コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

凍てついた房総の渓谷  ~ 数々の着生ラン・・・・

2018-01-31 14:42:30 | 登山


先週は大雪で出かけることができなかったので、今週はしっかり歩いて体力をつけようと
丹沢か奥多摩に行く予定でしたが、昨晩からどうも体がダルイ・・・もしかしてインフル?
それでも朝起きたら熱もないし、ダメなら途中で引き返せば良いだろうと判断して
植物探索を兼ねて温暖な房総の山へ・・・・

コースは前回に歩いた続きのような感じですが、もう少し奥へと探索してみました。
前回と同じように渓谷の底へと下りたのですが、まるで冷凍庫の中にいるような凍える寒さ・・・ (+_+)











今回の寒波で周辺もまだ雪が残り、沢沿いの岩場は凍り付いていました。
チェーンスパイクを付けて滑らないように、慎重に倒木帯を何度も高巻したりして
奥へと進んでみます。





















谷底から周辺を見渡しても、ハナミョウガの赤い果実が目立つくらいで殺風景な景色が続くので
前回と同じように、日当たりの良さそうな急傾斜の斜面を登ることにしました。
少し登ったところで見つけた、コショウノキの蕾・・・・やっと春を感じる植物に出会えました。













落葉の積る急斜面を登る時、スパイクを履いた靴で落葉をどかしてから土にしっかり
スパイクの刃を喰い込ませて一歩一歩登って行くのですが、冬山で凍り付いた斜面に
うっすらと積る新雪をアイゼンで払いのけて登るのと同じ感じ要領です。
これなら冬山へ向けての良い運動になりそうです。ひと汗かくと体も温まり、調子も
良くなってきた気もしてきました。 これなら一日歩けそうです。

見上げると深い照葉の森になってきました。













これはバリバリノキですね。













大きな樹に寄りかかって少し休憩・・・・・・・

緑が濃いですね・・・・周辺は巨木も混じる原始の森の雰囲気です。











見上げながら登って行くと・・・・・カシノキランがいる・・・・

・・・・セッコクも


















風通しが良い痩せ尾根に着くと、大きなモミの樹にはマメヅタランが着生しているのを見かけます。
ムギランも点々と・・・・











一度尾根を下り、今度は枝沢を詰めて、途中から急斜面に取り付いてみました。
手がかりがないと登れないくらいの急な斜面ですが、樹木の高い位置を好む着生ランが
目線の位置に着生する環境でもあります。
急斜面に根を張って自生する樹は、根本付近の位置が少し下の樹の中間から上の高さになるので
良い雰囲気になると今までの経験から、目線の位置にも着生している可能性が高いです。


斜面に横たわる大きな倒木が目に入ったので、気を付けてトラバースして
近寄ってみると・・・・小さなセッコクが点々と着いていました。
倒れてから、もう何年もたっている感じです。











倒木に腰かけて、周辺を見まわして見ると・・・・・・

やはり、いました!










この樹は根本付近から一列に並んで着生しています。



これは隣のツルにも着いていますね。










周辺を歩くと、多くの樹にカシノキランの着生を見ることができました。
目線の位置にも多く、樹の上の方よりも根本付近から1~2m付近に多く着生している
樹もあり、急傾斜の斜面を登ったかいがありました。


















花が咲いたら、周辺の森の雰囲気も良いので素敵な花景色がみられるでしょうね・・・・・・

きっと間違いなく素晴らしいと思います。

問題は、その季節に行く気力があるかどうかですね。
この冬の寒波の中、八ヶ岳へ行く方が、どれだけ気楽か・・・・・ (-_-;)


 ~ 午後は少し移動して、沢沿いを気楽に歩こうと思います。




      




ブラブラと歩き始めてわかったことですが、初めて来たこの沢沿いの森
途中からとてもシットリとしてきて樹々にはコケや地衣類が多く着いています。

歩いているとなかなか見えてきませんが、立ち止まってじっと眺めていると・・・
上の方にヨウラクランがいるのが見えてきました。
ガサガサと分け入って、一本一本の幹回りを調べていくと、目線の位置にもいます。

カヤランも一緒にいました。


















もしかしたらクモランもいるかもしれないと思い、何度も見まわしてみましたが
クモランは見つかりませんでした。

GPSで確認しながら周回して戻る予定です。
午前中に歩いた急傾斜の斜面では、GPSで位置を確認してもロストしているか
常に沢の中しか示していなくて正確な場所がわかりませんでしたが、このコースなら大丈夫そうです。

沢沿いの樹々を眺めながら歩いていると、何だか先ほどの森がとても気になってきて・・・・・

もしかしたら、見落としているかも・・・・・・
クモランなどは何度も食い入るように見ていかないと見落としてしまうことが多いです。

どうしても気になったので、周回は止めて引き返してもう一度探してみることにしました。



今度はザックを下して、指で確認しながら上の方は双眼鏡で
目線の位置では、苔や地衣類が混じってモザイク模様のようになっている樹皮に顔を近づけて・・・・・

探すこと30分少々、経験とか感とかではなく、執念で見つけました・・・・ (^^;












一株でも見つけることができたら、後は次々と見えてきます。












こんなに小さい株ですが花が咲いたのですね・・・・果実ができています。











見上げてみたら、すぐ目の前にもいました。











戻ってきたかいがありましたね。

クモランの自生地、これで3か所目です。
これを機会に、またしつこく探してみようと思います。
案外、自生していても見落としやすいので、実際の自生数は多いのかもしれません。

最近そう思えてきました。

まだ房総の山を歩き始めた頃を思うと、一日でこれほど多くの着生ランを見つけられるなんて
想像もしていませんでした。 今日は、行先を変更して正解でしたね。




1月30日

















コメント
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