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2018.10.8 『ピッシリ山』(1,032m)  雨に打たれ、ガスに見舞われて・・・

 連休三日目は『ピッシリ山』に登った。

この山に登るのは初めてだった。

以前に登るつもりで出かけたことはあったが、

朱鞠内湖のキャンプ場側から道々を走って登山口を目指すつもりも、

最終人家の先でゲートが閉じられ、

あっけなく中止となってしまった。

朱鞠内湖まで走って出鼻をくじかれると、

もう母子里側に回る気にはなれなかった。

更に遠隔地のこの山に向かった場合、

一泊二日で絡めて登れるのが『三頭山』だけというのもネックになっていた。

以上のことより、母子里を経て滝の沢林道に入ったのも初めてだった。

そんな初めての登山口を目指すのに、

少々戸惑ってしまった。

母子里から素晴らしい舗装道路を約12km走って、

朱鞠内湖に向かう道々に入るのだが、

この道々が砂利道で、道幅がそれまで走ってきた舗装道路より極端に狭く、

とてもじゃないが道々とは思えず、

ただの林道と解釈してしまい、

行ったり来たりを繰り返してしまった。

ただそれが前日の夕方だったから良かった。

 

 月曜の朝砂利道の道々から滝の沢林道に入った。

狭い林道で、対向車と鉢合わせしたなら交差できない。

そして林道終点が登山口となっていた。

そこには駐車スペースなぞ設けられてはおらず、

ただの林道終点だった。

先行者の車が一台止まっていた上地面はドロドロで、

それを交わしながら車のヘッドを来た方向に変えるのが大変だった。

 

 7時05分、登山口をスタート。

そしていきなり渡渉。

渡渉の場面ではいつもそうだが、

Hiromiが足を濡らすんじゃないかとヒヤヒヤする。

しかし難なくクリア。

紅葉が下草まで広がって美しい中を歩き、いきなりの急登だ。

おやおやこんな調子で尾根の上部に向かうのかと思いきや、

長くは続かず、すぐに平坦地となり、

おもに落葉樹の多い樹林帯を進んで行く。

そして登山道がよく整備されていることに驚かされる。

下草が丁寧に刈られ、全くうるさくない。

登山道整備に尽力してくださった関係方面の方々に、

心よりお礼を申し上げたい。

 

 そんな整備された登山道の歩行の中で雨が降り出した。

なんとも重苦しい気持ちの我々二人。

標高560m辺りで緩やかな登りから急登となった。

雨に濡れた粘土地が滑る。

Hiromiは両手を地面について登る。

そしてその高度になるとガスの中に入り、

益々気分は低下して行く。

もういつ中断しても構わない気持ちになる。

しかし標高800m位に達すると、雨は上がった。

この辺りからは樹木がまばらとなり、

登山道の両側にびっしりと密生する笹がなければ、

さぞかし朱鞠内湖の良い眺めを堪能できるだろうと想像させられる。

何も見えないガスの中は淡々と歩を進めるしかない。

時折上空に狭い範囲で青空が見え隠れするが、

決してその面積が広がることはない。

8時25分、「釜ヶ淵岳」。

ここで先行者に追いついた。

その後は我々が先を行くことになった。

「釜ヶ淵岳」を過ぎるとまあま、すごいアップダウンの繰り返しだ。

とにかく濃いガスで何も見えないので、

登っては下り、また登っては下り、またまた登っては下り・・・

「とにかく何でもいいから、ちょっとだけでも見せてくれ~」という願いも虚しく、

歩き続けて9時45分、『ピッシリ山』。

いつものように全身汗でずぶ濡れのHiromiはそこに長居できないので、

記念撮影をして即下山開始。

頂上から少し下っていくと、「釜ヶ淵岳」で一緒になった二人とすれ違った。

結局この日は我々と彼らの計4名だけの入山だった。

彼らとすれ違って少し進み、

着替えをするHiromiを残してゆっくり進む。

あいも変わらず辺りはガスの中だ。

その後着替えを終えて追いついてきたHiromiと、

またすたすたアップダウンを越えて行く。

そして「釜ヶ淵岳」が近付くと東側のガスが晴れだした。

山裾の紅葉が美しい。

そんな景色を楽しみながら、

「釜ヶ淵岳」でラーメンタイムを取るつもりだったが、

その前にまた雨が降り出した。

それで11時20分、「釜ヶ淵岳」をスルー。

その後朱鞠内湖の風景も少しだけ見せてもらった。

何も見えずじまいでなくてホッ・・・

 

 視界のない樹林帯に入ると雨の降り方が激しくなった。

しかしもうどうでもよく、ただ淡々と下る。

ところが登路で懸念した箇所で、Hiromiが苦戦を強いられた。

粘土質の急斜面での下りに四苦八苦している。

ところがその場面は下草の紅葉が美しく・・・

まあ、尻とザックをどろんこに染めて、なんとか下った。

12時25分、登山口。

 

 下山後ドロドロの登山口を即離れ、

車が一台も来ない道々に戻って片付けとラーメンタイム。

その後ひたすら車を走らせて、

新十津温泉で汗を流し、月形町で最終泊。

最終日の火曜はHiromiが午後、

札幌での会議に出席しなければならなかったので、

早朝馬追丘陵にてトレーニングをして解散と思っていたが、

火曜の朝も雨降り。

無理をすることはないので、

そのまま帰宅して4日間の山旅の後始末に精を出した。

  帰宅後『ピッシリ山』に関するGPSデータをHiromiが送ってくれた。

それにると、

歩行距離17.1km(往復)

累積獲得標高1,321m

この山の登山口の標高が約380m。

従って頂上との標高差はわずか652mだ。

それが累積獲得標高で1,321mという数字が出るのだから、きついはずだ。

今度は晴れた日に素晴らしい景色を見ながらこの山を歩くぞと、

その夜の「サイゼリヤ」でHiromiと誓った。

尚、帰宅してわかったのだが、我々が『天塩岳』に登った日、

岳友の「watanabe」君が『ピッシリ山』に登っていた。

そこには美しい山岳風景が広がっているので、

ぜひご覧いただきたい。

 

 

 

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