伊那に移住して3年が過ぎゆく。
農地から宅地に代わるまで一年かかりその間毎月建築屋さんとの打ち合わせに通ったので
土地に関しての不平不満は出ずに済んだ。
住んでみて初めて土地の事情は徐々に分かってくるのだが、不満をあげつらえばきりがないし
何を自分の幸せに優先するかだ。
中央アルプスを見ながらご飯を食べたいという欲求は第一位だった。
住んでみたら地域の周囲の人々との交流は思った以上に多く、自治会の会合やボランティア、
毎月のお寺で催されるコンサート、マゴを連れての子育て支援センターのママさんたち、
そして犬とともに歩けば声をかけられ知り合いになり、一人暮らしだが
一日中誰ともしゃべらずに済む日は極く稀だ。
都会で暮らしていた以上に友人は増えてしまった。
マゴも生まれかなりの時間を彼に費やした。
そうして本当にこんなに早く?と驚くほど3年が過ぎた。
向こう見ずと言われた長野県への8年前の移住は賭けだったが大成功。
義兄が今月訪れ、我が家の畑をほって肥料を入れてくれた。
農地だったから肥料は効いているが、ふかふかの土ではなく赤土で20センチも掘れば
固まって岩のように固いとの診断。
できるだけ深く掘り腐葉土を入れミミズが住むような土にしなければ、上等な野菜や草花は育たない。
思えば引っ越すのに全力投球でその後だだっ広い土地に手あたり次第草花やバラを植え
脳天気だった。
義兄に言われて土づくりに目覚めた。
それ以来この半月は時間さえあれば興味もなかった土づくりの本を読み庭を掘り返し
ている。
気の毒なバラも深く植え替えした。
昨夜NHKスペシャルで1世紀以上を世界で生きるセンテナリアンの長寿の秘訣の番組を見た。
体の面では抗炎症作用が低く抑えられて、心の持ち方が満足感が高いと長生きに繋がるというのだ。
歳だからと将来を否定し周囲を困らせるような生き方は御免だ。
現在の自分を肯定し、今が幸せといえる満足感が重要だ。
移住して3年目、来年は70歳を迎える。
やっと落ち着いて自分の土地、自分が作る土と思えるようになり、
そこで作ったおいしい野菜を食べ体づくりをし、きれいに咲く草花でワクワクし
それでこれからの自分の生きがいとして楽しんでいきたいと目標が出来た。