先日書いた記事
の続きです。
去年8月、岐阜県に住む美濃羽千枝子(75)さんは、30年近くひきこもっていた息子の治さんを亡くしました。治さんが49歳のときでした。
ひきこもり死の、私が見たニュース内容が11月27日の
NHK首都圏ニュースホームページに詳しく載っていました。
消えないうちに、
私が一番気になった、
「交通事故後にひきこもりになった。」ケースの部分だけ、あらためてここに引用しておきます。
(青文字の部分が引用部分)
治さんはラーメン店などで働いていましたが、20歳のとき交通事故に遭って足を切断する大けがをし、ひきこもるようになったということです。
治さんはしだいに自暴自棄になって母親に暴力を振るうこともあり、自宅の壁などには暴れた際の痕跡が残っています。
美濃羽さんは息子の状況を変えようと市の職員や民生委員に訪問してもらいましたが、治さんが外部と接触するのを拒んで追い返し、それから一切の支援を受けなかったということです。
美濃羽さんは
「息子は『何しにきたんだ』と怒鳴りました。
言われた人はいい気がしないだろうと思い、何一つ、頼めなくなりました。この時が一番つらかったです。
それでも一日一日、なんとか過ぎていけばいいと思っていました」と当時の心境を振り返りました。
治さんはその後、がんが発覚しましたが、治療を受けるのを拒み、母親にみとられて自宅で亡くなりました。
美濃羽さんは治さんが亡くなる直前に語った言葉を大切に書き留めています。
『こんな僕でごめん。もうたたかないから、手をにぎって。お母さん』。
美濃羽さんは「いくら私が努力しても限界がありました。息子のことは絶対に忘れられず、思い出すと涙が出ます」と話していました。
治さんはその後、がんが発覚しましたが、治療を受けるのを拒み、母親にみとられて自宅で亡くなりました。
美濃羽さんは治さんが亡くなる直前に語った言葉を大切に書き留めています。
『こんな僕でごめん。もうたたかないから、手をにぎって。お母さん』。
美濃羽さんは「いくら私が努力しても限界がありました。息子のことは絶対に忘れられず、思い出すと涙が出ます」と話していました。
NHKスペシャルの、「ある ひきこもりの死」の中には、
残念な事に、この方のケースはごくさわりだけしか紹介されず、
「交通事故後に」という部分は一切放送されませんでした。
NHKがひきこもりについて本気で調査するなら、
ひきこもりになった人、
ひきこもり死した人が、
ひきこもりになる前のきっかけが、失業だった、で終わるのではなく、その前も調査してほしいと思います。
たとえ、失業がきっかけだったとしても、その失業に至るまでに、
仕事を休みがち人なったとか、
遅刻するようになったとか、
ミスして上司や同僚とうまくいかなくなったとか、何かの兆候があるかもしれないのですから。
それが、何かの体や心の疾患が根底に潜んでいた可能性があったかどうかの検証につながるのですから。
仕事がうまくいかなくなり失業する前に、
怪我するような事、たとえば、交通事故とか、職場の上司に殴られたとか、
高所の仕事場から転落したとか、なかったか?
NHKはアンケート調査なり、聞き取り調査なりしてほしいと思いました。
ひきこもりのきっかけは失業、で終始するNHKの取材力と考察力は未熟に感じ、
まだまだひきこもりに対する深い洞察と掘り下げ取材が足りないと思いました。
おそらく、番組を作る人たちが、みんな若くて健康で、挫折経験もないような人たちばかりだから、想像力がたりないのかな?と思いました。
だって、脳脊髄液減少症でひどい目に遭い、医師に誤解されて人間不信になった私には、これだけ想像できるのですから。