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2019.10.6 『支湧別岳』(1,688m)  パンケ支湧別林道は崩壊していた

 今回の週末はHiromi が土曜出勤で、

月曜が代休と決まっていたので、

私も月曜に休みを入れておいた。

 

土曜日は終日雨模様だったため、

トレーニングもやめて、

久しぶりに在宅で家の用事を済ませた。

そして夕方、Hiromi を迎えに行き、

北大雪に向かって車を走らせた。

『天狗岳』の麓で車中泊し、

日曜の朝、『支湧別岳』の登山口に向かった。

この山には数回登っているが、

最後に登ってから6年が過ぎている。

このところあちこちで林道の決壊や廃道を目にしてきているので、

今回の登山口に向かう林道にも不安があった。

そしてその不安は的中した。

林道を進んでいくと、

登山口の3.6km 手前に鎖のゲートが設けられ、

きっちり施錠されていた。

幸いなことにゲート手前に駐車地にが確保できたので、

そこから歩くことにした。

7時ちょうど、ゲートを徒歩でスタート。  

歩き始めてすぐに林道決壊箇所が現れた。

なるほど、林道がパンケシユウベツ川に崩れ落ちていた。 

ここは右岸の笹を掻き分けて先の林道につなげる。

しかしその後も林道が消失した箇所が次々に現れる。

その中には橋げたが半分残ったものが二ヶ所。

橋がまるごと流されてしまったものが一箇所。

この「パンケ支湧別林道」は完全に崩壊だ。

おそらく3年前の台風がもたらした災害であろうが、

その凄まじさに改めて驚かされた次第だ。

今は優しい沢ゆえ想像がつかない。

数度の渡渉でHiromi が靴中を濡らしてしまった。

しかし撤退はなし。

探検じみた3.6km の林道歩きを終えて、

8時05分、登山口。

以前はこの登山口まで車で入ることができたことが不思議に思える。 

登山口で最後の渡渉を終え、

ようやく登山道を歩き始めた。

登山道はしばらく古い作業道を利用して刻まれ、 

ジグを切って登る。

そしてCo.800で、突然急登となる。

この急登は稜線に上がるまで続く。

それは標高差が800mに及ぶきつい行程で、

ゆっくりゆっくり歩を進める。

ただHiromi は相も変わらず元気でどんどん先を行く。

辛い登りのなかで唯一楽しみがある。

それは尾根筋に広がる緑色のコケだ。

これが誠に美しく、辛い状況をなごませてくれる。  

そして時折木々の間から見える風景が見事だ。

また、辺りはCo.1400 辺りから木々や地面に氷が現れ出した。

地面の氷は登山靴のソールを滑らせ、

なかなか前に進まないし、

足元が非常に不安定で怖い。

気温が低く、その時点では皆凍ったままだ。

10時10分、稜線上。

ここで一気に南から東にかかけての視界が開けた。

あとは稜線を西に向かって頂上を目指すだけ。

稜線をゆっくり詰めて、

10時25分、『支湧別岳』。

Hiromi が歓声をあげる。

「すごい!」

そこには360度遮るもののない世界が広がっていた。

見事な西の『ニセイチャロマップ岳』への稜線。

その北側には『ニセイカウシュッペ山』を中心とした北大雪の山々。

南には高い『武利岳』。

また北西には天塩山地が近い距離で見えている。 

いくら見ていても飽きない風景が広がる。

気温は低いが風はほとんどない。

ゆっくりラーメンタイムをとり、

のんびりした時を過ごした。

そして11時、下山を開始。

下山は稜線からの凍った急下降が危険だ。

もうよちよち歩きでさっぱり進まない。

登りでは私を置いてどんどん登っていくHiromi だが、 

この下山には時間がかかり、  

なかなか下りてこない。

しばらく先に下りては待つことを繰り返す。

12時45分、登山口。

そしてまた複雑な地形の林道歩きだ。 

数度の渡渉を繰り返し、

13時55分、駐車地。

そこでHiromi が、

「ああ、おもしろかったあ!」

よかったぁ・・・

あとかたずけを済ませて入浴だ。

駐車地から約30km走って丸瀬布の温泉まで行かなくてはならない。

昔は地元白滝に「白滝グランドホテル」があり、

500円で入浴できたものだ。

それが閉館となってから、

もうかれこれ10年ほどが過ぎただろうか?

遠路の湯に浸かり、再び『天狗岳』の麓に戻っても、

まだ日暮れ前だったことが幸いだった。

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