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なんと空しいことか 改訂版
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なんとむなしいことか、と言うと、ニヒリズム、と思われるかもしれませんね。 1月17日を迎えて、また、まもなく、3.11を迎えるにあたって、4年前の文書をい...
宮田光雄先生(コラムの写真が、宮田光雄先生)が、昨年末に岩波書店から『カール・バルト 神の愉快なパルティザン』を上梓されました。御年87才。目黒教会などで、講演を一、二回伺っただけですけれども、学生時代から、繰り返し、絶えず読み返している先生のお一人です。厳しさと優しさを兼ね備えていることが文体に滲み出ている感じの方ですね。宮田光雄先生は、アベ・詐欺師ちゃんのことは「デマゴギー」(大ウソつき)とハッキリとおっしゃいます。
3.11のすぐ後も、岩波の総合雑誌『世界』(No.817, 5,2011)(東日本大震災・原発災害 特別編集 生きよう!)で、「いま人間であること」という文書を寄稿しています。宮田光雄先生は東北大学名誉教授で、仙台にお住まいです。3.11の時には、書庫で本の整理をしていたとか。崩れ落ちてきた、大量の本の下敷きになったそうですが、幸い、ケガはなかったとのことです。お家も守られました。
宮田光雄先生のところに最初にあった見舞いの電話は、ドイツの国際政治学者からのものだったそうです。その方は、原発の影響を心配していたそうです。「原発からどれくらい離れているのか?」と問われて、宮田光雄先生が、フクシマからの距離が「だいたい百キロメートルぐらいだと思う」と応えたそうです。すると、「近い!」と怒鳴られたと言います。
宮田光雄先生は、「私たちが現に生きている文明社会は、自然を破壊し、自然から収奪することによって、今日まで成り立ってきました。…資源と環境とをあまりにも自己本位で濫費してきたのです。…今回の出来事は、これまで私たちが無視してきた自然の大きな力によって、しっぺ返しを食らったというのが真実ではないでしょうか」と言います。傾聴に値する大切な言葉ではないでしょうか?
宮田光雄先生は、3.11後すぐに、「内村鑑三が関東大震災の折に『聖書之研究』誌に書き綴った文書を」読み直したそうです。さすがですね。宮田光雄先生の恩師が、南原繁。南原繁の恩師が内村鑑三ですからね。そして、宮田光雄先生は記します。「彼は、大震災に『末日の模型』を見ながら、なお、それを通して『より善き、より潔き日本が現われんとしている』と励ましと希望をつたえています」、と。
そして、宮田光雄先生は「地球市民としての連帯性に生きる責任を担う」ことを提案されています。
「加藤周一さんの『メタノイア』」を書こうと思ったのに、結果として、「宮田光雄先生の3.11」を書く結果となりましたね。
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