エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

良い良心は、嬉しい!

2016-01-10 17:19:35 | アイデンティティの根源

 

 

 
ガンディーの実験
  人々の倫理的な力を呼び覚ますガンディーの内的な力とは、いったいどういうものなのでしょうか? p240第2パラグラフ。  &...
 

 ルターは、対等な関係を大事にしていました。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.250の、19行目途中 から。

 

 

 

 

 

ルターは、とある憂鬱な諸侯に宛てて、次のような手紙を送っています。「良い良心があれば、幸せになれるということは分かります」。そして、こう付け加えます。「幸せになることを避けたり、1人になって、憂鬱になったりすれば、どれだけ若者を傷つけるかは、誰にもわかりませんからね。…私はこれまで、喪と悲しみの中でわが人生を過ごしてきましたけれども、今はいつでも、見いだせる時には、悦びを見つけ、受け止め様としています。」

 

 

 

 

 

 

 ルターは、もともと、とっても悪い良心でしたのに、結婚生活を始めた頃には、良い良心に、変わることが出来ました。親替え、2度生まれ、と呼ばれるものですね。そうすると、悦びを、いつでも見出す生活になります。これは、良い良心を育むことが出来れば、どなたでも出来ることではないかと思います。

 

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ジョアンとエリックは、文字通り、シェークスピア以上!

2016-01-10 10:36:24 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
ガンディーの実験
  人々の倫理的な力を呼び覚ますガンディーの内的な力とは、いったいどういうものなのでしょうか? p240第2パラグラフ。  &...
 

 エリックとジョアンは、車でお出かけしましたとさ。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.2の、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 バークレーの丘から南サンフランシスコの駅までのドライヴは、結構長距離ドライヴになりました。その時間を、ライフサイクルの理論の地図とその講演について、あれやこれやと議論するために使いました。私ども2人が嬉しかったのは、あの偉大なシェークスピアが「人生の7時代」を書いた時に、シェークスピアは、よりによって、「遊ぶ舞台」を、人生の7時代に入れるのを忘れている、って、思い出したことなんですね。私ども2人は、遊びの舞台を、第3舞台として、私どもの「人類皆兄弟」に、シェークスピアよりも近い、モデルに、チャァンと入れています。なぁんて、素敵な逆説でしょう。おそらく、子どもの生活の中でも、大人の生活の中でも、シェークスピアは、遊びの役割がよく分からなかったんでしょうね。私どもは、愉快な気分、よくぞ気付きた、って感じでしたね。

 

 

 

 

 

 遊びの舞台を、人生の舞台に入れたことは、実に偉大だったと思います。ジョアンとエリックは、文字通り、シェークスピア以上です。

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MDMA(エクスタシーと言う麻薬)が魔法の薬になりませんように

2016-01-10 09:45:54 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
訓練して身に着けなくちゃぁならない ご大切 改訂版
                        冬来たりなば春遠からじ 今日から第1章。6ページの短い章。 p.1冒頭から。  &nbs...
 

 脱感作は、鈍感になること、マインドフルネスは敏感になること。

  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.226の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 それにもかかわらず、向精神薬は、強力な薬物ですが、困った歴史も持ち合わせています。向精神薬は、管理が行き届かなかったり、治療の枠組みが守れなかったりすると、濫用されやすい。MDMAも、パンドラの箱から飛び出した魔法の薬になりませんように、と祈りたいような気持ちです。

 

 

 

 

 

 MDMAも、効く薬は効く薬ですけれども、効くだけに、濫用が怖いみたいですね。

 

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ニッポンの教育の最大の課題

2016-01-10 05:23:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
曲がり角の先
  臨床心理士の先輩から、年賀状をいただきました。そこには、朝ドラ「花子とアン」で繰り返し出て来た言葉が出てきました。それは、「曲がり角をまがった先に、何があ...
 

 昨日のNHKの「戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 未来への選択(5)教育」は、全くの期待外れの中身でした。知識と考えること。詰め込み教育からゆとりの教育、そして、子どもの貧困に対応しきれない今の公教育制度という議論の流れに、それは、もう聞き飽きた、と感じましたね。今の状況は、もっと深刻なのに、こんな番組構成では、上滑りで平板な番組だ、と強く感じましたね。

 なにも、子どもの貧困の問題が軽い問題だと申し上げているんじゃぁないんですね。非常に深刻な問題であることに間違いありません。しかし、それが最大の問題じゃぁないのが、日本の公教育の深刻な問題なんですね。つまり、お金がないので、貧困家庭の子どもたちは、塾にも行けない、塾にも行けなければ、十分な学びが出来ずに貧困が連鎖してしまう、という話が最大に深刻な課題ではない

 日本の学校は、一斉授業。教員が、授業課題を黒板などに書いて説明し、子ども等はそれを聴いて、ノートに書き写して、勉強を進めるのが、基本的なスタイルでしょ。時間割、年間予定、ルール、など、教員と子どもが共有しなくちゃいけないものだらけですよね。子ども、教員、が、何かを≪共に見る≫ということが、日本の学校では非常に多い。つまり、日本の学校は、3項関係のシステムです。子どもと教員と授業・時間割・年間予定・ルール…等の三角形の関係での関わりだらけです。

 したがって、日本の学校は、子どもは3項関係のシステムでやっていける、と言う前提で、作られている、と言える訳ですね。ところが、この前提が、壊れているのがニッポン社会です。すなわち、この3項関係ではやっていけない子どもが非常に増えていて、子どもも教員も管理職も心を痛めている学校ばかりです。それは、達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちなんですね。達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちは、一対一の2項関係がない、あるいは、非常に不十分なわけです。その子は、原則として3項関係の中では、何にもできないんですね

 しかも、達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちが少数ならば、まだいいかもしれません。私の臨床的な直感で申し上げれば、重度の達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害から、軽度の達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害まで含めれば、半分くらいかそれ以上の子ども等が、達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害なんですね。

 したがって、ニッポンの公教育のシステムは崩壊しています。これが最大の教育の課題だと、私は申し上げているんですね。

 しかも、達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子ども等は、3項関係のシステムに乗れないばかりか、乗せようと強制することが、アメリカ精神医学界やアメリカこども虐待専門家協会が、「やってはならない」「禁忌」としていることなんです。大事なのは、一対一の関係を育むことですし、一対一の関係を育むために必要なのは、≪陽気で楽しいこと≫なんですね。私はよく冗談めかして、「いま小学校では、勉強している暇など、ないはずです」と申し上げているくらいなんですね。

 今にニッポンの学校では、個別に≪陽気で楽しい≫プログラムを用意して、2項関係を子どもに身に着けてもらうことが、何よりも求められている時代です。

 


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