エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

親しくて、対等な関係

2016-01-09 12:04:29 | アイデンティティの根源

 

 

 
右手と左手の話 改訂版
   奴隷、と言っても、リンカーンが解放した黒人奴隷でも、アメリカ当局が「人身売買」と断じている、日本政府がやっている「外国人技能実習制度」でもありませ...
 

 ルターは、「怖い人」というイメージがありますけれども、実際は結構面白い。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.250の、13行目途中 から。

 

 

 

 

 

また、ルターは、人を怒らせるような、ひどいことも言ってました。でもね、ルターは、好ましくて豊かな中産階級が、結婚と子育てをすることを、身をもって、熱心に支持してたんですね。それはそれは、夫も妻も、親しくて対等であり、親も子も、親しくて対等であったのは、気難しいカルヴァン派の改革がもたらした、夫婦や親子の関係とは、比べ物にならない位でした。

 

 

 

 

 

 実に微笑ましいほどですね。夫婦や親子など、上下になりやすい、すなわち、「人間を上下2つに分けるウソ」に飲み込まれやすい関係も、そうならずに、親しくて対等な関係にあったわけですからね。

 

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ニッポンの母子家庭の貧困とニッポンの企業の社会的無責任 vs コモンウェルス 改訂版

2016-01-09 10:09:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
右手と左手の話 改訂版
   奴隷、と言っても、リンカーンが解放した黒人奴隷でも、アメリカ当局が「人身売買」と断じている、日本政府がやっている「外国人技能実習制度」でもありませ...
 

 

 このブログでは、日本の貧困の根源的原因は、労働環境が劣悪だからだ、と繰り返し申し上げています。日本の労働環境が劣悪なのは、日本の政治が愚劣だからです

 アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちは、消費税を10%に上げるのに、企業から摂る税金である法人税は、安くしようというんですね。内部留保と言って、企業がため込んでいるお金が324兆円、国家予算の3倍以上。ニッポンの企業は儲けを独り占めして、働く者に還元してませんから、これだけニッポンで働く多くの人が、貧困にあえいでるんですね。

 こんなことを言うと、文句を言いたくなる人もあるでしょう。「企業だって、頑張ってんだから…」、「自分達で稼いだんだから、その金を自由にしたっていいはずだ…」なんてね。

 私は、それは間違いだと考えます。

 ニューヨークや、シカゴや、ロサンジェルス、ミネアポリス、サンフランシスコ、マイアミ、ホノルル…などに行きましたけれどもね、大きな企業は自社ビルを持ってますでしょ。それは日本も同じです。そうしますとね、1階は何に使うと思いますか? 小売りであれば、お店、銀行であれば、出納窓口、…。いいえ違いますよ。大きな企業ですとね、1階はギャラリーになっていたり、フリースペースになっていたり、するケースが多い。パブリックスペースにして、市民に開放すんですねコモンウェルスcommonwealth、普通[連邦]だとか、「国民」だとか訳されてしまいますけれども、「市民が共有する富」ですね。そういう発想が生きているんですね。

 日本にだって、「入会地」がありましたから、「市民が共有する富」の発想がない訳じゃぁない。でも、市民の感覚がニッポンではまだ弱いから、親分子分の「人間を上下2つに分けるウソ」の通奏低音に侵されている場合の方がはるかに多い訳ですね。企業も得た利益を独り占めにしようとするのが、サモシイ根性なんであって、それを働く者に還元しなくっちゃね。

 秋のNHKの特番の出演していた、カルビー会長みたいに、「働く者は全員正社員にすべきです」。そうすれば、母子家庭の貧困は、ほとんど0になるでしょう。他の子どもの貧困、高齢者の貧困、などの貧困問題ばかりか、介護職や保育者の低賃金、教員の長時間労働問題、なども、ほぼ解消すること間違いなし!

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ジョアンとエリック 面白夫婦

2016-01-09 09:49:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
≪言ってること≫と≪やってること≫の一致してることが、絶対条件
  『人を大事にする術』も第二章~第四章すべてを翻訳しました。昨日で第三章が完訳だったんですね。残すのは、巻頭言と第一章のみ。9割以上は訳し終えたことになります。...
 

 エリックとジョアンが編み出した、ライフサイクルの地図は、自分自身になろうと覚悟を決めた人にとっては永遠の道しるべです

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.2の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ホワイトハウスの会議の少し前、エリックは、「人生の舞台」について話をしなさいと、ロサンジェルスの心理学者らと精神科医らのグルーブに、招待されました。そのような頼まれ仕事は、私どものライフサイクルの生地を、議論し試す絶好のチャンスだと感じましたね。計画では、私ども2人が、最寄りの駅に車を走らせ、そこで、エリックは、ロサンジェルス行きに電車に乗る、私は、大急ぎで家に戻って、子どもたちの世話に戻る、というものでした。

 

 

 

 

 

 ジョアンの文体の方が、具体的なんですけれども、暗喩に満ちていて、エリックに負けないくらいの深みのある文体です。エリックの文体は、長くて、ある意味しつこいのですけれども(多分、エリックは、もともと心配性でしょうね)、ジョアンは、文章が短く、キッパリした感じです(多分、エリックよりも、ジョアンの方が、もともと信頼が豊かだったはずですね)。面白いでしょ。

 

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脱感作とマインドフルネスは真逆!

2016-01-09 02:00:07 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
人々の倫理的な力を呼び覚ます ガンディーの力
  他者の誠実さに自らを委ね続ける態度。trustfulness。ピンとこない人が多かったみたいですね。人は平気でウソもつくし、裏切りますでしょ。それでも信頼し続...
 

 

 MDMAは、かなり効果的ですね。

  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.226の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 トラウマを、落ち着いた、マインドフルな状態から観察できれば、その落ち着いた、マインドフルな状態を、内的家族システム療法では「自己」と呼ぶのですけれども(17章でさらに議論する予定です)、心と脳がトラウマを人生と言う織物全体に編み込んでいる、積極的な状態のことなんですね。これは、伝統的な脱感作がやってきたこととは大違いなんです。というのも、伝統的な脱感作がやってるのは、昔怖ろしかったことを感じないようにすることだからです。落ち着いた、マインドフルな状態は、怖ろしい体験を連想し、人生の物語に組み込むことですね。昔圧倒されるような身の毛もよだつ出来事を、昔そんなこともあったね、という記憶に変えることです。

 

 

 

 

 

 マインドフルネスと脱感作を混同している人も、「専門家」の中にもいるんですね。でも、脱感作なのに、ティク・ナット・ハーンさんのやってることと同じなような顔をしている、違いがよく分かんない「専門家」もいますからね。でも、これは、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちが、人殺しの戦争を、「平和」と呼ぶのと同じくらいの偽装であり、ウソとゴマカシですね。

 ここで、ヴァン・デ・コーク教授が指摘しているように、脱感作は、ある意味、人を鈍感にする、という消極的な状態のことであるのに対して、マインドフルネスは、身の毛もよだつ経験も、ハッキリと自分の人生と言う織物、この言い方は、エリクソンの奥さんのジョアンみたいですが、その織物の中にシッカリ編み込んでいる、積極的な状態のことなんです。感じないことと、ハッキリ認めて折り合いをつけることとは、真逆です。

 

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