京杭大運河は北京から杭州まで全長1794kmある世界最長の運河です。
8つの省とその間には黄河と長江の2つの大河をまたいでいます。
蘇州は大運河の南の終点に近い場所になります。
江蘇省や浙江省では今でも多くの船が行き交っており様々な物資が運ばれているようです。
京杭大運河は2014年に世界遺産に登録されました。
でも蘇州の住民にとってはそんなに特別なものでもなく、ただの運河です。
特に何山橋~寒山橋の間はつい最近までは荒地だったり、不法投棄されたかようなゴミの山だったりと、
近づきたくなるような感じの場所ではありませんでした。
荒れ果てていた場所に綺麗な遊歩道ができ、朝晩はジョギングする人達も多く見られます。
夜はライトアップされ、若い人達や子供連れ、お年寄りが夕涼みにやってきます。
京杭大運河の何山橋~寒山橋間は運河の東側が姑蘇区、西側が高新区(虎丘区)になります。
区によってお金のかけ方が違うのか予算が違うのか、
姑蘇区側の遊歩道の方がオブジェもあるし綺麗で夜のライトアップも明るいです。
それでも以前は近づくことさえなかった場所に草花や桜の木も植えられ、
いつでも利用できる遊歩道もできたのはありがたいことです。
10年後もまだ蘇州にいるなら少し大きくなった桜の花見も楽しめるのかもしれません。
大運河の建設は紀元前の春秋時代に始まり2500年以上の歴史を持ちます。
歴代の王朝によって拡張され隋代の煬帝が完成させたとされています。
その後も元代、明代と拡張や整備を繰り返し、最盛期の元代には総延長は2000kmを越えていました。
現在、北京から杭州までの全ての水路が繋がっているわけではありませんが、
北京~天津と済寧~杭州の間はまだまだ現役の運河として水運を担っています。
大きな船や小さな船がたくさん、この船はどこから来てどこまで行くのでしょう。
眺めているとどうやら砂利運搬船が最も多いような感じです。
時々すごい数の船が連結され数百メートルの長さになっているのも見かけます。
最近、地下鉄は48時間(時には24時間)以内のPCR検査陰性証明が必要になったり、
バス路線も減った上に感染者がいる地域のバス停留所には止まらなくなって、
ちょっとしたお出かけすら移動が面倒なことになっています。
外に出ても店も開いていないし、今まで大丈夫だった小さな公園ですら閉まっていたりなのですが、
運河沿いの遊歩道は今のところ出入り自由です。
ただ無料の公園は閉鎖されても立ち入り禁止の紐を張っているだけだったりするので、
そういう場所にはみなさん躊躇なく進入していますけどね。
私の住んでいるマンションでは、3日おき、もしくは2日おきにPCR検査を実施しています。
市外から来る人が隔離なしに入り込むことを防ぐために地下鉄や公共バスは蘇州駅には止まりません。
上海のようなロックダウンは行っていませんが、通常とは言えない状態が続いています。
いつ元の状態に戻すのか、今のところ見当がつきません。