信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

やりたい放題

2015年04月30日 14時36分10秒 | Weblog
菜種梅雨らしき雨降りの毎日が続いたが、桜の季節が終わるとともに、春の花々が
一気に咲き始め、しかもツツジ、水仙、花桃や藤、シバサクラ、チューリップと季語になるのは何かいな?
と考えるほど家々の庭先はきれいな花で散歩のたびに感嘆する。

昨年紫の花を咲かせたハーブ類も今年の成長はダントツに早い。
それもこの1週間真夏のような日中の気温で農家がにわかに忙しくなり外を頻繁に
トラクターが走り、田んぼには水がはられた。
まだアルプスの山の頂上は雪が残り、間もなくすると田植えが済んだ水田には残雪の山々が
この地方ならではの景色となる。

畑に野菜を植えねばならない気温となり、畑の土を起こして土作りをしなければならない。
しかし昼間の気温が高すぎて作業するには熱中症の恐れが出て、朝早く起きての
仕事となった。
孫を週に3日預かるので予定をきちんと立てての農作業を行う。
土を起こし、苦土石灰を撒き、肥料を混ぜ込み、それから畝立てを行い、植える野菜の種類に合わせて
マルチを張る。

原村での野菜作りは教本どおりにしたつもりでも終末園芸のため、けっこういい加減だったと思う。
伊那に定住し本気で始めたら時間が足りなくなった。

それでも着々と畑の畝を造りマルチを張っていったのだが、庭は歩き始めた
マゴの格好の遊び場になった。
シバサクラやタイムのじゅうたんは花が咲き始めそれはそれはきれいな眺めだが
マゴはその上でジャンプして遊ぶ。

家の周りには農業用水の水路に囲まれ、三峰川からの豊富な水が放水され始めた。
深さは5センチくらいであろうか、その日によって放水量が違うが、
マゴはそれを見つけてしまった。

芝の土手を歩き、いきなり長靴ごと飛び込んでジャブジャブ足踏みした。子供にとっては
とんでもなく面白い遊びであろう。
冷たくなると這い上がり、間もなく又恐れる様子も無く飛び込んでいく。
その繰り返しで着ている洋服はずぶぬれとなる。
その後は庭に戻り私が苦心して張ったきゅうり用のマルチの上を裸足で行ったり来たり。
折角ピンと張ったマルチは盛り上げた土も崩れデコボコと成り果てた。

土と水は子供にとっておもちゃにも勝る大親友だ。
多分、都会の高層マンション暮らしのお母さんにとっては気絶するほどのマゴの
姿、格好であろうと思われる。
泥だらけの全身に迎えに来たムスメは驚く様子も無く抱えて家に入りシャワーの水を浴びせ
て洗っている。
自分が都会育ちで規制されながらちんまりと育った思いが
自分の子供には田舎育ちの醍醐味を植え付けたいのであろう。
今年の夏は泥と水とでどれだけ毎日汚れるか考えたくもないが、おばあさんとしては
奨励する側に回っている。











春浅い八ヶ岳山麓

2015年04月26日 11時59分20秒 | Weblog
北杜市の大泉町という八ヶ岳山麓に住む友人が冬を除いて東京から春になると
山林の中にある別荘で生活を移す。

北杜市は東京から高速に乗れば約2時間で到着し、東北大震災以来大きな宗教団体
も本部をこの地へ移し、民族の大移動となりつつある人気の土地だ。
8市町村が合併し、遠い昔のメルヘンの清里もその八ヶ岳の山麓にある。

山林がその居宅の大部分を占め、木漏れ日の中で生活を楽しめる。
自分も大泉の土地を購入し、木々に囲まれての生活に憧れ土地を購入したが
その後の生活の事情が変わり、全く違った景色になる伊那に住んでしまった。

友人が4月になり東京から大泉に生活を移しやってきたが、電話があったときは
4月になっても雪が降っているのよと嘆いていた。
私が元勤務していた時の広告作成の女性部長が定年になり、大泉に尋ねてくると言うので
声がかかった。

そうか、私も退職して8年目になり、時間が経ったがむしろ諏訪の思い出が近く
浦島花子さんになってしまい、ずれが生じお会いするのは怖かったが、
20年勤めた会社には思い出が多すぎて、反面大いに嬉しい。

標高1100メートルのお宅はまだ木々の芽吹きも未だで、桜はこれから、長坂インター付近の
気候とは半月くらいの差が出る。
小雨も午後から降り始め、そうなると山の中は寒い。

8年ぶりの邂逅はご主人も伴われ、夜中の0時まで飲んで食べて話はどこまでも続く。
ええー知らなかったーという暴露話が特に面白く、時間の流れのギャップも感じなく
定年とともに遠くに移住し生活が全く離れたが、こうしてしばらく振りに会うと自分は確かに
仕事をしていて社員からどう思われていたのかが良くわかり、深く記憶の底に沈んでいた
年数が見事に浮かび上がり、温かい思いに変わって行った。

たっぷり飲んだワインの2日酔いだが翌日は近隣の散策と数千点と思われる陶器や美術品の
ム-谷というお店に行き陶器類を眺め半日を過ごして伊那に帰ってきた。










今の伊那での生活からかけ離れた土地での時間の過ごし方に、これほど場所が変われば
会話も食事も全て異なり、のんびりとした生活ボケしている老女には、脳細胞が活性し大いに疲れたのである。
約6年間過ごした原村の方が寒いのだが、もうすでに伊那に移住してしまうと記憶から飛んで
過去からも離れてしまったのがわかる。


かやぶき倶楽部 デュオコンサート

2015年04月26日 11時00分09秒 | Weblog
春になり、足場が不自由な金鳳寺のコンサート会場であるが3月から活動が再開した。
山の中腹にあるお寺は、周囲の里山に比べ少しだけ春の景色は遅れていく。








今回は4月といえど今年の天候は不順続きで晴れた日は一桁でとても寒い。
4月中旬は桜の開花も始まったが高遠の桜は雨模様が続き、観光客は今年は誠に不運としかいえない
雨が続いた。

コンサートは今回は好評のギターとピアノのユニットを組んで活動している嬉しい限りである。
雨上がりのお寺に向い、参道を登っていくと周囲の山林には桜がひっそりと咲き、
池には散った花びらが模様を描き、何とも風情がある。

ギターの蓮見 昭夫さんはYoutubeにもチャンネルを開設している著名なギタリストで、
春の午後、お寺の仏様の前でギターとピアノの海外の楽曲を聞けると言う通常ではあり得ない
時間を過ごした。







音楽は違った世界へいとも簡単にいざなってくれるし心地よい感情に全身が浸っていく。
生の音楽はそこが違うのであろう。
心が躍るというのはこの事なのであろうか。
毎月、有り難い時間を過ごし贅沢な気分をお土産にして自分を豊かにしてくれるのである。












団塊世代、健康寿命

2015年04月13日 12時59分18秒 | Weblog
団塊世代の言葉にまだ遠いと思っていたが、すでに後、数年で後期高齢者に入っていく。
実感は無いが、体中あちらこちらで、ああ歳を取っていくとはこういうことかと実感する日がある。

NHK Eテレの番組がいろいろな角度から団塊世代への知識が学習できるメニュ-があるので
録画しては余裕ある日にじっくりと見ている。

化粧の仕方や、衣服類や食事、運動など思っていた以上に反省させられる時間となる。
学習してもその知識が日常に生き続ければよいのだが、感心した割合に頭の中から消え去っていく場合も多い。
これも年令のせいか・・・

先週は健康寿命というテーマで松本大学のセンセイが実際にトレーニング法なども解説し、
見事にトレーニング前と後ではこうも改善されるのだと歩き方一つで反省させられた。

一日8000歩を目標に歩いていると健康寿命は10年の違いが出ると言う。
誰もがある年令になると元気でヒトの世話にならずに成果を願う。
男性71歳、女性74歳の健康でいられる寿命は確実に近づいている。

内臓部分も大切だが手足が不自由であれば生活のレベルは一気に落ちてしまう。
毎日退職後はイヌとマゴの散歩でゆうに8000歩は行くが、実は歩数ではなかった。
きちんとした姿勢とリズムで歩かねばその効果は無い。

まさに自分の歩き方はだらだら、背中は前に傾いてきているし、注意されないと気づかない。
しかも猫背は時々はっと気づいても又すぐに元に戻ってしまう。

老いのねじ回しを早めるよりも自分次第ではきれいな老い方を今からでも遅くない。
まずは改善したウオーキングで自分の歩き方での時間を作ってみよう。


今年の桜

2015年04月13日 12時07分34秒 | Weblog
気温が低い日が続く。
先週、2、3日だけ靴下もうっとうしく、裸足の心地よさを感じた翌日は雪が降った。
それも開花した桜の花の上にである。
そしてそれから数日続いても未だ気温が低かったり雨が降ったりして
桜の花の寿命は続いている。

高遠の桜が咲き、日中は混雑するので、夜桜をライトアップしたところで
見物に行こうとしたが、夕方以降ストーブの傍にしがみついていたいほどで
外へ出かける気分は吹っ飛んでいく。

ムスコが一度はこの季節、信州の桜を見ようと、もう葉桜になりかけている
神奈川からとんぼ返りに近いスケジュールでやって来た。
夜はライトアップを見に行こうとそのつもりでいたが、夜になると気分は
くじけ、無理せずに行こうと、翌日に廻した。

ところが晴れるかと思ったが、曇り空で桜の花は長持ちしているが、空が曇っていると
いまいちぱあっとしない。
昨年と同じ、六道の堤という名所と高遠の城址公園に出かけた。
桜の花は丁度満開となり、気温が低いのが続いている為か花はびっしりと付いており
老木より若木の方が花数も多く、その美しさに感動してしまう。

寒い、と道行くヒトは皆同じ言葉を言いながら歩いており、盛り上がるに欠ける。
桜の花の彼方には南アルプスや中央アルプスの雪景色の姿がこの地方ならではの
見ものとなるが、曇り空ではぼんやりした景色となってやはり桜の花には
青空が映えるのだと思う。

ウイークデイと寒さのためか例年の人混みはなく、長野の善光寺のご開帳へ人々は
流れたのかと思われるが、少し気温が上がった週末は桜見物のバスが渋滞していた。

高遠城址公園の桜




遠くに中央アルプス




伊那市、六道の堤











試してみたところ

2015年04月06日 17時36分10秒 | Weblog
昨日の朝、地区の自治会の清掃作業中に顔に受傷した。
内出血で人相が酷くならないことを願い、一日静かに、動き回らないような生活をした。

傍にいたご近所の方から、打ち身や擦り傷に、砂糖を水でぬらして患部に塗ると効果がある。
私も庭の木から剪定中に落ち腰を打ち、青あざになるので心配して砂糖の水を塗り
湿布したら青あざにならずに治ったのでそれ以来孫の怪我や打ち身に使っているのだけど
試してみたら?と勧められた。


化学の世界で生きてきた、もと医療職は現役中だったら、多分すぐに
湿布して冷やしたであろうが何となく試してみようと思い、従った。

顔は打ち身なので一日中頭痛が続いたが、夜寝る前に明日の朝はどうぞ
お岩さんになっていませんようにと願った。
退職後は不思議と夜中にチョコチョコと目が覚め、体内時計が作られていた毎日で
いい睡眠を最近は得られていないと秘かな悩みを持っていたのに
何と8時間一度も起きずに目覚めた次第だ。

朝起きて一番に鏡を覗き、意外や意外、内出血はあるが、腫れも引き、告白しなければ
スーパーのレジでもしげしげと見つめられない程度の状況だ。
これは砂糖の効果かなと思うほど過去の怪我の治り方に比べる。
まあこういった事故は今後の作業に生かされれば良いので、ポジティブに考えよう。

今度傷を作ったり、打ち身の時は又砂糖療法を試してみようと思う。






春の嵐が続く

2015年04月05日 15時06分30秒 | Weblog
桜前線が急速に北上し、草の芽も緑になったかと思うとぐんぐん伸び始め、信州の桜も
1週間早く開花する。
このところ、気温が急上昇したためで、硬かった蕾も騙されて一足飛びに咲いてしまった。
伊那の周囲はコヒガンザクラというピンク色の濃い花が小振りで枝にびっしりとつく
可愛いが見所のある種類で咲き始まると景色が変わっていく。
花の咲いている時はこんなに桜の木が多いのかと、外へ出ると感心する。
もう少し経つと山々にピンク色があちこちに見られる。

けれど今年はこの数日、春の嵐が続き、晴天の日は一日しか持たない。
気温のアップダウンが大きく、一日のうちでも着ている洋服の交換に忙しい。
全国一と花見客を呼び込む高遠城址公園の桜もこの嵐では渋滞情報も気にならず、
出かけることも出来ない。
ライトアップがすばらしいのよとご近所から勧められたが、雨風の強い外の景色を眺めると
気が失せる。

原村に住んでいる数年前は4月の下旬の丁度今頃、桜の開花の上に大雪が一晩で積もり
驚いた年もあり、今の季節は不順なのであろう。

日曜の今朝は朝の5時45分に公民館に集合し地区の自治会の出払いといって
一斉の清掃日である。
何と早いのか。

遅れてはならぬと雨合羽に長靴を履き、長い草刈鎌を持参し現地へ集合した。
雨模様でも行事は決行し、地区住民27名で一斉に用水路や道路際の雑草を刈る。

自分は移住者で初めての参加なので緊張する。
用水は泥で詰まっていたりするのでなかなか男手が必要だ。

始まって30分もした辺りで抜いた雑草を掃いている時にいきなりガーンと顔に衝撃を感じた。
何が起きたか瞬間わからなかったが、大丈夫?と男の人がかけよった。
長い鉄の棒でどぶの泥を浚っていたら横にいた私の顔に鉄の棒が当たったらしい。

大丈夫と言われても大丈夫じゃない。
激痛でしばらく顔を抑えて、 痛い! と伊達に歳を取っていない老女は遠慮せずに訴えた。
あと2センチずれていたら目をやられていたので不幸中の幸いと考える。

老人は血管がもろいので多分この後は内出血でどの程度見られない顔になるか
と思うが、慌てふためいて謝る加害者を責めても仕方なく、四谷怪談のお岩さんのように
酷くならなければ良いと願う。
春の嵐は物が飛んでこなかったが、鉄の棒が飛んできたようだ。
とほほほ・・・

春の嵐と嬉しいお便り

2015年04月03日 11時50分49秒 | Weblog


朝夕の冷えは未だ続くが薪ストーブを毎日焚かなくて済むようになった。
庭の草花の芽が出始めそこここに緑の色が鮮やかになり、やっと春かと胸をなでおろす。

しかし、気候は不安定で天気予報は晴れと出ていてもこの伊那の地域は春になると風が強く
雨が上がり、晴れだと安心して屋外の作業を予定しても外に出たら吹っ飛ばされそうな
勢いで風が終日吹いている。

風が強いと気温も下がりマゴの外での遊びは中止となる。
今日も昨日も強風で風速30メートルの風のお陰でまるで台風が来たようで、花粉症の者には
桜がぼちぼち咲き始めるというのに外へ出られず室内で時間を過ごさねばならない。

そのような不満が溜まった夕方に、郵便が届いた。
今から15年も前にあきる野市に出かけた時に水彩画の作品展に出会った。
女性らしい柔らかな色づかいと、草花や海外の景色を描いているのにたちまち魅かれた。
ドイツ北部の小さな都市のクェドリンブルグの建物の絵を買い求めた。
以来毎年、作品展に伺い、欲しい絵にめぐり合い、作家さんとお友達になって行った。

小さな作品、ちょっと大きな作品と自分の買える範囲で、生きている苦労のごほうびにと
手持ちの気持ちの支えとして増やしていった。

東京から神奈川、信州の原村、そして伊那市とその間住居が変わったが、懐かしい里山風景の
あきる野市には出来るだけ出かけて行った。

3年前に便りが途絶え、翌年形質細胞性白血病で入院している旨のお知らせがあり愕然とした。
明るく小柄な体には生き生きとしたエネルギーがみなぎり、西多摩から静岡の夫の実家へ出かけ介護をしながら
絵を描いていると話す内容はスケッチ旅行を年に1回楽しみにして
いるのが唯一のストレス解消よと言っていることがその当時の自分にはまぶしい存在だった。
仕事と家庭と子供の進学とがんじがらめの酸欠状態の中にいる自分と比較して
憧れであった。
稀な病名と非常に苦しい長い入院生活の治療は想像もできず、回復を願うしか出来なかった。

そして昨年の秋、治ったかと思ったのに難しい病気ね、私又、再発して入院しちゃったのと
便りが来た。
長い手紙を書き、こんな事しか出来ずに・・・と投函した。

その後の消息が気になるが、年賀状も届かず多分自宅は不在のままであろうと、
連絡も出来ずうろうろしていたら昨日思わぬ、彼女からの歌集が宅急便で届いた。

あとがきにもう13年も短歌を学びながら絵を中心の生活をしてこの度の白血病の発症を機に
ためていた短歌をまとめたと言う。
カットは自分でこれまで書いたものを使い、美しくすぐ手に取りやすい、作品だ。
胸騒ぎがして、迷いながら自宅へ電話をした。
ご主人が出て、思いがけずご本人が電話に出て、未だ入院中だが、
一時帰宅が出来るようになり、明日又病院へ帰るの、桜の花を見に、
主治医が許してくれたのと話す声は大分しゃがれていて、治療がきついのだろうと思われたが、話が出来て運が良かった。

この10数年の思い出を語り、又戻ってきてねと電話を終わった。

そしてもう1通の郵便も東京で勤務していた頃から続いている元社員の女性からのもので
いよいよ故郷の母親が80歳を過ぎ、一人暮らしが心配になり一緒にくらすために
実家へ引っ越したというものだ。32年間東京暮らしをして、今更栃木へ帰るのも
不安が伴うというが、私も32年間の都会暮らしをして、よく考えもせず縁の無い場所へ田舎暮らしを始めたクチだ。

久し振りのお便りは、春の嵐にまごまごしている自分に咲きそろった桜の花を見たような
ほのぼのとして嬉しい気持ちを届けてくれた。