいつくるかな? スヌーピーと仲間たちはこうしている』*(キラキラ)*

いつも失敗ばかりの少年チャーリー・ブラウン。

作家を夢見ていて、閉所恐怖症のためいつも犬小屋の屋根で眠っているチャーリー・ブラウンの飼い犬、スヌーピー。

音楽家の少年シュローダー。

ペパーミント・パティにマーシー。

いつもチャーリー・ブラウンがフットボールのボールを蹴るのを邪魔する女の子、批判家のルーシー。

そんなルーシーの弟で、いつも安心毛布が手放せない少年、ライナス☆

アメリカを代表するマンガ『ピーナッツ』にはたくさんの魅力的なキャラクターが登場します♪

そんな彼らを精神分析して、それぞれの行動や発言の裏にどんな心理が隠れているのか、どうしてそんな行動をとってしまうのか、マンガをヒントにさがしていく。

彼らがどうやって世間と自分との折り合いをつけようとしているのか。
読むとこちらの心がホッと一息つく感じです☆

ルーシーがいじわるをしてしまうのは何故?

ペパーミント・パティはどうしてそんな言い訳ばかりするの?

チャーリー・ブラウン! もっと自分に自信を持って!!

彼らはマンガの登場人物ですが、その行動はどれも現実の生活にあてはまることばかり。

何であんなことしてしまったのだろう。

あんなこと言わなきゃよかった!

後悔はたくさんするけれど、その背後に隠れた自分の心理状態までは、なかなか考えたりしないですよね。

それを『ピーナッツ』というマンガを使いながら、ツワルスキー先生がわかりやすく優しく指摘し、私たちが普段考えたりしない、ちょっと違った目線を教えてくれます。

無意識のうちに目をそらしていることありませんか?
本当は、知りたくないから考えないのかも…

もちろん、この本に「答え」なんてありません。

ただヒントが書いてあるだけ。

こんな時、スヌーピーと仲間たちはこんな行動をとっている、こんなことを言っている。

それで乗り切れる時もあるし、乗り切れない時もあるし、問題の先延ばし、現実逃避、誤解、ごまかし、時にはとぼけることだってアリ☆

無理せずのんびり、スヌーピーたちはこうしているよ…

マンガを読んでいるだけで楽しいです♪

英文の原本が載っているので、和訳と照らし合わせて読むのも楽しいかも。

一冊で二倍も三倍もお得な本☆

人間関係で深く悩むこともあるでしょう。

うまくいかないことだってあるでしょう。

そんな時、ちょっと息抜きに、こんな本はいかがですか?

きっと、いいこともそのうちやってきますよ!

元気を出して!!

スヌーピーも言っています。

「時々、あなたがどうして犬なんかでいられるのかと思うわ…」
と人間に言われた時のひとこと。



「配られたカードで勝負するっきゃないのさ…
 それがどういう意味であれ」



今年もきっとライナス君は、他の子どもたちが町を歩いていても、一人カボチャ畑で「カボチャ大王」を待ち続けることでしょう。

チャーリ・ブラウンに何を言われても、こう言い返します。



「君が例の赤い服で白いヒゲの”ホーホーホー”って言うやつを信じるの止めたらボクだって”カボチャ大王”を信じるの止めるよ!」



このマンガ大好きです☆

では、ハロウィンにちなんで、こんな子どもたちの恒例の挨拶でしめくくりましょう。

ハロウィンの夜、家々をまわってお菓子をねだる小さなお化けたちが口々に叫びます。

あなたななら、どうします?



「Trick or treat !(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!)」













チャールズ・M・シュルツ、
エイブラハム・J・ツワルスキー  著
笹野 洋子  訳
講談社プラスアルファ文庫



ノーベル賞受賞

2008-10-08 19:15:00 | 本と日常
全世界規模で株価が暴落していますね。

円高も進み、今日は一時1ドル90円台まであがったとか。

アメリカのサブプライム問題ではじまった世界不況。私たちの生活にも何だか影響が出そう。

そんな中、ノーベル物理学賞を3人の日本人の方が受賞されたとのニュースが日本中を駆け巡りました。

「素粒子の理論で先駆的な役割を果たした」ことが評価されての受賞。

久しぶりにクオークという言葉を聞きました。

ルーディ・ラッカーのSF小説*(キラキラ)*『時空の支配者』の中に、クオークが重要な要素として登場します。

SF小説って、なにげなく最新の科学が盛り込まれているものが多いんですよね。

『時空の支配者』はまったくお堅い小説ではなく、ハチャメチャな内容で、クオークは重要な要素ではありますが、なんとなくそういうものかぁ、とあまり気にしなくてもOK!
物理なんてわからなくても充分楽しめる作品です♪

この作品、好きなんですが、最近本屋さんで見かけないのが寂しい~

表紙のイラストは漫画家の吾妻ひでおさんでした。

素粒子というのは原子を構成する最小単位のこと。

クオークというのは、この世界を構成する基本単位の一つで、素粒子の一つとされています。

岐阜県の神岡鉱山内に造られた実験施設、「カミオカンデ」で検出されたニュートリノも、この素粒子の一つといわれています。

え~、得意げに書いていますが、物理に関しては所詮はSFファンの聞きかじりの知識なので、あまりアテにはしないで下さいね。

とにかく、『時空の支配者』はオススメの作品です。

今回受賞された3人の先生、ほんとうにノーベル賞受賞おめでとうございます☆

これからも宇宙の謎に挑戦し続けて下さい。

SFファンも応援しています♪





地球に優しく

2008-10-02 22:54:00 | 本と日常
エコ・デビューしました☆

うちの近所のスーパーがレジ袋を有料化したので、マイ・バック持参で買い物に行って来たのです♪

何だか大きな袋を持っていると、万引きと勘違いされやしないかと思ってしまって落ち着きませんでした。

警備の人とかまぎらわしくないのかな?

以前スーパーでバイトをしていたことがあるので、ついついそんなことを考えてしまいます。

レジ袋は有料化したのに、スーパーには大きな駐車場があって、その日も車でギッシリ。

駐輪場だけ無料にして、駐車場は有料にしたら、車で来る人が減ってますますエコになるのでは?

なんて考えてしまいましたが、そこまでするとお客さんが離れちゃうかな?

私のマイ・バックも石油製品なので、どこまでエコになるかわかりませんが(笑)
とりあえず、続けてみようと思います。

レジ袋一枚5円取られるから、二千円のマイ・バックのもとを取るには400回ス-パーに行く計算。

1年以上は使い続けなくちゃ…