歴代宝案 <2>
歴代宝案の原本と久米村本は第二次世界大戦で離散焼失したが
秘密裏に久米村に保管されていた写本副本が残った
1933年に沖縄県立図書館へ移管された
その際に公開され初めて研究者が知ることになり
研究され進展し琉球国が対外交流の範囲と
その内容が初めて明らかになる
歴代宝案の内容は
中国明王朝・清王朝の関係文書のものが大半を占め
1424年から1867年まで443年
東南アジア諸国含め往復文書で
約5700文書が収録されている
タイ・マラッカ・ジャワ・バタニア・スマトラ・バレンバン・
スンダ・ベトナムなど東南アジア諸国との外交文書
その中でタイ国との文書が大半を占めている
中国明・清との貢易で琉球からの朝貢品は
馬と硫黄と夜光貝・貝類・牛皮などの産物で
それから、東南アジア貿易で得た産物は
胡椒・香辛料・薬種・象牙・黒檀(鳥木)
赤い染の蘇木・瑪瑙・降香など
また、日本から輸入した主な産物は
日本刀・磨刀石・生紅銅・扇子など
これらの産品は、琉球の産品より
日本・東南アジアのものが重要な地位を占めていた
中国が最も必要としていた物は、
東南アジア産物、日本の産品を琉球に期待していた
そのため大量の海船を下賜されていた
(1385年~1540年頃までに、30隻)
また、船の修理が必要な場合、福建省で
修理が行われていたと多くの事例がある