エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

眼の前の子どもの見方が、180度転回する時。

2016-01-23 11:07:51 | アイデンティティの根源

 

 

 
≪自分を確かにする感じ≫ 負けるが勝ち 改訂版
  ≪自分を確かにする感じ≫。聴いたことないでしょ? これは普通「アイデンティティ」と言われている言葉の本来の訳語とすべき言葉です。元の言葉は a sense o...
 

 

 私どもは、いまここに踏みとどまるからこそ、希望を抱き続けることが出来る、ということを忘れてはなりません

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.253の、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 この本の中で私が描いたのは、ルターは、かつてはビクビクした子どもでしたが、キリストの十字架の苦しみを学ぶ中で、キリストがお生まれになった事の一番大事な意味に、ルターが如何に気付いたのか、ということです。そして、私がお示ししているのは、フロイトの内省法をしていけば、人間が抱えている葛藤を安全にコントロールできるようなる、ということですが、それは、子どもの頃に大事にされたり、激しい怒りを抱いたりした境を明らかにすることによつて、初めてできることですよ、ということです。ルターもフロイトも、2人とも、 「心の中にも、あの子どもが独りおいでです」ということに気付いたんですね

 

 

 

 

 心の中にも、あの子どもが1人いることに気付くこと、それが、眼の前にいる子どもの見方が180度転回する時です

 これは、コペルニクスの転回です。

 

 

 

 

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人生の巡り合わせの地図が出来るまで

2016-01-23 10:11:40 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
自分を確かにする感じって、革命的!
  ルターは、本気になる前と後では、全くの別人。本気になることって、とっても大事。 p177冒頭から。   &n...
 

 エリック・エリクソンが慎重な者の書き方をするのは、もともと不安が高がったことの名残、と考えることが出来ます。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.5の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私ども2人の人生の巡り合わせの地図の8番目の舞台と、この舞台にある強さを振り返る時の私の目的は、今エリックと私が、いわば「たどり着いた」、意義深くて、大切な食い違いを明らかにする、ということです。私の注釈は、エリックの言葉と照らし合わせて、書いたものです。そのエリックの言葉とは、「人生の巡り合わせを私どもの時代に完成させたいという試みが本当に適当で、理に適ったものなのか」という言葉ですが、私はこのエリックの言葉を振り返って、照らし合わせをしたんですね。

 

 

 

 

 

 人生の巡り合わせの地図が、いかにエリクソン夫妻の共同作業だったかが分かりますね。

 

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言葉の力  あるいは、「なんでうちの子は育たないのか?」 改訂版

2016-01-23 07:34:35 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
エーリッヒ・フロムのパレーシア
  眼に見えるモノに目暗ましを喰らっている内は、人を大事にすることに注ぐべき精力が0ってことにもなりかねません。 p5最後の行から。 &nb...
 

 

 言葉の力。

 『旧約聖書』の「創世記」によれば、神様が最初にしたことは、言葉を話したことでした。最初の言葉は「光あれ」だったと言います。すると、光が出来たと言います。神様の言葉には、≪出来事≫を生み出す力があります

 最近のニッポンの状況ですと、ウソとゴマカシだらけでしょ。アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちにような人たちは、言ってることは、日本市民を騙すことばかりですから、言葉は人を欺くものだと言う方が当然になっています。東電、東芝、東洋ゴム、西武学園、三井不動産レジデンシャル、化血研(化学及血清療法研究所)…、キリがありませんが、言ってることとやってることが真逆でしょ。ウソとゴマカシが言葉の目的と考える方が自然みたいな時代です。

 しかし、本来の≪約束≫の言葉は、神様の言葉と同様、≪出来事≫を生み出す言葉です。日本語でも、信じるとは、「人が言う言葉」という漢字「信」から出来ていますし、 「言霊」というものがある位ですから、今の時代状況の方が「狂気」なのであって、やはり、言葉は≪出来事≫になるものだ、と言う考えが、もともとありましたよね。

 しかし、この≪出来事≫になる言葉は、「頭で理解する言葉」ではありません。 「心で感じる言葉」、「身体で生きてみる言葉」です。言葉を換えれば、≪出来事≫になる言葉は、客観的真理を伝える言葉ではなくて、人格的真理をもたらす言葉です。

 子どもは、不思議なことですが、この≪出来事≫になる言葉に敏感です。この≪出来事≫になる言葉は、人を育てる言葉だからでしょう。育つと言っても、その根っこには、いつでも信頼が必要でしょ。≪出来事≫になる言葉ほど、信頼に値する言葉はないのですからね。

 子どもが育たない、と嘆いているお父さん、お母さん。ぜひ、自分が≪出来事≫になる言葉を生きているのか?と自分に問うてみてください。すると、 「なんでうちの子は育たないのか?」かが、ハッキリ分かりますよ。

 

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クライアントが教師になる時

2016-01-23 03:17:54 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
自分を確かにする感じって、革命的!
  ルターは、本気になる前と後では、全くの別人。本気になることって、とっても大事。 p177冒頭から。   &n...
 

 発達トラウマ、愛着障害に、効く薬はありません。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.229のブランクの後から。

 

 

 

 

 

快復の道は命の道

 

この本の第1章で、私はビルと言う名のクライアントをご紹介しました。ビルは30年以上前に在郷軍人局で会いました。ビルは私の長年付き合っているクライアントの教師になりました。私ども2人の関係も、発達トラウマ治療を私が進めていく際の血となり肉となりました。

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授は、ボストン大学医学部の教授ですが、患者、Patient クライアント≪苦しみの場に踏みとどまる者≫から学ぶことが出来る人です。だからこそ、全米の発達トラウマ治療の第一人者になることが出来たばかりではなく、その治療の世界的権威にもなれたのだ、と考えていいですね。

 

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