マシュー・アムスター=バートンさんの『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』(エクスナレッジ)という本をよだれを我慢しながら読んでいると(美味しい物がたくさん出てくるので♪)、何の前置きもなしに「まるでボルヘスの『バベルの図書館』のよう」という描写が目に入ってきました。
バートンさんはシアトル在住のフードライターで、米国人から見た日本の「食」をこの本で紹介しているのですが、まったく文学的な香りのない本の中で「ボルヘスの『バベルの図書館』」が普通に通用する例えとして使われているのが衝撃的でした。
ボルヘスってそんなにメジャーだったのか・・・
その時ちょうど人生初のボルヘスに挑戦しているところだったんですよね。
ちなみに本の詰まった回廊がどこまでも続く『バベルの図書館』が例えられたのは、デパ地下のお惣菜売り場でした(笑)
私が読んだボルヘスは、『バベルの図書館』も収録されている短編集『伝奇集』(岩波文庫)
う~ん、難解でした。
執拗な通路や道々の描写に、迷路のような言葉の羅列。繰り返される否定と肯定。まるでバカボンのパパの「反対の賛成なのだ!」みたい(あくまで私の勝手な感想です)
上や下や四方に無限に広がる図書館「バベルの図書館」
夢の中で魂の青年たちの前で講義し、その中から血肉を与え、自分の分身たる形を与える「円環の廃墟」
言葉の迷路に迷い込んだみたい!
この『バベルの図書館』を読むきっかけになったのが、玉川重機さんの『草子ブックガイド』(講談社)
その第3巻を読みました。
今回紹介されるのは。
『雨月物語』(江戸時代の読本。上田秋成のいわば伝奇集)
『百鬼園日記帖』(高給取りなのに借金まみれだった内田百の日記)
『イワンの馬鹿』(作者は恐妻家トルストイ)
『ハローサマー、グッドバイ』(マイクル・コーニィのSF作品)
『新しい人よ眼ざめよ』(大江健三郎。FMシアターでのラジオドラマが秀逸だった!「ガリヴァーの足と小さな人たちの国」とか)
『荒野のおおかみ』(ヘルマン・ヘッセ。代表作『車輪の下』)
作家なんて生き物は変わり者が多いけど、この上田秋成とか内田百は好感が持てる!
高田渡はちょっとわからないけれど(苦笑)
もう一冊、ブックガイドを読みました。
こちらは池澤夏樹さんの娘さんというよりは、私なんかは声優としての方が知っている、池澤春菜さんの『乙女の読書道』(本の雑誌社)
何となく、私の大好きな本、神月摩由璃さんの『SF&ファンタジー・ガイド―摩由璃の本棚 』(現代教養文庫)に似てる!!
さすがに扱っている作品はSFが多いですが、 文体というか雰囲気が似ているんですよね。
た、だ、し、似ているというだけで本として読めるかというと、ちょっと作文みたい(すみません)
書評としては読めますが、桜庭一樹さんや前出の神月摩由璃さんみたいに、「読み物」としても面白いかといえば、そこまでは面白くないというのが本音です(本当にすみません)
あ、でも巻末の父親、池澤夏樹さんとの対談は面白かったです。
9月になっていろいろ値上がりしているので、なかなか本が買えませんが、TSUTAYAのポイントがたまったので、吾妻ひでおさんの新刊『カオスノート』(イースト・プレス)を買おうか迷っています。
田房永子さんの『ママだって人間』(河出書房新社)も気になっているので、古本でもいいから読めないかな?
今は使っているカードのポイントで注文した「松坂牛大とろフレーク」が届くのが楽しみ♪
これは『おとりよせ王子』でも紹介されていた、冷凍した松坂牛のフレークです。
前から食べてみたかったんですよね。
使っているのはポイントばっかりですけど(苦笑)