教義 <10>
無明
無明とは迷いのこと
また、真理に暗いこと
智慧の光に照らされていない状態を言う
仏教では十二因縁の根源に無明をおく
すべての苦は、無明(迷い)を原因とする
煩悩から発生し、智慧によって
無明を破ることにより消滅すると説く
我というものが存在するという
見解(我見)が無明である
無常であるものを常在と見るが
それが失われると苦しみが生じる
すべての苦しみはこの無明を原因として発生すると説く
この苦しみを消滅する方法は
初期経典には定形文句として
四諦・八正道であると説かれている
この四諦・八正道を知らないことも無明である
たとえば、闇について、多くの人は
「闇は存在する」と漠然と考えている
しかし、闇に光が当たると、
闇はたちまち消えうせる
闇がどこか別の所に移動したわけではない
つまり闇は初めから存在しなかったということである
闇は「光の欠如」ということであって
闇と呼ばれる「なにか」が存在するわけではない
精神的な「苦しみ」についても
同じようにとらえることができる
智慧の光によって、苦しみはたちまち姿を消す
苦しみが、何か実体を伴って存在しているわけではない
実際には無いものを有ると考えるのが
無明である !!!