文化の日の3日、安曇野へ出かけたがその後の週末今度は山へ行こうと決めていた。
秋も終わりに近づき、そろそろ行ける場所はと駒ヶ根からロープウエイに乗り
千畳敷カールから宝剣岳と、準備した。
ところがいまいちお天気が決まらない。
午後から崩れて夕方から雨が降るかもしれないという。
朝早く出れば夕方には帰って来れるので間に合わないこともない。
考えに考えて、やめた。信州は南部から天気は崩れる。
高山はガスが掛かり見通しも悪くなれば、昇る甲斐も薄れる。
撤退を決めたとたん気持ちが軽くなった。
午前中は畑での作業に徹した。
秋野菜の種をまいたあとの手入れを怠ったので間引きに手間取った。
大量のほうれん草や蕪の間引きをして洗って茹でて冷蔵庫へ保存したらすっかり日が暮れた。
間引き菜をあぐらをかいて根を取る作業をテレビを見ながら始めた。
画面では渋谷のスペイン料理のレストランが最近随分と人気で急激に増えているそうだというのを見る。
スペイン料理を食べながらフラメンコを見るがフラメンコ教室も大人気だという。
チマチマと野菜をいじりながら、都会と田舎の違いにため息がでた。
全く世界が違う。
同じ日本かと思う。
自分が都会に住んでいたときは何も感じなく当たり前に便利さを味わっていた。
好きな料理を不自由なく口にできた。
田舎暮らしをすると視点も変われば生活範囲内での行動になり単調な毎日になる。
それがこの土地に来て不満かと思うとそんなことは全くない。
毎日、木々の香りを吸い、色づく山々を目にしながら美味しい野菜を食べ
歳をとっていく。
2日間の休日は土砂降りの雨に祟られた。
今日の午後は北杜市の不動産屋を訪ね土地の売買の相談をした。
最近、北杜市へ出かける度に家が増え、移住者がかなりの勢いで家を建てている。
東北の大震災の影響で移住者が増えているというが、新しい土地に慣れていくには時間がかかるであろう。
自分の長く持ちつづけてきたアイデンテティの入れ替えをしなければならないから、それは大変だ。
夕方、ガスがかかリ真っ白になリ何も見えない中を帰ってきたが、自分が選び生かされている
範囲での土地は5年目となるがこれでいいのだと思えるようになった。
純農村の原村に帰ってくると安堵感で包まれるから不思議なものである。