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2020.3.15 『413mP』(点名:凡当別)~『別狩岳』(666m)  美しき周遊ルート

 日曜の朝、当別の「青山ダム」は気温が-8℃。

ちょっと前ならたいした冷えとも感じなかったが、

しばらく暖かい日が続くと、

こんな程度でもやけに寒く感じるものだ。

おまけに空が快晴なので、

放射冷却のイメージが更に寒さに拍車をかける。

そんな寒さの中私は目覚ましのアラーム音で、

すぐに起き出すのだが、

Hiromiは絶対に自分からは起きない。

コンタクトだ化粧だと時間がかかるのはHiromiの方なのだから、

積極的に起床してもらわなくては困る。

この朝も私が「起きれーっ!」と号令をかけた。

 『別狩岳』は好きな山の一つなので、

毎年積雪期に登っている。

通常は東側からのルートを考えるが、

西側から登った御人がいる。

「道北ヤブ山日記」のOgino君だ。

東側は麓の地形が複雑な上、

奥に入ると急峻な尾根や斜面に覆われているので、

地形図からルートを選定するのは大変難しい。

卓越した知識や経験をもった熟達者が、

勘を交えながら登る山と言った方がいいだろう。

たかだか666mの山なのだが、

本峰と周辺はその標高には似合わない難しさと、

雄大な風景を備えた見事な山域だ。

そんな『別狩岳』に今回は、

北側の尾根から登って稜線に上がり、

稜線を歩きながら雄大な風景を楽しんで『別狩岳』に立つ。

そして下山は南側の尾根を下る。

つまり周遊ルートで楽しむことにした。

登路の途中に三角点を有する、

「413m」ピークがあるのでそれを越えて進む。

 6時30分、青山ダム湖畔に続く林道入口をスタートした。

林道が左から右に曲線を描き始めたところで、

左手の樹林に入って針葉樹の尾根を進む。

すぐに林道と交差するがそれを渡って更に尾根を進む。

尾根は一旦青山ダム側が開ける。

そしてそこから尾根の急登が始まる。

尾根は急登から平坦地へ、

そしてまた急登となり、

7時50分、三等三角点「413mP」(点名:凡当別)

このピークからは青山ダム周辺の風景が見渡せる。

そんな風景を楽しんだあとは、

この日の核心部に入る。

細尾根が続き緊張する場面が続く。

雪が締まっている時なら良いのだが、

今回は先週の暖気で緩んで凍った雪面に、

週末の新たな降雪で滑る。

一人ならばなんでもないところでも、

Hiromiが一緒だと「もしも・・・」ということが常に頭をよぎる。

そんな心配な細尾根が次から次へと現れ、

Hiromiはスノーシューをザックにくくりつけて歩を進めた。

従ってこの細尾根地帯の突破に時間がかかった。

そしてCo.430で細尾根を抜けた。

ここからは広々とした尾根を登る。

傾斜があるので一歩一歩ゆっくりとした足取りになるが、

背後には登るほどに下界の風景が見事に広がる。

9時15分、Co.600で稜線に上がった。

そこからは北の増毛山地の風景が一気に広がる。

また周辺の風景も迫力満点で迫る。

さて、稜線を南に向かって『別狩岳』を目指すのだが、

ここで雪質が変わった。

深雪の中にスノーシューがズブズブ飲み込まれる。

一歩一歩ゆっくりでなければ歩けず、

まるで牛歩の足取りだ。

それでも体重の軽いHiromiはラッセルを交代しても、

まるで呼吸が乱れない様子。

しかし辺りの風景はどこもここも美しく・・・

それにしても良い天気!

このところ週末の土日のいずれかが、

素晴らしい晴天に恵まれてきた。

誠にありがたいことだ。

そんな感謝の気持ちを込めて一歩一歩足を前に出す。

稜線上は毎年凄まじい大きさの雪庇が発達するのだが、

今年の異常な少雪の通り雪庇は小さいどころか、

ほとんど発達していない。

10時25分、二等三角点『別狩岳』(点名:二番川)

晴れ上がった上に風もほとんどない。

しかしこの先にも不安ごとがあるので、

長居はせずに下山を開始した。

頂上より一本南側の尾根を下る。

これがまた細尾根で、

何度もこの山に登ってきたHiromiは、

はじめからこの下りを気にかけていた。

この後そんなHiromiの不安が的中した。

異常な少雪は細尾根に幅広の雪をまとうことなく、

あくまでも細いままで落ち込む。

これには私も恐怖を感じたが、

それをクリアしなければ下山はできず、

一歩一歩Hiromiが足を置きやすいようにステップを刻むべく、

深く蹴り込んで慎重に下る。

そしてHiromiが下りてくるのを見守る。

危険箇所をなんとかクリアしてスノーシューを装着した。

11時20分、「586mP」。

ここは明確なピークで、東側にオープンバーンが広がっている。

すごい高度感を感じるところで、

下界に吸い込まれていきそうな感覚を覚える。

それを快適に下り、更に急斜面をどんどん下って行く。

雪が少なすぎて雪崩の心配もない。

砂金沢が近付いた頃、突然ヒグマの足跡が現れた。

今年初めて目にするもので、

我々が向かう方に足跡が続く。

その痕跡からしてたった今通っていった様子。

足跡は砂金沢を渡っても尚我々の進路に続いていた。

そして突然体を翻して樹林帯に入っていった。

おそらく我々の鈴の音を耳にして立ち去ったのだろう。

 12時15分、駐車地。

素晴らしい天候に恵まれた、

誠美しい山旅に感謝!

楽しかったねえ~

帰宅後はHiromiと「サイゼリヤ」で乾杯だが、

「サイゼリヤ」にもだいぶ客が戻ってきたことに「ホッ・・・」

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