母の一周忌のため、2匹の犬を馴染んだ富士見の動物病院へ預け、原のバス停から中央高速、東京駅から東関道の高速バスの乗り継ぎで銚子まで出かけてきた。片道乗り継ぎ入れて6時間。文庫本を相当読むつもりでいたが、心地よい振動と暖かい陽ざしにほとんど眠りぱなしにおわった。
真冬とは思えぬ暖かさに、師走らしい慌しさも感ぜず、故郷は水仙や街路樹は緑々した木と草が生え、長野をでる時は一面霜で真っ白の景色が数時間もすると全く違った場所へ変わっていく。
東京駅で買い物をし、雑踏の売り場をくぐり抜け、千葉方面へ向かった時には既に疲労でバスの中はぐっすり眠っていた。
夕方実家へ到着し、先に着いた姉夫婦と実家の兄夫婦と長い宴会が始まり、話は入り乱れ混線し、人の話を良く聞かぬ年寄り連中の集まりはまとまりがつかない。
そこへ持って兄達の孫が2人賑やかに参加してくるので一層賑やかである。
時間と共に酔っ払いは増え、大事な相続の話し合いは又もや宙へ浮いた。
深夜まで宴会は続き、グロッキーになって布団にもぐりこんだが、部屋の中は暖かく、千葉と長野の気温差は相当なものだ。
明るく賑やかで、昨年の寂しいお葬式とは打って変わって孫中心の法事は短時間で終わり、お清めの途中で抜け出した自分は、長野へ帰らなければならず、又もや折り返しのバスの車中の人になった。
行きと帰りの景色は変わらないが、それを見ている私の心の中は変化し違っていた。
母は亡くなってあれほど切なかったのに、時間と共にその気持ちは遠くへ去り、昨夜母の遺品を整理しながら、人が死んだ後残った品はごみであると言った上野千鶴子さんの言葉が実感できた。
衣類も、身の回りの品も、時代は裕福になったため残された家族には必要なものが無いではないか。
私も長野へ帰ったらぽつぽつ少しずつ身の回りのものを整理していこうと思う。
兄夫婦も姉夫婦も心配をしてくれるがそれぞれ孫もおり自分たちの生活で一杯一杯である。
歳も取って今までのような若さは失せ、話も繋がらないようになり、老後とはこのようなことだったかと思わせられる。
後5年後の自分の生活の建て直しをこれから考えなくてはならない。
わが故郷は親の死に目と共に遠くへ去っていったのは確実に今回感じ取った微妙な思いだと思う。
亡くなった母親ともこれで区切りがつき、雑踏の都会の中を歩いていたら、自分の居場所はどこなのか、少しつかめたようである。
暖かい千葉は住むには楽で都合が良いが、既に雪が降った信州は寒すぎるし、愛着はまだ出来上がっていない。
ああ60才を過ぎてもまだ魂の置き所を決めかねている親不孝娘の行き着くところはどこなのか?
今週末は既にシカゴへ向かう飛行機の中であるが、息子夫婦と娘と共に新年を迎えて根性を入れ替えて出直してこようかと思う。
真冬とは思えぬ暖かさに、師走らしい慌しさも感ぜず、故郷は水仙や街路樹は緑々した木と草が生え、長野をでる時は一面霜で真っ白の景色が数時間もすると全く違った場所へ変わっていく。
東京駅で買い物をし、雑踏の売り場をくぐり抜け、千葉方面へ向かった時には既に疲労でバスの中はぐっすり眠っていた。
夕方実家へ到着し、先に着いた姉夫婦と実家の兄夫婦と長い宴会が始まり、話は入り乱れ混線し、人の話を良く聞かぬ年寄り連中の集まりはまとまりがつかない。
そこへ持って兄達の孫が2人賑やかに参加してくるので一層賑やかである。
時間と共に酔っ払いは増え、大事な相続の話し合いは又もや宙へ浮いた。
深夜まで宴会は続き、グロッキーになって布団にもぐりこんだが、部屋の中は暖かく、千葉と長野の気温差は相当なものだ。
明るく賑やかで、昨年の寂しいお葬式とは打って変わって孫中心の法事は短時間で終わり、お清めの途中で抜け出した自分は、長野へ帰らなければならず、又もや折り返しのバスの車中の人になった。
行きと帰りの景色は変わらないが、それを見ている私の心の中は変化し違っていた。
母は亡くなってあれほど切なかったのに、時間と共にその気持ちは遠くへ去り、昨夜母の遺品を整理しながら、人が死んだ後残った品はごみであると言った上野千鶴子さんの言葉が実感できた。
衣類も、身の回りの品も、時代は裕福になったため残された家族には必要なものが無いではないか。
私も長野へ帰ったらぽつぽつ少しずつ身の回りのものを整理していこうと思う。
兄夫婦も姉夫婦も心配をしてくれるがそれぞれ孫もおり自分たちの生活で一杯一杯である。
歳も取って今までのような若さは失せ、話も繋がらないようになり、老後とはこのようなことだったかと思わせられる。
後5年後の自分の生活の建て直しをこれから考えなくてはならない。
わが故郷は親の死に目と共に遠くへ去っていったのは確実に今回感じ取った微妙な思いだと思う。
亡くなった母親ともこれで区切りがつき、雑踏の都会の中を歩いていたら、自分の居場所はどこなのか、少しつかめたようである。
暖かい千葉は住むには楽で都合が良いが、既に雪が降った信州は寒すぎるし、愛着はまだ出来上がっていない。
ああ60才を過ぎてもまだ魂の置き所を決めかねている親不孝娘の行き着くところはどこなのか?
今週末は既にシカゴへ向かう飛行機の中であるが、息子夫婦と娘と共に新年を迎えて根性を入れ替えて出直してこようかと思う。
