9月7日 ラッシーママさんと明治座「酔いどれ天使」へ。
本当に久しぶりに良い舞台を見た満足感でいっぱい。
誘って下さったラッシーママさんに感謝です。
コロナ前、芝居は月に3本ぐらい、音楽会や小さな舞台も入れれば年間50本は見ていた。
舞台は私の生きがいの一つ。でもコロナですっかりご無沙汰。
生きがいの一つを失いどうなるかと思ったが、今は何とか慣れて、
2、3か月一度の観劇でお茶を濁している。
コロナが流行り始めてからは劇団新感線の芝居2本と歌舞伎4、5回。演劇を見る会で2本の芝居、寄席が1回ぐらい。
新感線と歌舞伎以外では、2年ぶりに面白く見ごたえのあるお芝居だった。
このところ演劇情報に疎くなってたので、殆ど予備知識が無く、事前に調べもしなかった。
黒澤明監督の映画「酔いどれ天使」のリメーク版ぐらいにしか考えていなかった。
ところがチラシを見ると脚本が私の大好きな蓬莱竜太。
以前見ているのが、こまつ座「木の上の軍隊」、鶴屋南北戯曲賞を受けた「母と惑星について、および自転する女たちの記録」。
両作品とも揺れ動く心の中を巧みで優しい言葉で表現、心に沁みる印象的な舞台だった。
監督は三池崇史。詳しくは知らないけれどバイオレンス映画で有名な方。
この二人がタッグを組んで戦後の混沌とした時代を描くなんて素晴らしい
舞台は戦後すぐの闇市。ここでの顔役は若い松永。
松永のケガを治療した冴えない町医者真田は、腕は良いが酒好き。
松永は真田に肺病を指摘されるも聞く耳を持たない。
そこへ刑務所から松永の兄貴分が出所し、ショ場争いで闇市は更に混沌としていく。
病状が次第に悪化していく松永は、頼りにいていた親分にも裏切られついに・・・・
幼馴染のギンは二人で故郷に帰ろうと勧めているが・・・・
配役が豪華 松永(桐谷健太)
町医者真田(高橋克典)
美代(田畑智子)
ぎん(佐々木希)
兄貴分(高島政宏)
最初はこのコロナの時代に闇市が舞台?と少し違和感があったのだが、
話が進むうちにグイグイと引き込まれていった。
全員が役柄にあう配役であり、特に桐谷健太の鬱屈したエネルギーの表現と格闘シーンが生き生きしていた。
高橋克典は、人生諦めている人にしては若い感じがしたが、演技で補って違和感なし。
田畑智子の芝居は結構見ているが、本当に上手。
兄貴の妻だったけれど もう言いなりにはならないという意志の強さと、
酔いどれ医者と共に生きる決心が、医者のねじ曲がった心を溶かしてゆく。
佐々木希のぎん、ビックリした。
可愛いだけの女優さんかと思ったら発声も素晴らしく、片足不自由でいつも杖をついている姿が自然。
ダンサーの夢破れ闇市の飲み屋で働いていてもいつも松永を励ましている。
うらぶれた役なのに、暗いストーリーの中で唯一華があった。
高島政宏、この方の舞台は初めて見た。
嫌われ者のやくざの迫力が最初の一言で伝わった。流石!!
舞台全体が見事に調和がとれ、あの時代のエネルギーと切に「生きたい!!」と
という人々の願いが感じ取れるお芝居だった。
熱気あふれる舞台に興奮冷めやらずって感じでした。
帰りは甘酒横丁をブラブラ。以前の賑わいは全く無かったですね。
有名なたい焼き店も閑古鳥。
水天宮へ。安産祈願とか犬帯を締める時に祈願する場所なのだけれど、
今はコロナ終焉祈願です。「コロナに罹りませんように、早く終わりますように」
どこかでお茶をと思ったのですが、パフェのある所は狭そうで、お値段もびっくり価格。
最初にお弁当を食べた公園で、コンビニアイスのパフェ。
初めてこういうアイスを食べたけれど、甘すぎず適量で美味しかった。
暫しお喋り。
入場者は用紙に住所氏名を書かなければならず、最初にここで書いたのだけれど、
ラッシーママさんの字が綺麗な事に驚いた。私が恥ずかしいぐらい上手。
失礼ながら以前ちらっと拝見した時よりずっと上手に書かれていた。
お芝居見て、散策して、お喋りして、気分が晴れる一日でした。
この日だけ晴れたのもラッキーでした。
おまけ
甘酒横丁で買った、鳥忠の卵焼き。
だし汁が沁み出て甘醤油味。歌舞伎座前にあった「弁松」の味に近いので、これが江戸風の卵焼きの味なのかな。