原発の本 朝日新聞特別報道部/著『プロメテウスの罠』学研、2012年3月13日第1刷、269ページ、定価1238円+消費税
今年の3月11日を前後して、福島原発過酷事故の本がかなり出版されました。ボクの読んだ本を紹介していきます。
この『プロメテウスの罠』は「朝日新聞」に昨年10月から連載された記事に加筆した本です。非常に優れたルポなので、できるだけ多くの方に読んで頂きたいです。
以下、目次を紹介します。
第1章 防護服の男
どこへ逃げれば安全か、誰も教えてはくれなかった
無人となったふるさとへ、再び帰れる日はくるのか
第2章 研究者の辞表 (注:木村さんのことです)
住民は本当の数値が知りたかった
全く生かされなかったSPEEDIのシステム
第3章 観測中止令
異常な放射能数値を示すさなかの観測中止令
国会議員の登場で状況一変
第4章 無主物の責任
広島・長崎の内部被曝の悲劇が繰り返される可能性
首都圏にも広がる内部被曝の不安
第5章 学長の逮捕 (注:ベルラーシ共和国の医師のことです)
チェルノブイリ周辺では、今も続く子どもの甲状腺異常
態勢の整わない放射能の検査システム
第6章 官邸の5日間
「撤退を食い止めるには東電に乗り込むしかない」
首相官邸のいちばん長い日
決死隊をつくってでも
いちばん、ビックリするのは、第4章で紹介された「無主物裁判」です。
2011年8月に福島第一原発から45km離れた二本松市のゴルフ場が、東電に放射能汚染の除去を求めて裁判を起こしたのです。
被告となった東電は、なんと「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」「放射性物質はもともと無主物であったと考えるのが実態に即している」
すごいですね!
「ゴーマニズム」の漫画家さんでも、びっくりするような「ゴーマン」宣言!
さすがに、裁判所も「無主物宣言」は無視したようですが、裁判所は、きちんと、こういうアホには反撃すべきでした。
そして裁判は、除染も賠償も、国がいま考えているのだから、それを待て、という判決でした。これでいいのでしょうか?
医師で被爆者の肥田舜太郎さん(94才)は、この記事の同じページで「日本中除染するのは不可能だと国が判断したんじゃないでしょうか…」と言っています。たぶん、そうでしょうね。
そして、たぶん、福島市(人口28万6千人)の避難は不可能なので、福島市への避難指示は出されなかった、のでしょうね。
浜松・放射線量測定情報 雨宮自宅定点A地点 4月2日(月)
2012年(平成24年)4月2日(月)17時15分、晴れ(雲量20%)、無風
11回目から20回目、10回測定
平均値 0.047 μSv/h
最大値 0.051 μSv/h
最小値 0.042 μSv/h
21回目から30回目、10回測定
平均値 0.045 μSv/h
最大値 0.050 μSv/h
最小値 0.040 μSv/h
11回目から30回目、20回合計
平均値 0.046 μSv/h
最大値 0.051 μSv/h
最小値 0.040 μSv/h
測定器 :堀場製作所「RadI PA-1000」
単位 :μSv/h (マイクロシーベルト/時)
測定精度:±10%
測定回数:スイッチオン後10回(1分40秒)パスして、
10秒ごとに60秒積算値を自動表示、20回観測
11~20回と21~30回に分けて結果を表示します
(注:昨年は10回パスして10回観測でしたが、今年1月5日(木)から20回観測に切り替えました。)
測定高さ:地上1m
測定位置:雨宮夫妻自宅の駐車場(コンクリ舗装)のA地点
測定者及び記録者:特記ないかぎり雨宮智彦