いつも観光客で賑わっている山塘街。
全長約3600mの山塘街はその通りの長さから七里山塘とも呼ばれます。
日本の一里は約3.9kmですが、中国の一里は約500mなので七里になります。
七里を七狸に置き換えた、七狸山塘という別名もあります。
明代に山塘河や街の鎮守として7匹の狸の石像が置かれたそうです。
時々ぶらっと出かける山塘街へ、今回は狸を探しに行ってきました。
7匹それぞれが何らかの象徴、意味を持っているそうです。
山塘街の最も東側(閶門側)から順に、まず最初は山塘橋にある美仁狸。
美仁狸は目にした方も多いはず、一番見つけやすい狸です。
この狸は優雅の象徴です。
通貴橋にあるのは通貴狸、富の象徴です。
この辺りは明清代にとても栄えていた商業地区でした。
星橋にあるのは文星狸、学識の象徴です。
星橋は宋代に架けられた橋で、その後明代、清代に修復、再建されています。
以前は文星狸の横にあるお店の戸板で隠れていることが多く見逃しやすい狸でした。
閶門側から歩くと文星狸のある星橋の先には観光客がほとんどいなくなり、
昔ながらの生活道路に古い家が並んでいます。
風呂やトイレのない家も多いはずで、おそらく取り壊しや建て替えが進むのかと思います。
7匹なので、一里塚のように一里ごとにあるのかと最初は想像していましたが、
どうやら山塘河に架かる橋の袂にいるようです。
橋の数は7つ以上あるはずなのでどの橋にも必ずいるわけでもありません。
次の狸は彩雲狸、幸福の象徴です。
文星狸からかなり離れて北環高架と鉄道橋を越えた場所にあります。
彩雲橋は他の狸の場所と違って簡素な橋です。
元は木板だった橋は宋代に石板になり、現在は鉄筋コンクリートになっています。
七狸を探していると何してるのぉという感じで猫が寄って来ました。
狸の中国語表記には”狸”の他に”狸猫”というのもあります。
狸猫を日本語に直訳するとヤマネコ。。七狸が狸ではなく猫の顔にも見えてきます。
白公狸は健康の象徴です。何となく一番愛嬌のある顔。
普済橋は清代に架けられた立派な石橋です。
花崗岩で造られた石橋は水郷古鎮でよく目にする3つ穴の形状になっています。
海湧狸は縁、ゆかりの象徴です。
虎丘の入り口に架かる望山橋の下にあるので油断すると見落とします。
虎丘周辺は再開発や地下鉄工事などが進んでおり、
山塘街沿いにも民族博物館を建設中です。(もう完成したかも)
虎丘の入り口で山塘街は終点のような気になりますが、まだもう少し先に最後の狸がいます。
ただし、今は望山橋から先の建物の取り壊しが始まっているので、
もしかするとしばらくの間は真っ直ぐ進めなくなっているかもしれません。
山塘街西側の終点は街外れの少し寂しい場所になっている西山廟橋です。
ここにあるのが分水狸。機会、チャンスの象徴です。
狸を探す目的以外にここまで来ることはありません。
明代に置かれたとされる七狸ですが、元の狸は全て消失してしまったそうです。
普済橋に最後まで残っていたひとつも1966年になくなり、
2006年に山塘街の観光地化と共に復活させたものの、雑草の中に埋もれていたり、
店の戸板で隠れていたりと、つい最近まであまり大事にされていなかったようです。
私が初めて蘇州に来た頃は山塘街が観光地化され始めた時でした。
七里山塘景区と呼ばれる広済路から山塘橋の間は入園料も必要で、
店も少なく人影もまばらで今とは全く違う雰囲気でした。
無料化されてからは観光客や店も増えて今のように賑やかになりましたが、
景区から外れた広済路から虎丘の間はまだ昔とあまり景色や人通りも変わっていません。
山塘街のお散歩は片道で考えるとちょうど良い感じの距離です。
賑やかな通りから路地のような石畳の道まで七狸を探しながら歩いてみるのも楽しいかと思います。
でも往復となると夏場はちょっと躊躇する距離になりますので、
七狸を探すなら見落とさないようにどうぞお気をつけ下さいませ。
このような景色は好きです
狸もかわいい?
日本とは少し違います
コロナがますますひどくなり、何処も出られません?
蘇州は大都会ではありませんが、
外国人にとっても暮らしやすい都市だと思います。
昔と比べるとずいぶん便利にもなりましたし。
古い町並みや世界遺産の園林などもあり、
目的もなくぶらっとお散歩に出かけて楽しめる場所が多いのもお気に入りです。
日本のコロナ。。緊急事態宣言はきっと延長なのでしょうね。。