クライミングロ-ド2020秋 ②
◆2020/11/5 天狗山ダイレクト
遠路、「野猿返し」に行くのならと計画したのが「天狗山ダイレクト」
往年の登路を近年、山岳ガイドの佐藤勇介氏が整備したという。
さらに2020年夏には巻き気味に登っていた山頂直下の岩壁を直登すべく再整備。
HPで詳細が公開されている。
題して「天狗山ダイレクトダイレクト」
佐藤勇介氏のHPはこちら
面白いネ-ミングに加えてこの手の登攀が大好物のsakにとって非常に気になる1本。
思い起こせば8年前、「男山ダイレクト」も楽しかったなぁ。
こうなれば、行かない理由はない。
というか、行きたい。
否、行くべきだ。
馬越峠に車を止めて天狗山登山道を山頂に向けて40分ほど。
山頂直下の鞍部から踏み後を拾って下降。
ピンクテ-プがしっかりあって、迷うことはなかった。
右にケルン、そこからトラバ-ス。
踏み後は薄く目印はないが、迷うことなく取り付き。
左手下にボルダ-チックな岩が、”デン”と横たわっているのでわかりやすい。
1ピッチ
階段状の岩場を行く。
条件が悪ければ左から巻いて、実質登攀開始の2ピッチ目からスタ-トすることもできる。
2ピッチ
ここは正面のリッジと左凹角を行く2ル-トがあるらしい。
素直に行くと正面リッジかと思うが、どうやら左凹角の方がオモシロイみたい。
ということでここはオモシロい方へ賭けてみる。
右のクラックにカムで支点を得ながら、5mくらい上がり左フェイスに乗り移る。
フェイスにはハ-ケンが二か所あり、それに導かれ右上。
凹角へ戻るように行き、最終的にリッジへ乗って松の木でピッチを切る。
3ピッチ
正面岩稜を右に巻き、右側壁のクラックを行く。
手がかりは豊富なので、快適な登り。
4ピッチ
岩交じりの稜をコンテでしばらく歩く。
5ピッチ
「門」と呼ばれる岩塔。
ワイドクラック右の階段状から行く。
最終的にはワイドクラックを跨ぎ乗り越すことになる。
支点は残置ハ-ケンを利用。
6ピッチ
尾根上の歩きピッチ。
次第に三段岩壁が見えてくる。
ここで小休止。
7ピッチ
三段岩壁の1~2段を行く。
1段目は立っているものの、しっかりしたハンガ-が二つ。
手がかり足掛かりは多いので、楽しい。
2段目の正面リッジは今にも崩れそう。
そこで、左にトラバ-ス。
階段状を上がって、松の木でピッチを切る。
8ピッチ
三段岩壁の3段目。
正面壁は脆いハングが威圧感を放っている。
その左。スラブにボルトがあって、そこから回り込む。
クラックもあるのでカムが有効。
立ち木で切る。
9ピッチ
階段状の岩場。
miyさんにロ-プワ-クの練習をと、リ-ドを頼む。
樹林帯に入って、終了。
あとは尾根を伝って祠がみえたら山頂は一投足。
見晴らしのいい、天狗山山頂だ。
昨日は昨日で最高だったけど、今日も最高だ。
乾いた岩、尖ったリッジ、傾斜の強い壁に程よいガバ。
クライミングを楽しめる要素が満載の二日間だった。
そうして山旅と山旅の間に現実が加わる。
山と日常と、どちらが自分の本質か。
とかく日常は同じようなことの繰り返し。
夜、第三のビ-ルはまぁまぁ旨いけど、一日を振り返ればウンザリしてしまうことが多いものだ。
しかし、次なるル-トに想い馳せながら過ごすそれは、満更退屈ではなかった。
sak