北海道の山野でとことん遊ぶ!!
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2016.8.13 『楽古岳』(1,472m) 《盆休山旅⑤-②》
『楽古岳』も約20年前に一度登っている。
しかしその時は、登山道が刻まれたメナシュンベツ川の上二股辺りから既に濃いガスに見舞われ、
全く印象に残っていない山だ。
それ故今回は新鮮な気持ちで登った。
6時30分、「楽古山荘」前の登山口をスタート。
前日きつい『神威岳』の登行を終えたばかりなのに、この日もHiromiは元気がいい。
スタートして古い作業道を10分ほど歩くと、「楽古岳登山口」の案内板がまた現れた。
「ここから作業道を離れ、入山ですよ」の意味か?
その後上二股までの間に、6回の渡渉を数えた。
しかし過去の記憶に照らし合わせると、渡渉の印象がない。
6回どころかただの1度も渡渉をしたという記憶がない。
人間の記憶の曖昧さに、改めて驚かされた次第だ。
7時10分、上二股。
そしてそこにも「楽古岳登山道入口」の古い案内板が。
随分「登山口」の多い山だなあ。
さて、この上二股から一気に800m標高差の急登だ。
沢を離れてしばらくは大きくジグを切って登るが、すぐにほぼ直登となり、グイグイ高度を上げて行く。
暑いが樹木がまばらで美しい周りの環境が和ませてくれる。
そして標高1,100m辺りで一旦開けたところに出て、上部の尾根を確認できる。
ここで休まない登山者はまずいないだろう。
ホッとする場所だ。
しかしその標高から察しても、登りはまだまだ。
再びグイグイ登り、
8時30分、1,317m標高点。
ここが上二股からの終着点となり、あとは頂上を目指して一直線だ。
けれど樹木が多く、なかなかすっきりとしたところを歩かせてはくれない。
そして残り100mを切るとようやくハイマツの背が低くなり、快適に歩を進め、360度視界を遮るもののない頂上に飛び出す。
9時5分、頂上。
そこには絶景としか言い様がない見事な山岳美が待ち構えていた。
いい山だねえ~っ!!
おまけに風がなく人もいない。
実にゆったりできる。
そんな頂上でいつものようにインスタントラーメンを食べ、40分ほど滞在して下山を開始。
しかしその頃には暑さで湧き上がるガスが、東から山全体を包み始めていた。
いやあ、いい時に頂上に立ったねえ~
Hiromiと上機嫌で下山。
11時50分、「楽古山荘」登山口。
いやあ、実にいい山だったねえ・・・
2016.8.12 『神威岳』(1,601m) 《盆休山旅⑤-①》
私は毎回山行を終え、帰宅してから写真を整理してblogをアップする。
従って、今回のような盆休みは山旅を続け、本日帰宅してのUPとなるので、遅れて申し訳ない。
7~8月の間、土曜も祝日も出勤で、おまけに早出残業の現勤め先も、盆休みは長い。
11~16日までの6連休。
11日の午前中、女房と墓参りを済ませ、午後Hiromiを拾って南日高を目指した。
いつも女房には申し訳ないと思っている。
女房だって貴重な休みなのに、どこへも連れて行かず、ただただ山を目指す。
ごめんなさい。
そしていつも快く送り出してくれてありがとう。
南日高は遠い。
歳とともに運転が辛くて辛くて。
旧三石町荻伏から「神威山荘」に向かう林道を目指す。
そして舗装道路終点から狭い林道となるが、この林道が怖くて長い。
私にとって20数年ぶりの再訪であったのだが、こんな怖い林道だったろうかと???
林道はシュオマナイ川の右岸から始まり、左岸また右岸と繰り返すのだが、
その行程のほとんどがシュオマナイ川の谷底からそそりたつ絶壁に刻まれている。
よくもまあそんなところに林道を刻み付けたものだ。
私の車は運転席が高いので、林道脇の谷底が随所で見られる。
その光景はしつこいが怖い限りで、翌日それをまた戻ることを思うと憂鬱になる。
なのによ、助手席のHiromiはだよ、そんな光景を目にしているうちに眠りこけてしまった。
まあまあ心臓強いと言うか、無神経と言うか・・・
さすが「天然女王」!
以上のような訳で、運転に自信がない方は近づかない方がいい。
「神威山荘」に着いて車のメーターを見ると、舗装終点から20kmも走っていた。
長く感じたはずだ。山荘前には5台の車があり、なんだか賑やかそうなので、少し戻ってゆっくり車中泊。
12日朝6時、神威山荘前の登山口をスタート。
20数年前の記憶をたどりながらの入山も、まるで記憶がなく新鮮そのもの。
最初の渡渉から沢の幅が以前は今の倍以上あったと記憶していた。
その後古い作業道を歩き入渓するのだが、入渓とは言っても沢靴は必要ない。
渡渉を繰り返すものの、スパッツを付けていれば靴中を濡らすことはない。
沢中の面倒な部分は巻き道が備わっているので、ピンクテープを見逃さなければ楽に進める。
8時ちょうど、尾根取り付き点。
ここからは東に向かう尾根の急登の連続で、一気に高度を稼ぐ。
この日ここを登っているうちに、『コイカクシュサツナイ岳』の夏尾根を思い浮かべていた。
登山道は全て笹で覆われ、足元が全く見えない。
そんな中を短パン素足で歩くのは我々くらいだろう。
怪我のリスクを覚悟の上で、暑さ対策のスタイルを貫く。
9時5分、尾根の頭。
ここまで登っても、まだまだ先は長い。
そして相も変わらず樹木とブッシュで見晴らしが利かない。
そんなこんなに耐えながら、
9時55分、頂上。
下から見ると晴れ渡っていた一帯も、気温の上昇とともにガスが発生し、頂上に到着した時点で何も見えなくなってしまった。
まあ、そんなもんだろうと納得し、早々に下山を開始。
何も見えない中を、ただ淡々と下る。
11時25分、尾根取り付き点。
ここでHiromiが膝の痛みを訴える。
沢は岩が多いので、下降時の段差が大きく、膝への負荷が増す。
慎重にゆっくりゆっくり下る。
13時30 分、登山口。
約20年ぶりの『神威岳』であったが、何も見えないその行程のつまらなさに、
何故約20年も登らなかったのかがわかったような気がする。
復路の林道は、往路同様ゆっくり運転で20kmを抜け出した。
下山してみると、Hiromiの脚には無数のスリ傷が見える。
「女性として汚い脚は困るだろう?」
と問うと、「これは私の勲章なんです」。
その考え方がHiromiをどんどん前に突き進ませる。
たいしたもんだあ・・・