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曲がり角の先
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臨床心理士の先輩から、年賀状をいただきました。そこには、朝ドラ「花子とアン」で繰り返し出て来た言葉が出てきました。それは、「曲がり角をまがった先に、何があ...
昨日のNHKの「戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか 未来への選択(5)教育」は、全くの期待外れの中身でした。知識と考えること。詰め込み教育からゆとりの教育、そして、子どもの貧困に対応しきれない今の公教育制度という議論の流れに、それは、もう聞き飽きた、と感じましたね。今の状況は、もっと深刻なのに、こんな番組構成では、上滑りで平板な番組だ、と強く感じましたね。
なにも、子どもの貧困の問題が軽い問題だと申し上げているんじゃぁないんですね。非常に深刻な問題であることに間違いありません。しかし、それが最大の問題じゃぁないのが、日本の公教育の深刻な問題なんですね。つまり、お金がないので、貧困家庭の子どもたちは、塾にも行けない、塾にも行けなければ、十分な学びが出来ずに貧困が連鎖してしまう、という話が最大に深刻な課題ではない。
日本の学校は、一斉授業。教員が、授業課題を黒板などに書いて説明し、子ども等はそれを聴いて、ノートに書き写して、勉強を進めるのが、基本的なスタイルでしょ。時間割、年間予定、ルール、など、教員と子どもが共有しなくちゃいけないものだらけですよね。子ども、教員、が、何かを≪共に見る≫ということが、日本の学校では非常に多い。つまり、日本の学校は、3項関係のシステムです。子どもと教員と授業・時間割・年間予定・ルール…等の三角形の関係での関わりだらけです。
したがって、日本の学校は、子どもは3項関係のシステムでやっていける、と言う前提で、作られている、と言える訳ですね。ところが、この前提が、壊れているのがニッポン社会です。すなわち、この3項関係ではやっていけない子どもが非常に増えていて、子どもも教員も管理職も心を痛めている学校ばかりです。それは、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちなんですね。発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちは、一対一の2項関係がない、あるいは、非常に不十分なわけです。その子は、原則として3項関係の中では、何にもできないんですね。
しかも、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子どもたちが少数ならば、まだいいかもしれません。私の臨床的な直感で申し上げれば、重度の発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害から、軽度の発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害まで含めれば、半分くらいかそれ以上の子ども等が、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害なんですね。
したがって、ニッポンの公教育のシステムは崩壊しています。これが最大の教育の課題だと、私は申し上げているんですね。
しかも、発達トラウマ障害(DTD)≧愛着障害の子ども等は、3項関係のシステムに乗れないばかりか、乗せようと強制することが、アメリカ精神医学界やアメリカこども虐待専門家協会が、「やってはならない」「禁忌」としていることなんです。大事なのは、一対一の関係を育むことですし、一対一の関係を育むために必要なのは、≪陽気で楽しいこと≫なんですね。私はよく冗談めかして、「いま小学校では、勉強している暇など、ないはずです」と申し上げているくらいなんですね。
今にニッポンの学校では、個別に≪陽気で楽しい≫プログラムを用意して、2項関係を子どもに身に着けてもらうことが、何よりも求められている時代です。
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