梅雨明け後から、全く日中は暑い。
信州は涼しいイメージがあるが、日中は暑い。
道路はカンカンで照りで白く乾き、照り返しがひどく真夏らしい。
今年原村の夏を体で体験するが、何が違うかというと気温は31度でやや(いや、かなり)都会から比べれば低いが、からりとした暑さで
湿度が低いのである。
家の中も日中でもエアコンは必要ない。
そして朝晩はその気温もぐっと低くなる。
日本全国今日は猛暑で38.5度と聞くが、夜になり今温度計は19度、湿度65%、涼しいのを越してうすら寒い。
お陰で全身純毛の毛皮犬たちはすやすや熟睡の毎晩である。
彼らは原村へ来て一日3回散歩をしていても、中央林間時代より太ったようだ。
私の5月に植え付けた野菜の苗は今、最盛期。
朝、とうもろこしを初めてもぎ取った。
そのまま台所へ直行し電子レンジで5分、チンしてすぐに頂く。
甘ーい。
きゅうりや茄子、モロッコインゲンなども食卓へ直行で数分後には私の胃袋へ納まる。
これほど贅沢な食事はない。取立ての美味しさの味をこの歳で初めて知った。
肌も野菜ばかり食べているので心なしかみずみずしくなってきた。
夕食の時も、シャワーを浴びた後、沢山の野菜と白ワインの味に、ああ幸せ、美味しいねぇと犬に向かって話しかける。
犬たちは何かもらえるかとよだれをたらしている。
NHKの画面からは第39回思い出のメロディを放送しているが、折から今日は長崎の原爆記念日であり、秋川正史が長崎の鐘を歌うのを聞き魂が揺さぶられ涙ぐんだ。
今自分がこの地に住んでいること、周囲の人々たちから小さな幸せを味わっていること、
毎日の労働で体が健康でいること、自分が育てた野菜から毎日の活気
の素を得ていること、八ヶ岳の姿に毎朝毎夕惚れ惚れしていることなど沢山のものから心が満たされているためであろう。
いよいよ菊作りも出荷の時期を迎え、ここ数日集荷の作業を午前中行う。
慣れない作業に、ベテランの先輩達と同じように行くわけはなく、しかしそうは言っていられず、ミスは許されず、早急に作業をこなせねばならない。
社長に注意されるたびに私のプライドはずたずたになる。
新米だからといっては許されないのだ。
とにかく必死でうまくならねばならず、真剣にやればやるほど疲れて
落ち込む。
今日で3日目になったが、これまでこの出荷の菊の束ねる作業を一日で辞めて行った人もいると聞き、私はまだ少しはましなのだと自分自身を慰めた。
目の前の仕事から逃げないように勤務していた時は社員に向かって言い続けていた自分が逃げ腰になっている。
又反面、都会の人間は使い物にならないと思われたくないという気持ちも強く、兎も角自問自答しながら今日で3日目を迎え何とか慣れてきた。
退職したら毎日が日曜日という事を聞くが、私には日曜日などあったためしがない。輦