コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

保台清澄連絡道路 ~ その2

2014-12-10 04:14:23 | 登山



少し休憩した後、再び隧道へ。
確かに手彫りで造ったという隧道の痕跡があります。隧道の中の崩落などは通ってきた
隧道の中には見られなく、外と違い中は歩きやすい感じです。
昔の馬車道だったという記述もありますが、ここの道を人や馬が往来していたという
雰囲気が感じられるような所は少ないですね。








この後は倒木、崩落も少なく旧道がしっかりと確認できる所が多く
歩きやすくなった分、植物を観察する余裕も出てきました。







ほとんど常緑樹の中、ときどき真っ赤に紅葉したカエデが一本あります。








右側の法面にはダイモンジソウ以外にも多くの植物観察ができました。
シロヨメナが多く、まだ残り花を咲かせています。
ここで見られるシロヨメナは葉の形が違っているのが一目でわかりました。。
変種のアキハギクのようです・・・この清澄周辺で見られるアキハギクの種類は
キヨスミギクとも呼ばれているようです。








花は終わっていますが、この株は典型的な形でしょうか。








コクランも点々と・・








進行方向に白い壁が見えて来ました。







片洞門が現れた!

片洞門とは、半分のトンネルという意味で、奥黒部渓谷の水平道のように
斜辺の岩盤をくり抜いて道を造っています。






白い壁は石灰岩だろうか・・・
こんな山奥に残っているなんて、ここまで来た人だけが知りうる遺跡のような物ですね。
かつては重要な道だったに違い有りません。




片洞門を歩いていると、やっと古道を歩いている気分になってきました。
戦前までは、使われていたのだろうか・・・

ふり返って見る。








踏み跡をたどっていくとようやく終わりが見えて来ました。
林道と合流しました。
時間を見ると、午後1時を回ったところ。
日が落ちる前には保台ダムまで戻らなくてはいけません。
先を急ぎます。







少し行くと、林道に頑丈にできた柵がありました。
広大な千葉東大演習林の入り口です。
人も通行できません。 ここを左に・・・元清澄山に向かいます。








ここから元清澄山までは、関東ふれあいの道で良く整備された歩きやすい道です。
この道も、ほとんどが今まで歩いて来た古道と同じように
斜面を削ったように造られています。
この道、関東ふれあいの道として整備されていなければ、同じように
荒れてしまうでしょうね。

新しく散策路として、このような斜面に、ふれあいの道を造ることなど
コストやその後の整備からしてありえないと思います。
もしかしたら、あの荒れた古道から、昔はずっとつながった道だったのでは
ないか・・・そう考えても不自然ではありません。
これから向かう元清澄山は、名前のとうり、以前はここに清澄寺があったので
ついた名前です。
そう考えると、あの古道は清澄寺の参道でもあったのでは・・・

ことの真相は全くわかりません。










細かい上下を繰り返し、痩せ尾根を通過して・・・







元清澄山に到着。
常緑樹に囲まれた、展望のない山頂です。








時間がないので、すぐ保台ダムに向かいます。
以前に来た時に、ダムに下りる道は随分アバウトだな・・・と確認していましたが・・・






下りる方向を見ると・・・

ん~、変わっていないな・・踏み跡ていどか・・・・







下りて行くと、道は痩せた尾根になり、小さなピークを越えて行きます。
左右が切り立った痩せ尾根のおかげで道は解りやすくなりました。
左に曲がる所には案内坂もあります。
案内板は、(大周遊コースR-7)という物と(保外ダム)という物
がありましたが、どちらも同じ下山道を示しているようです。
この下山道は後半が迷いやすい感じでした。
きっとダムが完成してから散策道を多く造ったようですが
これが、いくつも交差しているようです。
しかし現在は、人も訪れることが無くなり、整備もされなくなり
道を複雑にしている感じがします。
登りなら問題ないかもしれませんが、初めて下る場合は注意が必要ですね。
迷ったら、わかる場所まで戻って道を確認することを
お薦めします。



低い山ですが、とても山深いです。
渓で迷ったら怖い所です。 
丹沢あたりなら上に登れば視界も広がるし道もありますが
房総は視界は無く、道も少ないです。






歩いて来た所が見渡せる場所がありました。
モミ、ツガにウラジロガシ、スダジイ、タブノキ・・の森で、植林はありません。











ようやく下の方に林道が見えてくる・・・ホッとしました。
やっと下りて来たようです。
後はダムまで林道を歩くだけです。









緊張感も取れて、夕日を見ながら、ブラブラ林道散策・・・・
リュウキュウマメガキが落ちていました。
上を見上げると、またイッパイ実を付けています。








PM4時、ようやくダムの駐車場に戻ってきました。









荒れた沢を探索するのはいつもの事ですが、気楽に探索するのではなく
最後まで歩き通すとなると、やはり不安がありました。
擦り傷が絶えない行程でしたが、探し歩くことができて、正直ほっとしました。
植物観察にはお薦めではありませんが、普通のバリエーションルート、ヤブコギに飽きた人には
お薦めかもしれません。
ヘッドランプをお忘れなく、あと春から秋は蛭がいます。

                            





コメント
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