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2016.8.16 『冷水山』(702m) 《盆休山旅⑤-⑤》

 

 旅の終わりはやはりここ・・・

  穂別の落ち着けるところで最後の車中泊をし、朝隣町の夕張へ。

私について山登りを学んできたHiromiも、私同様広いスキー場を登ることが好きになった。

「最後は冷水で締めるべ!」、「あいよ~っ!」

広いスキー場を抱いた山は本当に広々としていい。

山登りに取り付かれて毎週毎週山に向かう登山愛好家の中に、スキー場が好きだという人間は皆無だろう。

しかし、私はこの地に足を踏み入れるとホッとする。

とにかく広いところが好きだ。

以前ここを登っているときに珍しく出会った奥さんに、「どうしてこんなつまらないところに登るんですか?」

と、質問されたことがある。

(あなたはどれほどの山登りを経験しているんですか?)と、喉まで出かかったが、あやふやに答えて別れた。

この広々とした中を歩く楽しさは、私とHiromiしかわかるまい。

それでいい。

人それぞれ好みが違うものだ。

 

5泊6日の山旅の最後は全行程の締めくくり、クールダウンのつもりでゆっくりゆっくり登る。

登り始めてすぐ気付いたことがある。

シカのフンが見られない。

あれだけスキー場の斜面全体にあったフン。

それを避け続けることは不可能と思われるくらい、そこらじゅうにあったフン。

それが見られない。

時折古いものは目にするが、新たなものは皆無。

夏場は山に戻って行くのだろうか?

そして秋にまた戻ってくる?

フンを踏むのが嫌で、作業道を登下降をしたこともある。

しかし、できることならば緑の斜面を歩きたい。

  登行途中で一時直射日光に照らされて、ひどい暑さを感じたものの、頂上は日が陰り風がさわやか。

ゆっくり下山して、5泊6日の山旅を終えた。

 

 この盆休みはほとんど雨を心配することがなかった。

それどころか、ガスで展望は期待できないだろうとあきらめても、なんだかんだと見せるものは見せてくれた。

ありがたい限りだ。

楽しかった山旅を終え、午前中の早いうちに帰宅。

溜まった洗濯物、写真他のあとかたずけに追われた。

 

ここまでお付き合いいただいたみなさん、ありがとうございました。

Hiromiともども、深く感謝申し上げます。

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2016.8.15 『笹山』(806m) 《盆休山旅⑤-④》

 

 14日の夕方、新冠の「レコードの湯」で汗を流し、その広い駐車場から東に目をやると、

『笹山』の傾斜がゆるく、なだらかな山容を目にすることができた。

 

 15日の朝7時、林道ゲート前に駐車地を見つけてスタートした。

しばらくは林道を歩く。

そして7時30分、登山口。

登山口には古いが立派な案内板が立てられていた。

その後はしばらくシダ類の植生が多い中を歩くがシカが多いのだろう、獣道が複雑に発達していて、

登山道がどちらかと迷う場面がけっこう出てくる。

誠に緩やかに高度を上げてゆき、片道5.5kmほどの行程の殆どが樹林帯のため、遠望が効かない中、

気付かずに歩いているが、時折木の間越しに見え隠れする下界からは結構高度が上がっていることを認識できる。

この山はその名の通り笹の山であった。

登山道が刻まれたその笹原は、美しい場面もあるが、逆に鬱陶しい箇所もあり、それはそれなりに変化がある。

しかし、全く見通しが効かない中の歩行というのは退屈なもので、早く頂上に立ってしまいたいと気がせく。

そして突然前が開けたと思うと、目の前に巨大なアンテナが現れた。

NTTではなく北海道電力のものだったが、北電が何故こんなアンテナを・・・?

その北電の施設周辺は綺麗に除草されていた。

ところがそこからわずか30mほどの頂上までの間が放置状態で、

Hiromiの顔のあたりまでの笹がびっしり登山道を覆い尽くしている。

Hiromiはすっかり戦意を消失してしまい、「もうここでいい」。

私一人笹をかき分けて頂上へ。

振り返ると、じっとこちらを見ていたHiromiが、

「私のも行った方がいい?」、「写真撮るから来い!」。

8時55分、頂上。

その行程でいくら見通しがが効かなくても、頂上からの展望は期待するものだ。

しかし、ガスがかかってきたものの、ガスがなくてもほとんど何も見えそうにない。

即下山を開始。

淡々と下り、登山口から林道に出て下っていると、突然前方にヒグマが現れた。

背中が金色で、四足が真っ黒の若いヒグマだ。

我々の鈴の音に驚いて飛び出したのだろう。

そしてそのまま別の林道へ走り去った。

前日に続き、二日連続でヒグマに遭遇。

やはり日高は豊かだなあ。

 

 10時25分、ゲート前駐車地。

時間があるので途中昼寝をし、ゆっくり移動して穂別へ。

樹海温泉「はくあ」で汗を流したが、ひげを剃ろうと鏡を見て、「あっ、やられた!」。

大胸筋脇の辺りをダニに喰われた。

ダニにはこれまで10回ほど喰われており、たいして気にならない。

いつも胴体をむしり取り、頭だけ残していつしかそれが皮膚に埋没して行く。

私の体にはそんなダニの頭が10個ほど埋め込まれたままだ。

しかし今回は新聞にダニによる感染死が報道され、我が女房も黙ってはいない。

昨夜の夕食時、「私は体の中にダニがいる人と一緒に暮らしているの!?」

との発言に、初めて皮膚科を受診することを決意、今夕受診して切開、縫合をしてきた。

面倒なことに、1週間後また抜糸に行かなければならない。

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