先日、南アルプス市(旧白根町)のワイナリー、富士屋醸造の社長が来店されました。
社長は、70歳を超えていらっしゃいますが、大変元気です。
今年の葡萄は、秋になって涼しくなったため、大変良好との事。
葡萄は、昼夜の気温差が大きいほど、良いものができます。
今年の葡萄でできるワインは、来年、再来年に出回るもの。
来年、再来年には楽しみなワインが登場します。
富士屋さんは、葡萄を遅く収穫し、長く発酵させることが特徴です。
例えば、甲州種ワインは、他のワイナリーが9月中に収穫、醸造に入り、来年1月には発酵を終えますが、富士屋さんは、10月中旬に収穫、来年4月まで発酵させます。
このやり方は、昔ながらの醸造の型で、葡萄本来の力がワインに反映され、味わい深い、または豊かなワインに出来上がるという。
最近の醸造は、フリーラン果汁(葡萄の果汁を搾る時、機械で圧力を掛けないで、自然に落ちる果汁のこと)のみ使い、きれいなワインが出来上がるが、ワイナリーの特徴が無い、均一なワインが多いという。
洗練されたワインだが、甲州種ワインは、もっといろいろな味を持っているはずだ、と。
葡萄の樹も、ウイルス感染を防ぐウイルスフリーの苗なので、病害には強くなっているが、葡萄自体は弱くなっている。
昔の甲州種の樹で、優良なものを選抜していけば、ある程度病害には強いし、葡萄そのものに力がある。
富士屋さんでは、そういう葡萄を選んで、収穫しているとの事。
ワイン醸造を教えてきた立場から、社長の言葉には大変重みがありました。
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